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――第276独立歩兵小隊詰め所 〇六〇〇時―― サエは小さなアクビをすると、コホン、と咳払いをした。 傍らには、どこから持ってきたのか、プロジェクターを投影するためのホワイトボードが置いてあり、 そこにサエのパソコンのOS名が映し出されている。 「いい?今から私が集めた情報を元に作ったシュミレーションをモニターに映すから、 ちゃんと見て、覚えてね。・・・ルミ?ちゃ・ん・と・見・て・ね?」 ごしごしと目を擦って大きなアクビを漏らしたルミに、サエはスタッカートつきで繰り返した。 サエが机に置かれたパソコンのキーを叩くと、ホワイトボードの画面が一転し、 「≪S≫ MAP system Mt, Fuji――sea of trees」と書かれたポリゴン地形シュミレーターが起動した。 何もない平面な方眼紙のような地面から、地形を表す四角柱が飛び出し、そして緑や青で部分的に彩られ、木々と建物を区別する。 「これは富士山の樹海のマップ。どう?よくできてるでしょ?」 嬉しそうな顔で聞いてくるサエに、アリアスは「うん・・・」と曖昧に答えると 「それで・・・なんで富士山のマップなんだ?」と促した。 「うん。それがね・・・」 サエが再び腰を折ってキーを叩くと、今度はディスプレイの右上にサブ画面が開き、「Sibuya All MAP」と称されたマップが表示された。 「これが私たちの戦った地域」 表示されたマップが拡大され、ある一点から赤いポインタが大量に湧き出し、赤い波となって広がっていく。 「そしてこれが出現したバゥの群れで、青い点が私たち、白い点が民間人なの」 渋谷全域に広がった赤い波は、次々と白い点を飲み込んでいった。その横に青い点が散りばめてあり、その周辺の赤い点が消えていく。 ・・・こうみてみると、赤い波は自分たちよりも数千倍デカイような気がする。 もしあのまま敵勢に突っ込んでいたら、100%の確立で戦死していた。 「で、この黄色い点。これなんだと思う?」 サエは手に持った小さな差し棒を引き伸ばすと、赤い波の上に乗っているかのように表示されている黄色いポインタをさした。 その問いにルミがしゅたっ、と手を上げる。 「はい。スメラギさん」 一々名字で指名されたルミは自信有り気に「拉致された人です!先生」と演技がかった声をあげた。 「はい、よく出来ました。先生、平常点10プラスしちゃう。男子、テストに出るわよ」 その男子二名は完全に茶番を無視し、次の言葉を待った。 「・・・・・・んで、これがそのバゥたちの退却ルート」 ホワイトボードの画面は渋谷地域から離れ、関東、東海までの地図が表示される。そして黄色い矢印が東京の上に現れ、そのまま山梨県と静岡県の境にある「Mt,FUJI」と示された点まで一気に伸びて行った。 「・・・つまり、バゥの群れは富士山まで・・・その拉致被害者(?)を連れてったのか?」 「そう、そーゆーこと」 アリアスの言葉にサエはこくん、と頷く。 「・・・それ、どこから仕入れた情報?」 「ん?EDFのデータベース。少し改ざん部分がアヤシイけど。ま、外部リンクから操作したみたいだし、ちゃんとここら一帯の地震観測所のデータも洗ったから。たぶん流したのは・・・」 「ケタさんか」 サエが再び頷いた。 しかし・・・なぜ捕らえた獲物を富士山まで持ち帰る必要がある?アリ型の巨大生物はその場で敵を食いちぎっていた。別に冬眠するわけでもないし――だいたいまだ夏だ――そんな習性は見たことがない。 「ま、このシュミレーターはあくまで連れ去った道のりの憶測だけどね。なぜ捕らえたエサを持ち帰るのか、については・・・」 サエは再び話し始めた。全てを知るためには、まだ時間がかかりそうだ・・・。 [No.10814] 2006/04/16(Sun) 12:22:02 fw1.tcn-catv.ne.jp |
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