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「前と比べて結構振動がなくなったのねぇ。この戦車」 聞こえてきた声に思わずアリアスは目を細めた。 アリアスのSDL2ホバーバイクと並走しているギガンテスの先頭では、あぶなかしげにミヨコが立っていた。 ミヨコはそんな場所に立っているにも関わらず、前から来る風に心地良さそうに長い髪をすいていた。 「ええ!コイツには新素材のサスペンションが積まれてるんですよ!」 自分の得意分野にはいるとテンションが一段階上がるアレックスが自慢げに声を上げた。 そんなアレックスを尻目に、ミヨコはずっと前を見つめていた。 ・・・ ・・・ 『アリアス?11時の方向、3700mに反応ありだ。数は少ないが、潰しておくか?』 不意にキリヒトから通信が入った。 キリヒトの戦車の中には、個人の携帯するレーダーよりも高性能なものが乗せられていて、常にサエ、もしくはルミが常にモニターしているのだ。 「ええ。一応は。それが任務なわけですし」 アリアス達の任務―――敵偵察部隊と先日、防衛ラインになだれ込み、撃滅された強襲部隊の残党の始末だ。 一つ一つ、全てを潰していくのが目的でもある。 『なにをコソコソ話しているのかしら?』 風に髪を揺らしていたミヨコが振り返って、無線機越しに声をかけた。 口元に面白そうに笑みを湛えている。 「いえ、コソコソなんか・・・。敵部隊を発見しました。今から潰しに行こうと思うんですけど・・・」 『そう。付き合ってあげるわ。少なくとも、あなた達に戦闘じゃあ劣らないから大丈夫』 言いながらミヨコは腰からケーブルに繋がれた、ナイフのようなものを取り出し、アリアスに見せてみせた。 「・・・・・・それは?」 『デュエルナイフ』 「は?」 デュエルナイフ・・・・・・はるか昔、というかムカデが出現した際にアリアスが持っていた陸戦兵用の兵器の中で唯一の非常用近接格闘武器。 形はスターウォーズのライトサーベルそのもので、使い方もそのまんまなのだが、内臓してある小型エネルギーユニットの出力不足で閃光刃の照射時間はわずか1秒。 その1秒の間に巨大生物の中枢神経を破壊しなければこちらが危ないという無意味な兵器である。 デュエルナイフは射撃武器の使用不可能なほど、巨大生物に肉迫された場合を想定した非常用兵器なのだが、 戦死した陸戦兵の大半が強酸での攻撃でやられているため、さほど持っていても威力を発揮しなかったらしい。 それはそうとして、今ミヨコが持っているモノはアリアスが知っているモノとかなり形が違う。 なにやら腰のバックパックにケーブルで繋がっているし、柄も延長されているようだ。 『知らないの?白兵戦では基本中の基本の武器よ』 巨大生物に白兵戦はないだろう、とアリアスはため息をついた。 『照射時間は2.5秒って短いけれど。冷却とチャージには8秒しかかからないわ』 だからといって白兵戦をやるのはあまりにも無謀だ。 「あんまり無理しないでくださいね」 『あらあら。そういうことは私の戦いを見てからいいなさい?』 「はぁ・・・・・・」 ・・・ ・・・ ―――渋谷戦区、エリアH−3 某ビル屋上――― 空に、鳥が飛んでいる。 ムカイは空を見上げながら、さも当然のようなことを思った。 約束の時間はとうに過ぎている。 しかし、待ち合わせの相手が何時間遅れようとムカイは気にしない。 その時間だけ、ムカイは戦いの合間の休息に入る事ができるから。 「ひさしぶりだな」 手すりに手をかけているムカイの背後から、声がかかった。 「遅い」 ムカイはそのまま、キッパリと言った。 「ふん。どうせ気にしてないのだろう。お前は変わらんな。上官に対して敬語の一つも使いやしない」 「もう上官ではないだろう」 ムカイはゆっくりと振り返った。 後ろには、純白のEDF士官の制服をだらしなく着ている初老の男がたっていた。 男は、白髪がかった髪を夏の風に揺らしながら、歩み寄ってくる。 「ワルィの制止やらなんやらで私もそう暇ではないのでな。この老人にも理解できるよう、簡単に用件をいってくれ」 ムカイはふぅ、とため息をつくと、男の目を見ていった。 「・・・彼らを・・・・・・守ってやって欲しい」 「守る、か。どういうふうにかね」 「影からでいい。力を与え、死の道を選ばないよう、正しい道を指し示してくれるだけでいい」 男は眉をつりあげた。 「安全な戦場など存在しないぞ。 それに、現元帥の目につかぬように兵器を支給するのは無理だ」 「彼らに必要なのは、精神と技術だ」 ムカイは言い張った。 どんなに強い兵器をもっていても、その力にうぬぼれ、 自らを破滅させるようでは意味がない。 ムカイは、彼らに知識をもって力を与えてくれ、と言った。 「わかった。出来ることはやってやろう」 男はそういうと、階段に向かって戻ろうとした。 「待て」 男は足を止めた。 「なんだ」 「・・・・・・感謝する。飯島大将」 ムカイの言葉に、男は「ハッ」と笑った。 「昔の名前で呼ぶな。今は影山少尉だ」 そう言って、『旧EDF対人特殊部隊 保安課』、 もとい『シャドウハンターズ』の設立者は階段を下りていった。 [No.11264] 2006/08/14(Mon) 18:17:06 fw1.tcn-catv.ne.jp |
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