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No.11515へ返信

all 戦士たちの一日 - エア - 2005/10/08(Sat) 09:45:55 [No.8479]
ショートストーリーまとめてみました - フェアリー - 2007/06/21(Thu) 17:16:03 [No.11486]
Re: ショートストーリーまとめてみました - ヘリ兵士 - 2007/07/05(Thu) 21:45:10 [No.11489]
Re: ショートストーリーまとめてみました - フェアリー - 2007/07/06(Fri) 10:20:08 [No.11490]
Re: ショートストーリーまとめてみました - 三枝 - 2007/07/07(Sat) 12:43:51 [No.11498]
三枝さんへの返信 - フェアリー - 2007/08/14(Tue) 20:34:47 [No.11509]
ケタの戦い - フェアリー - 2007/06/27(Wed) 14:24:55 [No.11487]
第51遊撃隊 - フェアリー - 2007/07/06(Fri) 11:09:50 [No.11491]
作戦会議 - フェアリー - 2007/07/11(Wed) 18:20:18 [No.11499]
英雄たちの初対面 - フェアリー - 2007/07/25(Wed) 21:52:26 [No.11500]
魔塔 - フェアリー - 2007/08/02(Thu) 12:57:47 [No.11501]
シェルター防衛戦 - フェアリー - 2007/08/12(Sun) 13:25:43 [No.11508]
巨大生物の巣窟 - フェアリー - 2007/08/19(Sun) 10:06:05 [No.11511]
巨獣・ソラス - フェアリー - 2007/08/29(Wed) 23:09:16 [No.11512]
Re: 巨獣・ソラス - フェアリー - 2007/09/06(Thu) 22:07:40 [No.11515]
戦士の休息 - フェアリー - 2007/10/08(Mon) 23:02:36 [No.11519]


Re: 巨獣・ソラス (No.11512 への返信) - フェアリー

―――――――――――――――――――――――――――
<二手に分かれてキャリアーとソラスの同時攻撃を行う>


道中でそれを聞いていた許深は考えていた。

(どうしよう、あの人の部隊を助けるべきかそれとも・・・)

悩んだ末に彼女が選んだのは、新型巨大生物と戦う方であった。

(あの人なら困っている人を見捨てはしないし、ソラスに負けるはずもない。)



新型巨大生物の見た目は巨大な蜘蛛だった。
(蜘蛛?なんて気持ち悪い。いや、そんなこと気にしちゃいけない)
奴らの見た目が「蜘蛛」というのは、大多数の人間にとって喜ばしいことではない(見た目がかわいければそれはそれで困るが)。
もちろん彼女にとっても悪報である。

「こちら許深、戦闘に参加します。」
ソラスと戦うことを見越して選んだ、思念誘導兵器ミラージュを、
巧みに操り、見方に接近して攻撃準備をとったものから、
攻撃・撃破している。

その完璧とも言える援護も、敵の膨大な物量で迫られてはどうしようもなく、徐々に味方の数は減っていく。

(やむをえない、接近戦でやるしかない。)
ペイルウイングで飛び回り、跳ね回って移動する敵の軌道を予測してサンダーボウの狙いをあらかじめ向けておき撃ち抜く。ものすごいスピードで放たれる糸は近距離では避ける手段がなく、囲まれれば死を意味する。
逃げては撃ち、撃っては逃げ、エネルギーが少なくなったら、息を潜めて待つ。
それでも目の前に蜘蛛が現れ、正確にこちらを察知して攻撃を加えてくる。敵が糸を放つ前に倒したが、驚きのあまり、心臓があり得ないほどに、激しく脈打っている。

(危なかった。こんな戦法で、どれだけ持つかも判らない。もう味方は少ないし、危険だ・・・)

ふいに無線機がなる。蜘蛛はその音を察知して、こっちにまっすぐに向かってくる。

(やばい・・・こんなときに。)
居場所がばれたと思い、すぐに物陰から飛び出すが、少し離れたところで、攻撃準備を終えていた蜘蛛の糸が2本、腕と胸にくっ付く。強酸を含んだ糸が溶け出して皮膚と一体化して取れなくなる。

(痛……このまま降りたら間違いなく殺される。そのまま飛び続けて引き剥がすしかない。)
頭の血管が切れそうなほどに歯を食いしばり、痛みに耐え、
血のべっとりついた糸が剥がれ落ちるのを確認すると、
叫び声とも取れるような奇声を上げ、攻撃を仕掛けてきた蜘蛛を撃破する。

(この状況じゃあ、いずれやられる・・・隠れなきゃ・・・)

ミラージュで民家の窓を割り、中へと入る。血の匂いで、
いずれはバレるであろうが、20秒も持てばユニットのエネルギーは回復する。そうすれば反撃は可能だ。今度は突然なりださないように、無線のスイッチも切って息を潜める。

だが、奴等は待ってはくれなかった。重みで家がきしむ音からすると三匹はいそうだ。

(飛び出して撃てば残りににやられる・・・・ならば、2匹は姿を出さずに殺るしかない。)
至近距離で糸を食らった家の壁が大きく崩れる。

(奴らに姿を見せずに攻撃するにはこれしかない)
彼女がつかんだ武器はサンダーボウ。

電撃系の武器は何かに当たると跳ね返るものと、
そこから接地面に添って進むものがある。
許深が装備しているものは後者であるが、結局はどちらであっても姿を見せずに攻撃することができる特徴がある。
だが、この狭い場所でそれを行えば自滅する可能性は高い。
許深は一か八かの策に出た。

(このまま死ぬよりはマシ・・・)
閃光は主に蜘蛛を貫いたが、その一部を許深も食らい、全身の筋肉が攣ったように、体がいうことを利かなくなる。

(もう一匹・・・耐えて・・私の体・・・・・)
また迫ってきた蜘蛛に何とかもう一度発射する。今度は幸運にも自分には当たらなかった。蜘蛛が「ボオォン」と、独特の断末魔の声を上げる。

(あと一匹で最後・・出会いがしらに決める・・・)
飛びながら家から出て最後の一匹と目が合った瞬間。相手が構えに入る前に、その体に電撃の洗礼を喰らわした。

(あたりに敵はなし……く、体が痛い……)
許深は痺れを癒すため、さっきとは違う民家に身を潜めた。


―――――――――――――――――――――――――――

しばらくして体の痙攣も収まり、近くには蜘蛛がいないことを確認すると、誘導兵器を構え、さっきと同じように遠くの味方に援護する、
無線機をオンにしてみると、ソラスを倒したいくつかの部隊が援軍に向かっていることがわかった。

(もう大丈夫かしら・・・)
蜘蛛との戦いで肉体的に、誘導兵器の連続使用で精神的に疲れていた許深はほっと息をついた。

彼らを乗せたヘリが到着し、兵隊が降下する。残ったヘリはキャリアーの撃墜に向かい、遠くへ消えていった。

彼らは圧倒的な強さで敵すべてを、瞬く間に殲滅する。
それも許深の援護あってのことだろう。


(やっとカサギに会える・・長かった。)

許深はイズキの隊に駆け寄った。

「イズキさん、それとミエキさん。お久しぶりです。」
そういって許深はお辞儀をした。

「あ。君は許深さんだったかな?あ・・・・・」
許深の聞こうとしたことを察してか、イズキの顔が暗くなる。

「どうしました?私、今日は無理してカサギに会いに来たんですよ。ちょっと死に掛けちゃいましたけど」
許深は死にかけたというのに、恋人に会えると思うと
身も心も疲れが吹っ飛んだ様子でうれしそうに話す。

(やっぱりそうか・・・こんな無茶してきたって言うのに、
かわいそうな子だ。だが、伝えねばならないか・・・・・・)
イズキは頭を深く下げ一言伝えた「済まない……」とだけ。

一瞬、許深は「理解できない」というような表情を浮かべる。

「君の恋人、笠木 純一は、すでに戦死してしまっている。」
追い打ちをかけるようなその言葉に許深はようやく状況を理解する。

「え・・・・カサギが?どうして・・・・・」

『嘘でしょ・・・・・?』という、ありきたりな言葉は出さない。
戦死することが、戦場では当たり前であること。強い物でも例外でないことは、今までの戦いで知っていたからだ。それを都合よく恋人だけは大丈夫という考え方を許深はしない。

『大丈夫だ』と思っていたのは、ただ死んでいないことを信じたかった。むしろ死んでいないことを祈っているのと変わりはなかった。

「巨大生物とダロガに囲まれ時、彼は自らおとりを買って出た。
彼が死んだのは俺の責任だ・・・本当に済まない」

そういってイズキはもう一度深く頭を下げた。イズキは自分の責任と言っているものの、許深はそうではないことは理解していた。
もし、自分が死んだらきっとヘリ隊長も同じことを言うだろう。

「彼は、何と言ってましたか・・・」
悲しみで言葉が詰まっている中で、許深やっとの思いでその言葉を出した。

「ミエキ、『あれ』をこの子に・・・・」

「カサギはこれを君に渡してくれと言って、私たちに『生き残れよ』
といって戦死したんだ」
許深は自分のものとおそろいのペンダントを渡された。


許深はそれをしばらく見つめていると、ヘリが飛び立つ準備を終えたため、ミエキが手を取って輸送ヘリに案内した。

(このペンダントは、中に物を入れられる・・・なにか入っているかな?)
許深はペンダントのふたを開けてみと、中には手紙が入っていた。


『お前にはこの手紙を見せたくなかった。
これを見ているってことは俺はもう死んでいるってことになる。

許深、俺を失っても、どうか生きる希望までは失わないでほしい。
もし見失ってしまったなら難しいかもしれないが、新しく見つけることを願っている。

生きる意味なんて言うのは、きっとどこかに転がっているはずだ。
もし見つけることが出来たなら、俺の分もそれを大事にしてやれ。

                              笠木 純一より』

許深は声を押し殺して泣きながら考えていた。

(私の生きる意味は・・・・そうだ。第51遊撃隊・・・私は彼らを失ったら、今度こそ生きる意味を見失ってしまう。)

許深はさっきの無線のことを思い出し、受信元を確認した。

(第51遊撃隊・・・私の隊だ。もしかしたら・・・危ない目に逢ってるかも知れない)

許深はレーダーで仲間の居場所を探す。どうやら本部の南にいるようだ。

「すみませんイズキさん。私ここで降ります」
許深はそう言ってヘリのドアを開ける。同時にヘリ内に嵐が巻き起こる。

「え・・・ちょっ待て」

ヘリの中に吹き荒れる嵐のせいで、イズキの制止など聞こえず、
彼女は飛び降りた。飛行ユニットから極彩色の軌跡を残し彼女はやがて消えていった。

「彼女・・・大丈夫かね?いろいろ混乱してるようだけど」

「確かに混乱してたみたいだけど。もう吹っ切れるとは、
強い子だぜ・・・・それに美人だし」

(幸せ者だったんだな・・・カサギ。お前とあの子の結婚式、
できることなら見てみたかったよ。)


―――――――――――――――――――――――――――

ビルから救出された、第51遊撃隊は一晩ゆっくり休んだのち、
シェルターに攻撃をかけようとやってきた敵部隊の掃討に当たっていた。
しかし副隊長の姿はそこにはない。


「こちら第91独立兵郡特殊部隊、南方向から本部に接近していた多脚歩行戦車と新型円盤は全滅させた、こちらは特に被害なし、以上」
無線の向こうから勝利を告げる通信が聞こえてきた。

「こちら第51遊撃隊、・・・北側から来た敵は掃討した、以上。」
貸したアサルトライフルのことが不安で不安でしょうがない須川が通信を返した。

「雑魚が、お前らみたいな特殊能力に頼りきったやからにEDFが負けるかよ」
ヘリがはき捨てるように言った。

周囲にはEDF本部を攻撃してきて、さっさと弱点を見つけられ文字通り何もできず倒された鏡面円盤。
唯一フェンナのレーザーチェーンソウとの相性の悪さが気になったが、彼女にはそれも余計なお世話だったようだ。

影のゴリアス99とフェンナの至近距離からのレーザーチェーンソウによって無残な姿になった多脚歩行戦車の残骸が散らばっている。

「それにしても副隊長どうしたんでしょうね、あの真面目な副隊長がこないなんて・・・、具合でも悪いんでしょうか。」
ダロガ2台を倒した女戦士フェンナが心配そうに言った。
彼女はもう戦闘中に仲間のことを考えられるくらいにまで成長している。ヘリは部下の成長を喜びながら、フェンナに答えた。

「まあ彼女にも色々あるんだろう、そっとしといてやれよ」

「ですがコールして来なかったことは敵前逃亡ということに……」

今度は傍らのゴリアスランチャーで鏡面円盤の半数を叩き落した佐原が意見を述べた。

(恋人に何かあったのでしょうか?)
影は朝にあったことが気になってしょうがなかった。

「そう言うなよ、なあに、彼女はまた戻ってくるさ、心配する事はない、それに敵前逃亡ぐらい、俺は1回は見逃そうって考えの心が広い隊長なんだ」

ヘリが冗談を言った時だった。
突如地面が溶け出し、地下から何かが顔を見せた。

「こいつ、女王?ちくしょう、地底に行ったやつらは皆殺しか」
それが顔を見せたという事は巨大生物による地上総攻撃が始まったということである。
が、それの姿はボロボロであった。ひきつれている巨大生物も少数で、しかも電撃兵器でつけられたようなやけどを負っている。

(・・・なるほど。地下の奴らはやってくれたみたいだな。
ならば彼らの努力を無駄にしないようにここで俺達がこいつを倒さないといけないな。)

「霧が来るぞ、隠れろ。」
前大戦でクイーンと戦ったことのある佐原が叫ぶ。
言ったとおり、クイーンは酸の霧を噴出した。
しかしそれはあまりに弱弱しい。
佐原は瓦礫の陰に、影はビルの谷間に隠れ、攻撃をやり過ごし。
遠くで見ていた須川は取り巻きに弾丸を撃ち込んだ。

ヘリは走って攻撃範囲から離脱し、フェンナは飛んで攻撃をかわし、クイーンの体に手に持った武器で攻撃する。
クイーンの体はところどころ甲殻がはげていたため、攻撃はクイーンの体を切り刻む。
しかし、クイーンは力を振り絞り、酸の霧を吹きかけてくる。
「ぐ・・、」
霧をあびたアーマーが煙を上げて溶け始めた。
見るとフェンナも同じように霧に苦しんでいる、しかも彼女のアーマーはヘリのものよりずっと薄い。
佐原も影も霧がじゃまでクイーンを見つけることができないため、
アサルトライフルもゴリアスも使えない。

「!」
閃光が一閃して、クイーンに直撃する。
一瞬、クイーンがひるんだ。霧がやむ。
遠くにいた須川だけが、その閃光を放ったものが許深であることがわかった。

「チャンス!」
一瞬の隙を突いて影のゴリアスと佐原のアサルトライフルがクイーンに向けて発射された。
クイーンはゴリアスの直撃を受け息も絶え絶えとなり
アサルトライフルで傷を深められる。
しかしそれでもまだ霧を吹こうと尾をこちらに向ける。

「・・・いい加減にしろ」
取り巻きは許深がやってくれたので、須川は残った女王をハーキュリーで貫いた。
クイーンは咆哮をあげながらひるみ、その隙に腹と胸のつなぎ目をフェンナが念入りに切り刻むと、やがて動かなくなった。
隊員達は歓声をあげて喜んだ。

隊員達が自分達を救った稲妻の発射主のほうを向く。
許深は少し青ざめた顔をしていて、左腕と胸に火傷を負っていた。

「隊長、遅くなって申し訳ありませんでした。ここに来るまでに敵との交戦がありまして」
正確には『ここに来るまで』ではなく『ここに来る前』なのだが……

「なに、つらいことがあったんだろ、今日のうちに立ち直っただけでもすごいよ。それに、すでに活躍してきたようだし……ね」

許深の傷はとても酷い。すでに誰かが応急処置を施してくれたようだが血が包帯ににじんでいる。それを見ればどこかで戦っていたのは一目瞭然だ。

「よって今回はお咎めなし。」
ヘリが陽気に言った。

「副隊長、あの・・・助けていただいて本当にありがとうございました。」
フェンナは命の恩人である許深に心からの礼を言った。

(ここには私を必要としてくれる人がいる。)
許深は恋人がそうしたように、自分も自分を必要としてくれる人のために戦う事を改めて決意した。

「ありがとう、カサギ。私の生きる意味は、この隊その物よ・・・」
許深はつぶやいた。

許深の胸のペンダント


[No.11515] 2007/09/06(Thu) 22:07:40
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