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No.10680に関するツリー

   ショートストーリー集 11 - jagaimo - 2006/04/01(Sat) 00:01:43 [No.10680]
Re: ショートストーリー集 11 - ケタ - 2006/04/01(Sat) 10:50:14 [No.10682]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/04/01(Sat) 12:54:27 [No.10684]
さようなら - jagaimo - 2006/04/01(Sat) 14:38:56 [No.10686]
崩れかける心に - jagaimo - 2006/04/01(Sat) 15:16:15 [No.10687]
乱れる歯車 - jagaimo - 2006/04/01(Sat) 23:32:31 [No.10691]
忠告、そして始まり - 漆 - 2006/04/02(Sun) 03:10:54 [No.10694]
「多忙」 - ケタ - 2006/04/02(Sun) 11:20:04 [No.10696]
彼の命は、何処にあるのか - jagaimo - 2006/04/02(Sun) 19:50:50 [No.10700]
投下 - jagaimo - 2006/04/03(Mon) 21:30:47 [No.10717]
除隊 - ケタ - 2006/04/04(Tue) 07:21:32 [No.10722]
Re: 除隊 - ヘリ兵士 - 2006/04/04(Tue) 19:03:47 [No.10727]
それぞれの追悼4 - 三枝 - 2006/04/04(Tue) 13:42:17 [No.10723]
地面の下の、隊長へ - jagaimo - 2006/04/05(Wed) 23:40:34 [No.10740]
「いなくなった男」 - ケタ - 2006/04/06(Thu) 00:57:05 [No.10741]
The last words - jagaimo - 2006/04/06(Thu) 15:11:46 [No.10742]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/04/06(Thu) 20:57:11 [No.10743]
今は亡き人 - jagaimo - 2006/04/07(Fri) 23:20:15 [No.10747]
「レストラン」 - ケタ - 2006/04/08(Sat) 08:27:42 [No.10748]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/04/08(Sat) 12:46:03 [No.10749]
「異変」 - ケタ - 2006/04/08(Sat) 23:05:54 [No.10760]
巡回 - jagaimo - 2006/04/09(Sun) 00:09:21 [No.10762]
どっちに行けば・・ - 不運な会社 - 2006/04/09(Sun) 06:59:19 [No.10763]
彼の決断 - jagaimo - 2006/04/09(Sun) 15:12:44 [No.10764]
再び戦火の中へ - ケタ - 2006/04/09(Sun) 20:20:03 [No.10765]
Re: 再び戦火の中へ - jagaimo - 2006/04/09(Sun) 23:25:23 [No.10767]
王VS地球防衛軍 - syo - 2006/04/10(Mon) 19:02:46 [No.10768]
明日への任務 - 虎太郎 - 2006/04/10(Mon) 21:05:18 [No.10769]
市街戦 - ケタ - 2006/04/10(Mon) 22:31:25 [No.10770]
遅刻 - jagaimo - 2006/04/10(Mon) 23:21:51 [No.10771]
帰ってきた戦士 - ヘリ兵士 - 2006/04/11(Tue) 19:33:30 [No.10774]
「死守」 - ケタ - 2006/04/11(Tue) 21:54:22 [No.10777]
Re: 「死守」 - jagaimo - 2006/04/11(Tue) 23:37:37 [No.10778]
チームβ - ヘリ兵士 - 2006/04/12(Wed) 18:41:14 [No.10779]
「異動、移動」 - あろんα - 2006/04/12(Wed) 19:12:50 [No.10780]
「エサ」 - ケタ - 2006/04/12(Wed) 20:18:02 [No.10781]
二人の親友 - 三枝 - 2006/04/12(Wed) 22:28:21 [No.10783]
Re: 二人の親友 - jagaimo - 2006/04/13(Thu) 17:07:11 [No.10785]
美しき人 - ヘリ兵士 - 2006/04/13(Thu) 18:49:21 [No.10786]
二人の親友2 - 三枝 - 2006/04/13(Thu) 22:36:15 [No.10787]
「イヤーナ大佐」 - ケタ - 2006/04/14(Fri) 00:03:29 [No.10790]
二人の親友3 - 三枝 - 2006/04/14(Fri) 20:15:02 [No.10791]
自分の世界 - ヘリ兵士 - 2006/04/14(Fri) 21:54:54 [No.10793]
侵入者 - jagaimo - 2006/04/14(Fri) 21:17:15 [No.10792]
「王の最期」 - syo - 2006/04/15(Sat) 00:35:20 [No.10795]
Re: 二人の親友2 - jagaimo - 2006/04/13(Thu) 23:59:00 [No.10789]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/04/11(Tue) 17:24:21 [No.10773]



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ショートストーリー集 11 (親記事) - jagaimo

10もかなり長くなったぁ〜。と11を作成!
みなさんの面白い作品を投稿してください!


[No.10680] 2006/04/01(Sat) 00:01:43
fw1.tcn-catv.ne.jp
Re: ショートストーリー集 11 (No.10680への返信 / 1階層) - ケタ

東京渋谷地下避難シェルター


「・・さてと・・」
K.Mが避難所に置いていた自分の鞄を持ち上げ天井を見上げた。

民間人であるK.Mはマザー戦後東京に戻るEDFの輸送ヘリに潜り込めず、
戦闘中に廃棄されたエアバイクを修復し、なんとか東京まで戻ってきたのだ。

鞄の中には親父から譲り受けたいつものスナイパーライフルが2丁入っている。
「・・親父、もうこれも必要なくなったぜ」
そう呟き、不敵そうな笑みを見せた。

「おっと・・」
不意に誰かがぶつかり、K.Mがバランスを崩した。
「・・・(謝)」
振り返ると20歳くらいの女性が鼻をおさえていた。
ぶつかった際に荷物を落としたのか、足元に雑貨が散らばっている。

「わりぃな」
改めてK.Mが周囲を見渡した。
なにしろマザーUFO撃墜後、避難命令は一応解除され、
多くの民間人が慌ただしく地下避難所から地上へと移動しているのだ。
辺りは雑然と人が動き回り、通路の真ん中でたっていたK.Mは確かに邪魔だった。

「・・(困)」
「ん?」
K.Mにぶつかった女性の顔をみて・・K.Mはハっとした。
眼が・・見えないのか・・・
さすがのK.Mも少し慌てて散らばった荷物を拾い集め、女性に手渡す。

「ありがと・・(礼)」
「お前、名前は??」
「・・・・・」
K.Mの問いに、その女性はわずかにためらった。
「いや、なんとなく聞いただけだ。邪魔したな」
そう呟いて自嘲するように軽く笑った。

2丁のスナイパーライフルを入れた袋を担ぎなおしたK.Mが、
地上へ向かうエレベーターに向かって歩きだした時・・・
「・・・カエデ(微笑)」
女性が・・・カエデが小さく呟いた。





そういや、一応K.Mの隊員リストにそった設定にしているんだけど、
「親父譲りの2丁のスナイパーライフル」「民間人」としか書いてないから、
詳細な設定は俺にもわかんねw


[No.10682] 2006/04/01(Sat) 10:50:14
softbank220060180225.bbtec.net
(No Subject) (No.10682への返信 / 2階層) - ヘリ兵士

ヘリ、影、伊地山、ケタが前方から接近してくる蟻と交戦している
「おらおらおらああああ」
ヘリのAS−22RRが道路の向こうの蟻に向かって連射される
弾丸を受けた蟻は壮絶に体液をばら撒いて死んだ
遠くで近くで自衛隊のアサルトライフルのかわいた銃声とバズーカの砲声が聞こえてくる
ケタのショットガンがビルの壁から顔を出した蟻に炸裂した
蟻の頭を散弾が吹き飛ばし、蟻は体液を吹きながら死んだ
「……ヘリ、ドリルの出番はないんすか?」
伊地山がヘリに尋ねる
「無い」
「そんなあ」
「市街地でドリルランチャー使ったらどんな被害がでるかわからんからな、敵が大した事無いいじょう使うわけには…」
「ひどいっす、ヘリは俺を騙し達す


[No.10684] 2006/04/01(Sat) 12:54:27
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
さようなら (No.10684への返信 / 3階層) - jagaimo

「前にも注意しろ!後退しつつ射撃!」

カザミは次々と流れ込んでくる巨大生物を最後尾で撃ち殺しながら、レーダーに目を移した。

レーダーには6つの白い点と、帯のように連なった赤い点が映っている。しかも赤い光点の数が異常に多い。

「む、無理だ!後退!ムカイ、先導!」

言うより早くムカイは隊員たちの前に立って走り出した。

アリアスとサエがカザミの後ろから撃ちかけている。その後ろではアレックスがユニットの重さにヘバっているルミの手を引いて賢明に走っていた。

――ハッ、板についてきたじゃないか。

もうお前らには俺は必要ないか?と考えていると、かなり深さのある円柱状の広場に、岩の橋が何本も形成されている場所に出た。

幸いな事にそろそろ出口に近づいている。もう少し敵の進行を抑えていれば脱出できる。

と、突如、ライフルの火線を抜けたバゥが、カザミのまえに躍り出た。

「!?」

反射的にライフルを構え、糸が飛び出す寸前の尻の部分を粉砕した。が、それで終わらなかった。身体の一部を破壊されたバゥがカザミに向かって突っ込んできた。身を捻ってかわそうとするが、さすがに相手がでかすぎた。

「あがっ・・・!」

突っ込んできたバゥの頭が、カザミの身体に直撃した。身体の骨がきしむ感覚がはっきりと伝わってきた。

―――まさか、マジで死ぬなんてな・・・。

薄れ行く意識の中、部下に生き残ってほしい、その事だけを願い、カザミの身体は宙を舞って、奈落の底に落ちていった。


[No.10686] 2006/04/01(Sat) 14:38:56
fw1.tcn-catv.ne.jp
崩れかける心に (No.10686への返信 / 4階層) - jagaimo

「うう・・・うううぁ・・隊長ぉ・・・」

アリアスの足元で、サエが身体を震わせて涙を流していた。感情を抑えられず、時折コンクリートの地面を手で叩いている。

アリアスも泣きたかった。むしろ今泣いていない自分が、卑怯な人間にも思えた。しかし、サエが泣いている。ここで自分が泣いては、誰がサエを悲しみから救うのか?

アリアスははっきりと見ていた。いきなりカザミの前にバゥが出たかと思うとカザミの身体が宙を舞い、そのままの勢いで穴の底に落ちていった瞬間を。

あの後、カザミのあとを追おうとするサエを羽交い絞めにしてまで引きとめ、無我夢中で銃を乱射しながら洞窟を出た。

記憶が定かではないが、自分のアタッチメントにあった手榴弾を全て投げ、しまいにはサエの腰にあったプラズマグレネードまでも使った気が・・・。(汗)

アリアスは顔を歪めながら周りを見回した。

アレックスとルミは体育座りで寄り添いながら、手をつけられないほど落ち込んでいる。ムカイはなにも言わないまま空だけを見つめている。

でも隊長は生きている。そう俺は信じてる。絶対生きている。だって、隊長は吹っ飛ばされた時、確かに俺の顔を見て励ますように笑ったんだ・・!

ああ、くそっ・・・涙が出てきやがった・・・。

「うう・・・」

と、アリアスが必死で涙を止めようとしていると、サエが足に引っ付いてきた。

「ちょっ、サエ・・・。え・・・えと」

アリアスがかける言葉に困った。こういう時に、アリアスは自分がまだ幼稚だと思う。そして、軽く衝撃がした。

「あ・・・サエ・・・?!」

一瞬、何があったのかまったく分からなかった。サエが立ち上がったと思ったら、いきなり顔が近づいてきて・・・気がついたらサエの髪が自分の前で揺れていた。

「くぅ・・・・・・なんでぇ」

「え?」

サエに抱き付かれてしばし魂がどこぞへ飛んでいたアリアスは、サエの声にふと気を取り戻した。

「なんで・・・みんな気が付いたら死んじゃってるのよぉ・・・」

そうか、とアリアスは唇を噛んだ。EDFの隊員だったサエの両親も、前大戦で亡くなっているのだ。

サエは家に送られてきた両親の変わりきった姿に、何を思っただろうか、何を感じただろうか。近くにいた人が、ふとした瞬間にいなくなってしまう。この少女は同じ悲しみを2度も味わったのだ。

アリアスは不覚にも、自分の頬に涙が流れるのを許してしまった。



必ず守らなきゃいけないものが、自分の命よりも大切なものが、一つ増えた。


[No.10687] 2006/04/01(Sat) 15:16:15
fw1.tcn-catv.ne.jp
乱れる歯車 (No.10687への返信 / 5階層) - jagaimo

「隊長・・・帰って来ないのかな・・・」

第276独立歩兵部隊詰め所にルミの声がぽつりと響いた。

「ルミさん・・・俺たちで探しに行こうって言ってるじゃないですか」

アレックスがどこか悲しげな声で説得する。

カザミが行方不明になったのはマザーシップを落としてから、わずか四日目の出来事だった。
誰かが死ぬかもしれない、という緊張感に疲れ、穏やかな空気が流れていた最中に起こったのだ。隊員たちのショックは大きかった。

「だって・・・生きてるかどうか分からないじゃない・・・」

「だからぁ生きてるんだって!」さすがにアリアスも痺れを切らし、声を荒げた。それにアレックスとサエが続けて言う。

「ルミさん。隊長は生きてますよ」

「そうだよ。信じてればかなら・・・」


「・・・分からないじゃないッ!」


ルミは立ち上がってヒステリック気味に叫んだ。目の端には涙を溢れさせ、拳を握り締めている。

「・・・あいつは、生きている」

それまで黙り続けていたムカイが、自らに言い聞かせるように呟いた。

カンタンに死ぬようなやつではない。ムカイはカザミがデキソコナイの時から見てきた。
明るく振舞って、いつも周囲の雰囲気を気にして、いつも戦闘で頼りになっていた。だから、戦死した前の隊長は、カザミに背中を守るように指示したのだ。背中を任せられる仲間として。

と、ルミがなにか唸っている。それ以前に、震えていた。
どうした?とアリアスは声をかけようとした。

「どこにそんな根拠があるのよッ!なんでそんな事いえるのよッ!どうせ隊長はもう・・・」

「ルミ!」サエが怒鳴り、最後の言葉を遮る。皆が一番言ってほしくない言葉だった。

「なによッ!サエに何が分かるのよ!」

「ルミ!やめろ!」

ルミが泣きながらサエに向かっていった。完全に喧嘩腰だ。思わず皆が腰を浮かし、止めようとしたが・・・

かん高い音がした。ルミがサエの頬を――叩いたのだ。

「る、ルミぃ・・・」

叩かれたサエはベッドにへたりと座り込んでしまった。まさか、あの明るいて優しい、良い子のルミが自分を叩くなんて・・・と。




マザー撃墜からわずか四日目。彼の行方不明によって小隊の関係は最悪の状態になりつつある・・・



なんか「崩れかける心に」が恋愛小説みたいになってるw


[No.10691] 2006/04/01(Sat) 23:32:31
fw1.tcn-catv.ne.jp
忠告、そして始まり (No.10691への返信 / 6階層) - 漆

都内某所〜某焼鳥屋〜

その店には、数名の客しかいなかった。
それもそのはずだ。ほとんどの住民は地下シェルターに避難しているのだから。
この店が残っている方が奇跡的なのかもしれない。

「ん!この焼き鳥旨いな!こんな店知っているなら、もっと前に教えてくれよ。」
店の中に一人の男の声が響いた。
――『カイ』漆の『自称兄貴分』であり、色情狂である。
「お前に教える必要性を感じなかった・・・・・・」
その声には溜息のような物が感じられる。
「どうした?元気がねーぞ。」
「――『何が悲しくて、お前ら3人と来ているのか』と。いや、猫だが・・・おやっさん。猫入れて大丈夫か?」
おやっさん(店長)は「今日だけだ」と首を縦に振る。

やれやれと、漆はまた溜息をついた。
「で、お前はなぜ『ここ』来ている?最近、あのおっさんの行動が活発化いるから、用心しとけ。や、俺の体を蝕んでいるこれを如何にかしろとでも。」
その場の雰囲気が変わった。
少しの沈黙の後、カイが喋りだす

「――半分正解・・・もう半分は、Ξに。『自分を見失うな』とだけ言って置く。」
それを聞いて、漆はまた溜息をつく。
「忠告は受け取っておく。これでシナリオが変わることを祈る。」
漆は自分には関係が無いとでも言うように答える。

「他力本願かよ。少しは自分で―」
「俺は、『自分』ってのがあまり理解できていない。この考えすら、『自分』で感じているのかさえ分からない・・・・・・ま、シナリオが視えている以上自分の役はやり通すつもりだ。」
最後の方の言葉はいつもの口調に戻っていた。
同時にその場の雰囲気も柔らかくなる。

「お前らしいな。その分なら、きっと大丈夫だ。ところで・・・お――」
「すまないが、閉店の時間だ。」
おやっさんが閉店だと声をかける。
辺りを見渡せば、残っているのは4人だけだ。


会計を済ませ、漆が外に出る。
SKは漆が会計を済ましている間に帰ってしまったようだ。
「全部俺のおごりか・・・懐が寒い・・・」
「そういうなって。いつか倍返ししてやるからよ。」
カイの気楽な声が聞こえる。
何の慰めにもなっていない。
「期待はしないさ・・・あいつっらによろしく言ってくれ。死人」
「分かった。が、死人とは少し違うぞ。ま、そこ等へんは次に在った時でも。じゃあな歩く核弾頭をよろしく!」
そう言ってカイは闇に溶け込んで行った。

「・・・・・・何だったんだろあいつ・・・ま、いいや。俺は帰って泥酔で―」
「おっと!」
前を見ていなかったのだろうか。一人の男が後ろからぶつかってきた。
「少し考え事をして歩いていたよ。ぶつかってすまない。」
長身の男だ。年は中年ぐらいだろうか。
特徴的な喋り方をしている。
「いえ、こちらこそ・・・」
「急ぐのでね、これで失礼するよ。本当にすまなかった。」
そう言って彼は去っていった。
何処かであったような気がしないでもないがと思ったものの、思い出せないでいた。

「ま、いいや。」
そう言って、漆は帰路に着いた。
「俺の命も・・・あと少しか・・・・・・」


――未来それはシナリオ。
――全てはシナリオに沿って動く役者。
――果たして、人は役者から自分になれるのだろうか?



遅くなりましたが一応、マザーシップ撃墜した日です。
どうでも良い事でしょうが今、後ろで野良猫が、ゴミをあさっています。


[No.10694] 2006/04/02(Sun) 03:10:54
p2180-ipad01mazuka.yamagata.ocn.ne.jp
「多忙」 (No.10694への返信 / 7階層) - ケタ

東京EDF本部 ローズ元帥の私室


軽いめまいにおそわれたローズはパーティもケタと話したあと、
早々に抜け、自室で休んでいたのだが、
よほど疲れていたのか、そのまま寝入ってしまい、気が付けば朝になっている。

「ヤレヤレ・・」
ローズは机の上に山のように積まれた書類を見てため息をついた。
マザーUFO撃墜の後処理、残骸の処分、
他国への救援要請への回答、この先の自衛隊への活動方針など、
文字通り目の回る忙しさだった。

英語で書かれた書類を1枚取り、軽く目を通す。
・・・だが、すぐに書類を机の上に戻した。
「どこの国も救援要請ばかりか・・・確かにマザーは倒したが、
そのおかげでうちの戦力はガタ落ちなんだぞ・・」
そう自嘲するように呟いた。

未だにマザーUFOによる侵攻を受けている他国にとっては、
マザーUFOを撃墜した日本EDF隊の力を借りたい気持ちはよくわかる。
・・・だが、現状の日本EDF隊には、もはや最低限の戦力しか残っていないのだ。
それほど激しい消耗戦だったのである。

ピピピ・・・

鳴った電話をすぐにローズが取る。
大抵の用件はチオカが事前に答えるので、ローズの私室に来る電話は
急を要する件の場合が多い。

「どうした?」
「チオカです。巨大生物出現との報告が・・・」
ローズが再びため息をついた。





この巨大生物はバゥじゃないので。
ムカデでも、そのへんにでた蟻でもなんでもいいです。
ローズの忙しさのために報告しただけで、意味はない!


[No.10696] 2006/04/02(Sun) 11:20:04
softbank220060180225.bbtec.net
彼の命は、何処にあるのか (No.10696への返信 / 8階層) - jagaimo

「それで、どうやるんですか?」

アリアスは腕組みをしているムカイに声をかけた。

すでに上層部から「人員は出さない」という条件付きでカザミ救出作戦実行の許可は得ていて、あとはムカイの作戦指示を待つだけだった。

早々に作戦を実行しなければカザミ生存の可能性が低くなってくる。

ルミとサエのいざこざは解決はしていないものの、アレックスが呼びに行ったのでおっつけ来るだろう。
サエもなんとか立ち直っている。

「・・・まず、地下の巣穴に反応探査機を投下する・・・」

ムカイはおもむろに話し始めた。作戦はこうだ。地下からの救難信号、及び生体反応は地上では受け取れない。

なので探査機を地上のいたるところにある亀裂から投下し、位置を特定。カザミの位置に一番近い入り口から突入、すみやかにカザミを発見、救出する。作戦の際の戦闘は最低限、避ける。

そして、もし探査機生体反応がない場合は・・・。

「断念する」

「・・・・・・」

「そして、戦闘指示は・・・お前だ」

ムカイはアリアスを見て言った。つまり、それは・・・カザミの生存が確認されなければ、次の隊長はアリアスだという事になる。

「・・・・・・はい!」

アリアスは一瞬の同様の後、しっかりとムカイの目を見返して返事をした。


[No.10700] 2006/04/02(Sun) 19:50:50
fw1.tcn-catv.ne.jp
投下 (No.10700への返信 / 9階層) - jagaimo

「いきますよ?」

サエが探査機のケーブルを持ちながらムカイを見た。ムカイが頷くと、サエはそのケーブルから手を離した。探査機は支えを失い、一直線に闇の中へと消える。

「あとは待つだけか・・・」

アリアスが遠くを見るように目を細めた。本当の所、探査機を入れたくなかった。これでカザミの安否が確実に分かるからだ。つまりカザミがもし、生きていなかったら、真実を知って希望を失いたくないのだ。

「サエ・・・」

後ろで声がした。振り返るとルミがすまなそうな顔をして立ち尽くしていた。おそらく昨日のことだろう。

サエはルミの前に真顔で仁王立ちすると、冷ややかな声で言った。

「なに?」

「ええと・・・ゴメンなさい!サエ!あたしのこと殴ってもいいから!許して!」

ルミはいきなり腰を折って謝り始めた。泣きながら必死で許しを請うルミに、サエは苦笑しながら「顔を上げて」と声を掛ける。

「サエぇ・・・叩いてもいいから・・・」

「・・・わかった。叩くよ」

サエは思いっきり振りかぶった。超オーバー予備動作に、おもわずルミが目をつぶる。が、サエはルミの頬を叩かなかった。ルミが顔を上げると、そこにはサエの満面の笑みがあった。

「もういいよ。わかってるから」

「うう・・・サエぇ・・・サエ!」

ルミはほっとしたのか、サエに思いっきり抱きついた。無我夢中でなきじゃくるルミの髪を、サエがそっと撫でてやっていた。


そのとなりで、二人の抱擁を根っこからムシした男衆三人がレーダーをじっと見つめていた。



道行く陸戦部隊、またはヘリから大地を見下ろしていたEDFの隊員達は、5人を奇異の目で見ていた。


[No.10717] 2006/04/03(Mon) 21:30:47
fw1.tcn-catv.ne.jp
除隊 (No.10717への返信 / 10階層) - ケタ



清々しい朝だった。

気持ちのいい風と陽気を顔に浴びながら、ケタは数時間前の事を思い返していた。

ヘリ達との最後の戦闘が終わり、基地に戻ったケタを待っていたのは、
EDF隊の将校だった。
そして、数枚の書類をケタに手渡す。

その書類にはケタのEDF隊の除隊の告知が書いてあった・・・。


・・・

・・・


ケタがふと後ろを振り返る。
だいぶん歩いたが、まだEDF隊の基地は小さく見える。
「・・まぁ、キリがいいといえば、そうかもなぁ(・ω・)」
長く激しかったEDF隊員としての戦い。
それももう思い出にかわるのだろうか・・・?

ケタはなんとなく、1メートル程の[包み]を握り締めた。

「さて、どうしようかな(−−;)」
ローズの配慮で軍を抜ける時にいくらか金をもらったし、今までの貯金もある。
しばらくはのんびりしても問題はなさそうだが・・・。

pipipipi・・・

そんな時、携帯が鳴った・・・。
相手はK.Mだった。





勝手に戦闘おわらせたことにしてしまった(−−;
ヘリさん続きがあったら、そのままお願いします


[No.10722] 2006/04/04(Tue) 07:21:32
softbank220060180225.bbtec.net
それぞれの追悼4 (No.10722への返信 / 11階層) - 三枝

「うへぇ…これ全部やるのかよ…」三枝は目の前にある皿の量に唖然とした。
とてつもない量である。三人でやっても軽く二時間はかかりそうだ。
いくつかの山に分けて積まれているが、一つにまとめれば余裕で天井に届くだろう。
ほぼ全隊員がパーティーに参加したのだから当然と言えば当然だが。

「まさか…俺一人でやるわけじゃないよな…」友理と成瀬はどこへ行ったのだろう?
基地にいる人間全員分の食事を作るため、何部屋化に分かれた厨房はかなり広い。
面倒だが探さなければさらに面倒なことになる。
やれやれ、とため息をつきながら三枝は二人を探し始めた。

友理は隣室にいたためすぐに見つかった。
手を組み、目を閉じている。平たく言えば祈っている。
ポン、と肩を叩くとこちらを見てにこりと微笑んだ。
「あ。サエ君」「なにやってんの?」「これ」

開いた手のひらにシルバーの指輪が一つ。
確か友理が親友からもらった物だと聞いた覚えがある。
その親友が今何をしているのか、三枝は知らない。
「勝利報告?」「ま、そんなとこかな」
ふふ、と笑いながら指輪をポケットにしまった。

「さ、始めよっか」言いながら皿の山がある部屋に向かう。
「…成瀬は?」友理の後に続きながら尋ねた。
「上官さんに呼ばれてどっかいっちゃった」
「へ?」「しばらく戻ってこれないって」
少しの間の後三枝が、うんざり、といった様子で呟いた。
「二等分と三等分ってだいぶ違うよな…」
先ほど見積もったよりも一時間は余分にかかりそうだ。


あとがき
今回は前より時間をかけたのでちょっとマシになった気がします。
1・2は同じ時間を別視点で書いたので、3・4もそうしようかと思いましたがうまくできませんでした。

ところで案の定時間軸がおかしくなりましたね(笑)
このままムカデ戦に持っていければな、と思っています。
もちろん変更があれば変えますが。


[No.10723] 2006/04/04(Tue) 13:42:17
i218-44-25-19.s02.a021.ap.plala.or.jp
Re: 除隊 (No.10722への返信 / 11階層) - ヘリ兵士

> 勝手に戦闘おわらせたことにしてしまった(−−;
> ヘリさん続きがあったら、そのままお願いします


いえこちらこそさっさと続き書かなくてすいませんでした
続きとかは特にないので


[No.10727] 2006/04/04(Tue) 19:03:47
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
地面の下の、隊長へ (No.10723への返信 / 12階層) - jagaimo

「出た!」

突然、探査機の電波状況をモニターしていたサエが声を上げた。すぐさま4人がサエの後ろから覗き込む。

「救難信号と・・・これは・・・無線?」

「無線・・・なんで?」

本来なら救難信号だけが流れているはずだ。どこかの部隊が地下へ降りない限り、通信電波が流れる事はない。

「合わせてみよう」

アリアスが言った。好奇心本意ではない。もし、カザミの無線だったなら・・・という希望を込めてだ。

サエはこくん、と頷くとその無線周波数に合わせ、小型のスピーカーに探査機を繋いだ。

「・・・ジィーーー・・・ジ、ジジジ・・・」

聞こえてきたのは、ノイズだった。はぁ、と隊内に呆れたようなため息が漏れた。

救難信号の位置を特定しよう、そうアリアスが言おうとした、その時。

「ああ・・・まったく・・ジジ・・・歩いても歩いても岩だけだ・・・」


―――この声は・・・隊長?!




最近疲れてきたなぁーーーーっ!(; ̄∀ ̄)ノシ
これだけ書くのが精一杯・・・w


[No.10740] 2006/04/05(Wed) 23:40:34
fw1.tcn-catv.ne.jp
「いなくなった男」 (No.10740への返信 / 13階層) - ケタ

東京EDF本部 食堂


「なんですって!?」
「うおッス!」
思わずシリアが叫びつつ伊地山の腕を引っ張り、
その拍子で伊地山が運んでいた熱い味噌汁が伊地山の腕にかかった。
そばにいた御剣とワカも、シリア同様伊地山に詰め寄る。

みんなで朝食を食べに来ていたのだが、
どこを捜してもケタが見当たらない。
そこで伊地山がケタがEDF隊から除隊された事を口にした所、
事情を知らなかった3人に質問攻めにあっていたのだ。

「伊地山、それ本当なのか?」
「みんなマジで知らないんスか?ケタはEDF隊員クビんなったって・・」
「クビぃ!?なんでよ!」
シリアのあまりの剣幕に伊地山もさすがにあとずさった。

「ほ、ほら。ケタはマザー戦で勝手に部隊離れてワカとシリアの所に
行ったじゃないッスか?その命令違反が・・・いでッス!!」
全部言い終わる前にシリアの南斗水鳥拳・・・ではなく、
ひっかき攻撃が伊地山の顔にとび、伊地山が顔を抑えてうめいた。

「なんでそんな事私らに言わないのよ!!」
「だから・・・とっくに知ってると思ってッスね?・・ぎゃ!」
顔を真っ赤にしたシリアが伊地山のスネを蹴飛ばし、
そのまま大股歩きで食堂から出て行った。

伊地山達の大騒ぎに、食堂は少し静まり返っていたが、
やがてまたいつものざわめきが戻っていった。

「痛いッス・・・」
伊地山が顔をさすりつつ、朝食セットの味噌汁を口に含んだ。
「まぁ、女のヒステリーは怖いからな・・」
御剣も自分の朝食を持ってきて、伊地山の隣に座り、ワカもそれにならった。

なんとなく気まずい食事が続いたが・・やがて御剣が口を開いた。
「シリアの気持ちはわかる気がする。
自分達を助けようとしたヤツがその責任でクビになったんだ・・・。
感謝したくても、謝りたくてもその相手がいないんじゃぁな。」
「・・・そう・・ね」
ワカも同感だった。

実はプライベートに関与させないため、除隊したEDF隊員の連絡先などは
一切教えてもらえないのだ。
つまり、ケタと連絡をとる方法がないのである。

御剣もわずかにイラだちをおぼえていた。
このまま今生の別れとなる可能性もある・・そう思うと、
どうしようもなくイラだってくる。

「唯一の手がかりはK.Mだな。あいつはケタと携帯で連絡を取っていた」
御剣が自分に言い聞かせるかのように呟いた・・・。


[No.10741] 2006/04/06(Thu) 00:57:05
softbank220060180225.bbtec.net
The last words (No.10741への返信 / 14階層) - jagaimo

「周波数は?」

「ちょっとまって・・・合わせた!隊長!」

「隊長!」

皆が無線機に向かって叫んだ。もう会えないと思っていたカザミが、今こうして無線機で話している!


「ったく・・・レーダーが壊れるなんてな・・・」


しかし、返ってきたのは独り言だった。どうやらカザミの無線機は壊れているらしい。
カザミの声は明らかに疲れている。早めに救助しないと、疲労によって救助が困難になる。

「・・・ああ・・・そういえばあいつら・・・助かったかな?」

カザミの独り言をしゃべり続けている。カザミにしては喋りすぎているような気がするが、5人とも久しぶりのカザミの声に聞き入ってしまっていた。

「助かってるよな・・・入ってきた時よりも、ずっとたくましくなった。
・・・アリアスなんかはマザー戦でも生き延びれるぐらいだ・・・。サエにはもうちっと安全なところで働いてほしかったな。あの脳ミソは前線の人間には惜しい。
ルミか・・・飛行技術を磨けばバトルメイデン隊に入れるかもしれないのに・・・。磨けばな。ムリだろうが。
アレックス、アイツはヘリの操縦はピカイチだった。航空部隊に転属したらどうだ?・・・あとムカイ。そいつらを、頼むぞ」

「わかった」

「え?繋がってないんじゃ・・・」

「気づけ!お前ら」

まさか・・・カザミは聞こえないフリをしていたのだ。部下を危険にさらさないために。

「ま、丁度いい、どうせさっきから蜘蛛のファミリーに目をつけられてるんだ。
お別れだ。お前ら」カザミはあくまで軽い言い回しでいった。すでに無線機からは銃声が轟いていた。

「ちょ、隊長!今行きますから!耐えてください!」

「ダメだ。来るな。いいか?これは隊長としての最後の命令だ!来るな。絶対に・・・。アリアス」

「は、はい!」

「この隊を、頼むぞ・・・!今から、隊長はお前だぞ?」

「そ、そんな隊長!」

「ははっ、お前ら・・・な・・よ・・・!」

カザミの最後の言葉を聞き取れないまま、何か金具が外れるような音がしたかと思うと無線が切れた。

次いで、地下から爆音と振動が伝わってきた。

最後の最後にカザミは―――自爆した。


「隊長ーーーっ!!」


皆の後ろにいたムカイの頬に、一筋の涙が流れ落ちた瞬間だった。




マザー戦の直後に隊長が戦死・・・・・・。
まぁ、こういうのも有りでしょうw


[No.10742] 2006/04/06(Thu) 15:11:46
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(No Subject) (No.10742への返信 / 15階層) - ヘリ兵士

ケタ伍長との共闘を終え、士気を取り戻した第51遊撃隊の面々は山口支部にサハラを迎えに行っていた

病室にヘリ、影、虎太郎がいて、ベッドに横になっているサハラを取り囲むように立っている
「すいません、隊長、こんな姿になってしまって」
サハラが申し訳なさそうに言った
その右足は切断され、既にない
「なに、お前が生きていればそれでいいさ」
バイオ医療を使えば代えの足はいくらでも作れるので問題ではない
が、それでも足がもげたと言うのはショックな物である
しかしサハラはそんな様子は一切見せない
「影隊員に比べれば全然ましですよ、こんなもん」
「!?なぜ、その事を?」
驚く影
「君が来たばかりの頃、副隊長と一緒に君の事を調べさせてもらったのさ、勝手に調べてすまん」
「まあ、いきなり人を信頼するはずありませんもんね、ヘリ隊長もご存知なんですか?俺の体の事」
影がヘリに話をふった
「赤目野朗に両手両足奪われた事、か?」
「……はい」
暗くなる場
「つらかったか?」
おもむろにヘリが口を開いた
「いいえ、バイオ手術、意外と早く終わりましたし、新しい手足も前のよりできがいいし、だから、サハラさんも大丈夫ですよ」
影がことさら明るく言った
「そうか、……サンキュウな、ところで退院はまだ先だそうです」
「ん、そうか、フェンナと許深も今いねえし、……スガワはくたばっちまったし、戦力は大幅ダウンだなこりゃ」
「よろしいでしょうか、隊長」
「どした虎太郎」
「参謀に人員補充を要請しませんか?波岡参謀もトム参謀も有能な人員を選抜してくださると思いますよ」
虎太郎の言葉にヘリは黙ってしまった
「隊長?」
「……」


[No.10743] 2006/04/06(Thu) 20:57:11
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
今は亡き人 (No.10743への返信 / 16階層) - jagaimo

カザミが―――死んだ。

まだ幼さの残る顔立ちで銃を構え、必死で地球を守ろうとしていた彼らを暖かく見守っていた、前大戦でも狙撃手であるムカイを中距離戦の脅威から守ってくれた、親友のカザミはもういない。

未来ある彼らをかばって、彼は消えたのだ。
いや、消えたんじゃない。あいつは・・・あいつは遠くから見ているんだ。いつまでも、優しい目で・・・見守っているんだ・・・・・・



「ムカイさん。ムカイさん・・・」

闇の中で自分の名前を呼ぶ声が聞こえる。

ムカイがゆっくりと目を開けると、そこは薄暗い小隊の詰め所だった。どうやらソファーに座っている間に寝てしまったらしい。ムカイは呼ばれていたことを思い出し、頭を巡らせた。するとソファーの隣にアリアスが立っていた。なぜかまだアーマースーツを着ているままだ。

「なんだ?」

アリアスはやや戸惑ったが、やがて重い口を開いた。

「・・・あの・・・隊長は・・・カザミ隊長は最初から死ぬ気だったんですか・・・?」

アリアスは震えそうになる声を必死で抑えて言った。

あの時、巣穴で転落したとき、明らかにカザミは前へ出過ぎていた。まるで敵の攻撃は後ろへ通さぬかのように。

まだ体の緊張が解けないアリアスに、ムカイは無言でかぶりを振った。

「守ろうとしただけだ・・・」
ムカイはそれ以上、何も言わなかった。

アリアスは無造作にアーマーを脱ぎ捨てると、そのまま詰め所をあとにした。
その後姿を見つめながら、ムカイは深くため息をついた。


[No.10747] 2006/04/07(Fri) 23:20:15
fw1.tcn-catv.ne.jp
「レストラン」 (No.10747への返信 / 17階層) - ケタ

渋谷地区


「ここか・・?(・ω・)」
ケタは渋谷のとある店の前に立っていた。
K.Mがここに来いと言ってたんだが・・・飯でもおごってくれるのだろうか。
店の概観をしばらく眺めていたケタだったが、やがて店の中に入っていった。

「おう、ケタか。早かったじゃねぇか」
「・・・(・△・)」
中ではK.Mが店の片付けを手伝っていた。
「ここまだ開店してないんじゃないの?(^^;)」
「見ればわかるだろ。明後日に営業再開する店だ。」
どういう事だろう。なんとなくケタも店の片付けを手伝い始めた。


激戦区だった東京の建物はかなり倒壊し、廃墟と化している。
避難命令が解除され、民間人が地上に戻ってきているとは言え、
まだとても人間が生活できるような街ではない。

まだまだ本格的な工事などはとても行えないだろう。
だが、それでも少しずつでも修復し、生きるために働き出す・・・。
これが人間の強さである。

ある者は必死に建物を修復し、ある者は生き別れた家族を探しに行き、
ある者は商売を始めていく・・・。
わずかずつだが、確実に街は活気を取り戻しつつあった。


「久々の戦い以外の労働ってのはどうよ?」
そうケタに言いK.Mがいつもの不敵な笑みを浮かべた。
まだいまいち事情が掴めないケタは微妙な表情でお茶を飲み干す。
「お前確かレストランの調理場でバイトしたことあるとか言ってただろ?
隊員辞めて暇なら俺とここで働いてみないか?」
「K.Mからそんな話がでるとは・・(・ω・;)」
ケタの言葉にK.Mが目を丸くし、少し声をあげて笑った。

「まぁ、俺もお前も社会復帰のリハビリってやつさ」
次はケタが目を丸くした。
マザーを撃破した今、K.Mも戦いから身を引くのか。
そういえば、民間人だったK.Mが何故戦っていたのか何も知らない・・。

ふと気付けば、前に女性が立っていた。
「・・・(感謝)」
その女性はなにか小さく呟き、ケタとK.Mにパンを渡して少し離れた所に
腰を下ろした。

「・・・目が?(−−;)」
「おう。カエデって言うんだが、小さい時に雷に打たれて目が見えなくなったらしい」
ケタの言葉にK.Mがパンにかじりつきながら答え・・
「だが、彼女にはそれ以来違うモノが見えるようになったんだとよ」
そう付け加え、ヒヤリと笑った。

「違うものって・・・(・ω・;)」
そうケタが言いかけた時・・・先程の女性がケタを見ているのに気付いた。
・・・いや、たしかに目が見えないので、目はつむっているのだが、
その様子はケタを見つめているとしか言いようがなかった。
「・・・ど、どうしたの?(^▽^;)」

「・・・強い精霊がいるわ、凄く強い女性の戦士・・・」
「!!((゚∀゚;)) 」
女性の言葉にケタが驚愕した。
「な?働いてて面白そうだろう??」
その横でK.Mが声をあげて笑っていた・・・。




これで一応の伏線はだしたので、
巨大バゥ戦にはいります。


[No.10748] 2006/04/08(Sat) 08:27:42
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(No Subject) (No.10748への返信 / 18階層) - ヘリ兵士

「オーストラリアへの君達の転戦が決まった」
トムがヘリ達に向かってそう言った
「出発は明日朝5時、第98、37、22遊撃隊とオーストラリアへ渡ってもらう」
「了解しました、第51遊撃隊はこれよりオーストラリアへ向かいます」
ヘリは敬礼すると、参謀室を出た
確かに日本のマザーシップは倒した
しかしまだ世界にはマザーシップが何隻も健在している
それらと戦い勝利しなければ、人類に明日は無いのだ

だが、スガワが死に、サハラが動けず、許深とフェンナのいない今の遊撃隊がまともに戦えるかと言うと怪しい物である

「やはり増員すべきなのか」
ヘリは一人苦悩した


[No.10749] 2006/04/08(Sat) 12:46:03
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
「異変」 (No.10749への返信 / 19階層) - ケタ

東京EDF本部


「ふーむ。バゥの襲撃が増えてきているな」
司令室でイヤーナ大佐がそう呟いた。
ローズやチオカ、重要幹部がアメリカでの全国会議に出席するために渡米しているため、
現在の日本のEDF隊の指揮をしているのはこの男である。
「まぁいい。とにかく隊員どもを出撃させておけ」
そういうとイヤーナはめんどくさそうに葉巻を口にくわえた。

・・・

・・・

渋谷地域周辺

この日もシリア、ワカ、御剣、伊地山の4人はバゥ駆除のために、
出撃していた。
ここ最近のバゥの出現率は異常である。
「どこかに奴らの巣でもあるんじゃないのか?」そんな噂が
EDF隊員の間で広まっていた。

「・・・・・・・・」
不機嫌そうなシリアの雰囲気にのまれ、3人もなんとなく黙りがちで歩いていく。
ケタがEDF隊を無言で抜け、はや数日たつのだが、
いまだに怒っているらしい。

「おう、EDF隊じゃねぇか!エイリアンどもはもういなくなったんだろ?」
「パトロールかぃ?ごくろうさん」
「・・・このへんにはもうエイリアンいないんじゃないの?」
建物の大半が倒壊した渋谷の街だが、だいぶ人が戻ってきている、
今の渋谷の街ではEDF隊はさすがに目立ってしまうほどである。

たしかに・・・この人ごみの雑踏の中にいるとエイリアンとの戦いなど、
忘れてしまいそうになる。

「この世界に戻っていったのね、ケタは・・」
不意にワカが呟いて・・・もの凄い勢いでシリアが振り向いて睨んだ。
「・・・・やれやれ」
ほんとに女のヒステリーってやつは・・・・御剣がため息をついて、空を仰いだ。


きゃああぁああああああ!!


突然の悲鳴が街に響き、のどかな空気が途端に張り詰めた!
すぐさまシリア、ワカ、御剣がアサルトライフルの安全装置を外し、
ボ〜っとしてた伊地山も5〜6秒遅れて安全装置を外した。
「たすけて!!」
「蜘蛛の化けモンだぁぁ!」
「糸が・・糸が取れない!!」
いくつかのビルを超えて民間人の悲鳴が聞こえてくる!

「バゥ・・まさかこんな街中まで侵入してくるなんて!」
シリアが悲鳴の聞こえてくる方向にむかって走り出し、
そして悲鳴のしたところまで来て・・・言葉を失った。

「なんてこと・・・」
唖然とするシリアの隣においついた御剣が並び、目を見開いた。
「・・・・冗談じゃないぞ・・・」
街にはどこから沸いたのか、見えるだけでも100匹以上のバゥが
飛び回っていたのだ・・・。


[No.10760] 2006/04/08(Sat) 23:05:54
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巡回 (No.10760への返信 / 20階層) - jagaimo

「アリアス!出撃だよ!」
サエは未だ詰め所のソファーに座っているアリアスを呼んだ。
すでにムカイを除く3人はアーマースーツに袖を通している。

カザミが居なくなった後、サエは自分の部屋に隊員達を集め、話し合いを行なった。
それで悲しみが消えるわけではなかったが、皆の気持ちの整理をしておきたかったのだ。

サエはサンダーボウ30を点検しながら、ちらりとアリアスを見やった。まだ仕度できてないよ・・・。


   ―――渋谷地域 エリアE−9―――

アリアスはぼーっと人の横行する商店街を見つめていた。

あのあとサエから罵倒&鉄槌をお見舞いされ、血相を欠いて飛び出してきたのだが・・・。

「・・・別に急がなくても良かったんじゃないか?」アリアスは電柱に寄りかかっているサエに声をかけた。
「うん。そうだね」
サエは先程のことをまるでなかったかのように短く答える。結構痛かったんだぞ。お前のハンマーパンチ。

「あーーーっ!暇ね!」
耳元でルミが叫んでいた。いつもどおりのキンキン声で。
「どこがだよ!」
アリアスは思わずツッコミを入れてしまった。ルミは「暇」などと言っている割には、屋台で買った太鼓焼きをむしゃむしゃと頬張っている。

「でも暇ですよ」
ルミの隣に座っているアレックスが横槍を入れてきた。
「お前も食ってんかよ!」
「食べてないのアリアスだけだよ」
声に振り向くとサエも口に太鼓焼きをくわえていた。

この隊は、どこをどうみても警戒中には見えない。
アリアスは頭を抱えながらも、ポケットの小銭で太鼓焼きを買いにいくのだった。


[No.10762] 2006/04/09(Sun) 00:09:21
fw1.tcn-catv.ne.jp
どっちに行けば・・ (No.10762への返信 / 21階層) - 不運な会社

EDF静岡支部

「第63海兵隊全員集合!」
「なんすか〜」
「今東京でバゥが大量発生している。そこでここは2つに隊を分ける。
俺とカインドは東京にシプとソフィアとシェラは山口に行け」
「なんで隊長と前隊長は蜘蛛なんですか?」
「爆発物持ってきたのは俺達だけだからだ」
「自分で禁止しといて持ってきたのかよ」
「いや、持ってないと不安だから」
「さっさとヘリで山口まで行け!」
「了解!」
山口県

「すげぇ、ムカデだ」
3人はその異常な大きさに驚いたがすぐに戦場に行った。
「全員武器を持て。ねらうのは一番前か一番後ろだ」
「了解!」そう言うとソフィアはレーザーランスΣを一番後ろのムカデに発射した。
「な、効いてない!」3発撃ってやっと壊れたがその瞬間酸が雨のようにソフィアめがけて発射された。飛行ユニットを使い避けたがいつまでも避けられる物ではない。そう感じたソフィアは山口支部に応援を頼みに行った。


[No.10763] 2006/04/09(Sun) 06:59:19
ntszok106239.szok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
彼の決断 (No.10763への返信 / 22階層) - jagaimo

   ――渋谷地域 D−9――

「くぉらぁ!」
アリアスは雄叫びを上げて、目の前のバゥの死体を蹴り飛ばした。
バゥの体は案外軽く、邪魔だった死体は横に転がっていく。

太鼓焼きを頬張って、のぼのぼしている所をイキナリ蜘蛛に邪魔され、頭にきているところだった。

「アリアス!肩借りるよ!」と後ろからルミの声が聞こえた。
「はぁ?!」
借りるよ!ってなんだ?と思っていると、不意に肩が重くなった。
次の瞬間、黒いものが視界の隅を掠め、ルミが飛んでいくのが見えた。
一瞬戸惑ったが、すぐにアリアスは自分の肩を踏み台にされた事に気づいた。

「俺を踏み台にすんな!」
「悪いねーっ!」
そんなことを言っている間にも、バゥがこちらに向けて飛び跳ねてくる。バゥとの戦闘では距離を詰められてはこちらの勝ち目はない。

アリアスはAS−22(ルミの勝手に改造型)を連射し、100m以内に接近するバゥを確実に仕留めていった。

先ほどから600mほど先に閃光がちらほらと見える。あちらでも友軍が交戦しているのだろう。

アリアスは銃を乱射しながら必死で考えた。
戦っているのは、視認できるものだけで2個小隊ほどしかない。
今の状況では一応、大群を左右から挟み撃ちにしている陣形なのだが、この戦力ではすぐに破られるのは目に見えている。
それに隊員達を散開させていれば、攻撃範囲は広いが人員の出血を強いることになる。

まとまって後退しつつ防御陣形か・・・。あちらの友軍と合流するか・・・。

―――隊長なら・・・どうする?




ケタさん、一応同じ戦域で戦っていることにしてしまいました。^^;
この後、ケタさんのストーリーに支障がなければ合流させてもらいたいのですが、問題アリでしたらムシしちゃってくださいw
本部にでも退却してリベンジにきますのでw

あ、どうだっていいですが、ムカイは戦闘に出ていないということでお願いします。


[No.10764] 2006/04/09(Sun) 15:12:44
fw1.tcn-catv.ne.jp
再び戦火の中へ (No.10764への返信 / 23階層) - ケタ

渋谷地区 レストラン「マルサンク」


EDF隊は近接攻撃に関してはそれほどの訓練は受けないが、
野外サバイバル用にサバイバルナイフの最低限の訓練は行われる。
かつてEDF隊で受けたナイフさばきが・・・キャベツの千切りの役に立っていた。

「ケタ。ムニエル2つ追加だ、急いでくれ」
「おうよ(・ω・;)」
手早くキャベツを切り終えたケタが魚の白身とバターを棚から取り出す。
ケタとK.M、カエデが働くことになったレストランは、営業している食事所がまだ少ないせいか、
営業再開数日にしてすでに目の回る忙しさだった。

「このピークがすぎたら飯にしようぜ」
ウエイターの制服を着たK.Mがケタに小声で話し掛けた。
「そうだな、カエデさんにも声をかけておこうか(・ω・)」
ケタがそう言い、店の入り口のドアに目をやった。
外ではカエデが客引きをしているはずである。
「おっと・・(゚∀゚;)」
焦げそうになった魚をケタがひっくり返そうとした瞬間・・・

ガタン!という音と共にカエデと数人が店内に駆け込んできた。
「?(・ω・)」
「どうした?」
ケタとK.Mが身構えたとたん、店の半分が爆音と共に崩れ去った!!

コンクリートが飛び散り、照明が落ち、粉塵が舞うなか、
素早く身を伏せていたケタとK.Mが辺りをうかがう。
瓦礫に潰され、跳んできた破片に当たった客が何人も倒れている・・・。

そして崩れた壁の所にいるアイツは・・・・凶虫バゥ!

「まずい!!みんな店の奥に・・・!!」
「助けてー!」
「うわぁぁぁ!」
わずか静寂ののち、店内は逃げ惑う人々で大パニック状態となってしまった!
バゥがすかさず腹を持ち上げ、店内に向かって粘着性の糸を吐き出す!
「クっ!俺としたことが・・・!!」
狭い店内にパニックに陥った大勢の人間の中、さすがのK.Mも身動きが取れず、
何人かの人とともに糸に巻かれて動けなくなってしまった。

身動きの取れなくなった客やK.Mにバゥがにじり寄っていく・・・、
その時、ケタが自分のロッカーに入れてあった「長い包み」を開けながら
店内に戻る。

シーリウ隊長の形見[SG99先行試作品カスタム]が再びケタの腕の中で
鈍い光を放っていた・・・。






ジャガイモさん、合流してもらって支障ないでっすよ〜(^^
俺の中でこの戦いは前哨戦なので、
少し劣勢気味ですすめてくれると助かりますw


[No.10765] 2006/04/09(Sun) 20:20:03
softbank220060180225.bbtec.net
Re: 再び戦火の中へ (No.10765への返信 / 24階層) - jagaimo

    ――渋谷地域――

「あ。あれかな?」
空中で飛行ユニットをふかしているルミがそう呟いた。
視線のさきには4人ほどが固まってバゥの大群に銃撃を加えている。
「そうだね」
同じように飛行しているサエが答えた。

このままでは力押しで潰される、そう考えたアリアスは別部隊との連携による戦力増強を提案した。
サエとルミは空中を移動して先に部隊と合流し、アリアスとアレックスは後から合流する。
さすがに敵中をアリアスとアレックスが徒歩で突っ切るのは無謀過ぎたため、敵の大群を避ける大回りのルートを通ってくるらしい。

「さっさと参戦しよ。民間人も襲われてる」サエがルミの肩を叩いた。
「OK。んじゃあ・・・」
と、ルミが不意に大きく息を吸いだした。
それに気づいたサエが慌てて口を塞ごうとするが・・・。

「そぉこの人ぉぉぉぉ!」

ルミはかん高い声で思いっきり叫んだ。

思わず耳を塞ぎたくなる怒声に、当然のごとく4人が振り返る。
ルミはにやり、と笑うとイズナーEカスタムを乱射しながら4人のド真ん中に着地し――ハッキリ言って迷惑な登場の仕方だ――昂然と言ってみせた。

「第276なんちゃら歩兵部隊のルミです!」

いきなり現れて「ルミです!」と言われても、とっさに対応できる人間は少ない。
案の定、「・・・おう」と、困った答えが返ってきた。

その光景を見て、サエは後ろで「やっちゃった・・・」と顔を赤らめた・・・。



基本的にルミの人物設定は、「遊びながら」戦っているものと考えていいですw


[No.10767] 2006/04/09(Sun) 23:25:23
fw1.tcn-catv.ne.jp
王VS地球防衛軍 (No.10767への返信 / 25階層) - syo

ハヤはその後、一人でドラゴン・センチピードを相手にしていた。
ライサンダー2。他のシリーズのどれをも凌駕する驚異的な威力で前大戦から製造されているにもかかわらず、今でも第一線で活躍する大口径超高性能スナイパーライフル。
ハヤ。前大戦ではEDFに在籍。
狙った的は絶対に外さず、その驚異的動体視力でどんな攻撃も避けてきた。
ドラゴンセンチピード。
星の数ほどいる巨大生物の中で、進化に進化を重ね、たどり着いた巨大生物の最終形態。
どこまでも続く長い胴体から雨のような数の酸を吐き出し、通るところ全てを溶解させる。
そして、体がいくつにちぎれようとも、その胴体は別々の生物となり、行動を続ける、女王をも凌駕する巨大生物の王。
百戦錬磨の勇士と、巨大生物の究極体が、激闘を繰り広げている。
センチピードが酸の雨を降らし、ハヤがライサンダーで本体の頭を狙う。
しかし、やはりハヤが圧倒的に不利だった。
ハヤが攻撃して、弾が装填される合間に幾戦もの酸が降り注ぐのだ。
脅威の回避力で次々に酸を交わすのだが、飛び散る酸に当たり、アーマースーツが溶けて行く。
いまやハヤはぼろぼろになっていたが、ドラゴンセンチピードの攻撃は止む気配がない。
「くそっ、奴らまだなのか!」
バキュン! 歯切れのいい音と共にライサンダーが発射され、ムカデが後方に吹っ飛んでいく。しかし、その合間にも酸は降り注ぐ。
その内一発がハヤの肩を掠った。アーマースーツが解けて、ハヤの肩にも、酸が到達した。
「グッ・・・・ッ!」
ハヤはライサンダーを左手に持ち替えるが、左手では反動の大きいライサンダーは撃てない。また、ドラゴンセンチピードの背が怪しく発光しだした。
「ちっ、やられたな・・・・」
そうハヤが覚悟を決めた時だった。
敵は見当違いのところに酸を飛ばし、その瞬間、後ろに吹っ飛んでいった。
「おーい、相棒!遅れた!」
見ると、ハシがヘリから手を振っている。
その後ろには、何機ものバゼラートとギガンテスがこちらに向かってきていた。
「・・・遅せぇよ!お前絶対飯喰ってただろ!」
ハヤも元気良く叫び返した。



非常に遅くなって大変すみませんでした。
これからはもう少し早くがんばって書こうと思います。
ご迷惑をおかけしました。


[No.10768] 2006/04/10(Mon) 19:02:46
72.35.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
明日への任務 (No.10768への返信 / 26階層) - 虎太郎

ピーンポーンパーンポーン・・・
『七時です。各病棟にいる患者は、起床してください。』
六時におきていたバルは、耳から入って来たアナウンスをことごとく無視し、机にちょっと前の新聞を広げていた。
各紙ともマザー撃墜の瞬間をトップ一面に飾っていた。
「ふあぁ〜ぁ、あ・・・」
向かいに蓮香が寝ていた。ケガも同程度だったらしい。頭に包帯はしちゃいないが。
「起きたかね。」
結構近くから声が上がったのでびっくりする。みると担当の医者だった。初老で優しい雰囲気のこの医者はニッコリ微笑んだ。
「えぇ、まぁ・・・」
「調子はどうかね。どこか痛む所は?」
「ナイですよ。」
「そりゃ結構。じゃあ、そちらのお嬢さんは?」
まだ寝ていた。すーすー寝息を立てていている。
「蓮香さん、起きてください。朝診の時間ですよ。」
「・・・スースー・・・」
恰幅のいい看護師が声をかけるも全く反応なし。今度は揺さぶる。
「起きてください。」
「・・・・・・ん〜・・・あと5分・・・」
寝ぼすけのきまり文句である。
「起きてください!」
「・・・だからあと10分って言ってるじゃない・・・」
「増えてるし。」
バルのツッコミはあえなくスルーされた。
「起きなさぁい!」
耳元で大音声が上がり、やむなく蓮香は起きた。
「・・・早く診察して・・・眠い・・・」
「ほっほっほ。それだけ眠れるならどこも痛くないようですね。はい、終わり。」
医者が快活に笑うが、蓮香は不機嫌極まりない顔で、
「だったら起こすなー!」
「病室では、お静かに。」
そう言って、一枚上手な医者は出て行き、入れ替わりでクリフとライガンが入って来た。
「大分、回復したようだな。」
「おかげさまで。」
「ラボから謝礼が届いている。ほれ。」
クリフがバルに封筒を差し出す。だが彼はラボに何か貢献した覚えがない。
「お前のメットに当った破片、アレでまた装甲が強化できるらしい。」
笑顔のクリフはそこまでで、隊長としての顔に戻った。
「今、この地球上に存在する他のマザーの撃墜作戦が行われている。それに我々は・・・」
皆に緊張が走る。
「参加しない事になった。」
「何でよ!」
「蓮香、お前の気持ちも分からんではない。しかし、あくまで一個隊に過ぎぬ俺達の半分の人数が欠けている今、出撃はできない。」
「じゃあ、どうすんですか。」
「復興支援だ。地味だが、明日へ続く任務だ。心してかかって欲しい。俺とライガンは先に行っているから、直り次第来てくれ。大事にな。」
そう告げて、二人は去っていった。
「明日へ続く任務、かぁ・・・いい事言うじゃん。」
「あんたさぁ・・・」
「ん?」
呆れ顔で蓮香が見ている。
「あの二人、どこ地区で任務するって?」
「!」

部屋のPCで投稿しようとしたら、「タイムスタンプが不正、もしくはJavaScriptが無効です。」ということで投稿できなくなりました。これ、共有PCで投稿しました。
誰か、解決法求む!


[No.10769] 2006/04/10(Mon) 21:05:18
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市街戦 (No.10769への返信 / 27階層) - ケタ

渋谷地区 レストランマルサンク


突如店内に乱入してきたバゥにより、
パニックになった人が店の奥に行こうと雪崩のように押し寄せてくる。
「ど・・どいてくれ・・!!(゚∀゚;)」
ショットガンを構えたケタだったが、人波に押され、さらに散弾のため、
こう人がひしめき合っている場所では撃てない!

そんなケタをあざ笑うかのように、バゥが店内で再び糸を放射し、
またしても何人もの人が糸に巻かれ、動けなくなった。
だが、おかげで人の流れが一瞬止まったのだ。

ケタは素早くキッチンから飛び出し、そのままテーブルを足がかりにして、
一気に跳躍・・・バゥの目の前に着地した。
バゥはケタを確認し、再び糸を吹きつけようとしたが、ケタの攻撃の方が遥かに早かった。
至近距離で放ったショットガンの散弾はバゥの頭を半分近く吹き飛ばし、
そのままバゥは動かなくなった・・・。

「はぁ・・はぁ・・・(・ω・;)」
まるで蜘蛛の巣のようになってしまった店内でケタが方膝をつき、息を吐き出した。
バゥが死んだことで安心したのか、わずかに冷静さを取り戻した人々が、
糸に巻かれた人を助け出そうと動き出す。

「直接糸には触るな。微弱だけど毒があるんだ・・・
ライターで糸を焼き切って、濡れたタオルで体を拭いてやってくれ(・△・;)」
ケタが大声で指示をだし、みんながそれに従い、ライターやマッチを探し出した。

最初は難航した救出作業だが、数分もすれば約半分の人々を糸から解放でき、
その中にK.Mの姿もあったのだが・・・、
「くそ、痺れて動けん・・」
バゥの糸には獲物の行動を封じるために麻痺性の毒があり、
地肌や薄い服などで触れると、その周辺が痺れてしまうのだ。
糸から開放されたとて、すぐに自由に行動できるわけではない。

「俺は外の様子をみてくる・・・こっちの指示はまかせた(−△−;)」
「・・・あぁ」
行動不能になったK.Mや人々を店内に残し、ケタが店の外へ飛び出した。


・・・

・・・


「なんでもいいが、とにかく手伝ってくれ!!」
御剣がバゥの大群にアサルトライフルを乱射しながら叫ぶ。
突如御剣達の上空に降り立った妙にテンションの高い隊員・・・ルミに、
一瞬戸惑ったが、すぐに戦闘を再開した。

「援護します!」
後方からもう1人の隊員が走ってきて、御剣達に合流した。
6人で次々とバゥを撃ち砕いていく。
「このままじゃ民間人が・・・!」
シリアがそう呟いたが、この数のバゥを相手にするには6人でも少なすぎる程である。
散開すれば、1人ずつやられていく可能性が高い。
今は・・・とにかく少しでも多くのバゥを撃破するしかないのだ。


・・・


「いい加減うんざいするぜぇ!!」
アリアスが背後から飛び掛ってきたバゥを前転でかわし、振り向き際に
アサルトライフルでそのバゥを撃ち抜いた。
敵の大群を迂回して別部隊と合流するつもりだったのだが、
予想以上に多いバゥの数に思うように進めないのだ。

「・・・なんだあれ?」
曲がり角を曲がったところで、アレックスが目の前の光景に目を丸くする。

そこには1人のコックがショットガンでバゥと戦っていた・・・。






どうせなんで、こんな合流のしかたを・・・w


[No.10770] 2006/04/10(Mon) 22:31:25
softbank220060180225.bbtec.net
遅刻 (No.10770への返信 / 28階層) - jagaimo

糸でワカを絡め取ろうとしたバゥの頭を、御剣のライフルが吹っ飛ばした。

6人は次々と流れ込んでくるバゥの群れを片っ端から粉砕していた。
ビルの間からいきなり飛び出してくるバゥもいれば、驚異的な跳躍力で一気に距離を詰めてくるバゥもいる。
様々な方向からの攻撃に、しだいに6人の疲労は濃くなっていった。

「ルミ!右!」
ルミの耳にサエの切羽詰った声が聞こえた。
「っ!」
ルミは糸が飛びかかってくる前に飛び上がり、レイピアでバゥの頭を切り裂く。

すでに6人で何匹のバゥを仕留めただろうか。しかし、敵の数は減るどころか増えている。
それに合流はずだったアリアスとアレックスの到着が遅れすぎていた。

「あと2人はまだなの?!」
シリアがアサルトライフルのトリガーを引きっぱなしにしながら聞いた。
「もうすぐ!」
サエが返答したのとほぼ同時に、伊地山の足にバゥの糸が絡まった。
増援がこなければ、やられる・・・!

・・・

・・・

アリアスはアレックスの視線の先にあるものを凝視していた。
それは戦う料理人。コックの服でショットガンを振り回しているのだ。

アリアスは一瞬、「EDFの食堂にあんなヤツいたか?」とアレックスに聞きそうになったのはナイショである。
とりあえずビジュアルは別として、彼も貴重な戦力だ。
身のこなしからして中々の戦歴を持っているようでもある。
アリアスは意を決して声をかけた。
「そこの!コック・・・?の方!」




ああ、ヘタっぴいな文で申し訳ないです^^;


[No.10771] 2006/04/10(Mon) 23:21:51
fw1.tcn-catv.ne.jp
(No Subject) (No.10771への返信 / 29階層) - ヘリ兵士

オーストラリア
巨大生物が日本並みに滞っているここに、第51遊撃隊の面々は来ていた
飢餓者が道にあふれ、食料や金を求めて手を出してくる
現地の隊員が空に地面にアサルトライフルを発射して追い払う
トラックに揺られながら目的地へ向かうヘリはそれを憂鬱そうにそれを眺めた
影が一度何か渡そうとしたがそれはやめさせた
下手に物を渡すと争いが起きる
あふれる難民全てに渡せるほど自分達は食料は持っていない
「日本がいかに食料事情が良かったかわかりますね」
虎太郎があきれるように言った
日本はなんだかんだ言って各国に助けられて食糧自給がままなっている
しかし中国支部やアメリカ支部がやられれば日本も同じように飢餓者であふれるだろう
「オーストラリアは国土が広いのに何でこんな事になってるんでしょうかね?」
「特殊なガスをまくインベーダーが出てるんだそうです」
影の質問に虎太郎が答える
「我々の任務はそれの全滅ですよ」
「……にしちゃ細菌防護服とかありませんね」
「毒で殺すとかじゃなくて、ガスに触れた物が溶けるんだそうです、特殊装甲車が5分で鉄の塊になったそうですよ」
「そんなのどうしろって言うんでしょうかね隊長」
「さあな、ついてから考えるさ、幾つか手は考えてるが相手を見るまでどれも確実じゃねえんでな」
「ガス吹き飛ばすとかですか?」
「まあそんなとこかな」
「……吹き飛ばす?なんか思い出すような……」

EDFラボ
ライトがぽつんと突っ立っている
「俺の出番、まだ?」


[No.10773] 2006/04/11(Tue) 17:24:21
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
帰ってきた戦士 (No.10771への返信 / 29階層) - ヘリ兵士

バゥが町にあふれ出て、市民はパニックをおこし、そこかしこで出動したEDF隊の銃声や、砲声があふれている
それを背中に聞きながら、2人の戦士がそれぞれの獲物を構えている
「こっから先は通行止めだ」
「そういうこと」
彼らの前に20匹近い数の町へ向かおうとしている蟻達がいる
しかし2人はまったく臆することなく、獲物を前に向けた
「GOODBAY」
ライサンダーFとAS−99が火を吹き、次々と蟻を撃ち抜いていく
「勇、日本インベーダーはこんなカス野朗ばっかりなのか?」
蟻の酸を緊急回避でかわしてAS−99を乱射しながら大森連也が陽気な声をあげた
「お前こそあの立派な武器はどうしたんだ?ストライクシリーズは?」
「アメリカのマザーにくれてやったよ、野朗吹っ飛ばす時にぶっ壊れちまった」
「ご愁傷様」
ライサンダーFが黒蟻を撃ち抜いた



ジャガイモさんケタさんすいません俺も参加させてもらいます


[No.10774] 2006/04/11(Tue) 19:33:30
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
「死守」 (No.10774への返信 / 30階層) - ケタ

渋谷 レストランマルサンク前 大通り


「ぬぉぉお!(゚∀゚;)」
叫び声と同時にケタがショットガンでバゥを吹き飛ばした。
外の様子を見るために飛び出したのはいいが、市街の様子は想像を
遥かに超えて深刻だった。

なんとか店を守ろうと奮戦するケタだったが、
バゥにやられるのが早いか、弾が尽きるのが早いかである。
ケタが内心焦りを感じ出したその時・・・
「そこの!コック・・・?の方!」
声のする方向を振り向くと2人のEDF隊員がこちらへ走ってきていた。

「助かった!援護してくれ(・▽・;)」
ケタが言い終わる前に2人の隊員、アレックスとアリアスのアサルトライフルが、
店の周辺にいたバゥ達を蹴散らしていく。

「おい!ここは俺達だけでは危険だ!仲間の部隊と合流するからついてこい!」
アリアスがマガジンを交換しながらケタに叫ぶが、
ケタはすぐに顔を横に振った。
「俺がここを守らないと仲間が死んでしまう・・だから動けない!(゚∀゚;)」
アリアスが後ろにある半壊したレストランに目をやる。
たしかに中には何人もの人が身動きが取れず、避難できないでいた。

「だが、このままでは・・・!!」
そう言いかけたアリアスにバゥの噴射した糸が襲い掛かる!
間一髪かわしたのだが、このままではいつ倒されてもおかしくない。

「作戦変更だ!向こうの部隊にこっちに来てもらう!」
「了解!ここで民間人を見捨てればEDF隊とはいえないからな」
仲間に通信を入れつつ、アリアスとアレックスがケタと共にレストランの前に立ち塞がった。




ヘリさんも参戦しましたね〜。
市街戦はあと2〜3話で区切って次の断簡にいくのを予定してますw


[No.10777] 2006/04/11(Tue) 21:54:22
softbank220060180225.bbtec.net
Re: 「死守」 (No.10777への返信 / 31階層) - jagaimo

『サエ!サエ!応答しろ!』
イズナーEカスタムで蜘蛛をしとめていたサエの耳に、突然アリアスの声が響いた。

「え?アリアス?何やってるの?早く応援に・・・」
『今、レストランの中に避難できない民間人がいるんだ!
俺たちだけじゃ守りきれない!そちら側がこっちに来てくれ!』
アリアスの言葉にサエは戸惑った。

なぜレストランなんかに立てこもっているのか。仲間たちにはどう説明すればいいのか。

サエは一通り頭の中を整理すると、落ち着いた口調で無線を入れた。

「・・・・・・わかった。そっちの位置は?」
『ええと・・・そこから600mぐらいの・・・D−8エリアだ!
まるさんく、とか言うレストラ・・・うおっ!?』
「ちょっ!アリアス?!」
『だ、大丈夫だ・・・早く来てくれ!エサになるのは御免だ!』
そういい終わると無線が切れた。かなり苦戦しているらしい。

「皆!今から・・・」
「D−8ね。わかったわ」
サエが説明しようと振り返ると、シリアがすまし顔で走り出していた。シリアだけではない。皆が納得したような顔だった。
「なんで・・・あ。聞いてたのね・・・」

・・・

・・・

アリアスはアレックスと戦う料理人(名前聞いてない)と連携し、なんとかレストランを死守していた。
「なんだってこんな・・・」
弾の切れた弾倉を投げ捨てたアリアスに、頭上からバゥが迫る。
「多いんだよッ!」

アリアスはアサルトライフルから手を離すと、腰のホルスターから引き抜いたグロッグ17Kでバゥの腹を撃ち抜いた。
紫色の体液を撒き散らしたバゥは――考えてみれば奇妙な色だ――アリアスの傍らにドスン、と落ちる。

「あなた!名前は?!」
アリアスは再びライフルを構えなおしながら、コック姿で散弾をぶっ放している男に聞いた。
「ん、俺か?ケタだ」
ケタ、と名乗った男はがちゃりと弾を装填する。
「ケタ・・・。俺はアリアスです!あいつがアレック・・・」
言いかけたアリアスのセリフを遮るように、アレックスの投げたグレネードが爆発した。

「自己紹介は後だ!」
ケタは目の前のバゥを吹き飛ばすと、切羽詰った声で言った。
しかし、彼の所持している弾は、すでに残り少なくなっていた。



ヘリ兵士さんよろしくです〜w
あとアリアスとアレックスはケタさんに対して、敬語を使わせてもらいます^^


[No.10778] 2006/04/11(Tue) 23:37:37
fw1.tcn-catv.ne.jp
チームβ (No.10778への返信 / 32階層) - ヘリ兵士

「お話になりませんでしたっと」
大森と勇は町へと向かった
その後ろには、たった2人の陸戦兵に皆殺しにされた20匹の黒蟻の姿があった

バゥが群がる場所へ走りながら大森が口を開く
「これからどうする?」
「とりあえず苦戦してるところへ行って助けよう」
勇は無線を取り出す
「こちら第51遊撃隊、本部からの要請で応援に来た、救援もとめてる部隊あったら連絡せよ」
「こち……第…混………、現在………で交戦中、至急……」
銃声や悲鳴で場所等はよく聞き取れなかったが、皿が割れる音や一般市民らしいが多々聞こえたので、恐らく飲食店関係のところだろう
もう一度聞くのは忙しい向こうの隊にもうしわけないのでレストランに的を絞って急行する事にした
「了解した、至急そっちへ向かう」
「勇、ヘリの小隊の名前勝手に使ったらまずいんじゃ…」
目的地へ走りながら会話を続ける2人
「チームβって事で」
「おいおい……(笑)、大体なんでレストランだってわかるんだ?すし屋かもしんねーぞ」
「レーダー見て化けもんがたまってる飲食店はレストランだけだろ」
「なるほど、んでそのレストランってのは」
「あそこだな」
勇のライサンダーが火を吹き、レストランの近くにいたバゥの群れの一匹をぶち抜いた
「たった今到着した」
「りょ……い………しゃ……す」
大森がAS−99を乱れ打ちする


[No.10779] 2006/04/12(Wed) 18:41:14
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
「異動、移動」 (No.10779への返信 / 33階層) - あろんα

第二超速精鋭隊の隊員たちは、ぶつくさ文句を言いながら部屋を出て行った。
呼び出された隊員たちを待っていたのは、山口支部への異動だった。
マザー戦のあとの被害が大きく、人手が足りないので人をよこして欲しいとのことらしい。
最も、元から大して人がいない上にマザー戦でさらに減ってしまった第二超速精鋭隊が加わったところで大した効果は望めないだろうが。

「いてててて・・・」
ウスイは痛む脇腹をさすりながら準備をしていた。
「そんなに痛かねえだろ」
「ばか言え!骨が折れたかとおもったわ!」
「てめえがさっさと起きねえからだ」
ウスイが大声で反論するがカツは全く悪びれた様子もなく答える。
「だからって限度ってもんがあるだろ!」
カツ曰く「なかなか起きないから腹が立ってやった」らしいが、ウスイの体中にある跡が理由はそれだけではないことを物語っていた。
「絶対遊んでただろ!」
「さあな」
ウスイはそれからも必死に抗議を続けていたが、カツはその全てを柳に風と受け流していた。

山口へと向かうバゼラートの中でカツは窓から下を見ながら考えに耽っていた。
インベーダー共の第二次侵略はこれで終わったのだろうか。なぜ前大戦で撃墜させたマザーをもう一回引っ張り出してきた?シールドベアラーと蜘蛛が増えただけで勝てるつもりだったのか?本当にこの程度だったのか・・・?
そこまで考えてカツは考えるのをやめた。
仮にもう一度攻めて来るとしてもそれを防ぐ策は持ち合わせていない。そしてもう一度攻められたら今度こそ人類は勝てない・・・

ふと、眼下に広がる景色が変わり始めた。それまで直進していたバゼラートが旋回を始めたのだった。
早かったな、と胸の内に呟いたカツの視界に青ざめた操縦士の顔が入った。
どうやら通信を聞いて蒼白しているようだ。
「どうした、なんかあったのか?」
そう尋ねると操縦士は青ざめた顔を動かさずに答えた。
「渋谷で・・・蜘蛛型の巨大生物が大量発生したそうです」
旋回したバゼラートは最高速度で東京へ向かっていた。



時間がずれてるのは気にしないで下さい。
わざとずらしたわけではありませんが・・・
戦いが終わったころに到着する予定です。
これと言って出番はありません。


[No.10780] 2006/04/12(Wed) 19:12:50
3dd52131.catv296.ne.jp
「エサ」 (No.10780への返信 / 34階層) - ケタ

渋谷 レストラン マルサンク前大通り


「お待たせ!」
ペイルウイングで一気に飛行してきたルミとサエが、
ケタ、アリアス達のいるレストラン前に到着し、わずかに遅れて数名のEDF隊員が、
走って向かってきた。

「おい・・お前らの仲間って変わってるな」
「いや、あんなの知らないんだけども〜」
コック姿で戦っている男を見て、御剣が呆れ顔でルミに話し掛けたが・・・
当然ルミにも予想外の光景である。
「これでなんとかなりそうだな(・ω・)」
そんな一人浮いているケタが額の汗をぬぐい、息を吐き出した。

「あーーーーーー!!!」
シリアが突如大声を出して、ケタの顔を掴み自分の方へ向け・・・、
「・・・・!((゚∀゚;))」
ケタもまたバイザー越しにシリアの顔が見え目を丸くした。

「ケタっすか!?」
ようやく伊地山やワカ達もこの謎のコックがケタである事に気付いた。
覚えているケタの姿とあまりにもかけ離れていたため、
中々気付かなかったのだ。

「おい戦闘中だ!あとにしろ!」
御剣が叫びつつ、アサルトライフルをバゥに向け撃ちはなった。
たしかに和んで話している場合ではない、
ケタもすぐそこまで迫ってきているバゥの群れに目を戻した。

・・・が。

「駄目!私あんたに謝らないと・・・!」
「ぅおっ!(゚∀゚;)」
「きゃっ!」
シリアが後ろを向いたケタの肩を掴み、ついひっぱってしまった。
バランスを崩したケタがシリアと近くにいたサエを巻き込んで転等する。
「なにやってん・・・うっ!」
ケタ達に目を奪われた一瞬のスキに、バゥの噴射した糸が、
アリアスと、伊地山の自由を奪ってしまった!

「うおおおおッス!糸がああぁああ!」
伊地山が滅茶苦茶に暴れて糸を取ろうとするが、余計地面などにくっつき、
完全に繭状態になってしまう。

「くっ・・・!」
大勢のバゥが一斉にケタ達に飛び掛ってきた!
起き上がったケタやサエが必死に応戦するが、
敵の数が多すぎてどうしようもならない!

その時、バゥの一匹が身動きの取れなくなった伊地山に向かって跳躍した!
とっさに御剣が伊地山を助けおこそうとするが、完全にくっついたバゥの糸は、
1人の力ではどうにもならない!!
「ぐあっ!!」
バゥがそのまま伊地山と御剣の上に着地し、その衝撃で飛ばされた御剣は
完全に気を失ってしまった!

「きゃああぁ!!」
視界一杯に広がるバゥと、糸に状況が把握できない中、
ワカの悲鳴が聞こえてきた!
「こ、これマジでヤバくない!?」
ルミが空中で足をバタつかせながら、傾いた電柱になんとかしがみついた。
もはやルミとサエのペイルウイングのエネルギーは尽きる寸前だ!
「ぬううぅぅぅぅうう!(;=皿=)」
ケタもさすがに死を覚悟した時・・・・不意に視界が開けた!

「こちらユウ!大丈夫か!?」
新たにかけつけた2人のEDF隊がバゥに攻撃を仕掛け始める。
だが、バゥの数が極端に減ったのは彼らが倒したからではなかった。


「バゥが・・引き上げていく・・・!」
右半身に糸をくっつけたシリアが逃げていくバゥの群れを見ながら呆然と呟いた。
数分後には、さっきまでの激戦がウソだったかのように、市街は静まり返っていた。

「・・・ワカ・・・御剣・・・??(・・;)」
気付けば、姿が見えない。
まさか・・・バゥに捕まってしまったのか・・・

日が落ち始め、重苦しい雰囲気があたりを包み込んでいった・・・・。






御剣、ワカはバゥに連れ去られ(大型のメスに差し出される生餌。後詳しく説明します)、
これを救出にいくのが次の流れとして考えてます〜
タイミング的にヘリさんのキャラが活躍できなかったのが申し訳ない。


[No.10781] 2006/04/12(Wed) 20:18:02
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二人の親友 (No.10781への返信 / 35階層) - 三枝

三枝は鉄橋の上に座り、ぶらぶらと足を揺らしながら大きく伸びをした。
瓦礫だらけの市街地とは違い山岳地帯なら砂埃に咳き込む心配もない。
目を開ければ視界いっぱいに澄み切った青空が広がっている。
季節が季節だけにひなたにいるとやや暑いが、そのおかげで時折拭くそよ風が心地良い。

「いい天気だなぁ。ああ、気分がい―」「こらぁ!サボるな!」「ぎゃっ!」
いきなり背後から怒鳴りつけられ三枝は飛びあがった。
電車が渡ることのみを考えれて建造されたらしく鉄橋を構成する鉄骨と鉄骨の隙間は結構広い。
飛びあがった反動で滑り落ちそうになるのをなんとか踏み止まる。
「脅かさないでくれ…」「サボってる方が悪いんでしょ」
友理は腰に手をあて少し怒った顔でこちらを見下ろしている。
「いないものは倒しようがないだろ?」

今回、山岳地帯に来た目的は巨大生物の掃討である。
巨大生物を根絶やしにすべくEDFは掃討作戦を実施した。
掃討作戦に参加している隊員はこのエリアのあちこちに広がって任務にあたっている。
「いないって、ほんとにちゃんと探したの?」
「探すもなにもこれ見りゃ一発だろ」言いながら携帯モニターを差し出す。
ここに来てから何度かチェックしているが、レーダーに敵の反応が現れたことはない。
どうやら自分の担当場所には巨大生物はいないらしい、と思い三枝は休んでいたのだ。

「…?電池切れてるよ。これ」「え?」
ほら、と言いながら友理はモニターのスイッチをいくつか押すが、画面はなんの反応も示さない。
モニターを受け取り、自分でも試してみるが結果は同じだった。

「全然気付かなかった…」「駄目だねー電池はちゃんと確認しないと」「う…」
「レーダー見てないって事はもしかしたら敵がいるかもしれないんだよねー」「うう…」
こちらが言い返せないのを良いことに言いたい放題である。

「仕方ないなー駄目男サエ君に優しいあたしが救いの手を差し伸べてあげましょう…って、あれ?」
「どうした?」「レーダー忘れた…」形勢大逆転だ。
「おいおい!俺のことボロクソ言っといてそれか?」「あ…いや…あの…」
「駄目だねー忘れ物がないかちゃんと確認しないと」「い、いや…だから…その…」
「そう言えば誰が駄目男だって」
さて、次は何を言ってやろうか、と考えていると通信が入った。
「作戦終了。総員帰還せよ」「だ、だってさ。帰ろ帰ろ」
返答に困り、おろおろとしていた友理は、渡りに船、と話題を変えた。

「それにしても…志願兵も楽じゃないな…」三枝は尻を払いながら立ち上がった。
先日、三枝、友理、成瀬の三人は正式に志願兵として登録された。
ちなみに成瀬はその手続きに忙しく今回の作戦には参加していない。

「だよねーああしろ、こうしろって命令されてさ。なんかいつもより疲れちゃった」
「帰ったら喫茶店でも行くか」「言っとくけど奢らないよ」「げ…どうしてわかった…?」
「奢ってもらっちゃおうかな、って顔に書いてあるもん」「じゃあ、拭くからハンカチ貸してくれ」
平和な一時。穏やかに流れる時間。
雑談をする二人は知る由もなかった。
平和の崩壊はすぐそこまで迫っていることを。


と言うわけで三人の所属を志願兵に変更です。
とりあえず設定を少しシンプルにしました。
それにしても無駄に長いですね。この話(笑)
一応短くしようと思ったんですがね…

> 御剣、ワカはバゥに連れ去られ(大型のメスに差し出される生餌。後詳しく説明します)、
> これを救出にいくのが次の流れとして考えてます〜

俺連れ去られるところ書くのこれからですよ…急いで書きます。


[No.10783] 2006/04/12(Wed) 22:28:21
i222-150-154-46.s02.a021.ap.plala.or.jp
Re: 二人の親友 (No.10783への返信 / 36階層) - jagaimo

「ワカと御剣がいない・・・・・・」
バゥの群れが引き上げていく中、ケタがぽつりと呟いた。
「まさか・・・?」
シリアが糸を取りはらいながら、呆然と首をかしげる。

連れ去られたのだ。バゥに

ケタたちはともかく、アリアスたちはバゥとの戦闘経験が少ない。
バゥが民間人を糸で行動不能にした光景はおろか、連れ去るというのは見たことがないのだ。
あのとき、皆が絶体絶命の危機にさらされていて、仲間を確認することなどできなかった。

「どうします?」
アリアスはケタに聞いた。
「・・・ワカと御剣を助ける」
「・・・でしょうね。まず弾薬を取りに行きませんと・・・一緒にいきます」

アリアスはそう言うと痺れた右腕――腕まくりをしていたから痺れてしまった――をだらりとぶら下げながら、左腕でアサルトライフルを担ぐと、ふと電柱を見上げた。
「いつまでそこにいるんだよ?」
「いやぁ、案外楽しいね。ココ」
戦闘が終わっても未だに電柱にしがみついているルミは、飛行ユニットをふかして地面に降り立つ。

「ところで、なんで調理服で戦ってんの?」
無邪気なルミの言葉に、皆が目を細めた・・・。



今気づきましたが私の文章、一つ一つのキャラがまったく目立ってないorz
特に伊地山、ヘリ兵士さんのキャラとか・・・・・・すいません;;


[No.10785] 2006/04/13(Thu) 17:07:11
fw1.tcn-catv.ne.jp
美しき人 (No.10785への返信 / 37階層) - ヘリ兵士

「おい、どうした?」
バゥを追っ払ったはずなのに、店の中はまだ騒がしい
「バゥが人間を連れ去ったんです」
おそらく外人と思われる金髪の隊員が勇に状況を説明する
その間特にやる事がない大森は店内を見回していた
ふと、大森の目が止まる

「シーリウさん……」
店内にいる一人の女性を見つけ、大森は呟いた
しかし、よく見ればそれは今は無き初恋の人ではなく、別人だ
だが雰囲気が良く似ている
「なにか?」
大森の視線に気づいた女性隊員が声をかけてきた
「いえ……あなたの美しさに見ほれてただけですよ」
大森のふざけた態度にその女性は顔をひきつらせる
「ふざけないでください!今は非常事態なんですよ!」
「怒った顔もまた美しい」
「…修正してあげます」
女性が大森の顔面をぶん殴った
「うわシリア何やてるんすか」
驚いた隊員の一人が声をあげた
店内の人間の視線が一斉に2人に向けられる
「目が覚めましたか?」
勝ち誇った態度で女性が言った
しかし大森は元気に起き上がると(ギガンテス並に丈夫な大森にしてみれば彼女の拳などデコピンの様な物なのだ)、おもむろに女性の手を取った
「決めました、私はあなたのために戦いましょう!」
「はあ?」
突然起こった事に女性は唖然とし、周囲の、民間人までもがぽかーんと口を開けてしまった
「シ…シリアが告白されたっす」
一人の隊員の声で女性は我に帰り、耳まで真っ赤になった
同時に大森の頭部にライサンダーを鈍器として使った一撃が喰らわされる
「すみませんお嬢さん、こいつは馬鹿なんで気にしないでください」
頭を抱えて痛がる大森をどかし、勇が誤った
「……今度から綱つけというてください」
女性は怒ってそう言うと、黙ってしまった
「美しいお嬢さん、どうかお名前を」
いつの間にか復活した大森が再びなんぱを再開した
「シリアって言うんすよ」
「シリア…美しいなヴァが」
シリアの見事なハイキックが炸裂し、大森はぶっ倒れた
「今それどころではないでしょう!!」
般若の様な怒りの形相で、シリアは怒鳴った
「すげえ…」
店内にいた外人の隊員が呟いた
ぶっ倒れた大森だが彼の事である、瞬時に復活するだろうから気にしないでほしい
「では作戦が終わってから…」
ほらね
「お断りします」


[No.10786] 2006/04/13(Thu) 18:49:21
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
二人の親友2 (No.10786への返信 / 38階層) - 三枝

最初に気付いたのは友理だった。
「ねーねーあれなに?」「どれ?」「あれだよ。ほら」
友理が指差す先に目を凝らすと谷底に亀裂が入っていた。
十字を描くように二本が交差している。
「なにって…ただのひびだろ?」そう言ってさっさと帰ろうとするが、突然起きた地響きに倒れそうになった。

見れば亀裂のあった所に穴が空き、中から次々とバゥが現れている。
それも一匹や二匹ではない。満員電車から降りる人波のようにどっと溢れ出てくる。
「あんなにたくさん…」唖然とする友理を尻目に三枝は無線機に呼びかけた。

「こちら三枝。バゥの群れと遭遇。数は―」
ざっと目を走らせるものの、数えようとする試みが無謀に思えてくるほど多い。
おまけに穴はどんどん広がり一度に出てくる数も四匹、五匹と増えていく。
「わからない。とにかくたくさんいる。急いで来てく―」「きゃあ!」

背後から聞こえた悲鳴に三枝は振りかえった。
ウィングに糸が絡まりバランスを崩した友理が橋の上に叩きつけられる。
じたばたと必死の抵抗も虚しくズルズルと引きずられていく。
「と、取れない!」「毎度毎度…動くなよ!」
ユニットを足で押さえ、ウィングとの境目に銃口を押し当てる。
何発か撃つと音を立ててウィングがもげた。
そのまま糸に引きずられて谷底へと消えていく。

どうにか難を逃れたが安心している暇はない。
「逃げろ!」叫ぶ三枝の肘を友理が強く掴んだ。「一緒に…」
「俺はあんたが逃げるまでの時間稼ぎだ。襲われたらアウトだろ?」
心配そうな目でこちらを見る友理に少し笑って見せる。
「大丈夫。そんなに無茶はしないさ」

友理が駆け出したのを確認すると三枝は橋の下を覗き込んだ。
(まだ出てきてる…どんだけいるんだよ…)
手早くリロードを済ませ銃を構えた。
飛びかかる糸をかわし、這い上がって来るバゥを狙い撃つ。
足を撃たれようが、目に風穴を空けられようが奴らは死ぬまで這い上がろうとする。

「サエ君!早く!」気がつけば友理は鉄橋を渡り終えていた。
逃げようとした時、一体のバゥが近くまで上がって来ているのに気付いた。
(あいつを落としてからにするか…)
そう思い銃を構えるが、柱が邪魔で狙いをつけられない。
舌打ちをしながら半歩左に動いた。
「ったく、面倒なとこ―!」

小さなミスだった。しかし、その代償は大きかった。
三枝の左足は足場を踏み外した。
バランスを崩し鉄骨と鉄骨の隙間に滑り落ちる。
何が起こったのかわからぬまま、三枝はバゥのひしめきあう谷底へ落ちていった。



この話はもう少し続きますが、とりあえず連れ去られる部分はこれで終わりです。


[No.10787] 2006/04/13(Thu) 22:36:15
i125-201-45-244.s02.a021.ap.plala.or.jp
Re: 二人の親友2 (No.10787への返信 / 39階層) - jagaimo

  ――渋谷地域 マルサンク隣 民家――



「ああ・・・動かないでくださいね。大丈夫ですよ。毒って言っても強力ではないんで」
アリアスは糸で身動きが出来ない一般市民の男性に一々説明しながら、まとわりついた糸を丁寧に焼いていた。

「うう・・・腕が・・・」
男は初めて受けた毒に、恐怖の表情を浮かべている。

「大丈夫ですって・・・。ていうか俺の右腕も痺れてるんで」
アリアスはそう言って、だらりとぶら下がった己の右腕を指した。武器を扱う右腕はいつも腕まくりをしている。それはカザミ隊長から「伝説の男は腕まくりをしていて、ヘルメットを深く被ってる」と聞いたからなのだが、腕まくりがこんなことでデメリットになるとは・・・。

「アリアス。こっち終わったよ。どう?」
後ろからサエが覗き込んできた。
「なんつーか・・・。マッチだとやりづらいな」
「なんでマッチでやってるの?」
「んー。ポケットにあったから・・・」
アリアス言いながらポケットを探り、四角いマッチの箱を取り出した。

「・・・EDF食堂限定マッチ?」
サエはアリアスの手からマッチをひったくり、不思議そうに首をかしげる。
「なんか結構前に素うどん食ったらついてきた」
「ふぅん・・・。なんか違うの?」
「いや、まったく。いわゆるプレミアもんだ」
「そうなんだ。で、あの・・・なんていったっけ・・・コックさん?についていくんでしょ」
「ケタさんだよ・・・。まぁ、ついていくっつーか。一緒に戦った仲間だろ?」
「そうだね。・・・また地下に入るんだ」

その言葉にアリアスは、弾かれたように顔を上げた。
サエは悲しそうな目で家の外を見ている。

まだ、カザミ隊長が地下の巣穴で戦死したことを気にしているのだ。
「ええと・・・・・・」
アリアスはかける言葉に困り、目をあたりにさまよわせた。火がついているマッチを片手に・・・

「わちちちちち!あっちぃー!」

アリアスは手袋の人さし指に火を灯しながら、家のなかを走り回ってしまった・・・。


[No.10789] 2006/04/13(Thu) 23:59:00
fw1.tcn-catv.ne.jp
「イヤーナ大佐」 (No.10787への返信 / 39階層) - ケタ

渋谷 レストランマルサンク前大通り


「・・・・・」
大森にまとわりつかれ、カっとなっていたシリアだが、
すぐにまたシュンとなってしまった。
無理もない。自分の行動がキッカケになり、仲間が連れ去られたのだ。
そんな様子のシリアをケタは黙って見つめていた。

「とにかく、バゥを追いかけようぜ!この様子じゃ2人だけでなく、
民間人も連れてかれている可能性が高いし!」
アリアスが落ち込んだ雰囲気を覆そうと大声で張り切った。

pipipipi.....

しかし、その時通信が入り、ケタ以外の全員が通信に耳を傾け・・・顔を歪めた。
シリアやアレックスが通信相手に向かい講義しているようだが、
全くラチが開かない状態らしい。
「帰還しろっていわれたッス。さもなきゃ命令違反の対象だと・・」
状況がわからないケタに伊地山が言いにくそうに呟いた。

・・・

・・・

東京 日本EDF隊本部


強制的に帰還させられたシリア、伊地山、サエ、ルミ、アリアス、アレックス、
勇、大森は、
司令室に召還されていた。
ちなみにケタも一緒に並ばされているが、立場としては民間人である。

「さて、と。なにやらバゥがあちこちで出現しているそうだな。
今日は渋谷の街中にまで現れたとか・・・」
全員の顔を見回すように、ふんぞり返ったイヤーナ大佐が口を開いた。

「はい。その戦闘で仲間が連れ去られました。すぐに救出に向かわせてくださ・・ぐっ!」
言い終わる前に、イヤーナの持っていた棒が首を打ち、アレックスが痛みにうめいた。
「勝手な事をしようとするな。仲間は残念だったな、だがもう諦めろ。
貴様らは次の指示を待っていればいい」
そのアレックスを見下したような目でイヤーナが続ける。

その言葉に、一同がイヤーナに疑惑の眼を向ける。
重い沈黙を破ったのは・・・ケタだった。
「まだ死んだって決まったわけじゃない!救出作戦を(・ω・;)」
ケタの言葉にアリアスやシリアが頷いた・・・、
しかし、イヤーナはケタに軽蔑にも似た視線を向けるだけである。

「いいか。日本のEDFの総指揮官は私だ・・・口答えなどするんじゃない」
「とにかくローズ元帥と話をさせて!」
「残念だが、元帥は今海外にでている。留守をまかされたのが私だ!
これ以上逆らうと懲罰ものだぞ」
伊地山、アリアスがいまにもブチ切れそうな表情でイヤーナを睨みつける中、
イヤーナはすまし顔で、ケタの前に立った。

そして・・・・
「なにを!?(・△・;)」
ケタの背負っていたショットガンを奪い取った。

「民間人にこんなモン必要あるまい?銃刀法違反にされる。
こんな旧式使い道などないが、接収させてもらう」
「ローズ元帥に許可はとってる!大事な形見なんだ!(゚皿゚;)」
だが、ケタの言葉は無視され、かわりに2人の大柄な男がケタの両手をガッチリ掴んだ。
そして、そのままケタを部屋の外へ連れて行ってしまった。


「さて、貴様らにも民間人を守れなかった責任をとってもらおうか。
当分謹慎しているがいい」
イヤーナはそう言い放ち、司令室から出て行った・・・。







今まではローズ元帥が隊員達のよき理解者的ナ感じだったので、
悪い上官をだしてみました(^^;

この後の展開はケタとK.Mがバゥのすみかに向かい、(富士の樹海あたり予定)
巨大バゥと遭遇する感じを考えてます。


[No.10790] 2006/04/14(Fri) 00:03:29
softbank220060180225.bbtec.net
二人の親友3 (No.10790への返信 / 40階層) - 三枝

追っ手が来ないのを確認すると京野は輸送トレーラーの座席に腰を下ろした。
全身にまとわりつく疲労にぐったりと頭を垂れる。

山岳地帯に凶虫バゥの群れが出現、京野にその連絡が入ったのは天気のいい昼下がりのことだった。
現地の部隊(掃討隊)がすでに戦っているらしく、その応援に向かってもらいたいという指令だった。
それを聞いたときおそらく増援部隊の誰が勝利を確信していただろう。
少なくとも京野はそうだった。
部隊が二つもいればバゥの群れを殲滅することなど難しいことではない、はずだった。
その予想は裏切られることになった。一体誰が現場の惨状を予想しただろう。

現地に到着した京野たちが見たのは泣き叫ぶ一人の女性隊員、
そして群れと一言で呼ぶにはあまりにも多すぎるバゥの大群だった。
敵戦力を具体的に伝えなかった上官を、そしてその説明に納得してしまった自分を恨んだ。
結果、一人を残して掃討隊は全滅。
増援部隊も際限なく現れるバゥに大損害を負わされ、撤退を余儀なくされた。

向かいの席から嗚咽を漏らすのが聞こえた。
(まだ泣き止んでいないのか…)
京野の向かいではたった一人の生還者が泣きじゃくっていた。
何人かが励ましの言葉をかけていたが無駄に終わったようだ。
途切れ途切れな彼女の語りによれば友人を失ったらしい。
それだけではないだろう、と京野は思う。

敵が現れた際、ユニットの片羽が折れて戦闘が不可能だった彼女は退却していたそうだ。
そして一人だけで生き残った。
仲間が次々とやられていくのを手も足も出せずにただ見ていたのだ。
それは彼女の心に深いダメージを負わせる。
たとえ本人がそれに無自覚でも心の奥底には深い傷跡ができているのだろう。
いたたまれない思いで京野は目を閉じた。


> 今まではローズ元帥が隊員達のよき理解者的ナ感じだったので、
> 悪い上官をだしてみました(^^;

嫌な上官は俺も後々登場させる予定です。
イヤーナ大佐とは違うタイプのキャラになりそうですが。


[No.10791] 2006/04/14(Fri) 20:15:02
i218-44-40-178.s02.a021.ap.plala.or.jp
侵入者 (No.10791への返信 / 41階層) - jagaimo

「んで、どうすっかなと」

アリアスはヤケドを負った人差し指に、ふーふーと息を吹きかけながら一人呟いた。
「勝手に出撃しちゃダメなの?」
サエがいかにも納得いかない、といった顔で言葉を返す。

「でも・・・そんなことしたら罰がくだりますよ・・・」
アレックスが不安そうな顔で言った。その言葉に皆がしゅんとなる。アレックスの言うことは正論なのだ。

「へぶっ!」
突然アレックスが奇妙な声を出したかと思うと、ルミがアレックスの脳天に拳を振り下ろしていた。
「なぁんでそーゆー屁理屈言うかなぁ!シバクよ?」
ルミは仁王立ちでアレックスの目の前に立ちはだかると、ぶつぶつとなにやら説教をし始めた。

「・・・アリアス、あの人殴っちゃえばよかったのに」
サエの思いもよらぬ発言に、頬杖をついていたアリアスの手がずるっ、とスベる。確かに殴り倒したかった相手だが――その前に名前からして嫌な人間だ――さすがにそんな度胸はアリアスにはない。
「・・・サエ、隊長の役割勘違いしてるだろ」
隊長は上官を殴るためにいるのか?、と目を細めながら言った。

「あんたさぁ・・・もうあのバカ大佐の私室に手榴弾放り込んできなさいよ!」
ルミが声を張り上げている。
なんだか皆の考えてる事が「どうやって救出するか」から「そうやって大佐をあの世に送るか」に代わってきているような・・・。

「あ」

サエが何か思いついたように声を上げた。
「どうしたの」
アリアスが不思議そうに問いかけると、サエが「ふふふ」などと笑った。いつものサエじゃない・・・。
「データベース、いじって出撃しちゃう?」
なんだそれ?とアリアスが首をかしげると、それを察したようにサエが話し始める。

「まずはデータベースの私たちの履歴をチェックして、謹慎処分を改ざんするの」
「おう」
「それからあの・・・嫌な大佐だっけ?の今までの情報を徹底的に洗うのよ!」
「・・・シャレ?」ルミがぽつりと呟いた。
「それで少しでも不謹慎なことをしてたら・・・」
「し、してたら?」
「全てのデータベースを改ざんしてマスコミに流すっ!」
サエは昂然と言い放ち、勝ち誇ったような笑みでソファーに足をかけた。

「ってんなことできるのかよっ!」
「うん」
「・・・・・・マスコミに流すのは止めてくれ。EDFに無駄な圧力かかるから」
そうだろう。仮にもローズ元帥の真下にある幹部が、傷のついた経歴を持った男だとなれば――まだ決まっていない――国民の評価が下がる。
それどころかいつかのテロ集団のような人々も出てくる。
しかし、最高水準のファイアーウォールが設けられているEDFのデータベースにハックするなど、普通の人間ではまずできない芸当だ。

「ま、やってみて」
皆があまり期待していないような表情でサエに手を振った。





この後どうしっよっかな〜^^;


[No.10792] 2006/04/14(Fri) 21:17:15
fw1.tcn-catv.ne.jp
自分の世界 (No.10791への返信 / 41階層) - ヘリ兵士

イヤーナの話は勇はしっかり聞いてたが、大森はまるで聞いていなかった
アレックスが殴られた時、わずかに頭にきた、それだけである
話の内容など保守派の馬鹿の述べる事などに興味は無かった
今の彼の気になる事は唯一つ
「シリアさん、なぜあんなに悲しそうなんだろう…」

長らく戦場にいると、価値観がずれてしまう事がある
名誉よりも、金よりも、自分の命よりも、今の彼の大事な物は目の前にいる一目ぼれした気の強そうな美人だった
地球=シリアが今の大森の価値である
ローズの様な世界を変えられる女性が大森の好みであり、命であった
ローズの様な女性のために戦えたらと、大森は常に思っていた
そして、今彼の前にひとめ見ただけでそれとわかる女性がいたのである
はたから見ればただのふざけた馬鹿ななんぱ野朗に見えるが、彼が他のなんぱ野朗と違う点が幾つかある


「シリアさん、俺はこれからあなたの仲間を助けに行きたいと思ってます、ご一緒しませんか?」
「はあ?あんた正気?」

マジで名誉よりほれた女の方を選ぶ


「命令無視になって捕まるでしょ、いいの?」
「言ったじゃないですか、あなたのために戦うと」
「…はあ?」

マジで言ったとおりの事をする
今の彼ならマザーシップにAS−18で挑めとシリアに言われたらやるだろう


「いい加減にしろ、私はお前みたいな奴がだいっきらいだ、私にまとわりつくな!」
再び怒りだすシリア
「ところでどこにつれさられた人達はいるんだ勇」
「話を聞け!」
「知るか、それよりいいのか?命令無視なんかして、あれも一応上官なんだぞ」
「SSの顔を知らないような馬鹿がどんなに怒っても俺達を首にする事なんかできねえよ」
2人の完全に自分の世界モードに、周りは置いてけぼりをくっている
(SS?どっかで聞いた事あるような……)
ケタはふと彼らの言葉の中にでてきたSSと言う言葉が耳にひっかった
特殊部隊にいた頃の記憶らしいが、よく思い出せない

「まあいいや、それではシリア様」
「な……なによ…」
「自分はこれからあなたを悲しませた糞インベーダーを蹴散らし、あなたが世界を変える手助けをさせていただきます」
「私は世界を変える気なんて無い」
「あんな馬鹿がはびこらない世界をあなたが作ると自分は信じてますよ、それじゃ」
「???わけわかんない事ばっか言わないで」
「では一つ確実な事を、俺はあなたのために戦う」
そう言って、勇と大森は走り去っていった

「命令、無視っすよね……」
「命令、無視だよな……」
後に残された者達はあまりにも非現実的な二人に、狐につつかれたような顔で立ち尽くしていた




大森と勇があんまりにもあんまりにもなキャラで本当にすいません
大バゥは任せるんで雑魚の相手をやらせようと思ってます
大森の一目ぼれ関係の話はこれからも続けようと思いますが迷惑だったら言ってください


[No.10793] 2006/04/14(Fri) 21:54:54
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
「王の最期」 (No.10792への返信 / 42階層) - syo

ハシはヘリから降り、ハヤに弾薬と、銃をひとつ渡した。
「いや、俺の銃どこも溶けてないぞ?」
ハヤが首をかしげる。
「まあまあ、型番見てみろ、分かるから」
そういわれたハヤは、渡された銃の型に目を通した。
そして、「?」の表情が驚きに変わり、そして喜びに変わった。
「ライサンダーF!おまえどこでこんな伝説級の銃盗んできたんだ!?」
ハヤは喜びながら聞く。
「危険手榴弾の箱あっただろ?あれ全部片付けて残った箱見てみたら前大戦のときに隠されてたっぽい銃がいくつか見つかったんだよ。その中にそれもあった。
整備してあるからもう撃てる。時間がないから早めに型をつけるぞ!」
「わかった!いくぞぉ!」

二人が銃を構えた横に、レイナも並んだ。
「私もさっきの恨み、晴らすわよぉ!」
そして、3人の銃とギガンテスの120ミリ砲、バゼラートのUT機関砲が一斉に火を噴いた。

「しねぃ!」
ハヤのライサンダーFがセンチピードの頭を吹き飛ばす。
「どりゃぁぁぁ!」
ハシが握っている「ファイブスターSR」が火を噴き、分離したムカデを骸に変える。
「たぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
レイナは、新しく調達した銃「MONSTER-S」でムカデをどんどん切り離し、縮めていった。

「ハシ、そっちに酸飛ぶぞ!」
「OK!」
ハヤとハシは、抜群のチームワークで敵の酸を回避していく。
レイナも、酸の飛んでくる方向を把握し、紙一重で交わしていった。

2時間後、ついに、大地の主、ドラゴンセンチピードの最後の尻尾にライサンダーの風穴が開いた。

「やっとこさ終わった・・・」
ハヤがため息をつき、座り込む。
「お疲れ。さ、帰るか。」
それをハシが起こし、ヘリに乗せた。
「本部のほうでなにやらごたごたしてるらしいから、しばらくは休めないわよ。」
「そんな〜・・・」
そんな会話をしながら、3人は本部に帰ったのであった。



私もバゥ戦に参加してもいいでしょうか?
また動きあったら書くことにします。
はあ、皆さん文才があっていいですね・・・


[No.10795] 2006/04/15(Sat) 00:35:20
126.39.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
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