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No.11499へ返信

all 戦士たちの一日 - エア - 2005/10/08(Sat) 09:45:55 [No.8479]
ショートストーリーまとめてみました - フェアリー - 2007/06/21(Thu) 17:16:03 [No.11486]
Re: ショートストーリーまとめてみました - ヘリ兵士 - 2007/07/05(Thu) 21:45:10 [No.11489]
Re: ショートストーリーまとめてみました - フェアリー - 2007/07/06(Fri) 10:20:08 [No.11490]
Re: ショートストーリーまとめてみました - 三枝 - 2007/07/07(Sat) 12:43:51 [No.11498]
三枝さんへの返信 - フェアリー - 2007/08/14(Tue) 20:34:47 [No.11509]
ケタの戦い - フェアリー - 2007/06/27(Wed) 14:24:55 [No.11487]
第51遊撃隊 - フェアリー - 2007/07/06(Fri) 11:09:50 [No.11491]
作戦会議 - フェアリー - 2007/07/11(Wed) 18:20:18 [No.11499]
英雄たちの初対面 - フェアリー - 2007/07/25(Wed) 21:52:26 [No.11500]
魔塔 - フェアリー - 2007/08/02(Thu) 12:57:47 [No.11501]
シェルター防衛戦 - フェアリー - 2007/08/12(Sun) 13:25:43 [No.11508]
巨大生物の巣窟 - フェアリー - 2007/08/19(Sun) 10:06:05 [No.11511]
巨獣・ソラス - フェアリー - 2007/08/29(Wed) 23:09:16 [No.11512]
Re: 巨獣・ソラス - フェアリー - 2007/09/06(Thu) 22:07:40 [No.11515]
戦士の休息 - フェアリー - 2007/10/08(Mon) 23:02:36 [No.11519]


作戦会議 (No.11491 への返信) - フェアリー

EDF日本支部 会議室

部隊長クラスも召集されているため、100人以上はいるだろう。
ペイルウイング隊の中でも指折りのエリートを集めた部隊のリョウ隊長や元参謀のチオカ中将の姿も見える。IRTの指揮を担当することとなった猛将、小菅少将もいる。
一番ど真ん中で踏ん反り返っているのは若い女性ながら脅威的な昇級を果たした、生きる伝説となっているローズ元帥。
さすがにその威圧感は会議室の中でも抜きん出ている。
そして異常なほどの泣き虫である、沼史大佐はティッシュ片手に泣くスタンバイ完了である。

会議室は重苦しい雰囲気に包まれていた・・・。
データを入力している沼史はすでに泣きが入ってティッシュを携帯している。

「なんということだ・・」

「・・これはそう考えるしか・・・」
みなが口々に絶望のうなり声をあげる。
会議室一面にある大画面には福岡が大きく映し出されていた。

「初めに派遣された第三陸戦部隊、ペイル「アカネ」隊はすでに全滅したようです。いまは各地のEDF部隊が、救出にむかっております。」

「・・・・すぐに撤退させろ・・」
1人の老人が吐き出すように指示をだす。
その声からは無念さが嫌というほど感じられる。
会議室にはごまんと人がいるが、誰も声を出す気力もなかった。

突如世界各地に現れた巨大生物。そして異常に戦力が集中していた福岡・・・。すべてはエイリアンの作戦だったのだ。

「奴ら」は地下で静かに繁殖させていた巨大生物を、世界各地に一斉に出現させ、EDFの戦力はそれに対応するべく、
世界各地に分散される・・。
そして、各国の目立たないような場所に戦力を集中させ、
タイミングをみて一気にEDFの基地へ攻め込む気なのだ・・・。

日本の場合、福岡が「奴ら」の主力の集結地点だった・・・。

集結しだした今ならともかく、分散した戦力ではとても太刀打ちできないだろう。迅速にこちらも戦力を終結させなければ・・・・。

「おそらく奴らのこの作戦は世界各国にほぼ同時に行われるはずだ、他国の協力は期待できない・・・」

会議室の空気はさらに重くなっていた。
次にどんな指示がだされるかみんな察していたのだ。
そして沼史の使ったティッシュはすでに3袋めに達していた。

「民間人のすべてををシェルターに避難させ日本各地の部隊を東京に集結させるんだ・・・。この総力戦に負ける事になれば・・・
どのみち日本は壊滅だ・・・」

老人はいまいましく大画面のモニターをにらみつけた。

「これは巨大生物が繁殖したなんてことじゃなかった・・・
奴らが・・・エイリアンの地球侵略作戦が再開されたんだ!」

遠距離撮影で画像はかなり荒いが、
そこには福岡に終結している数え切れないほどのUFOが映し出されていた。そして、その後ろには一際巨大なUFOの姿があった・・・

「単純に計算すると我々の戦力は福岡に現れた敵主力の4割程度でしょう、まともにぶつかれば全滅は必死です」

1人の男がそう切り出す。
後ろの大画面には日本の戦力と敵の戦力の詳細があるが、その戦力差は一目瞭然だった。

「それはわかってる・・・あんたはどう戦うかを言えばいいんだよ」
ローズ元帥が不機嫌そうに発言する。
チオカも同感だった。元々会議とかが好きではないのだ。

逆らうと普通にムチでも飛んできそうなローズ元帥に指摘された男は額の汗をぬぐいつつ深呼吸してから声を張りあげた。

「敵の大戦力を撃破する方法はただ1つ!
1点突破による敵の頭・・・マザーUFOの撃破のみです!巨大生物はやつらに何らかの方法で操られている。マザーをやればやつらは烏合の衆ですので。」

「そんなことは最初からわかっている。だからどうやってマザーを撃破するのかを言うんだってば、オマエは。」
ローズ元帥が凍りつくような目で射抜いてくる。
ムチどころか、ロウソク、焼きゴテとかもでてきそうだ。
その迫力に横に座っている沼史はさらに小さくなる。

「そ、、その、敵マザーを撃破するために・・・」
男が泣きそうな顔になっていたので、沼史がそっとティッシュを渡す。男は鼻をかみ、再び声を張り上げる。

「・・・部隊を3つにわけるのです!」

・・・なるほどね。チオカ元参謀はなんとなく作戦の容貌が見えてきていた。

「だが・・これは賭けだな・・」
そう呟くと、自分がどの火炎放射器を使うかを考え出した・・・。

「待ってください。」
科学技術部席から一人の老兵が立って意見を述べる。

「なんだ、八雲博士。」
ローズがその博士の名を述べる。

「攻撃を行うのはまだ早すぎる、巨大生物がどこに潜んでいたのかまだわかっていない。あくまで仮説ですが奴らは前大戦時からこの星の地底に潜んで増殖していたのかもしれません。だとすれば地底にはまだ敵の大部隊が眠っているかもしれないんです。」

「何が言いたい。」
ローズが八雲に尋ねる。

「今インベーダーに戦いを挑めば首都は地底から奇襲を受け大きな打撃を受けます。」

「フン・・敵を倒すために手薄になった本部を襲撃されるのは面白くない・・いっそのこと、こんな基地くれてやるか・・・なぁ、チオカ中将」

ローズ元帥が挑発的な視線をチオカ元参謀にむける。
発言が嫌いな彼をからかう半分、チオカなら自分の言いたいことを察してると信頼しているのだ。

みんながローズの言葉にざわめきたつ中、チオカは渋々立ち上がった。

「空城の計・・・本部のいたるところに爆弾をしかけておき、もし、マザー討伐戦時に巨大生物が基地を襲撃してきたら基地ごと吹き飛ばすのでしょう。」

「上出来だ・・守れぬならば捨てればいい・・敵にもそれなりの代償は払ってもらうがな・・」

ローズは満足そうにつぶやく。そして立ち尽くす男に気づき、
バシィッ!・・と、いつのまにか本当に持っていたムチを足元に振るう。裁判官が木槌をたたいて、「静粛に!!」などといっているのを連想させた。

「んじゃ、さっきいってた作戦を伝えろ・・3つにわけるんだったか?」

「ぁ、はぃ。そのとおりです・・」

男はうわずった声で話し出した。その姿に沼史が同情して泣いている。

「まず第1部隊陸戦兵を中心とした部隊を編成し、最前線に立ち2、3部隊を守るのです。巨大生物の群れは彼らが駆逐します。
抜かれてはならない肉の壁です。

そして第2部隊
長距離バズーカ、スナイパーライフル、ミサイル、および支援兵器をメインに武装し主に上空の敵を迎撃します。

最後に切り札の第3部隊
敵陣が崩れるタイミングを見はかり、戦闘ヘリ、ペイルウイング隊による一点突破にて一気にマザーへの接近、撃破となります」

再び会議室がざわめく・・無理もない、なにかが狂えばそこで終わりという非情な作戦だ。ローズも顔をしかめ考え込んでいる。

「いくらかの少数部隊には特別な指示がでるかもしれませんが、
これが我々の用意した奇襲作戦です」
と、そう締めくくり、男はやっと着席した。

ローズは考えていたが・・・
「まぁ、とりあえずはこれでいいか・・我々には攻撃と防御を同時にする戦力などない、だが、この基地を捨てるのもやはり面白くない・・・」

ローズは立ち上がり、会議室を見渡し声を張った。

「この作戦を実行するのは最後の手段だ・・・部隊長、一般兵、研究員、IRT、誰でも構わん、なにか案がでれば私に報告しろ!」

会議室が再び静寂に包まれる。
ローズはやれやれといった面持ちで会議室を出て行った・・・。


しかしその案が出る前に作戦は練り直しを迫られた。

――――――
『緊急事態発生。巨大生物のオスと見られる羽蟻のような新型の巨大生物が巨大な蟻塚を建て上げた。』


[No.11499] 2007/07/11(Wed) 18:20:18
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