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○26-00497-01:志水高末:たけきの藩国 ○「あなたにメリークリスマス」 ○文字数:1978文字 以下本文 「では、あの夜の事を話していただけますか?」 「・・・はい。よく、覚えています。肌を突き刺すような寒い日でしたから」 /*/ あの日は聖夜 東国人の国、たけきの藩国といえども 街に人々の明るい笑顔があふれるのは他の藩国と同様であった が、どこでも例外というものは存在する 「俺たちは今宵、しっと団へと名前を変える。世の男女に鉄槌を下さんがためにッ!!」 「閣下」 「どうした竹戸」 「月光さんが酒瓶抱えて泣いてます」 「・・・・・・ほんとはさ、俺、ヨーコさんとデートしたかったんだ・・・」 涙をぽろぽろと流しながら、ぬぐおうともせず飲み続ける月光 あまりにも不憫な背中を見つめつぶやく 「・・・今日は騒ぐのやめるか」 「そうですな、今日は朝まで飲み明かしましょう」 「そうですね。あ、でも九時からアノ人と会わなくちゃいけないんで、僕はその辺までで・・・あ、え?」 「月光、それで殴ったらたぶん死ぬぞ」 「今の俺は手加減できねぇ。竹戸、死んでくれ」 /*/ 街にはささやかなイルミネーションが取り付けられ、夜を待つ 道の中心にはお決まりのツリー 人々はしばし足を止め眺め、微笑む そんなな空気は、子供たちにもただよう 「なぁ、もうすぐクリスマスだけどお前知ってるか」 「なに?」 「枕元に靴下置いておくとプレゼント持ってきてくれるらしいぜ。知らないのかよ」 「え、なんだよお前サンタなんてまだ信じてんの?だっせー」 そんな会話を交わす子供たちを目で追う、腹の出た中年紳士が連れに話しかける 「お二人とも聞きましたかな?」 「聞いた。なんとかしてやらないとな・・・おい志水、大丈夫か」 「ウェッ・・・ウゲッ・・・大丈夫だ。酔いは醒めた。子供たちも大丈夫だ」 「よし、水飲んでから話せ」 ペットボトルを渡され、一気に飲み干す 「・・・俺たちがサンタになろう」 「良い案ですな。ですが時間がありませんぞ?プレゼントはどうします」 「藩国の倉庫に眠っている『アレ』を使う」 「おいおい・・・『アレ』を使うのか!?」 「いえ、『アレ』は元々使われなければただのモノ」 「そうだ、使われてこそ初めて価値があるモノに変わる」 「末端価格1億とも言われる・・・・・・いや、やるか!!」 妙に酒臭い三人の男は周囲の目を気にせず、高笑いしながら走り去っていった /*/ 「ちょっと待ってください!!その中身は藩国の備品でっ」 「はははは!藩王には上手く言っておいてくれみたん!」 「すまねぇな。この借りはいつか返すぜ」 「代わりに私の履いてるふんどしを差し上げましょう。わらしべ長者みたく出世できるかもしれませんよ?」 背後で叫ぶひわみを背に、三人は満面の笑みを浮かべ駆け出す 外はオレンジの世界から星の瞬く世界へと変化する瞬間 夜はもうすぐだった /*/ 「え?備品を強奪して逃げた?」 「はい。ほんとに素早くて私だけではとても」 世間はクリスマスだというのに、私は何をしているのだろう 本当だったら今日はヤガミと・・・ 「藩王様、聞いてらっしゃいますか?」 「ごめんなさい。もう一度」 「ヤガミさんからここに来てくれと伝言が。さ、お出かけの準備を」 「でも、まだ仕事終わってないし。むしろ増えてるし」 「今日くらいは良いでしょう。後は私が文字通り始末しておきますよ」 「みたん・・・ありがとう」 「みたんって言うな」 /*/ その夜、闇夜に溶け込まない赤と白と肌色の何かが街を駆け回る ひわみの組織した捕縛グループも駆け回る 「向こうの道に入ったぞ。追え!!」 志水はなんとか一団をやり過ごし、近くの窓を静かに開け(割)る 忍び足で枕元へ近づき、靴下の中にプレゼントを押し込む 満足げな笑みを浮かべ割った窓から脱出 「いたぞっ」 休む暇なく駆け出す おかしいな。今日は良いことしてるはずなんだが 「お、摂政は見つかりましたか」 響き渡る悲鳴を聞きながら モモは軒下から侵入 枕元の靴下を探すが見つからない 「仕方ありませんね」 苦笑しながら自分の靴下を片方脱ぎ、プレゼントを押し込む 枕元にそっと置き、窓の鍵をあけ闇の中へ 「ヨーコさん。俺、今頑張ってるよ」 星空を見上げそうつぶやき、窓へと目をやる すると目の前にはまだ起きていた子供が 「・・・サンタさん?」 「ああ。さ、靴下を出しな。プレゼントをあげよう」 子供の顔が満面の笑みへと変わる 月光は子供が寝室へ靴下を取りに行っている隙に、プレゼントを窓枠へ置き去る 「あれ、サンタさん?」 周りを見回すと窓のところに靴下が片方 急いで中身を取り出すとそこには 「・・・くつした?」 その疑問を解く者は冬空へと消え去っていた /*/ 数日後、政庁 顔を腫らした男が縛られて転がされていた 「で、なんで備品の靴下を強奪したかはわかりました」 「はい」 「で、なんで靴下」 「子供たちが靴下を好きになるように。あわよくばハント」 「おい」 「靴下が、大好きだからーッ」 そう力の限り叫んだ男の脳天にバットが振り下ろされた ―沈― ここまで 感想: 書いたはいいけど、なんか趣旨と違う?場違い? メッセージは世界に向けてラブソックス ハイ、すみませんorz [No.25] 2008/06/10(Tue) 03:45:54 |