| 《4 未来のための縄張り意識(平成21年5月22日)》 ★主人公:名古屋グランパス育成・スクールのグループ長、松永諭氏
サッカーの話です。まずは、サッカーにおける「町クラブ」という存在を理解する必要があります。
『町クラブ:競技の指導と運営を事業とする民間のクラブ。主に未就学児から小中高年代が対象で、下部組織を持つJリーグクラブの対比として用いられる。学校の部活動、自治体の支援やボランティアによる組織と異なり、営利団体として活動する。 一般的に所属選手の育成と対外試合を行う「チーム」を運営。その下に位置付けられる「スクール」は、競技普及と好素材発掘を主目的とする。選手登録が不必要で多くの集客が見込まれるため、クラブの安定的な財源確保の役割も担う。』 商売として成り立つのですね。確かに、練習場所さえ安定的に確保できれば、人件費以外の経費はそれほど必要なさそうです。
以下が本題です。
『痛烈な嫌味だった。「Jリーグが地域貢献を揚げるなら、何も動かないのが地域貢献では。」矛先は名古屋グランパス育成・スクールのグループ長、松永諭(60)。額に脂汗がにじんだ。』 グランパスがスクール事業を立ち上げようとした際に、町クラブの指導者から浴びせられた言葉だそうです。華々しくデビューしたJリーグは、百年構想として、「地域に根差したスポーツクラブ」を核としたスポーツ文化の振興活動に取り組んできました。私を含め、多くの国民が共感したことを記憶しています。それなのに、なぜ?
『知名度のあるJリーグ下部組織の「領土拡大」は、町クラブには脅威だ。…(中略)…「町クラブの一番の財源はスクール。グランパスにスクール生を持っていかれる恐れがある」』 一定の地域に住む子供の数が限られている中、学習塾や習い事、他のスポーツとの競合の他、他のサッカークラブとも競争しなければならなりませんから、営利を目的とする団体にとって商売敵が近くにできたら、確かに困ります。しかも、Jリーグの下部組織となれば、本人も保護者も、強い魅力を感じるでしょう。
『スクール生ではなく、所属選手としてクラブに登録する「チーム」の編成となれば、時として指導者の過剰な子供の囲い込みが横行する。…(中略)…。好素材なら、なおさら流出を避けたいのが本音。チームの強さはクラブのブランド力と表裏一体だ。』 プロチームが優秀な選手を欲しがるのといっしょですね。名前が売れないと、商売になりません。 また、選手にとっても、スポーツである以上、(純粋に運動を目的とする場合を除いて)「勝てるチーム」に所属した方が楽しいでしょう。 ただ、「囲い込み」たい気持ちも分かります。長い時間をかけて育てた選手が、ポンと移籍すれば、指導者としてはやはり悲しいものです。
さて、卓球においては、どうでしょう。そもそも、卓球の指導を生業とするのは相当たいへんなような気がします。福岡県内には、卓球場を持って指導する方や公共の施設で指導する方などがいらっしゃるようです。 小中学生の指導なら、月10,000円〜30,000円くらいでしょうか?(くわしいことはよく知りません。) でも、これくらいの指導料では、経費を除いたらほとんど残らないような気がします。50人くらいいれば、経営が成り立つ? |
No.2349 - 2009/09/25(Fri) 00:20:06
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