キャリアを積み重ねるという事と、それに比例して徐々に会場をキャパシティの多い会場に変えてきたという事は、バンドの成長の軌跡の一つだ。そういう成長していく過程を見守っていけた事はリスナーとして喜びであり、誇りである。 バンドにとってもリスナーにとっても大切な節目となったライヴを先日観てきた。
チケットを入手してからどんなにライヴを楽しみに過してきた日々だっただろう。ライヴの日にちが一週間を切ってからは何も手につかないような躁(そう)状態になっていた。 落ち着け、私。 と、何度自分に言い聞かせただろう。いつものテンションを保っていれば何でもない事がこんな時にできなくなる。 最寄り駅はどこか。どの駅で乗り換えるのか。会場までの道順を把握しているか。開演時間がこの時間ならば家を出発するのは何時なのか。そしてチケットはちゃんと財布の中に入っているか。 地図を、時間を、チケットを、繰り返し点検する。通常は何も考えずにできるのに、浮かれた状態ではできなくなる事が多々ある、想定外なアクシデントが起こりがちである、という事を今まで何回経験した事か(苦笑)。
一瞬一瞬を大切に記憶に残してくれと未来の自分宛てに祈るような気持ちでライヴに臨んだ。 さあ、100%、楽しむぞ〜! と、意気込んで迎えたライヴは簡単に私の予想を上回るものであり、実際には200%の楽しみをバンドは提供してくれた。 私が観た、あの時、ステージに存在していたのはなんだったのだろう。 人間とは思えない、爆発する何かだったとしか思えないものを、私は確かに目撃したのだ。
魂が抜けてしまったような状態でふらふらと家に帰ってきた。そんな放心状態がここ数日まだ続いている。ライヴが始まるまでの躁状態が嘘のような今の心境である。 本当に全てが燃え尽きてしまったような今の気持ちを漢字一文字で表わすと、虚(きょ)、という文字になるだろうか。 漠(ばく)、無(む)、終(しゅう)・・・。 200%楽しんだライヴだというのに、ネガティヴな漢字ばかりが心に浮かんでくるのは何故なのだろう。 嬉(き)、楽(らく)、喜(き)、幸(こう)・・・。 大きな筆で私の心にそういったポジティヴな文字を書きたいのに。 しばらくライヴを観る予定はないけれど、今、私の心の中で猛威を振るっている、虚、漠、無、終・・・、そういったネガティヴな感情を静めて、次のライヴに向けて気持ちを充実させていこうと思う。 今もチケットの半券を手に取っては、終わっちゃったんだなあとため息をついている。私の心に大きく、終、という文字が浮かび上がってくる。そして同時に思うのだ。 次のライヴに向かって走り出したのは、今なのだと。 |
No.1006 - 2012/01/25(Wed) 23:52:36
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