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NEVER SAY3  続き×3 NEW / 由樹
「珍しいとこで油売ってんだな」
猫のようにしなやかな動作で背後から音もたてずに近寄ったポプランがコーネフの隣に立つ。
ちらりと視線だけ投げかけ返事もせずにいたが、それを気にしたふうもなくコーネフと同じように手すりに凭れかかり下を覗き込む。
「しっかし、ほーんと派手にやったよな。あれちゃんとなおんのか?」
あれとは言わずもがな無残にも被弾したコーネフの愛機のことだ。
素人目にはこのまま廃棄されてもおかしくないように見えるが、メカニック達から見ればまだまだ再生可能な範囲らしい。機体の心臓部が無事なら外装だけ交換すればそれですむはなしだ、とチーフメカニックが笑いながら報告してきたのはほんの数十分前のことだ。
ポプランの心配事など杞憂にすぎないのだが、それを払拭することも億劫で無言を貫き通す。
「そーいや今度新型機が投入されるって話あるじゃん。それ回してもらえば?」
ぱちんと指を鳴らしていいこと思いついたとにかっと笑う。
ケチがついた機体とおさらばして新しい機体でやり直せといいたいらしい。
どうやら無言を貫き通したせいで、ボコボコにやられて落ち込んでると思われたようだとおぼろげに理解する。訂正する気もおきないが、そのまま話を進められるのも癪だ。
まだ実戦配備もされてない新型機の性能の予想をつらつらと語るポプランに強引に言葉をかぶせる。
「で、お前さんはなにしにここに来たんだ」
ポプランは予想外のことを言われたように驚いた顔をした後、ぽりぽりと指で頬を掻いた。
「えーと、そうだ。コールドウェルが探してたんだ。なんか司令部に提出しなきゃならないもんがあるとかで」
お前が見つからないから困ってたぞ。
非難するような響きだったが、コーネフは意にかいさない。
左腕の通信機は一度も鳴っていない。本当に必要なときはコールドウェルは遠慮なく呼び出しをかけてくるし、またコーネフ自身もそうするように言ってある。

No.6 2012/06/19(Tue) 23:33:17
NEVER SAY3  続き×2 / 由樹
コーネフが覚えているブラックリーは、軍人のなかでも一際冷めた男だった。
己が戦争の駒でしかないことを知りぬき、一歩離れた場所からこの戦いを見ていた節があった。
だから自身の立場を厭っていたようにも、愚かな思想を包み隠していたようにも見えなかったが、実際には内面にどんな深淵を抱えていたのか、一兵士でしかなかった自分には知りようがなかったのもまた事実だった。
わかっているのはあっさりと翼を捨てて地上に降りたことと、数年後の今再びソラに戻ってきたこと。
ただそれだけだ。

No.5 2011/05/07(Sat) 20:36:48
地震 / 由樹
とりあえず無事です。
No.4 2011/03/13(Sun) 08:07:48
NEVER SAY3  続き / 由樹
そこにいたのは、通せんぼをされて動けなくなった牽引車の運転手に、帰投した機体を点検整備するために待機していたメカニックたち。ポプランのせいで仕事が停滞し、かといって仮にも上官に文句をつけることもできずにおとなしく騒ぎが収まるのをまっていたらしい。
不機嫌そうな顔が並んでいるのを見てポプランがあちゃぁ、と頭を掻いた。
「悪ぃな。今どかすから」
悪びれもなく片手をあげると、仕方がないとあきあらめたような苦笑いがもれた。
これも才能だな。
多少の無軌道さも笑って許される相棒の背中を見送りながらコーネフは薄く笑んだが、釘をさすことも忘れない。
「まったく、こんなところでまで人様に迷惑かけるんじゃない」
「なんだよ、その言い方。誰のせいだと思ってるんだ?」
機体によじ登りながらポプランがコーネフを睨む。
「俺のせいじゃないことは確かだな」
「あのなー」
「いいからさっさとしまってこい。ほらお前たちもこんなところにたまってないで早く着替えて報告書をあげてこい」
後半は完全にギャラリーと化したモランビルたちに向けて言うと、コーネフはまだ文句を言い続けるポプランを無視してその場を離れた。

No.2 2010/10/17(Sun) 02:01:20

Re: NEVER SAY3  続き / 由樹
格納庫を見下ろすキャットウォークの手すりに上体をあずけ、駐機するスパルタニアンをぼんやりと眺める。
工具が擦れる金属音と整備状況を確認しあうメカニックの会話を聞きながら、心はつい数時間前の出来事を反芻する。
黒い機体。目の前で爆散したそれ。
引導を渡したのは自分だ。
トリガーを引いた右手をじっと見つめ、虚空に広がった赤い炎の帯の意味を考え続ける。
撃たれたのは誰だ。
殺されたのは、自分が殺したのは誰だ。
『信念に殉ずることほど愚かなことはない』

No.3 2010/11/25(Thu) 22:50:06
NEVER SAY3 / 由樹
「機体があんなになってんのにケガの一つもないなんて、おまえ悪運が強すぎるんじゃねーの?」
「ああ、そうだな。なんならひとつわけてやろうか?」
「いらねーよ。俺には幸運の女神がついてるからな。弾にあたることすらないぜ。おまえこそ俺の幸運が必要じゃないか? よければ貸すぞ。ツキまくるのは間違いない」
俺が証拠だと胸を張るポプランにコーネフは苦笑で答えた。
「ツキねぇ。お前のツキじゃあたいして嬉しくないな」
コーネフの視線がポプランを外れて背後にむかう。

No.1 2010/07/06(Tue) 01:00:04
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