福満しげゆき著『娘味』(青林工藝舎刊)
大衆が好むものにエロ、グロ、ナンセンスというのがあります。戦前にも不況時に流行ったそうですが、当時の時代劇映画に、今の残酷な動画の書き込みにありますような「この位、平気」「もっとグロいの」と言ったニヒリズムが顕著な作品が多かったようです。
また、それは同時代に台頭して来ました労働者を主人公にした傾向映画と底部で繋がっていると私は思います。それはリアリズムです。
当時、外国から輸入されましたマルクス主義によって大衆は、社会での自分の階層が判ったのです。現在のピケティ氏の分析で、自分の置かれている社会での位置が判り、ニューヨークで99パーセントの人々がデモをおこなったのと同じで、それは大衆の考え、その考えのリアリズムが深化したのだと思います。
エロ、ナンセンスは常態として社会に在りましたが、グロはイスラム国の処刑画像で、一気に火が付いた状況です。
でもグロい画像は敗戦後、ズ〜と流れておりましたよ。
CBSの『これが世界だ』の第二次大戦を振り返るシリーズ番組の中の映像や60年代後半のテレビ番組『ベトナム海兵大隊』の生首国会問題や第二次世界大戦のスチールなどありました。
若い方は生まれておりませんから、今のネット映像に騒ぐのでしょうが、戦場では何でもありで、凄惨な殺され方をした市民、兵隊は多いですし、諸外国の新聞、テレビには今でも、殺人、戦場の現場のグロい映像をニュースとして公開しておる国もあります。
日本は桜木町事件以来、凄惨な死体写真を新聞などに公開するのを控えております。
手に取りたい方は下記アドレスへ。
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