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EDF本部 漆は本部の警備に当たっていた。 「警備に当たる」と言っても、ただ本部の周りを回っているだけだ。 傍から見れば放浪癖のある人間に見えなくも無い。 本当に尉官なのだろうか? その警備(?) を終えて漆は正面ゲートに戻ってきた。 「あ、隊長さん・・・」 正面ゲートの警備に当たっていたシノが漆に気づき声をかける。 顔色は余りよくない。 「ン?どうかしたのか?なんだか暗い雰囲気だが。」 「――今日、街にバゥの大群が押し寄せて、被害を被ったのは知っていますよね?マザーシップを破壊しても、まだ世界は平和にならないのかなって・・・」 その問いは誰もが思うことだろう。 ヒト同士の戦争ならば、頭を潰せば終わったも同然だ。 だが、相手は地球外生命体。 おそらく野生生物。 本能だけの生物なのだ。 恐怖を感じず、愛を知らず、ただ仲間を・・・・・・子孫を残すために生きている。 ヒトは2回目の「侵略者」を倒したに過ぎない。 今からほんのわずかの間、「侵略者」の蒔いた種との生存争いをしなければならない。 たとえ・・・自分を犠牲にしても・・・・・・ 「――平和にはならないさ、今は。ヒトが本能の根本に「種の繁栄」と言った執着があるように、巨大生物(あれら)にも「種の繁栄」がある(多分)。その過程で、人が巨大生物を根絶やしにしなければ生きられない。また、巨大生物は人間を食わなければ生きられない。こうなっているのだから、ぶつかるのなら当たり前。・・・ま、早く終わるに越したことはないが、まだ・・・・・・」 漆はそこで口を止めた。 「確かにそうですね・・・。インベーダーにとって『彼ら』はただの駒でしかなくて、人にとっての『彼ら』は脅威でしかないです。でも、『彼ら』はただ生きているだけですものね・・・」 彼女は漆の言葉を直ぐに理解した。 この時ばかりは、あいつがいなくて良かったと本気で思える。 「――シノ・・・。お前は何でEDFに入隊したんだ?」 その言葉を言って、漆は後悔した・・・ 彼女の、目に涙が浮かんできたからである。 「――『彼ら』に・・・『彼ら』に父と母を・・・・・・殺されまして・・・・・・」 「――!あ、え〜っと・・・」 漆の顔は見る見るうちに青くなってきた。 EDFに入隊した者の大半は遺族を殺されたからだろう。 『シノ』の人柄を見れば分かる。 戦闘狂でもなければ自殺願望者でもない。 何処にでもいそうなもの静かな女性なのだ。 漆は今までに何度も失敗はしてきた。その度にまた起こさないように努力をするが、それが実った矯めしがない。 漆は鈍感な自分を呪った。 たとえ、それが無駄だと分かっていても・・・ 「――そのときは『彼』らを怨みました。『なぜ『彼ら』はこの惑星を襲ったのか』『なぜ父を母を奪ったのか?』だから、EDFに入隊したんです。・・・そして、自分の間違いに気づきました・・・貴方の言ったとおりのことを。」 彼女は涙を拭き、そう笑いかける。 「すまなかった・・・・・・」 そう言って漆は頭を下げる。 「いえ・・・私は大丈夫です。私には貴方や、皆さんがいますから。」 そう言ってようやく何時もの笑顔に戻った。 漆は顔を上げる。その顔には、一つの悲しみがあった。 「もう一つ・・・だけ質問させてもらいたい。もし・・・『未来』が絶対に変える事の出来ないシナリオで、バッドエンド。それを知っていても、変える事が出来ないのなら・・・それでもお前はあがき続けるか?」 「私は――」 漆はシノをまた傷つける事を覚悟で聞く。 「私は、そうであってもあがき続けますよ。例え変えられなくても・・・自分がこうしたいと思った事をしなければ、必ず後悔する事を知っていますから・・・」 単純な答えだった。 だが、彼女の強さが伝わってくる言葉だ。 「次にここ来るのは・・・皇帝都市・・・南の島に自生するタコノキ科の――」 「隊長!熱いところスンマセン。ところで知ってるか?今日、バゥが出てきてそのバゥに二人の隊員が連れ去られたって事!」 トールが話しに乱入してきた。 そのため漆の言葉はシノに届くことは無かった。 「連れ去られた・・・誰が!?何処で!?脳みそを吸われて死んだと!?・・・・・・冗談は置いといて。救助隊が向かったんじゃないのか?」 漆は冗談を本気で心配しているかのように演じていた。 間違いなく連れ去られた二人の仲間が見ていたら殺されていたかも知れない。 「いやそれが・・・・・・イヤーナ大佐が救助隊を編成しないって・・・」 「はぁ?」「え・・・?」 少なくとも今の疲弊したEDFには、二人とは言え戦力は貴重だ。 ・・・・・・それに、バゥの巣を発見できる機会でもある。 「隊長!救助に行きましょう!これじゃぁ見殺しだ!」 「――ダメだ。」 漆の口から発せられたのいは、意外な言葉だった。 「俺たちは、『EDF』軍隊(?)だ。偽善者じゃない・・・・・・」 「あんたはそれでいいのかよ!俺はあんたを――」 トールが漆の言葉にキレた。 今にも漆に食って掛かる勢いでいる。 「ハー・・・よく考えろ。『EDF』は軍隊だ。命令もなしに動く事はできない。それに、焦るばかりじゃ周りが見えないものだ。」 「だからなんだ!ヒトの命が係っているときに――」 トールはまた吠える。 漆もまた、溜息をつく・・・ 「なー偽善者(ヒーロー)よ・・・少し考えたら分かるだろ・・・お前がそこまで熱くなるのなら、そいつ等を慕っている奴らが行動を起こす。それに、今の戦力を全て出すと街に奴らが出たときに誰が護る?こんなふざけた命令出す大佐について行くのはかなり愚かだぞ?。」 漆の説明はもっともだ。(アニメや漫画なら・・・) 「確かに・・・」 「分かったなら、ペンキと、少量の火薬の用意。大佐の部屋にトラップを仕掛ける。クックックック・・・・・・」 大佐の部屋にトラップを仕掛ける・・・とんでもない考えだ・・・ 普通なら、減給だけではすまない。 「OK。はははははは・・・・・・」 トールが一言で答えを返した。 「それから、手榴弾を投げ込むなら俺もやる。そう伝えとけ・・・ックックックックック〜・・・・・・」 「OK。ははははははははははは・・・・・・」 またもや、トールは一言で返事を返した。 すでに、シノには止めるすべが無かった・・・・・・ ひとまず、トラップを仕掛けました。迷惑ならば無かった事にしてかまいません。 今、沼史大佐は何処にいるのだろう? [No.10809] 2006/04/16(Sun) 02:59:10 p2089-ipad06imazuka.yamagata.ocn.ne.jp |
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