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※今回の話は友理の一人称視点です。作中では「あたし=友理」として考えてください。※ 「なんなの…あいつ…?人…食べてた…」「シッ!見つかっちゃう」 先輩はそう言って恐る恐るあいつを見た。「まだいる…待ち伏せしてる」 あたし達の視線の先にいたのは巨大な蜘蛛のような怪物だった。 さっきまでシェルターの入り口近くに陣取り、逃げようとする人を…食べていた。 背筋に寒気が走るあの音を思い出しそうになりあたしは頭を抱える。 今にも泣き出しそうなあたしを先輩は優しく抱きしめた。 面倒見のいい人だった。大学で二年先輩の彼女はあたしの憧れだった。 なんでもできるしっかりした人だった。 あたしが周囲からひんしゅくを買うような失敗をしても笑って許してくれる優しい人だった。 「これあげる」先輩はあたしの手に何かを握らせた。 指輪だった。闇の中でも銀色に輝いている。 「これって…先輩の婚約指輪…」「そう、あなたにあげるわ」 「こんなの…もらえないよ…どうして…?」 搾り出すように言ったあたしの言葉に先輩は悲しそうに目を伏せる。 「死んじゃったの。私の旦那」 出会った時の先輩の表情を思い出しあたしははっとした。 逃げ惑う人波の中、途方に暮れた表情で立ち尽くしていた先輩。 絶望の淵にいる彼女に助けを求めてしまった自分が情けなくてあたしは悲しくなってきた。 「それなら尚更もらえないよ…」返そうと突き出したあたしの手を先輩は握り締める。 こんな状況なのにどういうわけか微笑んでいた。 「どうして私がこれをあなたにあげるのか、わかる?」 わかんないよ…、と首を横に振った。 「私の形見」「え?」あたしが驚いている間に先輩は立ち上がった。 絶対に生き残ってね!、と言い残して走り出す。 先輩が何をしようとしているのか気付き、あたしは息を飲んだ。 止めようとしても、もう手遅れだった。 呆然としていたあたしは、叫び声で現実に引き戻された。 あらん限りの大声で先輩が叫んでいた。 言葉で表すことのできない、音の大きさだけを求めた叫び。 怪物が先輩を追い始める。それを見てあたしは駆け出した。 シェルターの入り口までの10メートルがひどく長い。 短い悲鳴にあたしは足を止めた。 足に絡んだ糸を取ろうと躍起になる先輩に怪物がにじり寄っている。 一瞬、先輩とあたしの目が合った。 「なにやってるの!早く逃げなさい!」先輩は空に向かって叫んだ。 その時はなぜ空に向かって叫ぶのかわからなかったが、今思えばあたしがいるのを悟られないためだった。 最後の最後まであたしを気遣ってくれていたのだ。 あたしは走り出した。シェルターのドアノブに手をかけ、厚い扉を引っ張る。 僅かにできた隙間に身体を滑りこませた。荒い息遣いで壁にもたれる。 息を整えるあたしの耳にあの音が突き刺さった。 グチャ、ビシャッ、バキバキバキ…肉が裂け、血しぶきが飛び、骨の砕ける音。 先輩の作戦のすべてが終わった瞬間だった… あたしはその場に泣き崩れた。 バタン、と音を立てて重い扉が閉まった。 悲鳴を上げてあたしは飛び起きた。 「……ゆ、夢?」闇の中に広がる光景は見なれた自室のものだった。 ふぅ、と息を吐く。ひどく寝汗をかいていた。 あの夢を見たのは久しぶりだ。 以前は毎日この夢にうなされたが、最近ではめっきりと減っていた。 先輩の事を忘れたわけではない、悪夢としてみるのが減ったのだ。 窓の外は暗く、時計を見るとまだ起きるには早い時間だった。 一瞬、サエ君が鉄橋の隙間に消えていく姿が脳裏を過ぎった。 のろのろとベッドから降りて目覚ましのスイッチを切る。 もともとこの時間帯に起きるつもりだった。 予定を二時間早めたところで不都合はないだろう。 もう一度眠る気にはなれない。 夢の中に舞い戻ったところで悪夢にうなされるだけなのだ。 あとがき 長いですね… 今回友理の一人称にしたのは「先輩」のためです。 実は彼女の名前考えてないんですよ(笑) さて、次回から救出編に入りたいと思うのですが… もう出撃させても良いんでしょうか? そもそもバゥの親玉はどこにいるんでしょう? 冨士の樹海だった気がしますが…? [No.10804] 2006/04/15(Sat) 21:15:39 i125-201-45-26.s02.a021.ap.plala.or.jp |
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