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アリアスは傍らに置かれたリペアスプレーの交換用カプセルに、懸命に手を伸ばしていた。 カプセルはアリアスの体から1m程度のところに置かれているのだが、すでに体力も限界で身体も満身創痍でもある彼にとっては簡単な事ではなかった。 「ぐ・・・ぅぅ・・・」 吹き飛ばされたときに激しく地面に打ちつけた為、腕を伸ばしたときに筋肉が悲鳴をあげてしまい、アリアスを激痛が襲った。 周りではマザー相手にEDF強襲部隊が奮戦し、センターハッチに次々と攻撃を加えている。時折、攻撃を受けたマザーシップの装甲から火を噴く事が多くなった。 おそらくはダメージの蓄積した結果起こった内部での誘爆だろう。しかし、それでもこの巨大な船は傾きもしなかった。 ―――あと・・・あと10センチちょい・・・! 体に残ったわずかな力を左腕に注ぐ。骨がきしみ、筋肉の一本一本が剥がれていくような気味の悪い感覚を覚える。 ―――もうすこし・・・・・・掴んだ! それを無我夢中で痛みに耐えながら身体の近くに引き寄せ、腹に抱え込んだ。よし!!と、アリアスは心の底から喜んだ。が、別の問題を忘れていた。 ―――・・・どうやって開けるよ?俺。 交換用カプセルはそこらのガスボンベとほとんど同じ構造である。違うのはボンベの強度だけだ。これは戦闘中にぶつけたり、落としたりして破損することを防ぐためである。 治療用とだけあって破損による薬物漏れ――実際にはナノマシンが使われているが――は避けなければならなかったからだ。 つまり、いくら銃床でブッ叩いたって穴は開かないということだ。 どうする?先端を押せば出てこない事はないけど・・・。指で押すのは無理だな・・・刺さっちまう・・・。 地面はと・・・土だ。コンクリートなら別だけど・・・これじゃ埋まるだけで意味がない。 ふと、右腕に当たるものがあった。皮製のアンティークなホルスター。中にはルミお手製――というかグロッグ17を違法改造した――グロッグ17Kが入っている。 このグロッグ17K、改造したのにほとんど名前が変わらないのは、ルミがグロッグ17を改造した理由にある。 理由、それは「うちの隊が『第17混成遊撃小隊』だから」だった。名前を変えたくなかったのだ。このグロッグ17Kはフルオート射撃可能で、装弾数が35という異様な多さで、なおかつ9mmバレベラム弾を使用しているらしい。無茶苦茶な改造でマガジンが少しはみ出しているのでカッコ悪い上に、サブマシンガンに間違えられそうなところが欠点。 ルミの『一応、成功!』作品第5号である。 ――これで打ち抜けば・・・! アリアスは早速、ホルスターからグロッグ17Kを引き抜き、銃口をカプセルに向けた。しかし思いとどまるものがあった。 ―――いくら頑丈でも・・・跳ね返ったりしないよなぁ? 今撃とうとしている銃のマガジンに入っているのは、対巨大生物用に作られた銃弾ではなく対人戦用の、巨大生物用の銃弾と比べれば貧弱な銃弾である。 つまりあんまり硬い物を撃つと、貫通せずに跳ね返るかそこで止まってしまうの危険がある。もし跳ね返ってこられたら、少なくともこの体勢ではアリアスに確実にあたる。しかも今のアリアスのアーマーはボロボロだ。 アリアスは比較的痛みのない右手で身体を起こし、5mほど離れた戦車の残骸のまえにカプセルを放り投げた。これで弾丸は跳ね返らないし、もし跳ね返っても十分な距離がある。・・・たぶん。 グロッグ17Kの照準をカプセルの真ん中に合わせる。痛みで腕を上げているのも辛いが、このカプセルを撃ち抜けば痛みはなくなる。 数ヶ月前にEDF本部の射撃訓練場で行なった的当ての感覚が思い出された。ただ薄っぺらい紙をハンドガンで撃つだけの訓練だったが、20m離れた標的を撃ち抜くのは中々スリリングで難しかった。 ふっ、と口元に笑みを湛え、指先と銃を支えている腕に神経を集中させる。そして―――引き金を、引いた。 ―――ズドォン! 残骸に、吹っ飛んだカプセルが当たり、サビ鉄を引っかいたような音がした。アリアスには、はっきり見えている。跳ね返ったカプセルは緑の尾を引いていることを。 ―――よしっ! カザミはもう何度目かと思われるゴリアスSSSの砲弾詰めをしていた。かろうじてレーザーの直撃は避けているものの、乗っているギガンテスは満身創痍であった。 出てくるUFOにも限度があると思うが、未だにUFOはマザーからのレーザーがあたるのも気にせず、しつこく散開しているギガンテス部隊を追い回していた。 不幸にもカザミのAS−99は、吹き飛ばされたときにどこかへ消えてしまい、カザミはUFOを相手する武器がなかった。 爆音がした。500mほど離れた場所に、炎上したギガンテスが暴走しているのが見えた。・・・また、一機やられた。 このままでは一機づつ破壊され、最後に残った車両にはこのマザーのレーザーの全弾が集中するわけだ。これでは勝ち目がない。こちらの戦車が少なくなる前に、なんとしてもマザーを落とさなければならない。ちまちま攻撃していたら・・・。 はっ、とカザミは一つの考えに至った。 ―――まさか、センターハッチにもシールドが展開してるってことは・・・。 そうだとしたら、こんなバラバラに個人用火器を叩き込んでいてもあまり意味がないということだ。 今までのダメージは二つ、もしくは三つ以上の攻撃が重なって加えられたものでしか受けていない、そういうことだ。仮説でしかないが・・・。 「なぁ、全火力を同時に叩き込んだら、ある程度ダメージ与えられるんじゃないか?」 カザミは自分を拾ってくれた青年に向かって話しかけた。 「全火力・・・。やってみる価値はありますけど、どうやって統制をとるんですか?」 確かにそうだ。ローズ元帥が前線にいるならともかく――有り得ないハナシだ――この乱戦のなかでは皆の統制をとるのは難しい。 それに一斉射撃を行なうなら、戦車の火力も合わせなければ大した成果は出ない。戦車砲をマザーに向けて撃つには、一度止まらなければならないし、止まるという事は、こちらもレーザーを真正面から受けるという事だ。多少の出血は覚悟しなければならない。 「それに・・・『ある程度』じゃダメですよ・・・。落とせるほどのダメージじゃないと」 なんと子供じみた考え。カザミは己の幼稚さに落胆した。ああ、伝説の男さえ出てきてくれたらなぁ・・・。 「でも、やらないきゃ、やられるのを待つだけ。ですよね。まず『一回目』のあがきをやってみましょう」 青年は苦笑いを浮かべながら「付き合います」と言った。この青年、案外ノリの良い性格だ。 「あなたが言いますか?」自分のヘルメットの耳の部分をコツコツと叩きながら、聞いてきた。 「いや、俺はまだ少尉だから、そんなこと言ったらブーイングが返ってくる・・・」 この状況でも『まだ』と付けるところがカザミらしい。 「じゃあ・・・だれが?」 カザミはしばらく「う〜ん」と上を向いて考えた。しばらくといっても2,3秒である。そんな長時間考える余裕はない。さらに言うと上を向いても、見えるのはマザーシップの船体だけだ。 「あ」 「はい?」カザミの間の抜けた声に青年が目を細めた。別に「他の事考えてるんじゃねぇか?」という眼差しではなかったが、あまり期待しているような眼差しでもなかった。 「嘘、ついてみるか」 「何言ってるんですか・・・」呆れて青年が手で顔を覆う。 「こんなときにドッキリでも仕掛けるつもりですか?」 「いあ、そうでなくて」カザミはゴリアスSSSを発射しながら、続けた。 「階級。ちょっとサバ読もうかなと・・・」 「・・・・・・別にいいんじゃないですか」 「うむ。OK、え〜と、なんていおうか」 「へへっ」と子供っぽく笑ったカザミは、大きく息をした後、口を開いた。 やっと書けたぁ〜。\(´ー`;)ノ ストーリー集10に突破ですね。結構長くやってるなぁ。 あ、勝手にセンターハッチにシールドが張ってある事にしてすいません^^; [No.10523] 2006/03/16(Thu) 23:24:27 fw1.tcn-catv.ne.jp |
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