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No.10796に関するツリー

   ショートストーリー集12 - ケタ - 2006/04/15(Sat) 02:17:14 [No.10796]
Re: 新人隊員 - エア=ウィング - 2006/04/20(Thu) 19:02:18 [No.10836]
単独行動 - 不運な会社 - 2006/04/15(Sat) 10:49:28 [No.10797]
「それぞれの思惑」 - ケタ - 2006/04/15(Sat) 11:52:40 [No.10799]
ローズ暗殺計画 - ヘリ兵士 - 2006/04/15(Sat) 13:32:55 [No.10800]
Re: ローズ暗殺計画 - jagaimo - 2006/04/15(Sat) 19:43:44 [No.10802]
二人の親友4 - 三枝 - 2006/04/15(Sat) 21:15:39 [No.10804]
「聞き込み」 - ケタ - 2006/04/16(Sun) 03:30:36 [No.10811]
警備?・シノ・わな - 漆 - 2006/04/16(Sun) 02:59:10 [No.10809]
調査結果 - jagaimo - 2006/04/16(Sun) 12:22:02 [No.10814]
帰還後 - syo - 2006/04/16(Sun) 20:50:13 [No.10819]
「無断出撃」 - ケタ - 2006/04/16(Sun) 21:25:40 [No.10820]
救出作戦 - 三枝 - 2006/04/16(Sun) 23:21:42 [No.10821]
嫌われ者には正義の鉄槌を - jagaimo - 2006/04/16(Sun) 23:40:28 [No.10822]
「命令を超える友情」 - ケタ - 2006/04/17(Mon) 22:58:34 [No.10824]
暗い、深緑の世界へ - jagaimo - 2006/04/17(Mon) 23:55:13 [No.10825]
「いざ、深淵の森へと・・・」 - syo - 2006/04/18(Tue) 00:15:01 [No.10826]
救出作戦2 - 三枝 - 2006/04/18(Tue) 21:15:27 [No.10828]
「樹海の闇へ」 - ケタ - 2006/04/18(Tue) 23:05:42 [No.10830]
合ってない隊長 - jagaimo - 2006/04/19(Wed) 21:56:31 [No.10835]
「凶虫乱舞」 - syo - 2006/04/20(Thu) 21:28:22 [No.10837]
マラカ副官の憂鬱 - ヘリ兵士 - 2006/04/20(Thu) 23:01:19 [No.10839]
「樹海の闇へ シリア編」 - ケタ - 2006/04/20(Thu) 23:33:56 [No.10840]
救出作戦3 - 三枝 - 2006/04/21(Fri) 17:21:24 [No.10841]
暗い樹海のガイドさん - jagaimo - 2006/04/21(Fri) 21:04:53 [No.10844]
「食料庫」 - ケタ - 2006/04/22(Sat) 01:02:23 [No.10846]
救出作戦4 - 三枝 - 2006/04/22(Sat) 11:37:15 [No.10848]
[ - syo - 2006/04/22(Sat) 13:26:41 [No.10851]
Re: [ - syo - 2006/04/22(Sat) 13:32:59 [No.10852]
「新型アルマゲドンクラスター」 - ケタ - 2006/04/22(Sat) 17:34:00 [No.10853]
ランナー - ヘリ兵士 - 2006/04/22(Sat) 18:49:59 [No.10854]
Re: ランナー - ヘリ兵士 - 2006/04/22(Sat) 18:51:22 [No.10855]
美しい彼女にはトゲがある? - jagaimo - 2006/04/22(Sat) 23:24:50 [No.10857]
「力をあわせて」 - ケタ - 2006/04/23(Sun) 01:44:20 [No.10859]
監視の目 - 漆 - 2006/04/23(Sun) 00:18:33 [No.10858]
出撃 - 不運な会社 - 2006/04/23(Sun) 06:08:19 [No.10860]
「接近戦」 - syo - 2006/04/23(Sun) 20:10:27 [No.10866]
「糸の結界」 - ケタ - 2006/04/23(Sun) 23:48:23 [No.10867]
Re: 「糸の結界」 - ヘリ兵士 - 2006/04/24(Mon) 18:11:32 [No.10868]
救出作戦6 - 三枝 - 2006/04/24(Mon) 19:17:57 [No.10870]
脱走、潜入、再会、大蜘蛛 - あろんα - 2006/04/23(Sun) 12:44:17 [No.10862]
命を懸けた宅急便 - jagaimo - 2006/04/23(Sun) 17:10:53 [No.10863]
救出作戦5 - 三枝 - 2006/04/23(Sun) 18:27:54 [No.10864]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/04/22(Sat) 12:42:55 [No.10849]
愛と正義の行動 - ヘリ兵士 - 2006/04/22(Sat) 13:23:07 [No.10850]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/04/15(Sat) 20:21:27 [No.10803]



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ショートストーリー集12 (親記事) - ケタ

渋谷 レストランマルサンク


ケタは崩壊し、人気のなくなったレストランマルサンクの中で1人うつむいていた。
基地からは叩き出され、シリアや伊地山と話をする時間もなく、
しかもシーリウの形見であるSG99も奪われてしまった・・・。

「ワカ・・御剣・・・(=△=;)」
もはや涙も枯れ果てていた。
2人はまだ生きてるかもしれない・・・だが、どこに連れ去られたのかも
わからない上に、今のケタには戦う武器もなかった・・・。


ガタガタ・・と、散乱したコンクリートを踏み鳴らしK.Mが店内に入ってきたが、
ケタは反応すらせず、下を向いたままである。
「ケタ。俺は慰めを言う気はない。俺の推測を言うぞ」
K.Mはそういいながら小型のノート型パソコンを取り出した。

パチパチとキーボードを打ち、画面に様々なデータが現れる。
「いいか?まず連日のバゥ出現により行方不明者は1000人を超える。
だが、ほとんど遺体が見つかっていないんだ」
バゥが人間を連れ去っていった目的は食料以外には考えられないだろう、
だが、その食べ後がみつかっていないのだ。

ケタがわずかに顔を上げた。
「どこかに巣があるってことか・・・?(△−;)」
「いや、俺の勘だが、巣じゃないな」
「んじゃ、なんなんだ?(・ω・;)」
ケタの言葉にK.Mがわずかに間を置いて、口を開いた。

「女王さ。どこかにいるメスのバゥに求愛するためにオスが食料を運んでいると、俺はにらんでいる」
そう言い、パソコンの画面に蜘蛛の習性を書いたHPを表示させた。

そこには、
[ある種の蜘蛛のオスは自分よりも遥かに体の大きなメスに、
食料となる獲物を生かしたまま渡し、求愛する]と書かれてあった・・・。





ケタとK.Mはちょい単独行動してます。
EDF隊と普通に行動するのは、民間人となった意味が半減するのでw
でも、要所で合流はしていくよてい。

しかし・・・毎日残業5時間以上はかなりしんどいんだが・・・。


[No.10796] 2006/04/15(Sat) 02:17:14
softbank220060180225.bbtec.net
単独行動 (No.10796への返信 / 1階層) - 不運な会社

EDF愛知支部
「ん?なんだこの人混みは?」

カインド達がみた人混みの中には張り紙が張ってあった。

『勝手に出撃した者は罰を受けてもらう。 イヤーナ大佐』しかもなぜか似顔絵付きだ。

「マジで〜冗談きついぜ」といいながら帰る者もいれば、
「死ね!イヤーナ大佐!」といって似顔絵に落書きしたりする奴もいる。
「カインド、この支部の一番偉い奴に殴り込みに行っていいか?」
「いや、やめとけって。でも俺達には関係ないんじゃねーのか」
「なんでだ?」
「いや、俺達海軍だろ。陸軍の事聞く必要ないだろ」

「そうか。じゃあ山口支部まで行ってソフィア達拾ってそのままレクイエム行こうぜ」
「そうだな」


山口支部大食堂

「シェラ一応言っておくが自分の喰った分は自分で払えよ」

「はいはい。分かってるよ」

「ムカデすぐ死んで良かったなぁ。てか味方が駆けつけてくれなかったらどうなっていた事やら」

「こちら前原。ソフィア、聞こえるか?」
「前原さん。そっちは大丈夫ですか」

「大丈夫だ。それより今からそっちに向かう。レクイエム行くから早くしろよ」

「は〜い」







ようやく書き終わった〜


[No.10797] 2006/04/15(Sat) 10:49:28
ntszok106239.szok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
「それぞれの思惑」 (No.10797への返信 / 2階層) - ケタ

アメリカEDF基地 周辺エリア


「やれやれ・・」
ホテルに戻ったローズが髪をかき上げ、ため息を吐いた。
日本を離れ数日。連日の会議、交渉、視察など気を休める暇もない。

「食事でもとられますか?」
ドアをノックして入ってきたチオカが、ホテルのメニューをローズに渡したが、
ローズはザっと見たあとメニューをチオカにつき返した。
正直疲れて食欲もあまりなかった。

「では、お茶漬けでも?」
「ん。・・・んじゃ頼む」
そんなローズの心境を見透かしていたかのように、チオカが鞄からお茶漬けの袋と、
サトウのご飯を取り出す。
その様子に思わずローズが苦笑した。


「日本の様子はどうなっている?」
お茶漬けをさっさと食べたローズがチオカに尋ねる。
「ん。今のところなにも異常はないそうですな・・・しかし、あの男に任せて大丈夫なのか・・・
少々心配ですな」
チオカがローズに意見をする事は非常に珍しい。
だが、今回は仕方ないだろう。あのイヤーナ大佐はどうみても日本を任せれる器ではない。

「・・・・・異常がなければ問題ないんだがな」
ローズも少し曇った表情でそう呟いた。

マザー撃墜した日本EDF隊は、交渉や作戦提案として、
世界各地から招かれているのだ。
当然ローズ1人で回りきれるものではない、
なので優秀な幹部や将校などはローズの代わりに世界各国へと出向いているのだ。

イヤーナは日本を任されたと思っているが、実はローズからしてみれば、
日本でお留守番だったのである・・・・。



・・・

・・・



日本EDF本部

「大佐。本当によろしいのですか??」
部下の1人が恐る恐るそう尋ねた。
イヤーナはめんどくさそうな視線を向け、口を開いた。
「だから、こんなバゥの発生なんて一時的ナものだ。
こんなもので異常発生など報告してみろ、ローズの小娘に笑われるぞ」

部下はさらに何か言いたそうだったが・・・諦めて退室してしまった。


・・・

・・・


渋谷  ???ポイント


避難命令こそでてはいないが、民間人のほとんどは再び地下シェルターへと
戻ってしまっているため、恐ろしく静かだ。

「ここだ」
「え、ここ?(^^;)」
ケタとK.Mは完全に倒壊してしまっている建物の前に立っていた。
元に立っていたのがマンションなのか何かの店だったのかも、
よくわからない程、崩れている。

「チっ、この前の戦闘でさらに崩れちまったのか」
K.Mが舌打ちしながら瓦礫をどけはじめ、ケタもそれに続いた。
ある程度するとなにやら鉄のフタの様なものが姿をあらわし、
K.Mがそのフタを開け、地下へと降りていった。


「(・ω・;)」
K.Nに続き地下へ降りたケタが唖然とした。
まるで電波に侵されそうな程、壁に敷き詰められた電子機器、
そしてその奥にはこれまた膨大な量の武器弾薬が置かれている。

「ここはなんなんだ??(^^;)」
「・・・親父が俺に残したモノ・・・さ」
K.Mが少しためらった後、呟いた。
どうもあまり詳しくは言いたくなさそうである。

軍に所属せずにエイリアンと戦っていたK.Mだが、
ここで情報などを集めていたのだろう。
おそらくはK.Mの親父が作った[基地]なんだろうが、
ココがK.Mの屋台骨だと言うのは間違いなさそうだ。

「やはり・・な。EDF隊も俺のだした想定と同じ事を考えている」
壁に並んだ機械をいじりながら、K.Mが不敵に笑った。
完全に盗聴やハッキングをしているのだろうが、
特に悪用しているわけでもないし、手段を選んでいる場合でもない。

「どこかのメスに生きたまま差し出されているってやつか?(=ω=)」
「そうだ。EDF隊の出撃が規制されてるのが気になるが、御剣達はまだ生きてるかもしれん」
K.Mがそう言って、奥の武器を置いている場所へ歩いていった。

「しかし、時間がたてばたつほど生存率は下がるだろうな」
「あぁ(・ω・)」
ケタもK.Mの隣に行き、武器を物色する・・・。
戦場後で拾ったりもしているのか、EDF隊の装備も混ざっているが、
残念ながらショットガンはなかった。

ケタは大型のアサルトライフル、小型の火炎放射器を両腰に付け、
背中に少々古そうなグレネードランチャーを背負い、バックに入るだけの
銃弾、砲弾を詰め込んだ。

K.Mはいつもの謎のスナイパーライフル2丁を背負い、
全身にライフル弾を身につけた。

コックコートに全身に銃器を装備したケタ、
カジュアルな服装にコマンドーなみに銃弾をくっつけたK.M、
なんとも異様な姿である。

「ククク、なかなかサマになってるぜ」
「さぁ。最強の民間人の出撃と行こう(・ω・)」
ケタとK.Mがパーンと、手を叩いた。







syoさんももちろん参加してくださいなw


[No.10799] 2006/04/15(Sat) 11:52:40
softbank220060180225.bbtec.net
ローズ暗殺計画 (No.10799への返信 / 3階層) - ヘリ兵士

EDFエジプト支部
カイロ本部
波岡率いる第6遊撃隊を始めとする大部隊が集結している
これからエジプトのマザーへの総攻撃が始まるのだ

「こことオーストラリア、後はアメリカのマザーが落ちれば戦争は終わる……、そうなれば…今度は人間同士の争い、か…」
集結する砂漠専用ギガンテスの一段と砂塵防護服を着用した何万もの隊員達の姿を見ながら、波岡は呟いた

数日前、エジプトに到着した波岡を待ていたのはカザーによるクーデターの話だった
内容は世界中のマザーを撃墜した後、世界各国のSS隊員を極秘裏に集結させ、ローズを抹殺してEDFの主導権を得て、本格的に岡田との戦争を始めようと言う物だった

協力しなければ、波岡は殺されるだろう
判断を長く保留しておくのも危ない
現にカザー派だった将校がここ数日に何人かSSによって極秘裏に消されている
波岡にできる事、それは一刻も早くYESと言う事だけだ

しかし、波岡はローズを殺す気など微塵もない
彼は単身、カザー、そして岡田を殲滅する気でいるのである
「危険なのは承知だ、だが、罪も無い女性を殺してまで機密を守る必要なんて無い」
戦車大体がいよいよマザーシップへの総攻撃を始めた


[No.10800] 2006/04/15(Sat) 13:32:55
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
Re: ローズ暗殺計画 (No.10800への返信 / 4階層) - jagaimo

「「できたぁ?!」」
第276独立歩兵小隊詰め所に、サエを除く3人の声が響いた。
「う、うん」
皆の迫力に気圧され、サエがしどろもどろになる。

「それで・・・私たちの個人データに謹慎処分のデータはなかったの。それはいいんだけど・・・」
「いいんだけど?」
「イヤーナ大佐の経歴がね・・・おかしかったの。EDFの個人データベースの情報が歯抜け状態なのよ。
それになぜか私たち以外の隊にも、出撃に制止がかかってたり・・・」
長々と続くサエの言葉に、アリアスは首をかしげた。

自分達のデータの改ざんが行なわれていないのは、書類上で整理されたからなのだろうが、あの大佐の経歴情報に不信な点があるのはもちろん、出撃しようとしている隊を制止するというのも奇妙だ。
ともかく、出撃しようと思えばできるのは事実だ。


「ところで、ムカイさんってどうしたの?昨日の出撃にもいなかったし、本部のなかでも見ないし」
「ああ、たしかに」
なんとなくルミが言った言葉にアリアスが賛同する。

「・・・えっとね。その、データ調べてたときに見つけたんだけど・・・ムカイさん」
サエは渋い顔で言葉を続け、最後にいったん話すことを止めた。
「なに?」

「除隊されてた」

・・・・・・

「は?」
「止めてたの」
「う、嘘だろ!?」

皆が立ち上がり、サエを驚愕の表情で見た。
「なんで!?」
「わからないのよ!自分で止めたらしくて・・・」
「・・・・・・」

あまりにも突然のことに詰め所の空気が冷たくなった。
なぜムカイが止めなくてはならなかったのか?なぜ自分たちに何も言わずに、EDFから降りたのか?

アリアスの頭のなかで様々なが思考が繰り広げられる。
あの人は自分たちを置いて逃げるような臆病者ではないはずだ。

「とにかく、コックさんとも連絡のしようがないんだから。こっちはこっちでやるんでしょ?」

サエの言葉に、アリアスはしばし戸惑った後、顔をあげて口を開いた。
「・・・ああ、今日はもう暗いから、明日の6時に詰め所に集合しよう」
アリアスの言葉に皆が頷いた。

カザミの戦死に続く、ムカイの除隊。
アリアスは心の中で広がってゆく不安を押し殺しながら、手を振って自室へ戻っていった。


[No.10802] 2006/04/15(Sat) 19:43:44
fw1.tcn-catv.ne.jp
(No Subject) (No.10802への返信 / 5階層) - ヘリ兵士

夜の大地の空を、数百の芋虫の様なインベーダーが体から緑色の毒ガスを噴きながら前進している
インベーダーの近くに生えていた植物が煙を吹いてどろどろに解けていく

そいつらの前進する先にヘリ達は陣地を展開し、町への進行を防ごうとしている
ヘリ達以外の隊は着々と長距離砲やスナイパーライフルを設置し、溶解ガスの射程距離外から芋虫を攻撃する準備をしている

しかしヘリはなぜかバゼラートを影、虎太郎、自分の分準備して、コックピットに座って何もしていない
(バゼラートのUT機関砲は射程外だよな…)
影はだんだんヘリが狂ったんじゃないかと思えてきた
なぜここでバゼラートが出てくるんだ?
装甲車が持たないのにバゼラートがガスに耐えられるはずない
そういえばヘリ隊長のあだ名ヘリは隊長がヘリが好きだからって言ってたよな
じゃあ、これは……趣味?

影のヘリに対する信頼が下がっていくのだった


[No.10803] 2006/04/15(Sat) 20:21:27
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
二人の親友4 (No.10802への返信 / 5階層) - 三枝

※今回の話は友理の一人称視点です。作中では「あたし=友理」として考えてください。※

「なんなの…あいつ…?人…食べてた…」「シッ!見つかっちゃう」
先輩はそう言って恐る恐るあいつを見た。「まだいる…待ち伏せしてる」
あたし達の視線の先にいたのは巨大な蜘蛛のような怪物だった。
さっきまでシェルターの入り口近くに陣取り、逃げようとする人を…食べていた。
背筋に寒気が走るあの音を思い出しそうになりあたしは頭を抱える。
今にも泣き出しそうなあたしを先輩は優しく抱きしめた。

面倒見のいい人だった。大学で二年先輩の彼女はあたしの憧れだった。
なんでもできるしっかりした人だった。
あたしが周囲からひんしゅくを買うような失敗をしても笑って許してくれる優しい人だった。

「これあげる」先輩はあたしの手に何かを握らせた。
指輪だった。闇の中でも銀色に輝いている。
「これって…先輩の婚約指輪…」「そう、あなたにあげるわ」
「こんなの…もらえないよ…どうして…?」
搾り出すように言ったあたしの言葉に先輩は悲しそうに目を伏せる。
「死んじゃったの。私の旦那」
出会った時の先輩の表情を思い出しあたしははっとした。

逃げ惑う人波の中、途方に暮れた表情で立ち尽くしていた先輩。
絶望の淵にいる彼女に助けを求めてしまった自分が情けなくてあたしは悲しくなってきた。

「それなら尚更もらえないよ…」返そうと突き出したあたしの手を先輩は握り締める。
こんな状況なのにどういうわけか微笑んでいた。
「どうして私がこれをあなたにあげるのか、わかる?」
わかんないよ…、と首を横に振った。
「私の形見」「え?」あたしが驚いている間に先輩は立ち上がった。
絶対に生き残ってね!、と言い残して走り出す。
先輩が何をしようとしているのか気付き、あたしは息を飲んだ。
止めようとしても、もう手遅れだった。

呆然としていたあたしは、叫び声で現実に引き戻された。
あらん限りの大声で先輩が叫んでいた。
言葉で表すことのできない、音の大きさだけを求めた叫び。
怪物が先輩を追い始める。それを見てあたしは駆け出した。
シェルターの入り口までの10メートルがひどく長い。
短い悲鳴にあたしは足を止めた。
足に絡んだ糸を取ろうと躍起になる先輩に怪物がにじり寄っている。

一瞬、先輩とあたしの目が合った。
「なにやってるの!早く逃げなさい!」先輩は空に向かって叫んだ。
その時はなぜ空に向かって叫ぶのかわからなかったが、今思えばあたしがいるのを悟られないためだった。
最後の最後まであたしを気遣ってくれていたのだ。

あたしは走り出した。シェルターのドアノブに手をかけ、厚い扉を引っ張る。
僅かにできた隙間に身体を滑りこませた。荒い息遣いで壁にもたれる。
息を整えるあたしの耳にあの音が突き刺さった。
グチャ、ビシャッ、バキバキバキ…肉が裂け、血しぶきが飛び、骨の砕ける音。
先輩の作戦のすべてが終わった瞬間だった…
あたしはその場に泣き崩れた。
バタン、と音を立てて重い扉が閉まった。

悲鳴を上げてあたしは飛び起きた。
「……ゆ、夢?」闇の中に広がる光景は見なれた自室のものだった。
ふぅ、と息を吐く。ひどく寝汗をかいていた。
あの夢を見たのは久しぶりだ。
以前は毎日この夢にうなされたが、最近ではめっきりと減っていた。
先輩の事を忘れたわけではない、悪夢としてみるのが減ったのだ。

窓の外は暗く、時計を見るとまだ起きるには早い時間だった。
一瞬、サエ君が鉄橋の隙間に消えていく姿が脳裏を過ぎった。
のろのろとベッドから降りて目覚ましのスイッチを切る。
もともとこの時間帯に起きるつもりだった。
予定を二時間早めたところで不都合はないだろう。
もう一度眠る気にはなれない。
夢の中に舞い戻ったところで悪夢にうなされるだけなのだ。


あとがき
長いですね…
今回友理の一人称にしたのは「先輩」のためです。
実は彼女の名前考えてないんですよ(笑)

さて、次回から救出編に入りたいと思うのですが…
もう出撃させても良いんでしょうか?
そもそもバゥの親玉はどこにいるんでしょう?
冨士の樹海だった気がしますが…?


[No.10804] 2006/04/15(Sat) 21:15:39
i125-201-45-26.s02.a021.ap.plala.or.jp
警備?・シノ・わな (No.10804への返信 / 6階層) - 漆

EDF本部

漆は本部の警備に当たっていた。
「警備に当たる」と言っても、ただ本部の周りを回っているだけだ。
傍から見れば放浪癖のある人間に見えなくも無い。
本当に尉官なのだろうか?

その警備(?) を終えて漆は正面ゲートに戻ってきた。
「あ、隊長さん・・・」
正面ゲートの警備に当たっていたシノが漆に気づき声をかける。
顔色は余りよくない。
「ン?どうかしたのか?なんだか暗い雰囲気だが。」
「――今日、街にバゥの大群が押し寄せて、被害を被ったのは知っていますよね?マザーシップを破壊しても、まだ世界は平和にならないのかなって・・・」

その問いは誰もが思うことだろう。
ヒト同士の戦争ならば、頭を潰せば終わったも同然だ。
だが、相手は地球外生命体。
おそらく野生生物。
本能だけの生物なのだ。
 恐怖を感じず、愛を知らず、ただ仲間を・・・・・・子孫を残すために生きている。
 ヒトは2回目の「侵略者」を倒したに過ぎない。
 今からほんのわずかの間、「侵略者」の蒔いた種との生存争いをしなければならない。
 たとえ・・・自分を犠牲にしても・・・・・・

「――平和にはならないさ、今は。ヒトが本能の根本に「種の繁栄」と言った執着があるように、巨大生物(あれら)にも「種の繁栄」がある(多分)。その過程で、人が巨大生物を根絶やしにしなければ生きられない。また、巨大生物は人間を食わなければ生きられない。こうなっているのだから、ぶつかるのなら当たり前。・・・ま、早く終わるに越したことはないが、まだ・・・・・・」
漆はそこで口を止めた。

「確かにそうですね・・・。インベーダーにとって『彼ら』はただの駒でしかなくて、人にとっての『彼ら』は脅威でしかないです。でも、『彼ら』はただ生きているだけですものね・・・」
 彼女は漆の言葉を直ぐに理解した。
 この時ばかりは、あいつがいなくて良かったと本気で思える。
「――シノ・・・。お前は何でEDFに入隊したんだ?」
 その言葉を言って、漆は後悔した・・・
 彼女の、目に涙が浮かんできたからである。
「――『彼ら』に・・・『彼ら』に父と母を・・・・・・殺されまして・・・・・・」
「――!あ、え〜っと・・・」
 漆の顔は見る見るうちに青くなってきた。
 EDFに入隊した者の大半は遺族を殺されたからだろう。
 『シノ』の人柄を見れば分かる。
戦闘狂でもなければ自殺願望者でもない。
何処にでもいそうなもの静かな女性なのだ。

漆は今までに何度も失敗はしてきた。その度にまた起こさないように努力をするが、それが実った矯めしがない。
漆は鈍感な自分を呪った。
たとえ、それが無駄だと分かっていても・・・
「――そのときは『彼』らを怨みました。『なぜ『彼ら』はこの惑星を襲ったのか』『なぜ父を母を奪ったのか?』だから、EDFに入隊したんです。・・・そして、自分の間違いに気づきました・・・貴方の言ったとおりのことを。」
 彼女は涙を拭き、そう笑いかける。

「すまなかった・・・・・・」
そう言って漆は頭を下げる。
「いえ・・・私は大丈夫です。私には貴方や、皆さんがいますから。」
 そう言ってようやく何時もの笑顔に戻った。
 漆は顔を上げる。その顔には、一つの悲しみがあった。

「もう一つ・・・だけ質問させてもらいたい。もし・・・『未来』が絶対に変える事の出来ないシナリオで、バッドエンド。それを知っていても、変える事が出来ないのなら・・・それでもお前はあがき続けるか?」
「私は――」
 漆はシノをまた傷つける事を覚悟で聞く。
「私は、そうであってもあがき続けますよ。例え変えられなくても・・・自分がこうしたいと思った事をしなければ、必ず後悔する事を知っていますから・・・」
 単純な答えだった。
 だが、彼女の強さが伝わってくる言葉だ。

「次にここ来るのは・・・皇帝都市・・・南の島に自生するタコノキ科の――」
「隊長!熱いところスンマセン。ところで知ってるか?今日、バゥが出てきてそのバゥに二人の隊員が連れ去られたって事!」
 トールが話しに乱入してきた。
 そのため漆の言葉はシノに届くことは無かった。
「連れ去られた・・・誰が!?何処で!?脳みそを吸われて死んだと!?・・・・・・冗談は置いといて。救助隊が向かったんじゃないのか?」
 漆は冗談を本気で心配しているかのように演じていた。
 間違いなく連れ去られた二人の仲間が見ていたら殺されていたかも知れない。

「いやそれが・・・・・・イヤーナ大佐が救助隊を編成しないって・・・」
「はぁ?」「え・・・?」
 少なくとも今の疲弊したEDFには、二人とは言え戦力は貴重だ。
 ・・・・・・それに、バゥの巣を発見できる機会でもある。
「隊長!救助に行きましょう!これじゃぁ見殺しだ!」
「――ダメだ。」
 漆の口から発せられたのいは、意外な言葉だった。
「俺たちは、『EDF』軍隊(?)だ。偽善者じゃない・・・・・・」
「あんたはそれでいいのかよ!俺はあんたを――」
 トールが漆の言葉にキレた。
 今にも漆に食って掛かる勢いでいる。
「ハー・・・よく考えろ。『EDF』は軍隊だ。命令もなしに動く事はできない。それに、焦るばかりじゃ周りが見えないものだ。」
「だからなんだ!ヒトの命が係っているときに――」
トールはまた吠える。
漆もまた、溜息をつく・・・
「なー偽善者(ヒーロー)よ・・・少し考えたら分かるだろ・・・お前がそこまで熱くなるのなら、そいつ等を慕っている奴らが行動を起こす。それに、今の戦力を全て出すと街に奴らが出たときに誰が護る?こんなふざけた命令出す大佐について行くのはかなり愚かだぞ?。」
 漆の説明はもっともだ。(アニメや漫画なら・・・)
 
「確かに・・・」
「分かったなら、ペンキと、少量の火薬の用意。大佐の部屋にトラップを仕掛ける。クックックック・・・・・・」
 大佐の部屋にトラップを仕掛ける・・・とんでもない考えだ・・・
 普通なら、減給だけではすまない。
「OK。はははははは・・・・・・」
トールが一言で答えを返した。
「それから、手榴弾を投げ込むなら俺もやる。そう伝えとけ・・・ックックックックック〜・・・・・・」
「OK。ははははははははははは・・・・・・」
またもや、トールは一言で返事を返した。


すでに、シノには止めるすべが無かった・・・・・・



ひとまず、トラップを仕掛けました。迷惑ならば無かった事にしてかまいません。
今、沼史大佐は何処にいるのだろう?


[No.10809] 2006/04/16(Sun) 02:59:10
p2089-ipad06imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
「聞き込み」 (No.10804への返信 / 6階層) - ケタ

渋谷 K.M秘密地下基地


とりあえず火力をそろえたケタとK.Mだが、
肝心の敵の居場所がわからなければ戦いようがない。

「バゥは西の方へ逃げてったから、とにかく西へ進むか?」
「いや、いきあたりばったりじゃ敵見つける頃にはみんな食べられてる。
なんとか目星だけでもつけて行動しないと(−−;)」
しかし、K.Mの施設から有力な情報が得られない以上、
現段階では御剣達が連れて行かれた場所の特定は不可能だ。

「・・・・これしかないか・・(・ω・;)」
ケタが自分に言い聞かせるように呟き、K.Mが眉をひそめた。
「なんか方法でもあるのか?」
「ん。俺らが見えてる物は見えないけど、俺らには見えないモノが見える人がいるだろう(^^;)」
ケタの言葉にK.Mは目を丸くした。


2時間後

ケタとK.M・・・そしてカエデが、地下基地にいた。

「カエデさん。あんた不思議な力があるんだろう?頼みがあるんだ(・ω・;)」
「・・・(黙)」
状況がよくわからず黙っているカエデに、ケタが話し掛け、
その様子をK.Mは少し離れて黙って見つめていた。

「多くの人間がバゥに捕獲されているはずなんだ・・・
どうしてもその場所がわからない!!なんとかできないか!?(・△・;)」
「・・・私は遠視なんてできないわ(困)」
カエデの言葉にケタがうなだれ、K.Mがため息をついた。

「・・・でも、やれるだけやってみる・・・(気)」
カエデがそう呟き、頭を抱えるようにしてうずくまった。

「・・・・・・・」
「・・・・」
「・・・・(・ω・;)」
数分くらいたっただろうか・・・。
押し黙った地下基地に、なんとも異常な空気が漂う・・・。

「ク・・なんだこれは・・・」
ケタとK.Mの戦場で研ぎ澄まされた五感は、基地内に漂う「ナニカ」を
たしかに感じていた。

プチンと、基地の壁に並んでいる電子機器のモニターの電源が落ち、
部屋の照明が明滅している・・・。
「・・・マジかよ!」
「エイリアンはいるのに、幽霊はいちゃ駄目か?K.M(^^;)」
ケタとK.Mが焦る中・・・・

不意に基地内が静かになった・・・。

「・・・ぅ・・(苦)」
そんな中でカエデが大きく息を吐き出し、イスから崩れ落ちた。
急いでK.Mがカエデを抱き起こす。

「何をしたんだ!?」
「・・・聞き込みよ・・。相手は人じゃないけどね・・(辛)」
K.Mの問いにカエデが苦しそうに返事をした。
どうやらかなりの体力を消耗したらしい。
最後の力でケタの方を向き、口を開いた・・・。

「場所は・・樹海。富士の樹海よ・・そこに・・多くの人が・・」
そこまで言ってカエデは気を失ってしまった。


・・・

・・・


[はい。こちらEDF隊東京本部です]
「俺は元EDF隊伍長、ケタ!
バゥに連れ去られた行方不明者の場所がわかったんだ!富士の樹海にいる!」
[・・・どうやってその情報を手に入れたのですか?]
「え?・・・あ、その・・霊媒?・・・あ。切られた」

ケタが受話器を置いて、ため息をつく。
なんとかEDF隊にも動いてもらいたかったのだが、いたずら電話としか
受け取ってもらえない。
シリアや伊地山、ローズの連絡先を聞いておくべきだったと、
ケタはいまさらながら後悔していた。

その様子を見ていたK.Mがめんどくさそうに壁の機器を操作する。
「EDF隊が動くかどうかはわからんが、むこうのデータにハッキングして、
[敵は樹海にいる]と、流してみるか」
「頼むわ(=ω=;)」
手早く入力したK.Mが立ち上がり、置いていた自分のスナイパーライフルを
手に取った。

「時間との勝負になる。さっそく向かうぞ」
「おう!(・ω・)ノ」
数分後には、2人は地下基地を出発していた。
目標は・・・富士の樹海である!





てなわけで、富士の樹海にw
まぁ、情報元はあれですが、勘弁してください(^^;


[No.10811] 2006/04/16(Sun) 03:30:36
softbank220060180225.bbtec.net
調査結果 (No.10809への返信 / 7階層) - jagaimo

  ――第276独立歩兵小隊詰め所 〇六〇〇時――

サエは小さなアクビをすると、コホン、と咳払いをした。
傍らには、どこから持ってきたのか、プロジェクターを投影するためのホワイトボードが置いてあり、
そこにサエのパソコンのOS名が映し出されている。

「いい?今から私が集めた情報を元に作ったシュミレーションをモニターに映すから、
ちゃんと見て、覚えてね。・・・ルミ?ちゃ・ん・と・見・て・ね?」
ごしごしと目を擦って大きなアクビを漏らしたルミに、サエはスタッカートつきで繰り返した。

サエが机に置かれたパソコンのキーを叩くと、ホワイトボードの画面が一転し、
「≪S≫ MAP system Mt, Fuji――sea of trees」と書かれたポリゴン地形シュミレーターが起動した。

何もない平面な方眼紙のような地面から、地形を表す四角柱が飛び出し、そして緑や青で部分的に彩られ、木々と建物を区別する。

「これは富士山の樹海のマップ。どう?よくできてるでしょ?」
嬉しそうな顔で聞いてくるサエに、アリアスは「うん・・・」と曖昧に答えると
「それで・・・なんで富士山のマップなんだ?」と促した。
「うん。それがね・・・」
サエが再び腰を折ってキーを叩くと、今度はディスプレイの右上にサブ画面が開き、「Sibuya All MAP」と称されたマップが表示された。

「これが私たちの戦った地域」
表示されたマップが拡大され、ある一点から赤いポインタが大量に湧き出し、赤い波となって広がっていく。

「そしてこれが出現したバゥの群れで、青い点が私たち、白い点が民間人なの」
渋谷全域に広がった赤い波は、次々と白い点を飲み込んでいった。その横に青い点が散りばめてあり、その周辺の赤い点が消えていく。

・・・こうみてみると、赤い波は自分たちよりも数千倍デカイような気がする。
もしあのまま敵勢に突っ込んでいたら、100%の確立で戦死していた。

「で、この黄色い点。これなんだと思う?」
サエは手に持った小さな差し棒を引き伸ばすと、赤い波の上に乗っているかのように表示されている黄色いポインタをさした。
その問いにルミがしゅたっ、と手を上げる。

「はい。スメラギさん」
一々名字で指名されたルミは自信有り気に「拉致された人です!先生」と演技がかった声をあげた。

「はい、よく出来ました。先生、平常点10プラスしちゃう。男子、テストに出るわよ」
その男子二名は完全に茶番を無視し、次の言葉を待った。

「・・・・・・んで、これがそのバゥたちの退却ルート」
ホワイトボードの画面は渋谷地域から離れ、関東、東海までの地図が表示される。そして黄色い矢印が東京の上に現れ、そのまま山梨県と静岡県の境にある「Mt,FUJI」と示された点まで一気に伸びて行った。

「・・・つまり、バゥの群れは富士山まで・・・その拉致被害者(?)を連れてったのか?」
「そう、そーゆーこと」
アリアスの言葉にサエはこくん、と頷く。
「・・・それ、どこから仕入れた情報?」
「ん?EDFのデータベース。少し改ざん部分がアヤシイけど。ま、外部リンクから操作したみたいだし、ちゃんとここら一帯の地震観測所のデータも洗ったから。たぶん流したのは・・・」
「ケタさんか」
サエが再び頷いた。

しかし・・・なぜ捕らえた獲物を富士山まで持ち帰る必要がある?アリ型の巨大生物はその場で敵を食いちぎっていた。別に冬眠するわけでもないし――だいたいまだ夏だ――そんな習性は見たことがない。

「ま、このシュミレーターはあくまで連れ去った道のりの憶測だけどね。なぜ捕らえたエサを持ち帰るのか、については・・・」
サエは再び話し始めた。全てを知るためには、まだ時間がかかりそうだ・・・。


[No.10814] 2006/04/16(Sun) 12:22:02
fw1.tcn-catv.ne.jp
帰還後 (No.10814への返信 / 8階層) - syo

ドラゴンセンチピードを倒して、ハヤ達は基地に帰還した。
「あ〜、腹減った!」
ハヤがつぶやく。
ハヤはマザーを落とした後、非常食を取らずに帰還しようと試み(ぎりぎりまで我慢して焼肉を食べようとした)、その途中にムカデに遭遇したため、出撃前に食べたっきり全く腹に物を入れていないのだ(ハシやレイナは非常食も食べ、武器を取りに来たときに料理を少しつまんで食べていた)。
「もう料理はとっくの昔に片付けちゃったって。私たちもぎりぎり残ってたサラダ食べたんだから。」
「そんな馬鹿な!神は俺を見捨てやがった!」
「分かった分かった、俺の非常食かじりかけやるから。」
「おう、ありがと・・・って、もらってたまるかボケェ!」

廊下でそんな会話をしているとき、ハシが壁に貼られているポスターに気がついた。
「勝手に出撃した者は罰を受けてもらう。 イヤーナ大佐」
「何だこいつ?気持ち悪い似顔絵描いてあるし。」
「なんかローズ元帥が海外に出たから留守任されてるんだって。」
「腹減った・・・こいつ食っていい?」
「お前腹壊すって・・・・・」

そんな会話をしていたとき、張本人が施設内にもかかわらず2人のやたら暗そうな護衛に守られながら歩いてきた。
「うわぁ・・・本人来たよ・・・。」
「いかにもって感じの大佐殿だな・・・」
「おい、貴様ら3人!随分ぼろぼろだが、もしや私の許可なく出撃したのではあるまいな?」
そのいやみったらしい口調で出てきた質問に、ハシが答えた。
「いやあ、帰還中にムカデに遭遇しただけですよ。大佐。」
「私はそのような戦闘を許可してはおらんぞ。なぜ報告しなかったのだね?」
今度はハヤが答えた。
「ちょっと通信機持ってる余裕がなかったもんで。」
「たかが巨大生物との戦闘ごときで通信ができなかっただと?そんな嘘、この私には通用せんぞ。あのローズとか言う小娘とは違ってな。」
「酸の雨が絶え間なく降ってくるんですよ。通信機でライサンダー撃てたら良いんですけど。」
「ふざけるのも大概にしろ!貴様らは全員軍法会議にかける!」
今度はレイナが食って掛かった。
「はぁ?あんた、ムカデ見たことないの?あの酸の中で通信機持てる方がおかしいわよ!あんた一回やって見なさいよ!」
すると、イヤーナは持っていた棒を振り上げ、叫んだ。
「もはや許さん!会議にかけるまでもないわ!貴様ら全員除た・・」
バァン! 乾いた音と共に、大佐の持っていた棒がはじけ飛んだ。
ライサンダーを大佐に向けたハヤが聞いた。
「・・俺今かなり腹減ってるから簡潔に言うけど、頭から飛ばされるか足から飛ばされるかどっちがいい?」
「な、何を言って・・・」

ガチャ・・・今度はファイブスターを構えたハシが話す。
「お前、こんなことしてるの俺たちだけじゃないだろ?さっきから見ててみんなテンション低くて、なぜかお前を避けてんだよ。
言え!俺達が戦っている間に何が起きて、お前は何をしてたんだ!」

「わ、私は何も・・・」

言い訳する大佐に止めを刺すかのようにレイナが叫んだ。

「みなさ〜ん、こいつが何してた知ってる人いますか〜?」



その後、3人はバゥが大量発生した事、それによって何人かの隊員が連れ去られたこと、そして大佐が自分の名声のために救出作戦に行くことを禁止していたことを聞いて、周りの隊員と一緒に大佐に多数のたんこぶと青あざをつけたあと、救助作戦を敢行することを約束させてから食事を取ったのであった。




なんか大佐ボコっちゃいましたけど大丈夫だったでしょうか?
とりあえず3人は救助に向かうことにします。
それと、良かったらケタのショットガン取り返しておきますがどうでしょうか?
もし取り返すならどこかで合流して渡すことになると思いますのでそのときはキャラ自由に使っていただいてかまいませんので。
では。


[No.10819] 2006/04/16(Sun) 20:50:13
126.39.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
「無断出撃」 (No.10819への返信 / 9階層) - ケタ

東京EDF本部 


自習室と書かれた部屋の中でシリアはうつむいていた。
自分のせいで仲間が連れ去られ、救出にも行けず、
ケタにも呆れられてしまっただろう・・・。
もはや、イヤーナ大佐に怒りをぶつける気力も萎えていた。

「シリア〜。暗いと可愛い顔が台無しッスよ!」
伊地山がガラにもないセリフでなごませようとするが、
シリアは見向きもしない。

「俺も辛いッスよ。御剣は俺をかばってやられたんスから・・」
伊地山が頭をかきながら、そう呟き、パソコンを開いた。
なにかバゥについての情報がないかだけでも確かめておきたかったのだが・・・
伊地山は目を見開いた。

[敵は樹海にいる]

パソコンの画面に現れた文字はそう書かれていた。
いつもの情報の表記パターンとは全く異質で、異常である。
「コレって・・・」
シリアも伊地山もパソコンを覗きこんで眉をひそめた。

「外部からデータを書きかえられてるわね。敵って・・・バゥの事?」
シリアが伊地山を押しのけてパソコンをいじってみるが、
それ以上の情報は載っていない。
しかし・・・シリアの腹は決まっていた。

「ここに御剣たちがいるのかも・・・私、行くわ」
「謹慎中の命令違反になるし、完全な無断出撃ッスよ!?」
シリアの言葉に伊地山が思わず声を荒げた。

「クビにでも軍法会議にでもかけりゃいいって伝えて!
このままなにもしないでいるなんてできない!」
「でも・・・ぐべっ!」
止めようとする伊地山の股間にシリアの膝蹴りが入り、
伊地山が白目をむいて崩れ落ちた。
シリアは一気に自習室を飛び出し、武器庫の方へ向かって走り出した・・・。

・・・

・・・

「なにぃ!?シリア・アークソルムが無断出撃だと!?」
ハヤ達に殴れた怪我をさすりつつ、イヤーナ大佐が通信機にむけて怒鳴った。
「あんな小娘まで私を愚弄するというのか!・・いいか!その女は・・」
そう言って、自室のドアにイヤーナが手をかけた瞬間・・・

ボンっ!バシャ

なぜかドアの横に置いてあった箱が爆発し、イヤーナ側に大量のペンキが
浴びせられた。

「な・・なん・・・ごふっ!」
驚いたイヤーナの頭上にEDF研究所がエイリアンの技術を応用して
作った最強のコント用のタライが落ちてきた。
その衝撃に泡を吹いて仰向けに倒れて、気絶してしまった。

[大佐?大佐??その女は・・・どうするんです?]
気絶したイヤーナの手の中で通信機がむなしくしゃべっていた・・・。





ケタのショットガンは取り戻さなくていいですよw


[No.10820] 2006/04/16(Sun) 21:25:40
softbank220060180225.bbtec.net
救出作戦 (No.10820への返信 / 10階層) - 三枝

友理はアーマーを着て、飛行ユニットを背負った。
(サエ君…待っててね…絶対助けてあげるから…)
ブーツを履き、ヘルメットを被る。
(大丈夫だよね…うん…きっと生きてる…)
指輪をはめた手を数秒間見つめ、グローブをつける。
(先輩…見ててね…あたしはもう…あの時の無力なあたしじゃないから…)
コードを繋ぎ、サンダーボウ30にエネルギーをチャージする。
自らを鼓舞するために彼女は天に拳を突き上げた。「よしっ!やるぞ!」


静かな廊下を足音が響かないよう注意して歩く。
新聞のテレビ欄に深夜とか明朝とか書かれそうな時間帯である。
誰もが眠り、静まり返った基地内で足音を立てればさぞかし目立つだろう。
角の向こうにある裏口をそっと覗き見ると守衛が立っていた。
(やっぱいるよね…じゃ計画通りトイレの窓からで…)


引き返そうとした時、何かにぶつかった。「いたっ!」
鼻をさすりながら見ると背の高い陸戦兵がこちらを見下ろしている。
交代にきた守衛だろうか。いずれにせよ緊急事態だ。
「あ、あたしはただ早めに起きちゃって散歩してただけで―」
過剰な身振り手振りで苦しすぎる言い訳を述べる。


「別にコッソリ出撃しようなんて…ああ!い、今のはなんでもないんです!忘れてください!」
「…とりあえず落ち着け」「で、ですからあたしはただ散歩しようと…あれ?」 
ふと、陸戦兵の声に聞き覚えがあることに気がついた。
あれ?もしかして、と思い、できるだけ冷静に相手を観察する。
アーマースーツ、ファイブスターSR−B、普段の彼なら考えられない装備だが間違いない。


「…ナルさん!?どうしたのその格好!?」「私も同行する。君一人では不安だからな」
「な、なんであたしが行こうとすること知ってたの」
「君は必ず捜索に行くだろうと思ったからさ。情報があろうとなかろうとな」
要するに自分の行動が単純極まりないということである。
「と、とりあえず行こっか。えっと…出口に一番近い窓は―」
「別に窓から出る必要はないだろう」成瀬の言葉に友理は珍しく呆れたような態度をとった。


「あのねぇナルさん。嫌な大佐…じゃなくってイヤーナ大佐のせいで今は出撃できないの」
「…ああ、まだ見せてなかったな」
成瀬はポケットから折りたたんだ紙を取り出し友理の目の前で広げて見せた。


イヤーナ大佐って相当皆さんに嫌われてますよね。
ケタさん憎まれ役を書くの上手ですね。


[No.10821] 2006/04/16(Sun) 23:21:42
i220-109-141-199.s02.a021.ap.plala.or.jp
嫌われ者には正義の鉄槌を (No.10821への返信 / 11階層) - jagaimo

第276独立歩兵小隊の面々は、食堂に向かう為に廊下を歩いていた。

この後、食堂で腹ごしらえを終えたあとに、所有しているヘリで富士山に一番近い基地まで移動し、
そこでバイク2台を失敬して富士山の樹海までドライブする手はずだ。

「あ、少し寄り道してもいいか?」
アリアスが言った。口元に不敵な笑みを湛えている・・・。
「いいけど・・・。どこいくの?」
「イヤーナ大佐んとこ」
「・・・一々断ってくの?」
「おう。拳で」
「OK」

つまりイヤーナ大佐にお見舞いしてから、ゆっくり行こう、と言っているのだ。

アリアスは大佐の執務室の入り口に立つと、「失礼します」といってドアを開けた。

次に目に飛び込んできたのは、大佐の変わり果てた姿だった。
白と赤のツートンカラーだった制服は無残にもペンキまみれになり、傍らにはおそらく大佐の頭に直撃したであろうタライが転がっている。

「・・・キマってるな。新しいギャグか?」
「じゃん?あ、生きてる」

アリアスとルミが会話していると、イヤーナは「うぐぐ・・・」などと呻き、起き上がった。
それを見たルミはニヤリと笑い、いったん廊下まで後退する。

「はっ!き、貴様ら!」
さすがは大佐だけの事はある。
自分がどういう状況に置かれているかを瞬時に悟り、アリアス達に怒声を浴びせかけてきた。

「大丈夫ですかぁ!?大佐っ!」
サエは一度ルミと目を合わせた後、イヤーナの後ろへ回って肩を掴んで心配そうな声をあげた。
そして、その肩を掴んだ手にチカラを込めて、イヤーナの身動きを――封じた。
サエが右手でぐっ、と親指を立てる。
それをGOサインに廊下からルミの飛び蹴りが飛来した。

「ルミちゃんキィーーックすぺしゃるぅ!」

サエのいかにも心配した声と誰が見てもはっとしてしまうきらめく笑顔に、自分に対して気があるとでも思ったのだろう、にやけた表情のイヤーナの顔面にルミのハイヒールが刺さる!

「ぶぎゃ!」

蹴った瞬間、「ごきゃ」だの「べきゃ」だの音がしたが、ルミはそんな事は気にしない。
たぶん顔が陥没した音だから、死んでないから――たぶん死んでも――皆は気にしない。
ルミとサエが「やった!」と言いながら手をタッチした。

「プレゼントだ」
そう言ってアリアスはHG−13Aを通信機の代わりに握らせる。一応、留め金は外していないが、起きたときの精神的ダメージはジェノサイド砲を上回るだろう。
ちゃんと「MISSION FAILED」と書いておいた事だし。

その後、4人でさらに袋叩きにし、ペンキを浴びせて食堂へ向かった。
食堂ではなぜか、他の隊との会話がイヤーナ大佐の話題で持ちきりだった・・・。



たしかにイヤーナ大佐の憎さはすごいですね。
思わずボコってしまいますw

そういえばケタさんの「エイリアンの技術を応用して作った最強のコント用のタライ」に吹いてしまいましたねw


[No.10822] 2006/04/16(Sun) 23:40:28
fw1.tcn-catv.ne.jp
「命令を超える友情」 (No.10822への返信 / 12階層) - ケタ

EDF本部 武器弾薬庫


無断出撃しようとしているシリアが持ち出す武器を選んでいた時、
1つの武器が目にとまった。

「姉さんと、ケタのSG99」
そう呟いて、SG99を手に取る。
シリアの姉シーリウが死の間際にケタに託し、今までケタが愛用していたショットガンである。
よく見ると恐ろしく使い込まれているが、丁寧に整備されているのがわかる。

「ケタ、姉さん・・・力を貸して」
シリアは軽く目を閉じ祈った後、ショットガンを背中に背負い、
いつものアサルトライフルを首からかけた。

・・・その時。

「シリア〜いるッスか?」
武器庫にのんびり歩きながら伊地山が入ってきた。
「伊地山!あくまで邪魔するなら容赦しないわ!」
シリアが素早く伊地山の正面に踏み込み、当身をくらわそうと構えた!

「わわ!!待つッス!別に止めに来たわけじゃないッスよ!!」
大慌てで弁明する伊地山の顎先数センチのところでシリアの掌打が止まった。
「・・・・?」
「俺も一緒に行くッスよ。すぐ準備するから待ってくれッス」
苦笑いしながら伊地山が攻撃態勢のシリアの横を抜け、武器を物色しはじめた。
シリアもやっと警戒を解き、とりあえず近くの木箱に腰を下ろした。

「そういや、ケタには連絡しないんスか?たしか電話番号もらってたスよね?」
「ん・・・。ケタはもう民間人だもん。これは私たちでケリをつけて・・・
その後に堂々と再会したいの・・」
伊地山の言葉にシリアがうつむきながら答えた。
「そうッスか。んじゃ、行くッスよ!」
準備の終えた伊地山の方を見て、シリアが目を丸くした。

「あ、あんたなにその大荷物・・・」
「いいものッスよ!」
伊地山はそう叫び、シリアの腕を取って走って武器庫から出て行った。


・・・そんな2人の後を、1人の隊員が音もなく追いかけていった。





次から樹海での本格的ナ戦闘に入ります!
とりあえず俺が仕切らせてもらってる(?)巨大バゥ編だけど、
みんなやりにくくないかな?大丈夫だろうか(^^;


[No.10824] 2006/04/17(Mon) 22:58:34
softbank220060180225.bbtec.net
暗い、深緑の世界へ (No.10824への返信 / 13階層) - jagaimo

SLD2、ホバーバイクにまたがっているアリアスの顔を、前から流れ込んでくる風が頬を叩いている。
富士山に一番近い、笛吹基地から走り始めてすでに何十分が経過しただろうか。
しかし、空が曇っているためか、なかなかそれらしき山陰は見えてこない。

「アリアスーっ!もうすぐ河口湖付近を横切るあたりだから、半分ぐらい走ったよ!」
後部席に乗っているサエが耳元で叫んできた。
笛吹基地から南下したからそうなるのか、と納得しながらバイクの速度を速める。

視界の横ではバイクの後ろにルミを乗せたアレックスが並走していた。
つい先ほどまではバランスを崩して、蛇行運転したりとおっかなびっくりの操縦だった。
どうやらヘリや戦車の操縦は上手くても、バイクだけは苦手らしい。

うとうと考えていると、目の前が森になってきた。
道路はちゃんとコンクリートで作ってあるものの、枝が大量に落ちていたり、倒れている木がそのままにしてある所を見ると、長い間人が通っていないようだ。
薄暗い森の奥は、いつ巨大生物が出てきてもおかしくない、そんな雰囲気に溢れている。

「サエ。なんか出てきたら頼む」
「うん、コレ使えばいいんだね」
そう言ってアリアスの背中のAS−22Lカスタム――Lカスタムとはルミが改造した、ということだ――を手に取る。
「使えんの?」
アリアスは首をかしげた。

ペイルウィングの兵士は基本的に筋力が弱い部分がある。
これは体重を軽くするために、電撃銃を使えるぐらいの最低限の筋力があれば十分とされているからだ。
拳銃程度ならともかく、バイクの上でアサルトライフルを使うとなると、訓練しなければライフルを落とす可能性がでてくる。

「アリアスの肩を銃座代わりにすれば使えるよ」
言いながらライフルのマガジンの部分を肩に引っ掛けてきた。
それを見てアリアスは苦笑する。

「うん・・・。ま、なるべく自分で撃つわ」
あまりその位置で撃ってほしくない、言葉には出さないがアリアスはそう願った。
薬きょうが排出される部分の丁度反対側である。鼓膜が破れるのは目に見えている・・・。

やがて、雲に覆われた富士山の頂上が4人の視界に飛び込んできた。



別にやりにくくないですよ〜^^


[No.10825] 2006/04/17(Mon) 23:55:13
fw1.tcn-catv.ne.jp
「いざ、深淵の森へと・・・」 (No.10825への返信 / 14階層) - syo

「さて、俺たちも行くか。」
食事を食べ終わったハヤと、ハシ、レイナの3人が合意し、武器庫に向かう。

「俺はFと、何にしようかな〜?」
ハヤが迷っているところに装備を整えたハシが寄ってきた。
「これなんかいいんじゃねぇ?ゴリアス-99。」
「駄目だ。片方がFだから、サブはそれをカバーできる武器。」
「ならこれなんかどう?」
いつの間にかレイナも加わっていた。
「AS-99かぁ。中々いいんだけど、バゥは跳ねるからなぁ。」
「ならこれしかねぇ!」
ハシが差し出したのは、なんと、ガバナーSXであった。
「無理に決まってんだろ!第一、3発しかセットできねえって全然ライサンダーの短所補えねえじゃねえか!」
「だからこそ改造したんだよ。ホレ。」
そういってハシはショットシェルを抜いて見せた。
「え・・・?」
レイナも不思議そうにしている。
「なんで6発も入ってるんだ・・・・?」
「だから改造したって言ってんだろ!俺も同じの持ってるんだよ。使いたかったら使いな。まあ使うともっと良いこともあるぜ?」
「良い事?」
ハヤが聞き返す。
「弾良く見てみろよ。」
「ん・・・・・?」

ハヤとレイナが弾を見つめる。
そしてレイナがあることに気づいた。
「あー!弾が全部かんしゃく玉だ!」
「ビンゴ!名づけて「ガバナーSX-爆殺」!撃ったら爆風で後ろに吹っ飛ぶ仕組みよ。これなら近づかれねえだろ?」
「密かにすごいんだな・・・。」
「まあ、みんな装備もできたし、行きましょうか!」
レイナの掛け声と共に、3人が武器庫を飛び出した。




全然大丈夫ですよ〜。
これからもっと書くペース上げないと・・・


[No.10826] 2006/04/18(Tue) 00:15:01
126.39.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
救出作戦2 (No.10826への返信 / 15階層) - 三枝

「出撃許可…どうしたのこれ?」
友理は目を瞬いて書かれている文章を何度も読み返した。
紙に記されているのは間違いなく出撃を許可するという内容である。
だが、今の日本のトップがこんなものを書いてくれるとは思えない。
「公文書偽造、という言葉は知っているだろう?」
平然と答える成瀬に友理はぶっ飛びそうなほど面食らった。

「偽造って…冗談でしょ!?」「ああ、冗談だ」
なんじゃそりゃ、とずっこけそうになるのを辛うじて堪える。
「本当は昔の同僚に書いてもらったんだよ」
成瀬が非常時にふざけるなんて考えられない。
これは夢なんじゃないかしら、と思わずにはいられなかった。

「気分はどうだ?」頬をつねる友理に成瀬は尋ねる。
「え?」「とりあえず表情は戻ったが…どうだ?まだ緊張しているか?」
そういえばずいぶんと緊張が和らいでいる。
おそらく表情も強張っていたのだろう。
これ以上心配をかけないためにもとびきりの笑顔を作って見せた。
「ありがと」

成瀬は別段照れるわけでもなく肩をすくめる。
「さぁ、裏口からコッソリなんて言わず、堂々と正門から出て行ってやろうじゃないか」
うん、と友理は元気よく頷いた。絶望的な闇の中で頼もしい光源を見つけたような気分だった。

数分後
彼女は頭の中で攻略法シュミュレートしながら裏口に向かって歩いた。
(まず監視カメラ。その次に守衛さん二人ね)
「おい―」顔を隠すようにうつむき加減で歩く不審者に守衛の一人が詰め寄った。
「何をしている?」彼女は顔の前で手を合わせた。懇願ではない、謝罪だ。
「先に謝っておくわね。ごめんなさい」「…?なにを言―!」
そこまで言って守衛は驚きのあまり言葉を失った。

彼女は一瞬で高々と跳躍したのだ。
無論、ユニットの助力を得ての事だが、それでも通常ならば信じられないスピードである。
そのまま空中でくるりと回転し、監視カメラに回し蹴りを叩きこむ。
ブーツの踵がレンズを砕き、カメラが破片をばら撒きながら吹き飛んだ。

さらに唖然とする守衛の頭を踏み台にし、後ろにいるもう一人のみぞおちを狙って跳び蹴りを放つ。
「ぐぉ…」呻き声と確かな手応えを感じながら着地し、すぐさま振りかえった。
頭を踏みつけられようやく正気に戻った守衛の振り下ろした警棒を受け止める。
振り下ろし始めた直後なら打撃は大した威力を持たない。
そのまま相手の腕を掴み、背負い投げの要領で投げ飛ばす。

これでもか!という勢いで床に叩き付けられ彼は意識を失った。
手から滑り落ちた警棒がカラカラと音を立てて転がる。
「ふぅ」一仕事終え、安堵の息をつきながら周囲を眺めた。
守衛二人は気絶し、監視カメラもその機能を失っている。
とりあえず外に出てしまえば見つかる心配はなさそうだ。
(やっぱり、このままだと動きにくいわね)
彼女は長い髪を束ねてポニーテールにすると、裏口を開けて飛び出していった。


次回から戦闘パートに入ろうかな、と思っています。
ちなみに「振り下ろし始めた直後なら打撃は大した威力を持たない。」
と言うのは予想で書いただけなので本当はどうなのか知りません。
ですから、実際に試して痛い目を見ても責任はとれません(笑)

ケタさん 大丈夫ですよ。俺は別にやりにくくありません。
ところで、巨大バゥって一匹しかいないんでしょうか?
それとも複数匹いるんでしょうか?


[No.10828] 2006/04/18(Tue) 21:15:27
i218-44-41-226.s02.a021.ap.plala.or.jp
「樹海の闇へ」 (No.10828への返信 / 16階層) - ケタ

静岡 富士の樹海


エアバイクを降りたケタとK.Mが樹海の入り口に足を踏み入れた頃、
霧雨のような雨があたりにシトシトと降りだしていた。

「・・・(・ω・;)」
木々がうっそうと茂り、明かりもなく深い闇に閉ざされた森はまるで、
魔界へと繋がっているかのように、不気味である。
ケタは少しためらったあと、樹海の中へと進んでいった・・・。


「さて、本当にここがバゥの巣になってるのかねぇ(^^;)」
「さぁな。とりあえずアテはこれしかない。祈ろうぜ」
カエデの超能力を信じて樹海まで来たケタ達だが、内心やはり不安である。
それに、もしここがバゥの巣窟でなければ・・おそらくもう二度とワカと御剣とは会えないだろう。


・・・だが、その心配はすぐになくなった。


「ケタ!右だ!!」
K.Mが気配を感じ、身構えながら振り返った!
突如木々の間からバゥが現れケタに向かい糸を噴射するが、
ケタは素早く気の影に身を隠し、噴射された糸を火炎放射器で焼き払う。
そしてバゥが次の行動を起こす前に、K.Mのスナイパーライフルが、
バゥの頭を撃ち抜いていた。

「頼む、ワカ、御剣・・まだ無事でいてくれ(・ω・;)」
ケタは小さくそう呟いた。





巨大バゥは1匹の予定です。
恐ろしく強い感じでいこうと思うので、闘い方は自由なんですが、
苦戦してもらえるとありがたいですw


[No.10830] 2006/04/18(Tue) 23:05:42
softbank220060180225.bbtec.net
合ってない隊長 (No.10830への返信 / 17階層) - jagaimo

赤く濁った瞳の巨大な蜘蛛と超高速ですれ違うと、アリアスはバイクの上から身を捻ってその身体へと最後の一射を放った。
中枢神経を破壊されたバゥが力なく崩れ落ちる。

流石に今度ばかりは心臓にかなりの負担がかかったな、とアリアスはバイクの上で胸に手を当てながらため息をついた。

笛吹基地から富士山までの道のりは、相当長かった。暇を紛らわすためにサエとたわいもない話をしていたのだが、
そのうち会話がはずみ、遠足気分で走っていた。

しかし、調子よくバイクで疾走しながら一気に森へと突っ込もうとした、
その瞬間、藪の中から10匹ばかりのバゥが躍り出てきたのだ。

アレックスとルミの乗るバイクが藪の中に突っ込んだようだったが、バイクの上、片手での射撃、背中にサエの3点を背負ったアリアスには気にする余裕はなかった。

幸い2人は切り傷程度で済んだようだし、これでバゥの群れがここに集まっている事が確認できた。

「不意打ちってのは関心しないわね」
ルミは言いながら絶命しているバゥを蹴る。実際に倒したのはアリアスだというのに。
「・・・とりあえず中に入ろう。・・・迷ったりしないよな」
EDFの高性能レーダー&電子マップは、滅多な事がない限り狂ったりはしない。だからこそ心配なのだ。

いわゆる樹海=自殺名所という概念が頭に張り付いているのである。
「大丈夫でしょ。いざとなったら、コレあるし」
サエはバイクの座席の下のアタッチメントを探ると、白いカタマリを取り出した。ビニール紐だ。しかもかなり長めの。

「OK。じゃあ戦闘じゅん・・・」
「いこう、アリアス」

カッコよく「戦闘準備だ!皆、いくぞ!」と言おうとしたアリアスのセリフを、
思いっきり粉砕するがのごとくサエが背中を叩いて先を行く。
サエだけではない。ルミもアレックスも先に歩き出している。

ああ、隊長。なぜ俺は立派な隊長になれないんでしょうか・・・。

「合ってないと思うよ」

またもや心の中を見透かしたように放ったサエの一言は、アリアスの精神を根こそぎ凍結させていった。


[No.10835] 2006/04/19(Wed) 21:56:31
fw1.tcn-catv.ne.jp
Re: 新人隊員 (No.10796への返信 / 1階層) - エア=ウィング

「あ〜あ・・・・・戦えるかなぁ」と、エア(EDFに入った)
「先輩(ケタたち)のように戦えるのだろうかなぁ」
「とにかく簡単な任務をやるっきゃないだろ・・・・」

(−A−)早く戦場に出さないと・・・


[No.10836] 2006/04/20(Thu) 19:02:18
dhcp-ubr2-0484.csf.ne.jp
「凶虫乱舞」 (No.10835への返信 / 18階層) - syo

「もうすぐ戦闘区域だぞ。準備はいいか?」
ギガンテスを運転中のハシが問いかける。
「準備完了!」
ハヤがショットガンとライサンダーFを携えて答える。
「こっちはいつでもOKよ!」
レイナもサンダースナイパー40と「サンダークラスターα」を持ち、エネルギーも満タンで準備は万全だった。
「んじゃ、行くぞ!」
ハシはアクセルを強く踏んだ。

「あっちではもう所々交戦してるみたいだな」
ハヤが呟いたとおり、樹海では、幾つかの火柱が上がっていた。
銃声も聞こえるぐらいまで来たとき、レーダーに反応があった。
「敵を確認!数は11!」
ハシの声でギガンテスの上にいた二人が銃を構え、敵を目視する前に長距離兵器をぶっ放していた。
遠くで悲鳴が聞こえる。
ライサンダーが装填され、消費されたエネルギーが回復する。
しばらくすると、数匹の蜘蛛が躍り出てきた。
「3・2・1、撃てぇぇ!」
ハヤのカウントが終わると、ギガンテスの120ミリキャノン、ガバナーSX-爆殺の癇癪玉が、サンダースナイパーの40の閃光が、一斉に飛び出し、バゥを吹き飛ばした。
そのとき、茂みから大量のバゥが飛び出し、ギガンテスに糸の一斉掃射を浴びせかけた。
「撃ちまくれ!とにかく数を減らすんだ!」
ハヤはガバナーを打ち終わるや否や、武器をライサンダーに持ち替えて、尻を上げようとしている蜘蛛を打ち抜いた。
「行っけぇ!」
レイナはサンダースナイパーを発射すると、サンダークラスターを
空高く放り投げた。
一定距離進んだ光の球は、地面に向けて雷を放電し始めた。
それが下の木に当たり、跳ね返って木々の間に隠れているバゥを次々に殺していった。
「このまま突っ切るぞ!戦車を守り抜け!」
ハシが全力でアクセルを踏み潰す。
最高速度で木々を避けながらギガンテスは進む。
それを蜘蛛が追いかけ追い抜き、その蜘蛛を粉砕するレイナとハヤ。
コンビネーションを最大限に生かした戦術で、ギガンテスは奥へ突き進んでいった。


[No.10837] 2006/04/20(Thu) 21:28:22
126.39.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
マラカ副官の憂鬱 (No.10837への返信 / 19階層) - ヘリ兵士

EDF本部ゲート
数十名の精鋭隊員達が取り囲んだ装甲指揮車の上でマラカ副官は胃腸薬の薬を飲んだ
イヤーナのためにきりきりと痛む胃腸の痛みが和らぐ
「はあ…」
まったくどこの常識知らずだ
マラカはそう思い、ため息をついた
大佐の呼ばれたので行ってみれば大佐はペンキまみれのボコボコになっていた
それでもこちらに威圧的な表情を見せながらこう言ったのだ
「反逆者がいる、逮捕しろ!」
大佐の話では自分の命令を無視し、無断出撃したばかりか、上司である大佐をあろう事かぶちのめした隊員達がいるらしい
それに怒った大佐は彼らに反逆罪を適用して、戻って来るだろう彼らの逮捕を命令したのだ
「抵抗するようなら殺せ」
という言葉を付け加えて
「この国を戦場にするつもりかあの大佐は…」
しかしマラカは命令にはむかうつもりは無かった
マラカの周りの精鋭達もそうである
彼らにしてみればたかだか数十名や数百名の隊員や市民を見殺しにするなどなんでもない事だった
現にマラカはイヤーナがバゥの巣を見つけ次第ミサイル攻撃して捕らえられた市民ごと焼き払う作戦を合理的と見て賛成し、今回もイヤーナの言うとおり抵抗するそぶりを見せた隊員は容赦なく撃ち殺す気でいる
「わかってるんだけどやっぱ胃が痛むな……」
マラカの人間の親指ほどの良心が痛みを胃薬で抑えながら、マラカは反逆者達の帰還を待った

もし帰ってこなければ、イヤーナは反逆者を探しに行かせるだろう
そして一言こう言うのだ
「やつらはテロリストだ、殺せ」



イヤーナの副官を作ってみました


[No.10839] 2006/04/20(Thu) 23:01:19
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
「樹海の闇へ シリア編」 (No.10839への返信 / 20階層) - ケタ

樹海


薄暗い樹海の森の中を伊地山とシリアが歩いている・・・が。

「シリア〜。歩きにくいッス」
「う、うるさいわね!」
巨大な荷物を抱えている上に、さらにシリアがくっついているので、
伊地山としては歩きにくくて仕方がない。

ビクビクし、常にあたりを見回しながら、背中を丸めて歩いている姿は、
いつもの気丈なシリアからは想像できない。
「シリア、幽霊とか苦手だったんスねぇ」
「・・・。日本の樹海って言ったら幽霊しかいないって聞いたモン!」
多少間違っているが、自殺の名所富士の樹海の幽霊談は、
アメリカでも有名らしい。

「俺は慣れてるからなんともないッスけどねぇ」
涙目になって辺りを警戒しているシリアに、伊地山が呆れたように呟いた。
「慣れてるってどーいう事?」
「うん。子供の頃から霊感強いッスから・・ほら、シリアの横にいるやつとか、
さっきから自殺した理由ばっかしつこく・・・いでッス!」
淡々と話す伊地山の顔を涙目のシリアが引っかいた。


そんな2人の様子を見ていた1人の男がため息と同時に、木々の間から現れた。


「やれやれ、そん・・・・」「キャぁぁぁああああああああああぁぁぁ!!!」
不意に現れた男にシリアが甲高い悲鳴を上げ・・・・その男、吉冨が耳をおさえ顔をしかめた。

「なんて声だすんだよ。そんな様子でどうやって仲間を救出するんだ?」
そう言い、腰をぬかして座り込んだシリアに手を差し出すが、
シリアはその手を払った。
負傷中のケタを無理に連れ出した事のある吉冨の事を快く思っていないのだ。

「あんた誰ッス?」
「ま、ケタの戦友だ。それよりお前らちょい遅刻してるようだぞ」
吉冨の言葉に、シリアと伊地山が耳をすませると・・・・どこからともなく銃声などの、
戦闘の音が聞こえてきた。

「私たちだけじゃなかったんだ・・・」
シリアがそう呟き立ち上がった。
自分達以外の人間が樹海にいる・・そしてなにより同じ目的で
闘ってくれている・・・その事がシリアから恐怖を取り除いていた。







実はこの先の展開でマラカ副官はすげぇありがたいです。
同じようなキャラださないといけなかったのでw


[No.10840] 2006/04/20(Thu) 23:33:56
softbank220060180225.bbtec.net
救出作戦3 (No.10840への返信 / 21階層) - 三枝

(す、すごい…)
友理は目の前の光景に圧倒されてしまった。
地面を跳ね、木々の間を駈け抜けた跳弾が次々とバゥを倒していく。
「ビリヤードみたい…」「実際そんなものだ」
言いながらも成瀬は銃を撃つ手を休めない。
上へ下へ、右へ左へとファイブスターの銃口は傍から見れば見当違いな方向を向いている。
しかし、放たれた弾丸は反射し、確実に敵を襲っていく。

地面を跳ねた跳弾が死骸と死骸の僅かな隙間を通り抜けた。
腹部を真下から貫かれ、バゥが悲鳴を上げた。
気がつけば成瀬はかかってくる敵のすべてを倒していたのだ。
敵の殲滅を確認すると、ふぅ、と息をつきながら銃を下ろす。

十数匹のバゥの死骸を前に友理がぱちぱちと手を叩いた。
「すごい!ナルさん強い!」
何かのショーを見た観客のように満足げな表情だ。
だが、その表情はすぐに曇ることとなった。
「簡単さ…練習すれば…君でも…」
息も絶え絶えに言葉を吐き出す成瀬の顔は苦しそうに歪んでいた。

「ナルさん?大丈夫?」「ああ…大…丈…夫…」
歩き出そうとするが、踏み出したところでふらふらとよろめくと木にもたれ掛かった。
そのまま座り込んでしまった成瀬に友理は駆け寄る。
「ナルさん!?」「なんでもない…平気だ…」
「汗びっしょりだよ…顔色も悪いし…一体どうして?」
なぜこんなことになってしまったのか、友理にはまったくわからなかった。
思い当たるのは先ほどの戦闘だが成瀬は敵の糸をすべて避けていた。
もしかしたら、もっと前から具合が悪かったのを隠していたのかもしれない。

「ちょっと休んだ方がいいんじゃない?」「いや…時間が…ない…」「ああ、そっか…」
どうすればいいのかわからずおろおろと視線を泳がせていると、
「どうしたの?」何者かに話しかけられた。
天の助けである。急いで状況を説明しようと早口でまくしたてる。

「いきなり具合が悪くなっちゃって、どうしたらいいのかも全然わからなくて―あ!」
相手の姿を見て、友理は目を大きく見開いた。
ほっそりとした体躯。長い髪を束ねたポニーテール。
マザー戦の時に精鋭を落としたあの隊員だった。


本格的な戦闘はもう少し先になりそうです。
と言うか下手したら親玉との戦いまで戦闘シーン無しかもしれません…

あと、マザー戦の時に〜とありますが忘れていても特に読み返して頂く必要はないです。
そこまでするほどの話でもないですしね。


[No.10841] 2006/04/21(Fri) 17:21:24
i125-201-44-32.s02.a021.ap.plala.or.jp
暗い樹海のガイドさん (No.10841への返信 / 22階層) - jagaimo

「アレックス!伏せろ!」
声にアレックスは反射的に身を屈めた。
次の瞬間、藪の中から飛び出したバゥを
アレックスの頭上を通り過ぎた銃弾が仕留める。
「っぶなかったな・・・」
アリアスが木にもたれながらため息をついた。

先ほどからこんなことばかりだった。どこか神聖な雰囲気を放つ針葉樹林は、
今では厄介なトラップと化している。
バゥは足に生えている硬い針のような毛を木々に引っ掛け、
トリッキーな動きで、なおかつ音も立てずに接近してくる。
巨大生物は地形の多少のアップダウンや、ビルや木などの障害物などはものともしない。
人類にはバイクや戦車という乗り物があるものの、敵の進行速度は驚異的だ。

「あ、ありがと・・・」
アレックスはとりあえず礼を言った。まだ胸の高鳴りが治まらない。
ふと顔を上げるとルミが高い木の上から降りてくる所だった。
「ダメねーっ。なんにも見えない」ルミは大袈裟に肩をすくめた。
何も見えない、とはバゥの群れが、もしくは巣としている場所が見えないということだ。

「やっぱりか」
「まぁ、当たり前っていっちゃあ当たり前なんだけどね」
樹海の奥は深い森で光を遮られ、とても上空から発見できるような場所ではない。
それにペイルウィングの飛行ユニットで上がれる程度の高度で視認できるなら、
とっくに発見されているはずなのだ。

「あ、だけど他にも来てるみたいだよ」
ルミは手をブラブラさせながら、付け足すようにいった。
それはわかっていることだ。ライサンダーと思われる独特の硬質な銃声や、
ギガンテスの120ミリ滑腔砲の砲声、何かが木を無理矢理ブチ折る音まで聞こえている。
実は女性の悲鳴まで聞こえたのだが、さすがにここは樹海である。
あまりの気味の悪さに皆が口に出す事はなかった。

「進むしかないよな・・・」
アリアスがサブウェポンとして持ってきたライサンダー2を肩に担ぎなおす。
女王アリのような大物用に用意した高威力狙撃銃だ。
本来ならロケットランチャーを持ってくるのだが、森の中で爆発火器を使えばどうなるか。
それを考えて普段は使わないコレを持ってきたのだ。

おもむろにアレックスは腰のアタッチメントから取り出した双眼鏡で辺りを見回した。
ただでさえ視界の限られた樹海である。前もって進行方向の安全を確認しておきたかった。
と、アレックスが双眼鏡を外そうとした時、視界の横に通り過ぎる影があった。

「?」
「どうした?」

アレックスはアリアスの言葉も無視してその影を追った。
黒い、小さな影がひい、ふぅ、みぃ・・・5匹。バゥだ。

「バゥが・・・」
アリアスはアレックスの手から双眼鏡をひったくると、見ていた方向へレンズを向けた。
「おかしいな・・・。どっかへ向かってるな」
巨大生物の嗅覚、聴覚は人間のそれよりも発達している。
この距離ならば真っ先にこちらを殺しにくるだろう。
しかし、目の先にいるバゥは、まるでどこかへ急いでいるかのように、
ひたすら木と木の間を飛び跳ねている。

その光景にアリアスはにやりと笑った。
「なにやらガイドさんが来たみたいだぞ」
「ふふ、そうね」
こうなったらすることは一つ。
奴らを追跡し、巣の在り処を探るだけだ。
4人は姿を現した希望に、頬をほころばせながら群れを追った。



とりあえずバゥを追うのですが、なにか支障あったら見失った事にしますね^^;


[No.10844] 2006/04/21(Fri) 21:04:53
fw1.tcn-catv.ne.jp
「食料庫」 (No.10844への返信 / 23階層) - ケタ

樹海 


サラサラと小雨が振り続ける中、ケタとK.Mは歩いていた。
深い森に、月明かりもないため、ライトを付けていても数メートル先の
様子さえわからない。
ケタ達はあえてライトを消し、全神経を耳に集中させ、進んでいた。

「うお(・ω・:)」
ちょいと耳に集中させすぎていたようだ、ケタが何かにつまずいてヨロめいた。
「・・・いや、これは・・?」
K.Mがケタのつまずいたモノに顔を近付け、ライトをつける。

「なんだこれは?」
それはカイコの繭のようであるが、
大きさがちょうど寝袋程度の白い塊だった・・・。
「(・ω・;)」
K.Mが目で合図し、ケタが身に付けていた小型のナイフをその塊を破きだした。

中からでてきたのは・・・・青白い顔をした男性だった!

ケタがそのままナイフで男を取り巻いていた白い繭を切り、男性を外へと出し、
首に手をあてる。
「・・・生きてる(=△=:)」
顔はやつれ、生気がまるでないが、かすかに脈があった。

「推測はあたってたな。生かしたままメスに差し出されるってわけだ。
御剣やワカも生きてる可能性はあるぜ」
K.Mの言葉にケタがハっとした。

たしかに、K.Mの予想は正しかった・・・、
と、いう事はこの人間を差し出された巨大なメスの固体が近くにいるって事ではないのか!?

ケタがそう思った瞬間・・・地面が揺れ始めた!

「な、なんだ(・ω・;)」
「山が・・・動く!?」
ケタとK.Mの眼の前の丘が土煙を上げながら上昇していく!
大木が倒れ、土をえぐりながら8本の長い足が現れ、
地響きと共に大地を踏み鳴らした!

その巨大な足に支えられ、山だと思っていた巨大な塊が持ち上げられ、
その中心に8つの眼が怪しく光った。
土煙の舞う中・・・とうとう巨大バゥがその姿を表したのだ。

「でかいっつの!((゚∀゚;)) 」
平たい形態をしているため、高さこそソラスに及ばないが、
その巨大さは勝るとも劣っていない!
足も含めれば大きさは60メートルはあるのではないだろうか。
「・・・!」
K,Mも、予想を遥かに上回るその姿に言葉を失っていた。

「くっ!攻撃するぞ!(・皿・)」
ケタが背中に背負っていたグレネードランチャーを構え、
K.Mが両手のスナイパーライフルの銃口を巨大バゥに向け、
一斉に発射した!

・・・が!
「効かない!?」
グレネードランチャーの砲撃も、スナイパーライフルの銃弾もたしかに、
巨大バゥに命中した。
しかし全くダメージを受けた様子はない!

「あれだ・・ヤツの全身に生えた鋼のような体毛が、
まるで鎖帷子のようにダメージを軽減してるんだ・・・・!」
K.Mがそう言い終わると同時に、巨大バゥの足が持ち上がり・・・
ケタ達に向かって振り下ろされた!!

「うおおお!!(゚皿゚;)」
なんとかかわしたケタとK.Mだが、凄まじい衝撃で壊れた人形のように地面を転がった!
足をたたきつけられた地面には大穴が空いている、まともにくらえば命はなかっただろう。

よろめきながら立ち上がるケタ達を8つの眼がにらみつけていた・・・。






巨大バゥ出現!
だれか参戦してくれないでしょうかw


[No.10846] 2006/04/22(Sat) 01:02:23
softbank220060180225.bbtec.net
救出作戦4 (No.10846への返信 / 24階層) - 三枝

「ナルさん!?」「なんでもない…平気だ…」
駆け寄って来た友理にぎこちない笑みを見せつつ成瀬は内心で舌打ちした。
(クソッ!まさかここまで酷いとは…)

突然の仲間の体調不良に友理は困惑している。
「汗びっしょりだよ…顔色も悪いし…一体どうして?」
(どうして…か)成瀬は既にその答えを見つけていた。

アーマースーツ、ファイブスター、樹海、あの日と同じ装備、同じ場所。
過去のトラウマを無理矢理引きずり出しているようなものである。
いや、と心の中でそれを否定した。 ようなもの、ではない。まさしくそれなのだ。
「ちょっと休んだ方がいいんじゃない?」「いや…時間が…ない…」「ああ、そっか…」

おろおろと視線を泳がせていた友理の背後に一人の隊員が現れた。
「どうしたの?」尋ねられた友理は早口で何かを説明していたが、
相手の姿を見るなり、あ、と驚いた。「マザー戦の時の…」と呟く。

マザー戦の時に会ったことがあるらしい。
しかし、成瀬はそれよりももっとずっと前に彼女と会っていた。
彼女もそれに気付いたらしく驚きの声をあげる。
「成瀬君!?どうしてここに!?」「岸野か…久しぶりだな…」
成瀬は過去の戦友に笑みをつくって見せようとした。
しかし、その意思よりも体調の悪さの方が勝っていた。

※視点変更※

「成瀬君!?どうしてここに!?」岸野は驚きの声をあげた。
本来ならばいるはずのない人物が今目の前にいる。
「岸野か…久しぶりだな…」笑って見せようとするがうまくいかない。
それを隠そうとするかのようにライフルを杖代わりにして立ちあがった。

「そろそろ…いこうか…」「ナルさん!休んだ方がいいよ!」
一緒にいた女性が止めようとするが成瀬は聞く耳を持たない。
心配そうな顔で腕を掴む仲間を振り払い、よろよろと歩き出そうとする。

「成瀬君―」岸野は成瀬の目をまっすぐに見つめた。
「一緒に来て何かできそう?」「……」
「冷静になればあなたならわかるはず」「……」
「あなたの友達はわたしが必ず助けてみせる。だから休んでいて」「…すまない」
数秒間逡巡した後、成瀬は心底申し訳なさそうにそう言った。
背を向けて歩き始める。頼りない足取りだが樹海の外までなら無事帰還できるだろう。

「さぁ―」岸野は突然できたパートナーの肩をポンと叩いた。
「行きましょう」「はい!」元気のいい返事が返ってくる。
二人は樹海の奥深くへと歩き始めた。

※視点変更※

それにしても、と歩きながら成瀬は考えた。
(たった二年と少しでずいぶんと変わるものだな…)
久しぶりに会った岸野は体型も髪型も、話し方まで変わっていた。
成瀬が彼女だとわかったのも僅かに残った面影からである。

まったく別の人物と言っても通用しそうだ。
しかし、変わったと言っても悪い意味ではない。
兵士として成長した、と言った方が正しいだろう。

ふと、自分は二年前からどう変わったのだろうと思った。
(何も変わっていないかもしれないな…)
自嘲気味に笑いながら成瀬は樹海の出口を目指した。


視点変更がわかりにくいので※視点変更※これを入れてみたんですが…
わかりやすくなりましたかね…
うーん、別の書き方にした方がいいでしょうか。
それにしても最近俺の話暗いですね…
次回はバカみたいに明るい話にしようと思っています。

> 巨大バゥ出現!
> だれか参戦してくれないでしょうかw

次回の終わりくらいに参戦できると思います。
さて、どう戦いましょうか…


[No.10848] 2006/04/22(Sat) 11:37:15
i60-36-124-89.s02.a021.ap.plala.or.jp
(No Subject) (No.10848への返信 / 25階層) - ヘリ兵士

「結局バゥは見つからずじまいか……」
勇が俯きながら言った
大森と勇が本部への道を歩いていく
勢いよく飛び出したはいいが、やはり適当に探したのではバゥを見つける事はできなかったのだ
「はあ」
「ふう」
実は二人はPCや情報端末といった「かさばる」機器をいっさい持っていなかったのだ
ただひとつある通信機も対オーバー用の特別回線と同じ地区の友軍とだけ話せる回線だけである
でたらめに探しても何も得られないと思った勇と大森は、とりあえず一度基地に戻る事にしたのだ

EDF本部正面ゲート
ついてみるとまるで検問の様に数十名の隊員がゲートに待機していた
「なるほど、イヤーナさんは相当怒ってるな…」
「そこの兵士、停止しろ!」
ゲートを守る兵士の一人がこちらに気づき、静止を命令した
「物騒だな、何かあったのかい?」
「無断出撃した反逆者が出たんだ、という事で出撃許可書を拝見する」
大森と勇は顔を見合わせると、大人しく手を上げた
兵士は察すると勇に耳打ちした
「出す物出せば考えてやらん事もないぞ」
「すまねえな、気持ちだけもらっとくよ」
「……あいかわらずだな、芝原勇」
「………北上島!」
「おめえの事だ、やると思って偽装パトロール出撃書類を作っといた、これ使うといい」


[No.10849] 2006/04/22(Sat) 12:42:55
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愛と正義の行動 (No.10849への返信 / 26階層) - ヘリ兵士

「悪いな、だがなぜ?」
「EDFにはお前の様な猛者が必要だ、だからみすみすそれを失いたくない、それだけだ」
「大森の分は?」
「小隊ってことにすれば問題ない」
「わかった、サンクス」
「……勇」
「?」
北上島はマラカをちらりと見ると、言った
「イヤーナは樹海をミサイル攻撃するつもりだぞ」
その台詞が終わらないうちに、大森は煙幕手榴弾を炸裂させた
「敵だ!テロリストだ!!」
「基地内に緊急連絡しろ!」
「……」
「……マジであの女にほれてたらしいな」

「イヤーーーーーーナーーーーーーーーーー」
基地内を煙幕を張りながら前進する大森
警備兵とボディーガードを奇襲攻撃でぶちのめし、大佐の執務室へ駆け込む
そして逃げようとしていたイヤーナを捕らえた
SS対人特殊部隊のエースだった大森の前に、2級線区の警備兵や腑抜けのボディーガードなど敵ではなかった
「ひい」
今まで自分が出合ったどの兵士よりも高い威圧感に、イヤーナは小便をたれてしまった
「ミサイル発射を中止させろ」
「へふぃううふぇうえば」
イヤーナは恐怖で声がまともに出ない
「いたぞ」
マラカ率いる精鋭がようやく執務室に到着した
手早く大森を取り囲む
「てめーら、変な事してみろ、この男の命はねえぞ」
ASを肩にかけ、ユニコーンを引き抜き銃口をイヤーナの頭に突きつける大森
「!何」
「待て、撃つな、大佐に当たる」
その言葉に大森はにやりと笑った
これでしばらく攻撃を受ける心配はない、そして執務室にいる限り、狙撃をうける心配もない
「ミサイルを撃つな!撃った瞬間大佐を殺す」
「き、貴様……」
そういいながら、大佐のPCを開き、片手でミサイル発射場にアクセスする
ミサイルはまだ発射準備の段階だった
「変な行動してみろ、俺は本気だ」
(……おいおいふざけんなまじじゃねえか)
マラカの胃の痛みが激しくなった



……すいません


[No.10850] 2006/04/22(Sat) 13:23:07
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[ (No.10848への返信 / 25階層) - syo

ハヤ達が樹海に入って3時間ほど経過したとき、遠くの地面に変化があった。
「なんだぁ、ありゃ!?」
ハシが驚くのも無理はない。
丘が突然巨大な蜘蛛に変われば、驚かないほうがおかしい。
そのぐらい巨大だった。
「これが狙いだったか!ハシ、方向転換、すぐでかい奴のほうへ向かえ!」
「了解!ハヤとレイナは付きまとうバゥを払ったら、長距離兵器であれ狙え!」
命令と同時に、ギガンテスは向きを変え、銃口は巨大バゥの方を向いた。
「くっらえぇぇ!」
「死ねぃ!」
レイナがサンダースナイパーを発射し、ハヤはライサンダーの引き金を引いた。40の雷とライサンダーの大型弾が巨大蜘蛛の方角へ飛んでいき、その全てがその巨大な体に直撃した。
しかし、巨大バゥは生命活動を止めるどころか、ほとんどダメージを受けたような気配もなく、活動を続けていた。
「ダメージがない!?一体どういうこと・・・」
「とにかく攻撃を続けろ、なんとしてもアレを倒すんだ!」
見ると、レイナたち以外にも戦っている隊員が見えた。
「ハシ、急げ!後ろから小蜘蛛が追いついてくる!」
ハヤが後ろを見ながら叫ぶ。
「任せろ!」
そう言ってハシは、ギガンテスの砲塔を180度回転させ、後ろの敵に滑空砲を発射した。
「後ろは任せろ、お前達は大蜘蛛に攻撃を集中させるんだ!」
またサンダースナイパーとライサンダーが発射され、大蜘蛛に命中する。しかし、今度もあまりダメージはなかった。
「なんで攻撃が効かないの・・・・」
レイナが首をかしげる。
「ちょっとレイナ、もう一回撃って見てくれ。頼む。」
不意にハヤがレイナに話しかけた。
「・・・了解。」
レイナもハヤの真剣な表情を見て、銃口を再び巨大バゥに向け、引き金を引いた。
そして、またダメージはほとんどなかった。
しかし、ハヤが歓声を上げた。
「分かった!奴の皮膚の表面は、ぶ厚い毛で覆われている!だから攻撃しても弾かれたんだ!」
「でも、それをどうやって除けば・・・」
「そのための改良ガバナーじゃないか。これで剥ぎ取ってやろう」
「まあ、時間はかかるけどそれしかないでしょうね。」
「そうなりゃ話は簡単だ。ハシ、奴の真下まで行ってくれ!」
ハヤがハシに叫んだ。
「正気か?・・・まあ、それしか勝ち筋がないのでは仕方ないな。よし分かった、しっかりつかまってろよ!」
そしてまた、ギガンテスが走り出した。


[No.10851] 2006/04/22(Sat) 13:26:41
126.39.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
Re: [ (No.10851への返信 / 26階層) - syo

すみません、タイトル間違えたんですが、削除キーを設定し忘れちゃったみたいなんで、「大蜘蛛」って言うタイトルで覚えといてください。お願い致します。

[No.10852] 2006/04/22(Sat) 13:32:59
126.39.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
「新型アルマゲドンクラスター」 (No.10852への返信 / 27階層) - ケタ

東京EDF本部 


イヤーナ大佐に銃口を向けている大森、
そしてそれを取り囲むマラカ副官や精鋭のガード。
執務室は恐ろしいまでの静寂に包まれていた。

もはや完全な反逆者扱いの大森は、取り囲んでいるガードに、
いつ撃ち殺されてもおかしくはないが、イヤーナ大佐を人質にとられているため、
そう簡単に大森を撃つ事はできない。


「くくく・・・」
「なにがおかしい?」
不意に笑い出したイヤーナに大森が銃口を下げずに呟いた。
恐怖に震え発狂したわけではない笑い方だ。

「私を抑え、ミサイル発射を阻止か・・・反逆者とはいえ見事だ。
だが、そんな事になんの意味がある?」
「フン。まぁ貴様の腐った脳じゃわからないだろうが、
これで仲間が死なずにすむんでナ!」
まぁ、強いて言えば特にシリアちゃんが死なずにすむんだ・・・と、
大森が心の中で呟いた。

だが、イヤーナはあざ笑うような顔を崩さない。
「・・ミサイルはあくまで予備。
それを止めた所でなんの意味があるんだと・・・聞いているんだよ」
イヤーナのその言葉に大森が顔をしかめた。

「くくく、ふはははは!」
大森、多くのガードが黙っている中、イヤーナの笑いが執務室に響き渡った。

「新型のアルマゲンドンクラスターの存在を知っているか!?
まだまだ試作品の段階だが、その威力は桁外れらしいなぁ」
その言葉に大森はおろか、周りにいたガード、マラカも目を丸くした。
つまり・・イヤーナ大佐の言葉の意味する所は・・・

「貴様!樹海には数え切れない程の行方不明者や
それを救出に向かった隊員達がいるんだぞ!まとめて吹き飛ばす気か!?」
フン、と、イヤーナが鼻を鳴らしてニヤリと笑った。

「行方不明者などとっくに死んでいる。無断出撃した者がどこにいるかなど、
私にわかるわけがないだろう?
樹海には敵の大群がいる。だから殲滅する。それが地球のためなのだ」
「・・・!」
大森がイヤーナの顔に銃口を押し付ける。
わずかにひるんだがイヤーナは笑うのをやめなかった。

「私を殺しても、発射を止める事はできない。
そして発射する基地もここではない・・・・貴様は無力なのさ」
「この野郎!!」
憤慨する大森に取り巻いていたガード達がジリジリと間を詰めていく。
事実、大森にこれ以上なすすべはなくなっていた。


「くっそぉ!!」
「ぐはっ!!」
大森はそう叫ぶと同時に銃低でイヤーナの後頭部を一撃し、
執務室のドアにむかって走り出した!
ガード達が発砲できないように、倒れたイヤーナと自分を直線状に結びながら、
瞬く間に数人のガードに当身をくらわせ、ドアから飛び出す!
そしてそのまま振り返らず一気に廊下を走り抜けていった。







イヤーナが完全に抑えられるとちょっと困るので、こういう展開に・・・
スマネス。
新型アルマゲドンクラスターの発射は完全には阻止しないでください〜
阻止しようとするのはもちろんOKなんですが(^^;


[No.10853] 2006/04/22(Sat) 17:34:00
softbank220060180225.bbtec.net
ランナー (No.10853への返信 / 28階層) - ヘリ兵士

「はあ、はあ、はあ、はあ」
通気口やらダストシュートやらを駆け抜けてすすだらけになりながらも本部を脱出した大森は、基地からそれなりに離れた公園の藪の中に隠れていた
と言ってもすぐにでも出発しないと見つかって殺されるだろう
「糞、これからどうすれば……」
一瞬絶望しかけた大森の心に、シリアの顔が浮かぶ
少々美化されているがそれは気にしない事にしよう
「そうだ、シリアさん(とその他大勢)が危ねえんだ、俺がくじけてどうする!」
大森は藪から顔を出した
ボディーアーマーもヘルメットもつけていない
来る途中の服屋からいただいてきた(レジに金は置いて置いた)ただの皮のジャンパーとGパンを着ている
手にも武器は持っていない
どれもID登録が施されているため、レーダーに写るのだ
この姿なら、レーダーに映るのはただの生命反応だけである

樹海の方向をレーダーでもう一度確認すると、大森は走りだした
武器は一切無く、助けを求める通信機も身を守るアーマーも無いまま、仲間に危機を知らせるため、富士の樹海へ


[No.10854] 2006/04/22(Sat) 18:49:59
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Re: ランナー (No.10854への返信 / 29階層) - ヘリ兵士

レーダーに敵として映るのだの間違いでした

[No.10855] 2006/04/22(Sat) 18:51:22
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
美しい彼女にはトゲがある? (No.10855への返信 / 30階層) - jagaimo

目の前に迫った巨大な「足」をアリアスは身を伏せて、
かろうじて避けた。
頭上を通り過ぎた足は、そのまま木々に直撃し、その太い幹を次々とヘシ折っていった。

アリアスは顔を上げて「足」の張本人をみやった。
血のように赤い、8つの眼球が自分を見下ろしている。
戦闘中だというのに、見るだけでめまいを感じた。

それはとてつもなく巨大なバゥだった。
通常のバゥを何体積み上げたら、こんなにもなるのだろう。

再びバゥがその異常に太い脚を振り上げる。
「クソったれ!」
思わず悪態をつきながら、アリアスは地面のくぼみに滑り込んだ。

まさかこんな事態になるとは思いもしなかった。
5体ほどのバゥを追跡し、その先に巣があると見て意気揚々と駆け込んだのが失敗だった。
アリアスたちが走りこんだ。その先では、全身武装コックと、中々センスの良いコマンドーが巨大なバゥと交戦していた。

片方のコック服の男はすぐにケタとわかったが――そんな格好の人間が多々いるとは思えない――もう一方の、
弾帯を大量に張り付けた男は見たことがない。

と、青い光線がアリアスのいる、くぼみの上を走った。
サエのロングレンジレーザーライフルだ。
レーザーは照射したあたりが光で照らされるので、この暗い足元もマシになるだろう。

しばし止んでいた銃声が、また響き始めた。
アリアスはライサンダーの弾丸を装填すると、土を蹴って這い上がった。


[No.10857] 2006/04/22(Sat) 23:24:50
fw1.tcn-catv.ne.jp
監視の目 (No.10857への返信 / 31階層) - 漆

〔第113混成部隊・ミーティングルーム〕

ミーティングルームの中は、一台のパソコンによって照らされていた。
「――戦況は、こちら側が不利・・・か。できる事ならこれがもう少し早く完成していれば・・・」
一つだけ開いているウインドウを見て呟く。
そのウインドウに映っているのは、何処かの樹海のようだ。

「夜遅くまで、精が出ますね」
唐突に背後から声をかけられた。
懐かしく、そして嫌な記憶を呼び覚まそうとする声だ。
「・・・・・・おい、お前らは世界の理を無視か?それと俺は何時も監視されていると?」
漆は落胆とも取れるような溜息をする。

「“理”ですか?そうですね・・・私は、普通の人間ではないので・・・二つ目の答えですが、そ監視しています。カイさん曰く、“いつ発狂しても可笑しくない奴に、監視がつかないのはおかしいだろ?ま、発狂した瞬間には殺すけど”だそうです」
彼女は微笑みながら答えた。
その答えは予想通り、落胆させる物だった。

「俺の人権は無いのかよ・・・」
「諦めてください。彼らは貴方を人間だとも思ってないですからね」
漆の嘆きに、彼女が諦めろと言う。
もう泣きたくなってきた。

「その話は終りにしよう・・・で?今日は何のようだ?」
漆は開き直り、本題に入る。
「今日の話は、一つ目は、今貴方のパソコンに映っている映像・・・それを撮っている“Ithaqua0”の紹介。この子は戦術偵察・拠点攻撃機であり、浮遊航行試験機で、現在衛星軌道上にあります。詳細はこれを」
そうって漆に一つの封筒を渡す。

「そして二つ目は・・・寒露に来て、私の荷物整理をお願いしたいのです」
「荷物整理?」
漆が聞き返す。
自分が整理すればいい物を人に任せるとはどういった用件なのだろうか。
少なくとも、寒露の職員に頼む方が確実だろう。

「・・・着いたらわかります。そろそろ時間なので私は失礼させてもらいますね。」
そう言ってまた闇に溶け込んでいった、

「なんだったんだ?」
もう一度封筒に入った書類に目を通す。
「コンセプトが“一機で世界を滅ぼせる機体”って何だよ・・・ある意味、名前道理だが・・・」
そう言って、パソコンの電源を切り、ソファーに寝転んだ。

「グッドラック」
そう言うのと同時に、漆の意識薄れていった。


[No.10858] 2006/04/23(Sun) 00:18:33
p1133-ipad03imazuka.yamagata.ocn.ne.jp
「力をあわせて」 (No.10857への返信 / 31階層) - ケタ

樹海


吹き飛ばされた衝撃で破れてしまった腰エプロンを、ケタが引きちぎり、そのまま捨てた。
グレネードランチャーに砲弾を装填しようとするケタに
地響きを起こしながら巨大バゥが迫ってくる。

・・・その時・・・。

轟音と共に発射された砲弾が、巨大バゥに命中し、わずかによろめいた!
この発射音は何度も聞いた事がある。間違いなく戦闘車両ギガンテスの主砲だ。
「・・・援軍か」
K.Mが巨大バゥの向こう側に現れたギガンテスと隊員を見て息をついた。
正直、ケタと2人だけでは歯が立たないと思っていた所だ。
しかし、援軍を見ていたK.Mの表情がくもった。

ギガンテスは速度を増し、巨大バゥに接近していく!
「あの巨体相手に接近戦する気か(;・ω・)」
ケタがグレネードランチャーを撃ちながらそう呟いた。
K.Mが巨大バゥの注意を散乱させるために、ケタとは逆方向に走りながら、
スナイパーライフルの銃口を巨大バゥに向ける。

しかし、突然頭上が青白く輝き、K.Mがとっさに身を伏せた!
K.Mの後方から照射されたレーザーライフルが巨大バゥの体に当たり、火花を散らす!
後ろを振り返ると何人かの隊員達がこちらへと向かってきていた。

「ったく。驚かすなよな」
「おい!そこの民間人下がってろ!危ないぞ!」
K.Mに向かって走ってきた隊員・・アリアスが声をかけた。
その言葉にK.Mが露骨に嫌な顔をする。

「俺はアンタらの方が心配だぜ。あんなでかいのとヤレんのか?」
K.Mが不敵な笑みをアリアスに向け・・・両手のスナイパーライフルを大きく左右に開き、
数発の銃弾を発射した。

いつのまにか接近していたバゥが数匹撃ち抜かれ、死骸となって転がる。
「それにザコもかなりウザくなりそうだぜ」
「まぁ、戦力になるんならだれでもいいかこの際・・・」
アリアスがK.Mに軽く指で合図し、その隣を駆け抜けていった。


[No.10859] 2006/04/23(Sun) 01:44:20
softbank220060180225.bbtec.net
出撃 (No.10858への返信 / 32階層) - 不運な会社

山口支部

「こちら前原。レクイエム応答せよ」
 
「よぉ前原司令官、用件はなんだ」
 
「今からそっちに行くが、OKか?」

「無理だ。今イヤーナ大佐の部下が来て艦砲射撃で富士の樹海を攻撃しろっていってきやがったんだ」

「断ったよな」前原がテレビ電話に睨み付けながら言う。「当然だ。まだおまえの艦隊もちゃんとなってないしな」

「サンキュー。切るぜ」

(富士の樹海か・・あんな気味悪いとこに撃ってなんの得にもならないだろ、普通)
前原とシプが考えている時に残った3人は糞野郎(イヤーナ)とその糞野郎のボディーガードをする糞野郎どもの絵に落書きをしていた。
「あっ。そうか富士には敵がいるって事か」

「じゃ、行きますか」

「そうだな、武装は爆発物中心。ただしスカイタートル系はもっていくなよ」

「了解!」そう言うと全員武器庫に飛び出していった。


[No.10860] 2006/04/23(Sun) 06:08:19
ntszok106239.szok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
脱走、潜入、再会、大蜘蛛 (No.10860への返信 / 33階層) - あろんα

カツ達を乗せたバゼラートが東京に着いた頃には、蜘蛛はとっくに撤退し修復作業が始まっていた。
交戦に備えて準備していた第二超速精鋭隊の隊員はすっかり意気消沈してしまい、修復作業にも身が入らなかった。
「ああめんどくせぇ!」
ウスイが毒づきながら半壊した壁を全力で蹴り飛ばした。もちろん痛い思いをするのは蹴った本人である。
「っ・・・!ぅあ・・・!」
つま先をかかえて座り込んでしまったウスイをよそに、カツは隊長の隙を窺っていた。
─こんなめんどくせえことやってられるか。バゼラートを奪ってこっそり本部に帰る。後は武器と弾薬を失敬して蜘蛛共を追う。我ながら完璧!

そして、そのときがやってきた!
隊長がバゼラートから充分に離れたのを確認し、近くにいた隊員─ウスイだった─の首根っこを掴み、あくまで静かに、かつ迅速にバゼラートへ向かった。
わけもわからず運ばれたウスイはカツにどういうことか聞こうとしたが、口を開くより早くバゼラートに放り込まれていた。
操縦席に座ったカツは大急ぎで離陸し始めた。
「なにやってんだよ!?」
すでにローターは回転を始め音が大きくなっていたが、それに負けない大声でウスイは怒鳴った。
「黙って付き合え」
「はぁ?」
何がなんだかよくわからないが、間違いなくただではすまないことだけはわかる。
飛び降りようにも、もう飛び降りられるような高さではなかった。
─間違いなく除隊ものだろうな・・・
隊長たちがゴマ粒よりも小さくなっていた。

取り敢えず東京本部に入り込めたカツたちは、武器弾薬の調達と、バゥの群れの現在地を知る必要があった。
本部がなにやら騒がしかったのはかなり幸運だったといえるだろう。なにが起こっているのかはわからないが。

鞄にありったけの弾薬を詰め込んだ二人は、コンピューターで情報を探していた。
欲しい情報は直ぐに見つかった。
「樹海・・・富士か?」
ウスイが食い入るように画面をみる。
「バゼラートでいくのか?」
「戦車だ」
ウスイが目を丸くした。
「戦車ぁ?」
「とびっきりのな」
カツははちきれそうな鞄を持って部屋を出た。

EDFのラボではやっとAS-99Dの改良を終えたクラがソファで一服していた。
その表情はとても満足そうだ。
─完璧だろ
改良を終えた銃を手に取り我ながらそう思った。
ソファには彼の愛銃、AS-99Gカスタムとやけにシブいスナイパーライフルが立て掛けてあった。

その時、ドアが開いた。
そこには懐かしい顔があった。
「相変わらず凄い所だな。ところで、戦車借りていいか?」
カツがゆっくりと歩きながら、唐突にいった。
クラは思わず「なんで?」と聞きそうになったが、カツの顔を見れば目的はすぐにわかった。
「俺も連れてってくれよ」そういいながらもすでにクラはアーマースーツと武器の準備をしていた。
「大歓迎だ」カツはそう言いながら大きく頷いた。

ウスイは新しい武器を眺めていた。
戦車の中で、クラからもらったものだ。
AS-99Dの改良型らしいが、エンブレムが全く入っていないのが胡散臭い。

しばらく走ると、複数の銃声が聞こえ始めた。巨大な地響きと共に。
「嘘だろ・・・でか・・・」
クラは巨大バゥのあまりの大きさに圧倒されながらも、しっかりと武器を握り締めていた。
ここから巨大バゥまではかなり距離があるはずだが、そんなものは全く感じさせないサイズだった。
「取り敢えず挨拶代わりだ」
クラはその巨体に向かって砲撃を開始した。
しかしこれと言ったダメージはないように感じる。
「くそ・・・」
「がんばれよ。健闘を祈る」
カツは半ばふざけた様に言って飛び出していった。ウスイもその後に続いている。
クラは二人をチラッと見たが、直ぐに巨大バゥに視線を戻した。




わお、長すぎる。
ちょっと詰め込みすぎたかな・・・
もう少しゆっくりにして分けたほうが良かったかな

遅れ馳せながら参戦いたしますw


[No.10862] 2006/04/23(Sun) 12:44:17
3dd52131.catv296.ne.jp
命を懸けた宅急便 (No.10862への返信 / 34階層) - jagaimo

「アレックス!ザコ頼む!」
アリアスは切羽詰った声で、適当な方向へ叫んだ。
実はアレックスがどこにいるかわからないのだ。
もしかしたらまったく別の方向に叫んでいるかもしれない。

「アンタ!後ろだ!」
誰かの声が聞こえた。
その瞬間、右腕に持っていたライサンダーに糸が纏わりついた。
「!?」
咄嗟にライサンダーを投げ捨て、藪の中に転がり込んだ。
代わりに、もはや愛銃と言って良いAS−22Lカスタムを構える。

と、赤い8つの目玉が見えた。

すぐ目の前に・・・!

「くおらぁ!」
反射的に糸を吐き出される前に、
目玉に足をかけて思いっきり蹴り飛ばす。が
蹴り飛ばした向こう側に、更に7匹ほどのバゥがこちらを見ていた。

――殺される・・・!

そう思ったとき、そのバゥ達を群れの後ろから重低音が聞こえた。
バゥは何かと後ろを向く。
次の瞬間、振り向いたバゥの群れを、
後ろから躍り出たギガンテスがひき殺した。

「大丈夫か?!」
戦車の上に乗っている兵が呼びかけてきた。
そうしている間に全速力でギガンテスはアリアスとすれ違う。

「・・・俺までひき殺す気か!?」
なんとなく悔しかったので、そう叫んだ。



サエは木々の間を高速で飛んでいた。
前方に赤く光るものがあれば、戸惑うことなくイズナーの引き金を引く。
サエはアリアスを探していた。
ルミの作った「危険物」を届けるために。コレを使えるのはアリアスぐらいしかいない。

もうすぐだ。この藪を抜ければ、アリアスはいる。

視界が開けた。その先では、アリアスが数十匹の蜘蛛を一気に相手にしていた。
「アリアス!これを・・・!」
使って、と言い終わる前に、サエは届け物をアリアスに向かって放り投げた。

そこで、彼女の視界は闇に包まれた。




「うらぁぁぁぁ!」
アリアスは怒声を上げながらAS−22Lカスタムを乱射する。
ギガンテスが蜘蛛をキャタピラにかけて、
踏み潰してくれたのはありがたかったが、その戦車を追っていた蜘蛛がアリアスを襲ったのだ。
ありったけの弾丸を群れの中に叩き込み、360°死角を作らぬように動きながら敵をけん制する。

ダメだ。火力が足りない!

アリアスは腰のグロッグ17Kを引き抜いた。
AS−22Lカスタムを右手で腰ダメにして連射し、
左手のグロッグで前へ出てきたヤツを押し返す。

と、どこかで聞いたことのある、いや、いつも聞いている風のような音が耳に届いた。
音のする方向へ首を巡らせると、木の上からサエが出てきた。

「アリアス!これを・・・!」
サエは何かをこちらへ投げてきた。
それをアリアスはスライディングするように滑り込んで受け止める。

「これは!?」
なんだ?とサエを見上げると、空中にサエの姿はなかった。
アリアスの網膜に木の上に、糸を身体につかせ、
だらりと身を下げたサエの身体が映った。


[No.10863] 2006/04/23(Sun) 17:10:53
fw1.tcn-catv.ne.jp
救出作戦5 (No.10863への返信 / 35階層) - 三枝

「ある日 森の中 蜘蛛さんに 出会った 花咲く森の道」
岸野の背後では友理と名乗った女性が大手を振って歩きながら歌っていた。
不気味な雰囲気とは不釣合いな明るい声が樹海に響いている。

呑気だと呆れる者もいるかもしれないが、岸野は特に止めようとはしなかった。
振りかえったらいなくなっていた、という心配も歌っていてくれればないだろう。
横に並べば済むのだが、敵が飛び出して来た時のことを考えるとこうした方が理想的だ。

ふいに歌声が途切れた。
おや、と思っていると目の前に友理が回り込み、こちらの顔を覗きこんでくる。
可愛い顔だな、と岸野は思った。
肩まで伸ばしたやや茶色がかった髪と、幼さの残った顔がなんとも可愛らしい。

そんなことを思っていた岸野に友理が話しかける。
「そーいえば、キシさんって何年くらいEDFにいるの?」
思いもよらない質問に岸野は眉間に人差し指を当てて少し考えた。
「えっと…大学出てすぐに入ったから…5年くらいかな」

その答えに友理は胸の前で手を合わせた。
「わぁ!すごい!ベテランさんだぁ」
「そんなことないわよ」顔の前でひらひらと手を振る。

「でもでもっ」腕をぶんぶん振りまわす。
「5年もやってると敵が出てきても余裕だよね。だから一緒に―」
「歌わないわよ」穏やかだが自分の意思をはっきりと伝える口調だ。
ごめんね、と微笑みながら付け加える。

少し残念そうな顔をした友理だが,すぐ笑顔に戻った。
気を取りなおし、再度歌おうと息を吸い込む。

その時だった、咆哮が二人の耳を突き刺した。
荒れ狂う猛獣の叫びが辺りを包む。
地響きが木々を揺らす。ビリビリと肌で空気の揺れを感じる。
耳を塞ぐことも忘れて岸野達はその音に聞き入っていた。

少し経つとその音は止んだ。
嵐が去った後のような静けさの中、二人はお互いを見たまま硬直していた。
僅かな沈黙の後、友理が顔の前で慌てて手を振る。
「あ、あたしじゃないよ」「いや、それはわかってるけど…」

今のはなんだろうか?生き物の鳴き声に聞こえたが、それにしては大きすぎる。
音の聞こえた方角を見るが生い茂る木々と闇によって視界は阻まれていた。
しかし、「…!」耳を澄ませば銃声や爆音が聞こえる。

二人は顔を見合わせ、頷いた。
「準備OK?」岸野はレーザーランス狽構えた。
サンダーボウ30のエネルギーをチェックした友理は親指と人差し指で丸をつくってみせた。
「OK!」二人は音を頼りに‘何か’のいる場所へ向かった。



友理の外見について触れてみました。
要するに、そのまんまゲームのぺイルウィング隊員です。

バゥが咆哮を上げたという設定で書きましたが…大丈夫ですよね…
問題があれば修正しますので言ってください。

あと、次回から戦闘に入りたいと思います。


[No.10864] 2006/04/23(Sun) 18:27:54
i125-201-42-29.s02.a021.ap.plala.or.jp
「接近戦」 (No.10860への返信 / 33階層) - syo

全速力で走り出したギガンテスは、あっという間に巨大バゥと戦闘を繰り広げているエリアに到着した。
「もっと奴に接近しろ!ガバナーが届かん!」
ハヤが叫ぶ。ハヤは今ライサンダーをぶっ放しているが、接近でき次第ガバナーに持ち替えて攻撃するつもりの様である。
「こんな事になるならレイピアもって来るべきだった!」
レイナは、巨大バゥにサンダースナイパーを放ちながら、
後ろのバゥに当たるようにサンダークラスターを投げていた。
ハシも、ギガンテスを操縦しながら戦車砲で巧みにバゥを吹っ飛ばして行った。
「よーし、接近した、これでガバナーもとど・・うわっ!!」
敵がガバナーの射程範囲に入ろうかというところまで接近した時、今まで足で他の隊員を踏み潰そうとしていた巨大バゥが、
突如としてギガンテスに、普通のバゥの3倍はあろうかという太さの糸を発射してきた。
さすがのギガンテスもこれにはひとたまりもなく、
動きは完全に停止、装甲も見る見るうちに溶けていった。
「「ハシ!!!」」
ハヤとレイナが同時に叫んだ。
そして、ギガンテスが爆発する。
しかし、アーマースーツがぼろぼろになりながらも、
ハシはギガンテスから歩いて脱出してきた。

「大丈夫か!?」
ハヤが声を掛ける。
「・・・んっの糞野郎ぉ!!!」
そう言うや否や、ハシは突然ガバナーを大蜘蛛に向けて発射した!
100個もの小さなグレネード弾が次々に大蜘蛛に命中し、
炎を噴き上げて行く。
その炎で、今まで巨大な体を覆っていた毛の一部が、
焼けて抜け落ちた。
「あの辺りだ!毛の抜け落ちたあたりに集中攻撃を掛けろ!」
ハシの声で、ハヤがライサンダーを放った。
放たれた弾丸は寸分狂わぬところに命中した。
そうすると、今までびくともしなかった巨大バゥが、初めて悲鳴を上げた。
しかし、弾丸を放った方向を見つけると、さっきギガンテスを襲ったように集中した攻撃ではなく、バラバラに拡散した糸を投げつけて始めた。
「勝機は見つかった!さあ、反撃だ!」
しかし、勝機を見つけたハヤたちの士気を下げることはできなかった。




バゥの攻撃は集中と拡散を使い分けられるって事でお願いします。


[No.10866] 2006/04/23(Sun) 20:10:27
126.39.205.61.west.flets.alpha-net.ne.jp
「糸の結界」 (No.10866への返信 / 34階層) - ケタ

樹海


「むう・・・(;・ω・)」
ケタと巨大バゥを挟んで向こう側に現れた援軍のギガンテスが
勢いよく突撃していったが早くも煙を上げ、動かなくなった。
が、巨大バゥが赤く燃え上がり、わずかながらその巨体がよろめいたように見えた。

反対側にいるためなにが起こったのかよくわからないが、
いくらかのダメージを与えたのだろうか。

ケタがアサルトライフルの引き金を銃弾がなくなるまで引き続け、
無数の銃弾が巨大バゥの表面で火花を散らす!
・・・が、やはり頑強な体毛と表皮に阻まれダメージは与えられない!

その時、巨大バゥがケタの方に振り返った。
「・・・・あれは!?(;・△・)」
なにかの違和感を感じたケタが目をこらし、その巨体を観察した。
巨大バゥの体の一部がダメージからか焼けただれている!

「あれか!あれを狙えばいいのか!((;・∀・))」
意気高揚するケタを見下すように、巨大バゥがその腹を大きく膨らませた!

次の瞬間、凄まじい量の毒糸が噴射された!
咄嗟に木の陰に身を隠したおかげで直撃はしなかったが、
まるで蓋をするかのように糸が 木々の間に張り巡らされた!

そのまま巨大バゥがその場で向きを変えながら次々と糸を噴射していき、
その膨大な糸はまるで森そのものを包み込もうとしているかのようだ!

「ケタ!早く糸を焼き払え!!このままじゃ視界が!!」
K.Mの声が聞こえると同時にケタが腰の火炎放射器を手に取り、
木々に張り巡らされた糸に向かって炎を発射した。
隊員達は木々の間から巨大バゥを見上げて戦闘している、
木々ごと糸で巻かれてしまったら、敵の場所さえわからなくなる!

「偶然だか狙ったのかわからんが、巨体のクセに小細工を!((゚皿゚;))」
必死に糸を焼き払うケタだったが、焦りからか後方の注意力が散漫になってしまっていた。
突如後ろの木々がざわめき、バゥが数匹ケタに飛び掛ってきた!

「!(・皿・;)」
とっさに身をひるがえし、飛び掛ってきたバゥの爪をかわしたケタだったが、
バゥの爪はケタが首から下げていたアサルトライフルにあたり、
バランスを崩したケタがキリモミ状に回転し、転倒した。
倒れたケタにさらにバゥが襲い掛かってくる・・・!

倒れた拍子に火炎放射器も落としてしまい、焦るケタの前にフワリと何かが舞い降りた。
そのままショットガンを眼前に迫るバゥに発射し、完全に粉砕する!

「ケタ・・あんたも来てたんだ・・」
バイザーを上げたシリアが亜麻色の髪をなびかせて少しだけ笑った・・・。








そろそろ中盤〜クライマックスにむかっている巨大バゥ編。
次は何編がくるんだろうか・・・。

考えられるのは、テラソラス編、サイボーグソラス編、浮遊都市編、?
なにか考えている人います?(^^;


[No.10867] 2006/04/23(Sun) 23:48:23
softbank220060180225.bbtec.net
Re: 「糸の結界」 (No.10867への返信 / 35階層) - ヘリ兵士

> そろそろ中盤〜クライマックスにむかっている巨大バゥ編。
> 次は何編がくるんだろうか・・・。
>
> 考えられるのは、テラソラス編、サイボーグソラス編、浮遊都市編、?
> なにか考えている人います?(^^;


ひと時の平和編と言うのを考えてました
サイボーグとテラは浮遊都市来てからにしませんか?


[No.10868] 2006/04/24(Mon) 18:11:32
i219-165-182-201.s02.a015.ap.plala.or.jp
救出作戦6 (No.10868への返信 / 36階層) - 三枝

「何あれ…」「うっわぁ…」
音を頼りに樹海を進んだ二人を待ち構えていたのは巨大なバゥだった。
普通のバゥの十倍はあるのではないだろうか。

何人かが戦っているのが見えるが、好ましい戦況ではないらしい。
怪物級の大きさ(実際怪物なのだが)のバゥに加えて通常サイズもあちらこちらから出現している。
巨大バゥが糸を噴き出した。ちょうどこちらに背を向ける格好になる。

(チャンス!)
「加勢しましょう。わたしがまず様子を見るから、援護お願い」
「りょーかい!」二人はほぼ同時に飛びあがった。

近づいてみると巨大バゥの大きさは圧巻だった。
岸野は深く息を吸い込んで自分を落ち着かせると、さらなる接近を試みる。
目の前に数匹のバゥが立ちはだかる。

岸野はスピードを落とすことなく進んだ。
糸を発射しようと頭を下げたバゥを踏み台にする。
「友理さん!」叫びながら大きく孤を描いてバック宙をする。
岸野を捕らえ損ねた糸が地面に張り付いた。電撃がバゥを突き刺す。
「ありがとう」「お任せあれー」

巨大バゥの下に潜りこむ。レーザーランスを持った手を天に向かって突上げた。
トリガーを引く。レーザーが巨大バゥの腹を照らした。
敵は倒れないが岸野の顔にはまだ余裕の笑みが残っている。

(へぇ…何発耐えられるかしら?)続けざまにレーザーを叩きこむ。
身体から赤く燃える剛毛が幾本かハラハラと抜け落ちた。
だが、それだけである。巨大バゥは倒れるどころか身じろぎ一つしない。

(嘘でしょ…)さすがの岸野もこれには言葉を失った。
歩行戦車すら連続で撃てば玉砕できるレーザーランスに耐えた敵なんて初めてだ。
(どういう身体してるのよ…)「キシさん!危ない!」

友理の言葉に岸野は我に返った。慌てて後ろに身をかわす。
巨大な足が鼻先を掠め、地面を抉った。
「クッ…」今度は側宙をする。背後から伸びてきた足が空を切った。

足は八本もあるのだ。前だけ見ていては一瞬で叩き潰されてしまう。
「…!」前後左右、四方から足が迫る。飛び上がって、ギリギリでそれを避けた。
懐に飛び込んで来た獲物を逃すまいと、巨大バゥは次々と攻撃を仕掛けてくる。

(マズイわね…)バイザーに映るエナジーゲージは既に半分以上減っていた。
とにかく、一度敵から離れなければならない。
「…っと!」それを許さないことを宣言するかのように、伏せた岸野の頭上を足が通りすぎていった。


岸野は背後から接近したので敵の怪我には気付いていないと言う事でお願いします。

> ひと時の平和編と言うのを考えてました
> サイボーグとテラは浮遊都市来てからにしませんか?

俺はゲームに沿った流れで書こうかなぁと考えていました。
〜編っていう全員が参加できそうなのは考えてもいませんでしたね…
俺の技量では無理です(笑)

ただ、俺の予定は抜きにしてもサイボーグとテラは皇帝都市が来た後の方がいいと思います。
以前話題になりましたがマザーがやられるのをただ眺めていたって事になりますし…


[No.10870] 2006/04/24(Mon) 19:17:57
i222-150-155-222.s02.a021.ap.plala.or.jp
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