富山県は、北方を日本海(大半は富山湾)、他三方を山脈で区切られている。令制国の越中国と領域を同じくする。
東の新潟県との県境は難所親不知として知られる。長野県との県境には飛騨山脈(北アルプス)が聳える。石川県との県境北部は宝達丘陵、南側は岐阜県などにまたがる両白山地である。南の岐阜県境には飛騨山脈や飛騨高地が控える。
山に囲まれているものの、西は倶利伽羅峠辺りで加賀国(現在の石川県南部)以西と結ぶ北陸道が通り、経済的・文化的結び付きは強い。戦国末期には越中の佐々成政と加賀の前田利家が争った。その後、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)によって越中は利家の子前田利長に与えられ、江戸時代の越中は加賀藩とその支藩である富山藩に統治されていた。廃藩置県では一時的に富山県(旧県)及び新川県が成立するも、人口が過小と見なされたことと歴史的経緯により、石川県に併合されてしまう。しかし、石川県議会では富山の水害復旧が放置された上に必要経費を石川側が独占する形となり、治水はおろか生活や教育も苦しい状況となっていた。このような富山軽視の姿勢が目立ったことから分県運動が起こり[1]、旧越中国全域が分離独立する形で現在の富山県が成立した。
岐阜県境の山間部には「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界遺産(文化遺産)に登録されている五箇山、立山信仰などの山岳信仰で有名な立山連峰、山岳観光ルートの立山黒部アルペンルートなどがあり、日本で唯一氷河が現存する[2]。隣接する岐阜県北部の飛騨地方は、山々に遮られる形で岐阜市や名古屋市との交通の便が悪く、比較的近距離である富山県南部との経済的・文化的な結び付きが強い。そのため、富山(越中)と飛騨をあわせて飛越地方と呼ばれる事がある[3]。
北に面する富山湾は「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟している。国際拠点港湾の伏木富山港は、北陸工業地域や環日本海貿易の拠点として発達した伏木港、富山港、富山新港の総称である。また、魚津、滑川、氷見などでは豊富な海産物が水揚げされる。うち、魚津から滑川にかけてはホタルイカの群遊海面、蜃気楼の見える海岸で有名である。
石川県からの独立を果たした明治から産業の発展が続き、北陸工業地帯を形成。YKKや三協立山など大手金属製品メーカーの発祥の地として知られる。北陸3県を中心に展開する北陸銀行や北陸電力などの本拠地でもある。
既に世界遺産(文化遺産)に登録されている「白川郷・五箇山の合掌造り集落」のほか、「近世高岡の文化遺産群」と「立山・黒部〜防災大国日本のモデル−信仰・砂防・発電−〜」の世界遺産(文化遺産)登録を目指す動きがある。「立山・黒部」については自然遺産、あるいは複合遺産としての登録を目指す可能性もある。
方言としては富山弁がある。地域によって、呉羽山周辺を境とする呉東方言と呉西方言、魚津弁などに分かれる。富山弁は北陸方言に属し、特に石川県の能登弁と類似性がある。「新鮮、生き生きとした、気力のある」を意味する「きときと」をはじめ、『広辞苑』に収められている言葉もある。
前述の「きときと」と表現される魚介類に加え、名水百選、平成の名水百選にそれぞれ県内から4か所が選ばれるなど、名水の産地として知名度が高い。
アクセントにおいて、「富山」の地名は、全国的には「とやま」と発音されるが、富山県全域、新潟県の上越市以西および岐阜県飛騨地方北部では「とやま」と平板に発音する。また、石川県加賀地方では「とやま」と発音する(太字はアクセントを置く部分)。
「富山」の地名のルーツについてはこちらを参照のこと。
地理・地域 広袤 国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、富山県の面積は4247.61平方キロメートルである[4]。 国土地理院地理情報によると、富山県の東西南北それぞれの端は以下の位置である。加えて、および県境未確定地域に仮の境界線を入れて求めた重心も併記する。また統計局の平成27年国勢調査によると、人口重心は富山市呉羽本町付近にある。 |
No.30302 - 2022/03/27(Sun) 09:50:17
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