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宮下 文一 様 ヒトリヨガリ募金にご協力いただきましたみな様 みなさんこんにちは。いつも高野病院を応援していただきありがとうございます。 今年は東日本大震災と原子力発電所事故から10年と、世間が大変にぎやかでマスコミも連日のように関連のことを放送していたと思います。仕方のないことだとは思いますが、どうしても今を切り取っての報道になるので、「復興」という名のもとに新しいこと、完結したこと、過去を乗り越えた…というようなお話が多かったと思います。 双葉郡でこの10年二つの病院が建物を壊すしかなくなり、再開できない病院がまだたくさんある中で、新しくできた施設が脚光をあび、まるで最初からそれらの施設はなかったかのような扱いだなぁ〜と思ってしまいました。復興し前を向いているのも真実であれば、いまだ一歩も先に進めずにいる人たちがいるのも事実であることをどうか忘れないでいてくださいね。隣接する特別養護老人ホーム花ぶさ苑は、私の力不足もあり、4月からは町に譲渡し、他の法人が運営することになりました。この10年頑張ってきた事実は変わらないとしても、結果としてこれまでの努力や苦労は何だったのか…と思わずにはいられないのが正直な気持ちです。ただこの地域の住民のためには、施設が「ある」ことが必要だと判断し、苦渋の決断をいたしました。小さな一民間法人では太刀打ちできない、大きな壁を10年間で崩すことはできませんでした。 それぞれの10年です。原発事故後、故高野院長が「この地域が元に戻るには5年、10年かかるかもしれない」と言っていた10年が経ちました。事故直後に描いた10年後の今日は、もっと希望に満ち溢れていたような気がします。変わらなくて残念なことが沢山ある一方で、高野病院にも何一つ変わっていないことがあります。あの混乱の中でさえぶれることがなかった、「患者さんのために」という思いは、今も何一つ変わっていないと自負しています。それだけは良くも悪くも変わることなく、私達が日々の業務を粛々と行う原動力となっています。 これからまた10年、それだけは変えることなく頑張りますね!!これからもみなさんの応援に恥じない高野病院でありたいと思います。みなさんもまだ落ち着かないコロナ禍の中、大変なこともあると思いますが、どうかお身体だけは気を付けてお元気にお過ごしくださいね。また改めてみなさんからいただいたご寄付の使用状況をご報告させていただきます。本当にありがとうございます。 令和3年3月23日 医療法人社団養高会 理事長
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No.744 2021/03/27(Sat) 11:40:30
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