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No.11235に関するツリー

   ショートストーリ集17 - バルムンク - 2006/07/22(Sat) 20:00:59 [No.11235]
「新たな挑戦」 - バルムンク - 2006/07/22(Sat) 21:03:20 [No.11238]
「軍法会議もの」 - バルムンク - 2006/08/13(Sun) 16:18:12 [No.11261]
ある意味伝説の男 - フェアリー - 2006/10/05(Thu) 15:51:46 [No.11381]
飛び立ち - set - 2006/07/22(Sat) 20:26:30 [No.11237]
「遭遇」 - jagaimo - 2006/07/25(Tue) 20:46:49 [No.11241]
密林の大河川 - set - 2006/07/26(Wed) 22:03:59 [No.11242]
「そして静岡へ」 - ケタ - 2006/07/30(Sun) 02:46:07 [No.11247]
帰還 - 虎太郎 - 2006/07/30(Sun) 10:31:46 [No.11248]
Re: 帰還 - jagaimo - 2006/08/05(Sat) 21:53:54 [No.11253]
「新手」 - ケタ - 2006/08/06(Sun) 11:13:52 [No.11254]
血に染まる戦場 - 不運な会社 - 2006/08/07(Mon) 05:49:03 [No.11255]
「やってきた援軍」 - ケタ - 2006/08/09(Wed) 21:49:28 [No.11256]
「一条の光」 - ケタ - 2006/08/14(Mon) 09:15:34 [No.11262]
「過去の戦士達」 - jagaimo - 2006/08/14(Mon) 18:17:06 [No.11264]
「合流」 - ケタ - 2006/08/16(Wed) 22:38:35 [No.11268]
(No Subject) - 漆 - 2006/08/20(Sun) 23:53:24 [No.11283]
居心地の悪い - 漆 - 2006/08/21(Mon) 00:17:31 [No.11284]
「敵とは」 - ケタ - 2006/08/21(Mon) 23:35:45 [No.11285]
Re: 「敵とは」 - 虎太郎 - 2006/08/23(Wed) 15:32:19 [No.11291]
「怪しい夜」 - ケタ - 2006/08/24(Thu) 00:22:48 [No.11292]
無垢なる侵入者 - 虎太郎 - 2006/08/24(Thu) 10:54:52 [No.11293]
カウントダウン - ヘリ兵士 - 2006/08/24(Thu) 20:58:35 [No.11294]
Re: カウントダウン - jagaimo - 2006/08/25(Fri) 01:34:57 [No.11295]
「訪問者」 - ケタ - 2006/08/26(Sat) 17:09:18 [No.11304]
嫌な嫌な嫌な奴 - ヘリ兵士 - 2006/08/26(Sat) 19:35:05 [No.11310]
賭け引き - 虎太郎 - 2006/08/27(Sun) 10:52:30 [No.11312]
「2人の元帥」 - ケタ - 2006/08/27(Sun) 23:10:32 [No.11315]
2人目の訪問者 - jagaimo - 2006/08/28(Mon) 14:52:23 [No.11316]
報告 - 虎太郎 - 2006/08/28(Mon) 16:20:44 [No.11317]
無謀 - ヘリ兵士 - 2006/08/28(Mon) 19:38:30 [No.11318]
「闇の中の輝き」 - ケタ - 2006/08/28(Mon) 23:51:17 [No.11319]
Re: 「闇の中の輝き」 - 虎太郎 - 2006/08/30(Wed) 15:01:18 [No.11320]
福沢、発狂 - ヘリ兵士 - 2006/08/30(Wed) 15:51:46 [No.11321]
「静かな猛獣」 - ケタ - 2006/08/30(Wed) 23:55:50 [No.11323]
露見 - 虎太郎 - 2006/09/09(Sat) 11:46:02 [No.11340]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/09/09(Sat) 15:01:37 [No.11343]
「敵はEDF隊」 - ケタ - 2006/09/14(Thu) 20:52:51 [No.11346]
「信じる者、主の心は彼らと共に」 - jagaimo - 2006/09/15(Fri) 23:18:53 [No.11347]
(No Subject) - ヘリ兵士 - 2006/09/16(Sat) 20:53:13 [No.11348]
「進入経路爆破」 - jagaimo - 2006/09/17(Sun) 02:11:11 [No.11349]
参戦 - 不運な会社 - 2006/09/17(Sun) 05:53:31 [No.11350]
親孝行 - 虎太郎 - 2006/09/17(Sun) 23:31:56 [No.11351]
「防衛戦(ケタ+シリア)」 - ケタ - 2006/09/18(Mon) 11:01:33 [No.11352]
「おやすみ」 - jagaimo - 2006/09/18(Mon) 16:04:30 [No.11353]
テロリスト - 不運な会社 - 2006/09/19(Tue) 05:14:01 [No.11354]
「負傷者なし」 - jagaimo - 2006/09/21(Thu) 00:40:13 [No.11355]
「能力」 - ケタ - 2006/09/26(Tue) 07:30:06 [No.11362]
「疾走、闇の彼方へ」 - jagaimo - 2006/09/30(Sat) 23:51:09 [No.11374]
「進むべき道」 - ケタ - 2006/10/02(Mon) 23:34:15 [No.11375]
異変 - ヘリ兵士 - 2006/10/03(Tue) 17:26:04 [No.11377]
「砲撃」 - ケタ - 2006/10/04(Wed) 00:10:49 [No.11378]
「一時休戦」 - jagaimo - 2006/10/08(Sun) 00:01:27 [No.11391]
絶望だけを見つめる者、希望をただひたすら信じ進む者 - ヘリ兵士 - 2006/10/08(Sun) 01:31:03 [No.11392]
「ローズという存在」 - ケタ - 2006/10/08(Sun) 03:41:59 [No.11393]
「迎え」 - jagaimo - 2006/10/08(Sun) 15:42:08 [No.11394]
「残された時間」 - ケタ - 2006/10/10(Tue) 23:58:03 [No.11398]
異変 - ヘリ兵士 - 2006/10/03(Tue) 17:26:03 [No.11376]
風船 - ヘリ兵士 - 2006/09/09(Sat) 14:44:09 [No.11342]
[削除] - - 2006/08/22(Tue) 11:23:31 [No.11286]



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ショートストーリ集17 (親記事) - バルムンク

16も長くなったのでこちらにどうぞ。

[No.11235] 2006/07/22(Sat) 20:00:59
p3113-adsao01motoma-acca.fukuoka.ocn.ne.jp
飛び立ち (No.11235への返信 / 1階層) - set

「さて、行きますか」
イズキはアーマーを装着すると、部屋の外へ出た。

数時間前、ユウトからの連絡届いたのだ。
内容は、『南アメリカ地区の救護活動』というものだ。
救護活動といっても、前線で戦う事は強いられる事だろうが・・・。

建物の外へ出ると、輸送機と思わしき機体が着陸していた。

「隊長、出発準備は整いましたか?」
ミエキが輸送機の中から体を乗り出す。
「あぁ。っても・・・武器はどうする?」
「輸送機内の物を使うしかありません。武器の到着を待っている暇もありませんし・・・現地調達ですね」
イズキはがっかりする。武器マニアの自分が、その辺の武器で満足できるはず無いからだ・・・。

<御二人さん、そろそろ離陸する。早く乗ってくれ>
輸送機のパイロットが苦笑混じりで告げる。
イズキとミエキはそれに従い、輸送機に乗り込んだ。


輸送機の中には、武器が収納されていると思われる格納庫。
更に、両翼の部分にガトリングガンが設置されている。
逆に言えば、装備はそれだけなのだが・・・。

「他にも部隊が居るのか」
イズキは席について、周囲を見渡す。
「そりゃ、いくら何でも私達二人だけを輸送するのに一機だけは無理ですよ」
「それもそうか」
イズキは納得する。よく考えれば、国外任務もバゼラートで行ってた自分達の方が可笑しい。
「それに、輸送機は一機じゃないですよ」
「え?」
ミエキは、窓の外を指で指す。
そこには、今乗っているのと同じ型の輸送機が何機か並行して飛んでいる。

「今回の任務は、輸送機5機の十数小隊で行うんですよ」
「十数小隊?」
国外の任務にそれだけの部隊を送るほど、今の日本に余裕があるのだろうか?
と、少し考えたが・・・そういえば、元帥が有能から無能になったとか言ってたのを思い出す。
今の元帥は戦後の自分の功績を考えて他の国に恩でも売る気なのだろうか?
まぁ、そんな奴が最後まで生き残れると思わないが・・・。

「もう一度行ってみろ、この女ぁ!」
突然、イズキ達の後方から響いた叫び声に、イズキやミエキ、他の部隊員もギョッとする。

「だから、アナタ達みたいな弱い人は邪魔だからココで降りて下さいと言ってるんです」
首元を掴まれたままで、その女は目の前の男達に言い放つ。
女にそう言われた男達は立ち上がり、加勢しようとする。
「弱いだぁ!?俺等を誰だと思ってやがる!今、日本地図に秋田県があるのは俺等が守ったからだぞ!」
その男達の部隊の隊長と思われる男は、叫んだ。
それに続き、他の団員達も叫び始める。
「そうだ!『秋田のギガンテス』っていったら知らない奴はいないぞ!」
「地を蛇のように這い、空を鷹のように駆け抜ける俺等を知らない奴なんてEDFには居ないぞ!」

イズキは、呆れながらミエキに尋ねる。
「・・・『秋田のギガンテス』って、お前知ってる?」
その質問にミエキは
「知りませんね」
と、即答する。
「だよなぁ・・・大体・・・」

首元を掴まれたままの女は一言。
「・・・それは、秋田が敵に狙われなかっただけでは?」
イズキはその女の言葉に同意するように頷く。
「大体、地を蛇のように這って、空を鷹のようにって・・・それは『ギガンテス』じゃなくて『エアバイク』では?」
今度は、ミエキがその言葉に同意するように頷く。
「っていうか、正直・・・誰もそんな部隊知らないと思いますけど?」
これには、輸送機の全員(パイロットも含む)が同意した。

「えぇい、黙れこの女が!新米兵のクセに、実戦経験のある俺等を弱いなどと!!」
その男が言うように、女性隊員の持つ装備は新米兵が持つ程度の武器しか身に付けていない。
「確かに、私には負傷した経験はありませんからね」
その女性隊員の言葉は、恐らく目の前の古傷だらけの男に対する皮肉だろう。

この言葉に、遂に堪忍袋の緒が切れたのか、男は女性隊員を空中に持ち上げ、投げ飛ばそうとする。
「なら、その初の負傷!俺が食らわせてやるわぁぁぁ!!」
大声で叫びながら、腕を振ろうとする・・・・が、空中でその腕がピタリと止まる。
「いい加減にしてくれないか・・・巨体の男が何人も暴れると輸送機が揺れて堪らないんだ」

いつの間にか男の腕下まで来ていたイズキが止めたのだ。
「誰だお前!」
男が叫ぶと、イズキは言い放つ。
「第92独立特殊部隊長のイズキだけど」
「知らん!」
イズキはガックリする。どうやら、長い間寝ているうちに知名度は下がったようだ。
「『秋田のギガンテス』とかいうのよりは、知名度あると思ってたんだけどなぁ・・・」

イズキは、そう言いながらも男の腕を無理矢理下へ降ろし、女性隊員を解放する。
「大丈夫か?」
こんな事で死にそうでは無いが、一応女性隊員に尋ねる。
「問題は無いです。無駄なお手数をお掛けしましたね」
礼儀正しいのか、正しくないのか・・・よく分からない。

「おい、第92毒舌特捜部隊長の何とか!」
男が気に食わない様子で近づいてくる。
「第92独立特殊部隊長のイズキ!何だ、その変な部隊は!!」
イズキは心外とばかりに言い返す。
「どうでもいい!表に出ろ!」
どうでも良くないのに・・・と思いながら、イズキは結論を言う。
「無理。だって、今、飛んでるんだぞこの輸送機・・・」
どうやら、筋肉の塊にしか見えないこの男は、脳も筋肉らしい。

「えぇい、揚げ足ばかりとりやがっ────」
「ハイハイ、そこまでですよー」
男がキレそうな所に、ミエキが突如横から入ってくる。
「誰だ、オマ───」
「そこまでって言いましたよ。第122陸戦部隊の力山隊長?」
「!?」
男が目を見開く。どうやら、この男の所属部隊とこの男の名前らしい。
「お、お前何でオレの名前を・・・」
驚いてる男を尻目に、ミエキはイズキに振り返って
「隊長が寝ている間、私がほのぼのと過ごしていると思いました?」
「・・・あぁ、いや。そうだな・・・そんなわけないか」
どうやら、ミエキはイズキが寝ている間にEDFの管理情報を見ていたらしい。

そして、再度男に向き直ると
「いい加減、席についてください。でないと・・・」
ミエキの言うその続きが気になったのか、男は
「で、でないと・・・・?」
と復唱する。
「ユウト中将に今回の不祥事を伝えてしまいますよ?
 『第122陸戦部隊の隊員達が新米の女性隊員を集団でピーやガーをした』とか・・・」
男達の顔から血の気が引いていく。
もしかすると、満面の笑みのミエキの顔が、血も涙も無い鬼の顔と重なったのかもしれない。
男達は、無言のまま席に着席して、ひたすら『どうか神よ・・・』などと言い続けていた。


「恐ろしいな、お前は・・・」
イズキは、横に座るミエキを見ると、苦笑しながら言った。
「今の時代は、情報戦ですからね!情報があって、なんぼの時代ですよ?」
ミエキは清々しい笑顔で言い切った。


こうして、イズキ回復後の初戦(相手はEDF隊員だが)は、勝利に終わったのであった・・・。



輸送中の機内での物語。

さてさて、南アメリカの何処に着いて、何をしようかなぁ・・・。


[No.11237] 2006/07/22(Sat) 20:26:30
softbank219206220093.bbtec.net
「新たな挑戦」 (No.11235への返信 / 1階層) - バルムンク

東京EDF武器開発研究所


そこには、一人の男がいた。その男の名は、「橋口 誠一郎」
窓際の席にすわり、煙草をふかしている。だが、誰も彼を注意しない。なぜなら、彼がEDFきってのダメ開発者だからである。


彼はいつものごとく煙草を口に銜えていた。何の変化も起きない窓の外を眺めながら、ため息をついた。
(俺は何のためにここにいるのか?くだらないガラクタを作っては他者に罵られる・・・もういる意味がないな・・・)
彼は心の中でそう思いつつ、席を立ち上がり、研究所の外にあるトイレに向かった。
それと同時に、彼を軽蔑するかのような声が、火山の噴火の様に湧き出てきた。

橋口は聞こえないふりをしていたが、内心は怒りで歯軋りをしていた。

なぜ、彼が同じ仲間の研究員から罵られるかと言うと・・・
彼は役に立たない武器ばかり作ってきた。その例が「猛毒ガス弾」
である。
この武器は上の者から使用禁止の命令が出て、それ以来使う者がいなくなった。
それからというもの彼は、使用者の安全を視野に入れず、とにかく敵を瞬時に駆逐する武器を開発したため、仲間から見捨てられ孤独の一匹狼になったのだ。そして、自分の能力を封じたのだ。

彼はトイレの個室にこもり、EDF内のみに発行させられる武器週刊誌を見ていた。
「はっ!・・・なんだこりゃ役に立つ武器なんてありゃしない!」
皆の前では、武器開発を諦めた寂れた研究員の格好をしているが、本音は武器が作りたくてたまらないのだ。そして、隊員達の力になりたいのだと思っていた。

その時、一人の隊員がトイレに駆け込んできた。
「ぎりぎりセーフッ!」
その隊員はそうとう尿意が激しかったのか駆け足でトイレに入ってきた。呼吸の激しさがそのことを伝えていた。そして、おもぐろにこんな事を言った。橋口が居ることには気づかず。
「はぁ・・・このごろ蟻どもの力が半端なく強くなったなぁ。いつものアサルトライフルじゃきついぜ。」
ため息交じりに彼は言い、ズボンのチャックを閉めた。

橋口の頭に閃光が走った。
(そうだ!この隊員の武器を開発すればいいんだ!!)
橋口はズボンのベルトがゆるゆるのまま、個室から飛び出した。その衝撃で扉が跳ね返り、彼の頭を強打した。
突然の喜劇にその場を立ち去ろうとした隊員は驚き、目を丸くした。
衝撃で倒れた橋口は頭をさすりながら立ち上がりはこう言った。
「君の武器の開発を私に委ねていいか?話はこの中で聞いていたよ」
あまりのひょんな話に言い返せなかった。
隊員は十秒ぐらい無心になり、やっとのことで話の内容を理解した。表情には不信さと戸惑いが見えていた。

「ちょ ちょっと待ってくれ。いきなりトイレの中でばったり出会って武器の開発をさせろ?おかしな話だな」
それもそうである。見ず知らずの研究員から突然、「武器の開発をさせてくれ!」である。
頭をさすっている橋口は冷静に対応し、今までの事を全て彼に説明した。

・・・

・・・

「そうだったのか・・・武器のパワーアップは嬉しいんだけど、そんな奴に武器の依頼はなぁ・・・」
「大丈夫だ。もし失敗したら俺が腹斬ってわびるよ」
橋口の目には期待と決意がこめられていた。隊員は真剣な顔につばを飲んだ。
「分かった。俺はお前さんを信用する」
彼の言葉に橋口は今にも、踊りたい気分だった。顔には感謝の笑みがこぼれていた。

二人は固い握手をし、戦闘で傷ついたライフルを手に、橋口は自分の研究室に戻っていった。







橋口 誠一郎
出身:日本 熊本県
誕生日:6月25日
身長:176cm
体重:63kg
血液型;O型

過去のトラウマを抱え、日々、窓際族に明け暮れている。だが、彼の天才的な才能にはまだ、誰も気づいていない。









う〜む、初めての小説はなかなかの良い出来だと思います。でも、長ったらしい説明があるかも知れませんので、ごめんなさい;;
厳しい指摘はなさらないでくださいOTL
主人公の説明がおかしいかも(*ノノ)


[No.11238] 2006/07/22(Sat) 21:03:20
p3113-adsao01motoma-acca.fukuoka.ocn.ne.jp
「遭遇」 (No.11237への返信 / 2階層) - jagaimo

アリアス達は加勢した部隊と別れ、廃墟と化した住宅地を疾走し、
所々で遭遇するインベーダーの少数部隊を掃討していた。

この戦域は超巨大母船の出現によって激戦区となり、
球体型陸戦兵器の攻撃に建設物は全滅、今では街の境に防衛ラインが形成され、不定期に襲撃するインベーダーを迎え撃っていた。

自分達の任務は防衛ラインに迎撃され、壊滅した敵襲撃部隊の残党の掃討、および偵察部隊の駆逐。
つまり防衛部隊の後始末、である。
アリアスとしては単独任務は不安だったが、防衛ラインで弾除けにされるよりはマシだった。



「ここは・・・・・・」
アリアスはバイクの風防ガラス越しに前方を見つめた。

視界いっぱいに広がるのは、どこかで見たような景色。
アリアスがミヨコの家にいくため、ここが激戦区だとも知らずに街を横断するために通った道だ。
球体型陸戦兵器にビクビクしながら通ったイヤな場所でもある。

本来ならミヨコの家のある街にいくには回り道をしていくのだが、気の抜けていたアリアスは普通に横断してしまったのだ。
アリアスはそのことをケタ達のアジトで知り、背筋の凍るような感覚を覚えたものだ。

もうあんな思いはしたくないな、と物思いにふけっていると、銃声が聞こえた。
そこまで遠くはない。瓦礫の街に硬質な音が響く。

アリアスはアレックスに、いったん停止の合図を送ると、「BLAST」を抱えてバイクを降りた。
銃声がだんだんに近くなっている気がした。

音で判断すれば、平均よりも少し高威力のアサルトライフル。
同じ銃声が重なって聞こえる為、おそらくは正式な訓練を積んだ特殊部隊、もしくは自衛隊だろうか。

目の前の廃墟と化したビルの向こう側から聞こえる。
アリアスはビルの壁づたいに進み、戦闘に巻き込まれないように覗き見た。
銃声は止んでいる。
あたりには巨大生物の死骸が散らばり、黄色い体液がコンクリートの地面を濡らしていた。
粉塵の舞い上がる中に一人の男が立っていた。

視界が悪いため、よく見えないが身長は戦士としては低めの160センチ程度。
両手にコンパクトな銃器をぶら下げ、巨大生物の死骸を見ながら立ち尽くしている。

一人で戦ってたのか?こんな場所で?

アリアスはビルの陰から顔を出そうとした。
瞬間、アリアスの頭上、50センチの場所に銃弾が刺さった・・・!




結構間があっての投稿・・・(´∀`;


[No.11241] 2006/07/25(Tue) 20:46:49
fw1.tcn-catv.ne.jp
密林の大河川 (No.11241への返信 / 3階層) - set

<コチラ22D-S。管制塔、着陸許可を求む>
輸送機の一号に搭乗しているパイロットが、無線で管制塔のオペレーターに許可を促す。
<コチラ管制塔。識別コードを確認。着陸を許可する。ようこそ、アマゾンへ>
オペレーターからの許可を得て、全輸送機が基地内へと着陸した。


「アマゾン・・・ね」
イズキは、輸送機から降りて辺りを見回す。
その昔、イズキはこの基地で『ノギサギ』という名の指揮の下に活動をしていた事がある。
その時、当時は『巨大生物の生き残り』と思われていた巨大生物群を討伐したのだ。
しかし、結果からいえば勝利だが、イズキ以外の基地要員は全滅との報告を後々受けた。
イズキとしては、この地は彼の最初の戦場であり、故郷に近い場所であった。

「随分、光景が変わったな」
もっとも、最近のインベーダー戦の影響で当時とは随分光景が変わっているが。
今思えば、あの時の巨大生物も氷山の一角だったのかもしれない・・・。


「これより、君達には近くのテロリスト殲滅活動を行って頂きたい」
基地の指揮官が率直に任務を伝える。
「最近、この辺りではテロリストによるEDF基地襲撃が相次いでいる。
 周辺の小基地や拠点などが次々と潰されている現状を打破してもらいたい。
 敵勢力は不明だが、何処かから武器が流れていると思われる。
 今任務は、その密輸先とテロリストの全滅、そして彼等の持つ情報の取得だ」

指揮官は大体の説明を終えると、最後に一言
「我々も最大限のサポートは約束する。格納庫から適当な武器を持ち出してくれて構わない
 君達の善戦を祈る」
そう言い残し、指揮官は作戦指令室から出て行った。




いくらなんでも、場所が決まらないと話にならないので、位置だけ決めて今回は終了ですorz


[No.11242] 2006/07/26(Wed) 22:03:59
softbank219206220093.bbtec.net
「そして静岡へ」 (No.11242への返信 / 4階層) - ケタ

「・・・片付いたな」
御剣が硝煙ののぼるスナイパーライフルを下ろし、一息ついた。

バトルメイデン隊の隊長メイとシズカ、
特殊防衛部隊の御剣、伊地山、
なぜか配属されたシーナの混同部隊は、なんとか防衛区域の巨大生物を
すべて駆逐したのだ。

「いやぁ、ペイルウィングと組むのは久々だったけど、なんとかなるもんッス」
「なんとかって・・あんたの銃弾が何度かすめたか」
大声で笑う伊地山の横でメイがため息をついた。
まぁ、当初のギスギスした雰囲気もだいぶ和らいだようだ。

「とにかくとっとと返ろうぜ。疲れたし」
御剣が瓦礫に隠していたバゼラードのシートを外し、みんなが乗り込む。
操縦席の御剣がレバーを引き機体が地を離れようとした時・・・

「静岡・・・静岡の様子はどうなっている?」
なにやら考え込んでいたメイが呟くようにそう言った。
「静岡ッスか?どれどれ・・」
伊地山が機内に内臓されているコンピュータを開き、
EDF隊の情報を呼び出し・・・・顔をゆがめた。

「静岡は酷いッスね。
巨大生物が大量発生してるけど、向かっている部隊は今の所ないッスわ」
「向かってる部隊がない?見捨ててるって事ですの?」

「・・・」
伊地山の報告を聞いたメイは再び頭を抱えた・・・。
わけがわからない・・・
なぜ死んだはずのローズ元帥の携帯電話から着信があったのだろう。
しかも、静岡から・・・。

「御剣・・・静岡に向かってくれ」
メイの言葉に一同が眼を丸くし、声を失った・・・。
作戦命令が全てという考えのメイが、作戦にない事を言い出したのだ。

「・・・気に入ったぜ、お前」
5人を乗せたバゼラートが静岡に向け飛んで行った・・・。




いやぁ、かなり開いてしまった(^^;
隊員リストを久々に・・・外見に絞って書いてみます。

ケタ(20才前半)
長身細身の男性隊員。
シーリウ曰く温厚そうで弱そう。
かなり視力が悪く、常に眼鏡をかけている。

シリア(20才)
アメリカ人とのハーフ。
小柄で西洋人形のような可愛らしい女性。
髪の毛は亜麻色。

シーリウ(享年時20才後半)
シリアの姉なので、当然アメリカ人とのハーフの女性。
長身でスタイルが抜群だったらしい。
髪は漆黒だった。

メイ(20才後半)
細身でやや小柄。
黒髪でショートカットのボーイッシュな女性。


以下、他の方から借りてるキャラなんで俺の持ってるイメージ像。


御剣(20前半)
やや神経質そうな雰囲気。

伊地山(20前半)
そのまんま熱血バカ系。

ローズ(20後半?)
綺麗に整った顎に美しく長い髪。
モデルにしても十分な容姿をしているらしい。

K.M(??)
カジュアルな服装をしている。
髪染めたりしてそうで、いかにもモテそうな感じ?


[No.11247] 2006/07/30(Sun) 02:46:07
softbank220060180225.bbtec.net
帰還 (No.11247への返信 / 5階層) - 虎太郎

久方ぶりに、東京の土を踏みしめる。
元は舗装された道路だったが、コンクリートは今や砕け、瓦礫と同化してしまっている。
ここには大して想い入れは無いと思っていたが、こうしてみるとやはりいたたまれない。
「これは・・・報告以上の光景ですね。」
脇にいるライガンがかすれた声で呟く。
全くだ。どこもかしこも半壊じゃなく、全壊と言った方が適切だ。
皇帝都市の襲来から時間が経ち、火事や粉塵は収まっている。だが、それでマシになったとは言い難い。
むしろ逆だ。辺りの惨状が否が応でも目に入る。かつての摩天楼は何処にも無く、瓦礫の中に死体が点在するだけ。
目を閉じたって、血の匂いやかすかな硝煙臭、死肉を貪る野鳥の声を、体が一つの情報として意識とは無関係に脳に伝達してくる。
「・・・・・・」
第22精鋭部隊[鳳凰]は、セレモニー出席指令を無視し、被災地復興の作業をしていた。
『そんなものに行く必要は無い、むしろ復興がいま何よりすべき事だ。全く元帥らしくない。』と、思っていた。
そして襲撃を知った時には、既に本部は壊滅状態に陥っていた。
「行こう・・・生きている俺達は、何かをしなくちゃならない。」
クリフ達は、重い足取りで本部への道を行く。
考えてみれば、崩壊前も代わり映えがしない道だった。そこに人がいて、車があって、街路樹が生え、ビルが軒を連ね・・・
しかし、今は全く違う。何も無い。生命と呼ばれる類の物が自分達以外に一切合切ない。
   〜形在る物には、必ず終わりが来る〜
この真理を表わす物がこの現在の状況なら、あまりにも無常過ぎる。

「待って。」
どれ程歩いただろうか、本部の前に差し掛かった時、蓮香が言った。
おもむろにポケットから何かを取り出し、ゲートの脇にかがんだ。覗き込むと土に種を植えている。
「あっちから貰ってきたの。遺影碑、ならぬ遺影樹。なんちて、ちょっとカッコつけすぎ?」
言葉とは裏腹に笑顔は硬く、どう見ても強がっている様にしか見えない。
「らしくねぇな、でも・・・」
今まで来た道のりを振り返ってバルは言う。
「何もないよりゃマシだ、マシ。まぁ、こんなんでこいつ等が成仏してくれっかはアヤシイもんだがな。」
「アンタはいつも、一言多い。」
彼女は哀しげな微笑をしながら、最後に水筒から水をかけてやってその場を離れる。
壊れて意味を成さなくなったセキュリティシステムを過ぎ、ボロボロの本部へと入った・・・



お久しぶりです。覚えていらっしゃるでしょうか、虎太郎です。突然の失踪、ごめんなさいです。
学年が上がって、課題が増えて増えて・・・で、夏休み効果と言いますか、長期休業でようやっとゆっくりしているトコです。
書くのもご無沙汰なので、とりあえず表現がうまくできてるかどうか。どうでしょう?

もう鉄球に来ちゃいましたか。
ライトを復帰させたいので、ヘリさん、今更厚かましいですがよろしくお願いします。
これから第51遊撃隊はトム参謀長によるローズ救出作戦になるんでしょうか?
八月一杯は落ち着けるので、よろしくです。それ以降は・・・微妙です。


[No.11248] 2006/07/30(Sun) 10:31:46
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Re: 帰還 (No.11248への返信 / 6階層) - jagaimo

「―――――っ!待ってくれ!撃つな!味方だ!」

アリアスは青ざめた顔で必死に誤解を解こうと四苦八苦した。

「あら?どこかで聞いた声ね。いつからアタシにそんな口調で話せるようになったのかしら。ボウヤ?」
アリアスは目を丸くした。

「は?」
返ってきた声は・・・明らかに女性だった。
ペイルウィング、ではない。そんなことよりも、どこかで会ったか?てか、ボウヤ・・・?

「あらぁ?忘れたのかしら。前に頭使わないと脳みそ筋肉になるって言ったのにね。おねぇさんは悲しいわ」
白煙と粉塵の中から現れたのは、自称、世界最強の主婦。

風見 美世子 その人であった。





むむ・・・。おひさしぶりです(汗)
良い文g少し短くかけないので短く切ってみましたw


[No.11253] 2006/08/05(Sat) 21:53:54
fw1.tcn-catv.ne.jp
「新手」 (No.11253への返信 / 7階層) - ケタ

静岡 地下シェルター大型通路


「・・・!」
不意にシェルター内、いや地下全体が揺れたような気がしてK.Mは、ケタとシリアに目をやった。
どうやら2人とも振動を感じたらしくあたりを見渡している。

・・・酷く嫌な予感がした。

「K.M。ここまかせていい?少し地上を見てくる(・ω・;)」
ケタの言葉にK.Mは無言で頷いた。
地上から地下シェルター内へと続く通路はもう巨大生物の死体で埋め尽くされるほどである。
さらに狭くなった一本道・・・、
巨大生物が侵入してきても、もはやK.M1人で十分だろう。

通路にK.Mを残し、ケタとシリアはシェルター内へと走っていった・・・。

シェルター内に戻ると何人かの避難民がケタ達に向け質問してきたが、
ケタとシリアは軽く安心させるような言葉を言い、
地上へと向かうエレベーターに向かった。

エレベーターに乗ろうとした時・・・。

「っきゃ!」
今度は先程とは違い凄まじい振動が地下シェルターを襲った!!
シェルター内の照明がいくつか砕け、壁に亀裂が入る!
地震・・・かとも思ったが、やはり地震ではないらしい。

「くそ。階段だ(・皿・;)」
今の衝撃で緊急停止してしまったエレベーターを一瞥し、
2人は今度は地上へと続く階段の方へと向かう。
重い防御壁を開き、螺旋状の階段が現れた。


・・・

・・・


神奈川 倒壊デパート基地

K.Mがどこからか調達してきた電子機器を設置した「コンピュータールーム」にローズはいた。
デパート内にあったテレビやカメラを辺りに設置しているので、
デパート周辺の様子を見る事もできるし、
K.MのパソコンからEDF隊のパソコンにハッキングする事も可能なのだ。

「・・・」
ローズは少し迷ったが、パソコンを開き、手早くキーを入力しだした。
肋骨を骨折しているため、未だに高熱はあるし、体中がダルい・・・、
それでも静岡に向かったケタ達が心配だったのである。

熱にうかされているとはいえ、さすがローズである。
困難なはずの軍のデータへのハッキングをたやすく済ませ、
静岡中に設置されている1050個の小型監視カメラのリアルタイムの映像を、
次々とパソコンで出していく。

大半のカメラは破損していたため、砂嵐の画面が多かった・・・、
しかし、1つのカメラの映像にローズの手は硬直した。

「・・・無茶せずに撤退してくれ」

パソコンに現れた荒い画像の前でローズはうつむき、そう呟いた。
画面に映っているのは間違いなくサイボーグソラスだったのである・・・。


[No.11254] 2006/08/06(Sun) 11:13:52
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血に染まる戦場 (No.11254への返信 / 8階層) - 不運な会社

アフリカ 防御陣地

「来たぜ」

カインドが双眼鏡を見ながら言ったとたん、防御陣地の中に隊員が集まり始めた。

そして各隊員は自分の持っている銃をわずかに開いている穴へ差し込んだ。

沈黙が流れた。音はかすかな風の音と巨大生物が砂漠を歩く音しか聞こえない。

「撃てッ」

誰かが言った。それが合図で防御陣地の上からはミサイルが放たれ迫り来る巨大生物を倒している。

また、隊員の攻撃も加わり巨大生物はやられていった。しかしギリオと呼ばれるロボットは防御陣地を少しずつ破壊しているし、少なからず隊員にも被害が出ている。

63海兵隊は主に大物狙いのため狙っていたのはソラスだった。日本ではメカソラスが出ているらしいが、今回はソラスは2匹いる。

すでに上部にあるミサイル発射台は羽蟻を全滅させた代わりに全部スクラップである。

ライサンダーFの強化型ライサンダーG-Fを使い攻撃しているがいっこうに倒れる気配はない。

それでも根気で戦っていると一匹は倒れた。しかしもう一匹はしぶとい。

よく見るとソラスの近くに赤い閃光が放たれている。そして100発ほどライサンダーG-Fを発射しソラスはやられた。

この戦いでは防御陣地全壊、作戦加入数300人中53人死亡208人負傷の代わりに敵部隊は全滅した。


壊れた防御陣地の周りでは砂が赤く染まっていた・・・
   



 


[No.11255] 2006/08/07(Mon) 05:49:03
ntszok119183.szok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
「やってきた援軍」 (No.11255への返信 / 9階層) - ケタ

静岡


「・・・・(・ω・`;)」
「・・・・」
静岡の地価シェルターから地上へとでたケタとシリアは言葉を失っていた・・・。

静岡へ向かう途中、数え切れない程いた巨大生物の姿はない。
そこかしこにチラチラといるだけである。
ケタ達が狭い通路にやってきた巨大生物を倒していたのだが、
それが功を奏したのか、それとも新たに現れたヤツのおかげで逃げていったのか・・・。

ヤツ・・・サイボーグソラスが地響きをたてて、静岡の街を歩いていた・・・。

サイボーグソラス。
体長40メートルを超える巨獣ソラスの死骸をエイリアンが回収し、
サイボーグ化した規格外の侵略兵器であり、
その破壊力は現存する全ての兵器を圧倒する。

そんなやつがケタ達の前に現れたのだ。

「・・・まずい!!(・皿・;)」
サイボーグソラスが大きく咆哮した瞬間、
ケタがとっさにシリアを押し倒し、瓦礫の間に滑り込んだ!
サイボーグソラスの口から放たれたエネルギー光弾が地面で激しい爆発を起こし、
轟音と共に地面が波打つ!

「冗談じゃないわ!こんなの地下シェルターごと潰される!!」
粉塵が舞う中、起き上がったシリアが思わず叫ぶなか、
ケタはとりあえず背中に背負っていた狙撃銃を取り出し、サイボーグソラスと
見比べた。

ライサンダーF・・・。
前大戦末期に開発された高威力の万能狙撃銃。
生産コストと引き換えにその破壊力は前大戦時最強クラスと言われていたのだが・・・。
「・・・無理だよねぇ(^^;)」
これだけではどう考えてもサイボーグソラスには通用しないだろう。

その時・・・

「あれは・・・!」
シリアが後方上空よりこちらへ飛んでくるバゼラードに気付き、声をあげた・・・。


・・・

・・・


「おい!冗談じゃないぞ!!」
御剣が誰かと似たようなセリフを叫んだ。
「・・・これは」
眼下にサイボーグソラスを確認し、さすがのメイも言葉を失う・・・。

メイ、シズカ、御剣、伊地山、シーナはバゼラードで、
謎の通信があった静岡にやってきたのだが・・・。
まさかこんな化け物がいるとは思ってもみなかった。

キシャア!
と、金属音と咆哮の混じったような叫び声と共にサイボーグソラスが、
上空に現れたバゼラードに狙いを定めた!
「まずい!かわせ御剣!!」
「・・・!!」
メイの悲鳴と同時に御剣がバゼラードのレバーを傾け、
バゼラードが真横になり、一気に下降した。
そのすぐ横をプラズマ光弾が通過していく!!

「おい!撤退だよな!?メイ!聞いてるか!?」
「そうッス!逃げるが勝ちッス!」
「伊地山どこ触ってるんですの!!」
「いでッス!」
激しく揺れるバゼラードの機内で全員が叫び声を上げる。

「・・・」
そんな中、メイは再び考え込んでいた。
通常なら間違いなく撤退するべきだ・・・。
しかし、もしこの地下シェルターにローズ元帥がいたら!?

唇を噛んだメイがバゼラードのトビラをあけ、機内に突風が吹き荒れる。
「メイ!?」
「いくぞ!ヤツのエネルギーさえ空にできればいい!!」
そう叫び、メイはバゼラードから飛び降りた。


[No.11256] 2006/08/09(Wed) 21:49:28
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「軍法会議もの」 (No.11238への返信 / 2階層) - バルムンク

東京EDF武器開発研究所


バタンっという扉の音が他の研究員の耳の中で轟く。橋口が自分の研究室の中に入るのは、稀にないからだ。研究員同士が互いの顔を見合わせ、唖然とした顔で見た。
「あいつが研究室に入るなんてことはとんでもないことやらかすぞ・・・」
「そうだな、軍法会議にかけられる前に止めないと。いちおう同じ仲間だからな」

二人の研究員は顔が青白くなり、彼の研究を阻止しようとして、扉の前まで向かった。
扉の前に立つと二人とも唾を飲んだ。二人の体は熱くなり、汗が出てきた。そして、橋口に、こう言った。
「お前、何を作るのか知らんが、やめておけ。身のためだぞ!以前お前の武器が使用禁止になったことを忘れてはいないだろうな!?」
「そうだよ。使用禁止はまだいい方だ。次はお前の首が飛ぶぞ!」

二人の忠告は静寂にかき消された。何分経っても返事がこないため、二人の堪忍袋の緒が切れた。
二人の怒りは頂点に達し、さっきまで真っ青っだった顔が真っ赤になっていた。二人は研究室の中に入ろうとしたが、残念ながらロックがかかっていた。
扉を無理にこじ開けようとしたが奮闘空しく扉は開かなかった。

息が切れた二人は余力を振り絞り、また忠告をした。
「お前の作る武器は最低だ!早くこの場所から失せろ!!」
「そうだ!失せろ!!」
二人は怒りを抑えようとしたが抑えきれず、プリプリしながら去った。

一方、研究室に居る橋口はもうすでにライフルの改造作業に取りかかっていた。ほんの十分程度の間に全てのパーツをばらばらにしていた。
そのパーツの中には戦闘で傷ついて欠けたもの、蟻の酸で腐食したもの、なかにはカビの生えたものまであった。
「こりゃひでぇな。こいつぁ相当苦労するぜ」
橋口の顔に焦りが見えた。

まず、橋口は使えないパーツの代用になるものを倉庫から探し出してきた。銃身はほとんど使い物にならないためAS-99のものに変えた。
「こいつはAS-20か・・・階級が低いのにAS-99を使わせるのは確かに軍法会議もんだぜ」
橋口は微笑した。

橋は倉庫からとんでもないものを持ち出した。それは、グレネードランチャーであった。
重いグレネードランチャーを台の上にのせ、おもぐろにドライバーを持ち出し、解体をし始めたのだ。
「一度、アサルトライフルとグレネードランチャーを融合させて見たかったんだよね。こりゃ会議にかけられる前に退軍だな」
また、微笑した。

・・・

・・・

延々と改造に明け暮れて5時間。終に強化をしたアサルトライフルが台の上で静止した。
橋口は疲労を改善のため一睡した。







お久しぶりです。夏休みの課題がだいたい終わったのでやっとこれましたOTL
まだまだ、小説の腕は未熟なので、読みにくいかと・・・

夏休みの間に考えていた武器をここに書こうと思います。



フラッシュグレネード
種類:手榴弾
威力:0
弾数:1

破裂とともに目が眩むほどの閃光と鼓膜が破れるほどの音響が響き渡る手榴弾。撤退時にかなりの活躍をする


ソラス火炎砲“試作品”
種類:特殊兵器
威力:中-
弾数:500
連射速度:60発/秒
射程:100m
精度:E

ソラスの様な火力と範囲を武器化したもの。試作品でもかなりの威力が期待できる。


ドクターランチャー
種類:ロケットランチャー
威力:0
弾数:1
連射速度:1発/秒
射程:3000m
精度:A++

伝説の研究員結城博士の作品。ロケット砲弾の中には爆薬が入っておらず、医薬品や弾薬などの補給物資が入っている。遠くの味方付近の地面に撃つことで意味を成す。
リロードの時に砲弾の種類を間違えると大惨事になる。


移動式時限爆弾“ボムチュウ”
種類:手榴弾
威力:1500
弾数:1
起爆時間:設定可能

ちょろちょろと縦横無尽に移動する爆弾。小さいが相当な威力がある。地下の時に能力を発揮する。


どうか私が考えた武器を使ってください。お願いします。


[No.11261] 2006/08/13(Sun) 16:18:12
p3008-adsao01motoma-acca.fukuoka.ocn.ne.jp
「一条の光」 (No.11256への返信 / 10階層) - ケタ

静岡

「あの馬鹿!ケタより無謀なんじゃねぇか!?」
御剣がバゼラードから飛び降り、降下していくメイに怒鳴った。
「そうは言ってもとにかくやるしかありませんわ!援護してくださいな」
シズカも御剣に一声かけ、メイの後を追いバゼラードから飛び降り、
御剣はため息と同時に機関砲の安全装置を解除した。

「バゼラードからペイルウィングが2人飛び降りた・・・
どうやら戦ってくれるようだな(・ω・;)」
バゼラードの様子を地上から眺めていたケタが呟いた。
サイボーグソラスは完全にバゼラードに気をとられ、地上には注意がいっていないようだ。

・・・・チャンスである。
ケタはライサンダーFをサイボーグソラスに向け構えた。


「ほらそこッス!撃つッスよ!!」
「うるさい!気が散る!!」
バゼラードが急旋回し、そのスレスレを光弾が通過していく!
とてもじゃないが、攻撃などできない!
回避に専念しないと次の瞬間には撃墜されそうだ。

バキン!
と音がしてサイボーグソラスの後頭部から火花が散り、装甲がわずかに砕けた!
サイボーグソラスが後ろを振り向くが、瓦礫が散乱した地上しか見えない。

「我々以外にも隊員がいるのか?」
まさか・・・ローズ元帥では・・・。
空中でレーザーを放ちながらメイが眉をよせる。

・・・次の瞬間
サイボーグソラスが大きく身をかがめ、背中から大量の小型ミサイルを発射した!

狙いは・・・メイだった!

小型とはいってもそれはソラスと比較してである、
まともに人間がくらえば跡形も残らないだろう。
そんなミサイルが20発近く迫ってくる!

「・・・・!!」
メイがとっさにレイピアに持ち替えミサイルに向けて放ち、
目の前で爆発が起きる!
だが、その爆炎の中から6発のミサイルが飛び出してきた!

「メイ!逃げろ!」
御剣の悲鳴の通信に従うまでもなく、メイが体を翻し、一気に降下した!
その後を追うようにミサイルが追跡していく!
激しい銃声と共に1つのミサイルが爆発したが、残り5つのミサイルは
見る見るうちにメイに接近していく!

「!!!」
ペイルウィングのエネルギー残量を知らせるアラームが鳴る中、
メイが地上に一直線に向かっていき・・・・地上に激突する寸前で横に急旋回した!!

メイを追っていたミサイルがその動きについていけず、地面にあたり大爆発を起こす!

ガシュ!
という音がしてメイのペイルウィングが停止した。
「まずい・・・!」
エネルギー切れではない。
あまりに近くで爆風を浴びたので故障してしまったのだ!

空中にいたメイはそのまま地面へと落下していった・・・・。


「ねぇ!さっきの隊員上昇してこないわ!」
「わかってる!(・皿・;)」
ミサイルをかわそうとしていた隊員を地上付近で見失ったケタは激しい憤りを感じていた。
これ以上・・・仲間をやられてたまるか!

しかし、現実はあまりにも厳しい。
装備も人数も限られたこの場に立ち塞がるのは、
エイリアン側の最強クラスの侵略兵器サイボーグソラスである。
根性や奇策だけで通用する相手ではない!

そうこうしている間に、今度は上空のバゼラードがピンチに陥っていた。
巧みな操縦でなんとかサイボーグソラスの攻撃をかわしてはいるが、
もはや、いつ被弾してもおかしくはない!

そして再び、サイボーグソラスが口を大きく開き、
口からまばゆい光が漏れ始めた!
プラズマ光弾が発射される!・・・と、いうまさにその時・・・


緑色の一条の光が空を引き裂いた!

その光は真っ直ぐにエネルギーを放出しようとしたサイボーグソラスの口を貫き、
サイボーグソラスの頭の半分がエネルギー暴走により吹き飛んだ!!

「・・・」
レバーを握っていた御剣が、頭の吹き飛んだサイボーグソラスを見て目を丸くした。
頭や首から黒煙を上らせているサイボーグソラスはどうみても戦闘不能だ。
そして、サイボーグソラスの周りに黒い歪みが発生し始めた!

「まずい!空間転移して逃げる気だ!!」
新型サイボーグソラスは大破すると空間転移して逃げるのだが・・・、
もし人間がその空間転移に巻き込まれたら?
顔を引きつらせた御剣がバゼラードを後退させた瞬間、目の前に黒い光が広がり、
サイボーグソラスが虚空に消えていった!

「・・・助かった・・・」
サイボーグソラスがいたあたりを見つめ、御剣が大きく息を吐き出した。



「・・・・(・ω・;)」
ケタは考えていた。
最後にサイボーグソラスを撃ちぬいたのは恐らく高出力のエネルギーライフル。
プラズマ光弾を放つ一瞬に、激しく動くサイボーグソラスの口の中を
狙い撃つ・・・、しかも数キロは離れていた場所から・・・。

そんな事が可能なのだろうか・・・
そして、可能だとしたら一体誰が・・・?


・・・

・・・


???ポイント

双眼鏡で静岡の街を見つめていた隊員が双眼鏡を下ろし、
足元で煙を上げているエネルギーライフルを見て、息をついた。

エネルギーライフルの「MONSTER」に
橋口とか言う酔狂な研究員が、改良を加えていた試作品だったのだが・・・
完全に焼きついてしまったようだ。

シーリウ、いやシーリウのファントムヒューマンであるジェーンは、
名残惜しそうにもう一度静岡の街を眺めてた・・・。




橋本さん(の名前だけ)ださせてもらいましたー!
調度いい武器がなかったので、隠してた試作品ちょろまかしたってことで(^^;

久々にヘリさんのジェーンだしたけど、よかったのだろうか。

そろそろワルィ元帥とローズ元元帥の対決に入るかなぁ。


[No.11262] 2006/08/14(Mon) 09:15:34
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「過去の戦士達」 (No.11262への返信 / 11階層) - jagaimo

「前と比べて結構振動がなくなったのねぇ。この戦車」
聞こえてきた声に思わずアリアスは目を細めた。
アリアスのSDL2ホバーバイクと並走しているギガンテスの先頭では、あぶなかしげにミヨコが立っていた。
ミヨコはそんな場所に立っているにも関わらず、前から来る風に心地良さそうに長い髪をすいていた。

「ええ!コイツには新素材のサスペンションが積まれてるんですよ!」
自分の得意分野にはいるとテンションが一段階上がるアレックスが自慢げに声を上げた。

そんなアレックスを尻目に、ミヨコはずっと前を見つめていた。


・・・

・・・

『アリアス?11時の方向、3700mに反応ありだ。数は少ないが、潰しておくか?』
不意にキリヒトから通信が入った。
キリヒトの戦車の中には、個人の携帯するレーダーよりも高性能なものが乗せられていて、常にサエ、もしくはルミが常にモニターしているのだ。
「ええ。一応は。それが任務なわけですし」
アリアス達の任務―――敵偵察部隊と先日、防衛ラインになだれ込み、撃滅された強襲部隊の残党の始末だ。
一つ一つ、全てを潰していくのが目的でもある。

『なにをコソコソ話しているのかしら?』
風に髪を揺らしていたミヨコが振り返って、無線機越しに声をかけた。
口元に面白そうに笑みを湛えている。

「いえ、コソコソなんか・・・。敵部隊を発見しました。今から潰しに行こうと思うんですけど・・・」
『そう。付き合ってあげるわ。少なくとも、あなた達に戦闘じゃあ劣らないから大丈夫』
言いながらミヨコは腰からケーブルに繋がれた、ナイフのようなものを取り出し、アリアスに見せてみせた。

「・・・・・・それは?」
『デュエルナイフ』
「は?」

デュエルナイフ・・・・・・はるか昔、というかムカデが出現した際にアリアスが持っていた陸戦兵用の兵器の中で唯一の非常用近接格闘武器。
形はスターウォーズのライトサーベルそのもので、使い方もそのまんまなのだが、内臓してある小型エネルギーユニットの出力不足で閃光刃の照射時間はわずか1秒。
その1秒の間に巨大生物の中枢神経を破壊しなければこちらが危ないという無意味な兵器である。

デュエルナイフは射撃武器の使用不可能なほど、巨大生物に肉迫された場合を想定した非常用兵器なのだが、
戦死した陸戦兵の大半が強酸での攻撃でやられているため、さほど持っていても威力を発揮しなかったらしい。

それはそうとして、今ミヨコが持っているモノはアリアスが知っているモノとかなり形が違う。
なにやら腰のバックパックにケーブルで繋がっているし、柄も延長されているようだ。

『知らないの?白兵戦では基本中の基本の武器よ』
巨大生物に白兵戦はないだろう、とアリアスはため息をついた。
『照射時間は2.5秒って短いけれど。冷却とチャージには8秒しかかからないわ』
だからといって白兵戦をやるのはあまりにも無謀だ。

「あんまり無理しないでくださいね」
『あらあら。そういうことは私の戦いを見てからいいなさい?』
「はぁ・・・・・・」


・・・

・・・


    ―――渋谷戦区、エリアH−3 某ビル屋上―――


空に、鳥が飛んでいる。

ムカイは空を見上げながら、さも当然のようなことを思った。
約束の時間はとうに過ぎている。

しかし、待ち合わせの相手が何時間遅れようとムカイは気にしない。
その時間だけ、ムカイは戦いの合間の休息に入る事ができるから。

「ひさしぶりだな」
手すりに手をかけているムカイの背後から、声がかかった。
「遅い」
ムカイはそのまま、キッパリと言った。

「ふん。どうせ気にしてないのだろう。お前は変わらんな。上官に対して敬語の一つも使いやしない」
「もう上官ではないだろう」

ムカイはゆっくりと振り返った。
後ろには、純白のEDF士官の制服をだらしなく着ている初老の男がたっていた。
男は、白髪がかった髪を夏の風に揺らしながら、歩み寄ってくる。

「ワルィの制止やらなんやらで私もそう暇ではないのでな。この老人にも理解できるよう、簡単に用件をいってくれ」
ムカイはふぅ、とため息をつくと、男の目を見ていった。
「・・・彼らを・・・・・・守ってやって欲しい」

「守る、か。どういうふうにかね」
「影からでいい。力を与え、死の道を選ばないよう、正しい道を指し示してくれるだけでいい」
男は眉をつりあげた。
「安全な戦場など存在しないぞ。
それに、現元帥の目につかぬように兵器を支給するのは無理だ」
「彼らに必要なのは、精神と技術だ」
ムカイは言い張った。
どんなに強い兵器をもっていても、その力にうぬぼれ、
自らを破滅させるようでは意味がない。
ムカイは、彼らに知識をもって力を与えてくれ、と言った。

「わかった。出来ることはやってやろう」
男はそういうと、階段に向かって戻ろうとした。

「待て」

男は足を止めた。

「なんだ」
「・・・・・・感謝する。飯島大将」

ムカイの言葉に、男は「ハッ」と笑った。

「昔の名前で呼ぶな。今は影山少尉だ」

そう言って、『旧EDF対人特殊部隊 保安課』、
もとい『シャドウハンターズ』の設立者は階段を下りていった。


[No.11264] 2006/08/14(Mon) 18:17:06
fw1.tcn-catv.ne.jp
「合流」 (No.11264への返信 / 12階層) - ケタ

静岡


「この辺だったと思うが・・(・ω・;)」
サイボーグソラスが撤退し、巨大生物もわずかとなった静岡の街をケタは走り回っていた。
戦闘の中で見失ってしまったペイルウィング隊の隊員を探しているのだ。
もし、あの爆発で死んでしまっていたとしても、勇敢に戦いケタ達を助けてくれた恩人である、
遺体にでも礼を捧げたかったのだ。

しかし、数分後・・・。

「・・・あれは!Σ(゜゜;)」
ケタは川の縁で気絶しているペイルウイング隊員を発見した。


・・・

・・・

「かはっ!」
メイが意識を取り戻すと同時に水を吐き出し、激しく咳き込んだ。
サイボーグソラスのミサイルをかわした所までは覚えているが、
その後の記憶がない。
まぁ、びしょ濡れの自分を見ると運良く川にでも落ちたのだろう。

そして、隣にはケタが倒れていた。

「・・・!」
メイが眼を見開いて腰の拳銃に手を伸ばす!
特殊防衛部隊体長ケタといえば、いまやEDF隊に対してテロ行動を起こした、
重要指名手配犯である。
・・・しかし、腰のホルダーに拳銃は入っていなかった。

「ごめんなさいね。あなたの拳銃はここよ」
「・・・貴様」
シリアがメイの拳銃を手に立っていた。
メイの冷たい視線を平然とした顔で受け流す・・・。

「だいたいね。ケタは気絶したアンタを川から引きずり上げたのよ?
一言くらいお礼を言ったらどうなのよ」
「・・・・フン。と、いうかなんでこいつは寝てるんだ?」
「ぅ」
メイの質問に今まで涼しい顔をしていたシリアが動揺した。

「だって、ほら・・なんかケタが女性に覆い被さってたから・・・つい・・」
そう呟いて顔を赤らめた。
メイが呆れてケタに眼をやると後頭部から血を流し完全に白眼をむいている。

「ど、どうでもいいでしょそんな事は!とにかく私達についてきなさい!」
「捕虜にでもする気か?いいだろう、どこへでも連れて行け」
メイがよろめき立ち上がり、両手を差出す。
だが、シリアはその手を縛らずに鼻をならした。

「あんた勘違いしてるわね。
まぁいいわ、縛らないからケタ運ぶの手伝ってよ」
「・・・・」
「向こうに御剣達もいるわ、事情を知れば私達は敵じゃないってわかるはずよ」
「・・・・」

この30分後。
ケタ、シリア、K.Mは
メイ、シズカ、御剣、伊地山、シーナと共に神奈川へと向かっていた。


[No.11268] 2006/08/16(Wed) 22:38:35
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(No Subject) (No.11268への返信 / 13階層) - 漆

世界は・・・刻一刻と破滅に近づきつつあった。
大空を舞う空戦兵器。
大地を闊歩する巨大生物・陸戦兵器。
人間の心に根ざす飽くなき欲望・・・

『何時から狂ってしまったのだろうか?この世界は・・・』

誰もが考える疑問は、“未来”という理不尽な現実(かぜ)に掻き消されて行く・・・

その現実の中で誰かがそっと呟いた。

『例え“未来”が滅びであろうと、それを変えようと足掻く事が、やるべき事だ。守りたいモノが在るならば、な』

その声の断片を胸に抱いた者たちは、銃を取りて足掻き続ける・・・
“歴史”を、“人類の勝利”へと導くために・・・
大切なモノを壊させないために・・・

はてさて、“未来”は何処へ流れ付いたのだろうか・・・・・・


[No.11283] 2006/08/20(Sun) 23:53:24
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居心地の悪い (No.11283への返信 / 14階層) - 漆

 瓦礫の点在する道路を、何台もの車両が列を組んで走っていた。
 任務を終え、本部に戻ってきたところの様だ。
 列の中に損傷したギガンティスや、兵員輸送車の姿を見る事ができた。
 相当の激戦だったと思われる。

 その中に、第113混成部隊の姿が在った。

――EDF兵員輸送車――
 
休む間のない激戦で消耗しているのは、ここも例外ではなかった。
現在この車両に乗り込んでいる兵は6人+α。
岸、トール、凛、SK、亜希子、運悪く乗っていたエアバイクが大破した二等兵A、猫である。
全員疲れきっているようでトール達は眠っている。

「本当にすみません。ボクがエアバイクを壊してしまった所為で・・・」
 静まり返った車内が居心地悪いのか二等兵Aが岸に話しかけた。
「気にすることは、無・・・・・・」
 気の無い返事が返って来た。
「でも本当に・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「あの、その・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 気まずい雰囲気になったと思い、顔色を窺おうと運転席を覗き込む。
 だが、生憎彼の座っている位置からは顔を覗くことは出来なかった。
 が、相当疲れていることだけは理解できた。
 彼はこれ以上話しかけるのを控える事にした。
 
「・・・・・・・ちゅう・・・・・わふ・・・・・・いたりあ・・・」
 不意に寝言が聞こえてきた。
 はしたない行為だと思いったが、好奇心聞に背に腹は変えられない。
 彼は聞き入る事にした。
「らーめん、まーぼーどうふ・・・・・・さばのみそに、こいのあまに・・・・・・けーき・・・・・・うるし・・・・・・・・・うるしのいんげんのもんぶらん・・・・・・」

(こんな時でも食べる事を考えるなんてすごいな〜。食べるってことはホントに大切だから。でも・・・・・・“ウルシノインゲンノモンブラン”って、何だろう?インゲンは栗じゃないのはず・・・)
暫く彼はそのことに対して考え込んだ。

「――はこ・・・・・・」
 彼が、答えを見つける前に、別の寝言が聞こえてきた。
 灰色の髪をした少女からだ。

「・・・・・・かみ・・・いあいあ・・・うるし・・・あり・・・くも・・・よ・・・ろ・・・い・・・・・・かに・・・・れーざー・・・たこ・・・ひとで・・・ぞんび・・・まち・・・あな・・・・・・」

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どんな夢を見ているのかな?また“ウルシ”って言葉が出てきているし・・・“うるしのいんげんのもんぶらん”と関係があるのかな?“かにれーざー”?鎧何たらの?でもそれじゃ――)


「ふぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
 急に、考え込んでいる彼を睡魔が襲った。
 もう少しで答えが出る気がし、眠気を払おうとした彼だが、健闘むなしく意識が急速に遠ざかっていった・・・・・・
 
 そして、その小さな車内(世界)はまた、居心地の悪い場所に戻っていた。


 何処からか嘲笑い声が聞こえてくる・・・・・・



大変お久しぶりです・・・
まだ、不定期で下手な物になるでしょうが、よろしくお願いします。
ちなみに、昨日でまた一つ年を取りました・・・


[No.11284] 2006/08/21(Mon) 00:17:31
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「敵とは」 (No.11284への返信 / 15階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


「うそ」
「どういうことだ!?」
「・・・生きてましたの?」
「幽霊ッス!」
ケタ達の基地に連れてこられたメイ、シズカ、伊地山、御剣、シーナは、
その人物を前にして唖然としていた。

無理もない・・・。
数週間前のセレモニー中に戦死したとされるローズ元元帥がそこにいたのだから・・・。

「ローズ様・・・」
「メイ。私はワルィにより失脚させられていたのだ。
ケタに無理矢理救出してもらわなければ今頃どうなっていたか」

ローズの言葉にメイと御剣は目を見開いた。

御剣はもとより、メイも疑問に思っていたのだ。
ただでさえ熱血漢のお人よしだったケタがなぜEDF隊に反逆したのか。
2人は未だに白目をむいているケタの方に目をやった。
・・・ケタは自分の全てを捨ててローズを救ったのだ・・・。

ベットから上半身だけ起こし語りかけているローズは顔色も優れず、
自分達の知っている元帥よりも随分と弱々しい。
しかし・・・・やはり光っていた。
ワルィ元帥とは器が違いすぎる。

「私は強制はしない。
ただ、EDF隊に戻るのならこのアジトは秘密にしてくれないか?」
ローズはそう言ったが・・・その場の誰も立ち上がろうとはしなかった。


・・・

・・・


静岡 地下シェルター


「はっ、見捨てたくせに巨大生物がいなくなった途端に救助活動かよ」
「ボヤくなよ、隊長に聞こえたらマズイぞ」
EDF隊員がシェルター内の民間人を誘導しながら吐き捨てるように言った。

ケタ達が去ったあと、EDF隊は巨大生物のいなくなった静岡にすぐさま救助部隊を送ったのだ。
自分達が巨大生物を駆逐したと宣伝しながら・・・。

「知ってるか?噂ではあの指名手配犯達がエイリアンどもをけちらしたらしいぜ?」
「知ってるもなにもみんなそう言ってるよ。
聞こえないフリしてるのは上層部だけさ」

そう、この地下シェルターにも指名手配中のケタとK.Mの顔は公開されていた。
だが、避難民は何も言わなかったのだ。
彼らが自分達のために戦ってくれた事をわかっていたから・・・。

「誰が敵で誰が味方なんだろうな・・・」
「さぁな。エイリアンだけが敵と思えない連中もいるんだろうぜ」
隊員達は静かにそう呟いた。







あー眠い!
地球防衛軍xはそろそろ公開されるのだろうか・・・。
2が完結する前にxの要素もちょいSSに交えても面白いかも。


[No.11285] 2006/08/21(Mon) 23:35:45
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[削除] (No.11285への返信 / 16階層) -

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[No.11286] 2006/08/22(Tue) 11:23:31
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Re: 「敵とは」 (No.11285への返信 / 16階層) - 虎太郎

暗くよどんだ日本のEDF本部、その廊下を一人の男が歩いている。
ライトは目的の部屋まで辿り着くとノックをした。低く落ち着いた声に誰何され、答える。
「入れ。」
部屋の人物はそう言い、男も入っていく。部屋にいたのはトム参謀総長だった。
「何の用でしょうか。」
入ってきた彼は言う。
「ローズ元帥の死亡、そしてワルィ中将の元帥への昇進・・・」
トムは一度言葉を切り、相手が聞いているのを確かめた。
「これらは全て、仕組まれた事だ。この事件によって最もプラスになったであろう人物にな。」
「だろうね。奴の出世欲は並大抵のもんじゃない。」
目の前の男が上官だというのに、思いっきりタメ口だ。おまけに姿勢も『休め』である。
しかしこの男は、それに見合った実力があるとトムは踏んでいた。過去には問題があるが。
「ここから先は機密事項になる。いや、この場所でここまで話すのも危ないのだがな。協力してくれるなら続きを話そう。」
「俺ってば復隊するんじゃなかったっけ。この話、俺一人だけにしていいの?」
「ワルィに知られてしまうからな、表立った部隊はあまり動かしたくない。第51遊撃隊については、私の部下達だ。後で私自身が説明しておこう。
余裕があれば向かわせようと思うが、状況によっては無理かもしれん。期待してもいいが、アテにはするな。」
ライトは少し考える。ほんの少し。
「分かった。引き受けようじゃないか。」
「助かる。まず事の始まりから話そう。
暗殺事件の数週間前から、ローズ元帥は拉致されていた。セレモニーに出ていたのは替え玉、いや、クローンだった。
拉致はワルィがしたことではない。すぐに帰すつもりだった。しかし、それを知らずに偽ローズを暗殺した後奴はEDFを掌握した。
当然、監禁場所も知られ、本物が生きている事が奴に露見してしまった。」
「それを助けに行けと?たった一人で?」
「話を最後まで聞け。ローズは脱走した。どこからか情報を手に入れたのが手引きしてな。そいつが今手配中のケタ達だ。
彼らは今でも逃走中、神奈川方面へ一度向かったらしく、また山口でケタの目撃情報がある。
しかし今山口は正規のEDFがいるから、もういるとは思えん。逃走と目撃情報の間にやや期間があることから、神奈川がベースになっているだろう。」
了承の返事が返ってくるかと思いきや、うっすら酷薄な笑みである。
「焦りは良くないぜ。」
「何の話だ?」
「余計な言葉が少しあったぜ。あんた、ローズ元帥の拉致に一枚噛んでるな?」
ライトは確信していた。
時間を急いていただけに後悔するが、表情を変えずにトムは続ける。
「ローズ、及びケタたちを見つけ次第、彼らと接触しその近況を聞くように。そしてそれを私に報告しろ。それがお前の任務だ。
くれぐれもワルィの目にかかるなよ。通信はこれで私と直接行え。」
必要な事だけを伝え、通信機を渡してきた。
「食えないな。さすが参謀総長殿だ。」
「・・・・・・」
出て行きざまに、そうだ、とライトが振り返る。
「一つだけ頼みたい事がある。こいつを第51遊撃隊に渡しといてくれるか?最初で最後のStシリーズ完成品だってな。俺からって言えば分かるよ。」
「分かった。お前も、できるだけ早くしてくれ。彼らに死なれては困るからな。」
「上層部の抗争も怖いねぇ・・・」
軽口を叩きつつ彼は部屋を出て、EDF本部を出て行った。
(神奈川って簡単に言うけど、あんなに広いじゃんか・・・どう探すかな・・・)
背中に負う武器と、両腰に携えた2本の剣が陽光をあびて煌めいた。辺りには一陣の風が吹く・・・


こんな感じでどうでしょうか。
Xのカウントダウン、明々後日の午前0:00ですね。でも親はXbox360はOut of Gantyu!(古
みんなで戦いたいなぁ・・・


[No.11291] 2006/08/23(Wed) 15:32:19
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「怪しい夜」 (No.11291への返信 / 17階層) - ケタ

*この話は基本的にメインストーリーにかかわりません*

*下ネタが嫌いな人は読まないでください*

*まぁ、内容はコメディなんですけどね・・・*









神奈川 倒壊デパート基地


23:30

「不思議な夜だな(・ω・)」
ケタは眠れず部屋の窓から外を眺めながめていた。
湿気が多いのか、なんとも妙な霧がでており、朧月が天で暗く輝いている。

倒壊した街の風景になんともマッチしていて、
崩壊的な美しい夜だった・・・。

不意に喉の渇きを感じたケタは窓から離れ、食料品保管室の方へと向かった・・・。


・・・

・・・


倒壊デパート基地の中は奇妙に静かだった。
昨日メイ、シズカ、伊地山、御剣、シーナが加わり、
全員で9人となったのだが、それでもこのデパートには少なすぎる。

K.Mはでかけており、
さらに各々が好きな部屋(店)に散って眠っているはずなので、
閑散としているのは仕方ない事だろうか。

ケタが静まり返っている廊下を歩いていると・・・廊下の反対側から誰かが、
こちらに歩いてくる。

それは・・・

大きめのシャツだけ着たメイだった!

「ぬおっ!(・ω・;)」
メイが着ているシャツは太腿あたりまで隠しているが、足は生だ!
いや、足はとりあえずどうでもいい!
そのシャツの下はどうなってんだ!?

「!(・皿・)」
さらなる人の気配がして振り向くと、何時の間にか後ろの壁にシリアが
もたれかかっている!
ネグリジェから体のラインがよくわかり、やはり胸はそれほど大きくはない。
・・・だが、それがいい!


2人がまるで酔ったような足取りでこちらに歩いてくる。
えぇい!シリアも可愛いが、ボーイッシュなメイにも色々したい気もする!
いや、それ以前になんなんだこれは!?
いつもの2人ならこんなこと絶対にない!マジでない!
くそぅ!どっちをもらえばいいのか・・・いや、今はそれを迷うのではなく!!


色々な事を考えまくっているケタにさらに2人が近付いた・・その時!
「っきゃ!」
「・・・う」
突如、カエデが現れてシリアとメイにスプレーのような物を吹きかけ、
2人が顔を抑えて咳き込んだ。

「・・・・今の2人は危険よ。これで縛って」
「縛り!?いや、それはさすがにやったことないがそんなに言うなら・・っていでぇ!」
「(怒)」
完全に勘違いしたケタの脛をカエデが思い切り蹴飛ばし、
そしてそのままケタを引きずるようにその場から離れた。

・・・

・・・

「色魔?」
ケタがカエデに思わず聞き返した。
ケタと叩き起こされた御剣と伊地山、そして3人を連れてきたカエデの4人は、
デパート内の1室に集まって話をしていた。

「色魔ってなんなんだよ?」
寝ぼけた顔の御剣がそう尋ねる。

「色魔は一種の悪霊。主に女性に取り憑いて・・・異性を誘うの。
そしてその異性から生命エネルギーを奪っていくのよ(困)」

カエデはなんとなく天井を見上げて続けた。
「私は大丈夫だけど抵抗力のないシリアさん達は危険ね。
弱っているローズさんも憑かれたかもしれないわ(焦)」
真面目な顔のカエデに御剣がため息をついたが、
一方、ケタと伊地山は納得したかのようにうなづいた。

ケタは普段とは全く違う2人を見たばかりだったし、
伊地山はカエデ程ではないが霊感が強い。(巨大バゥ戦参照)
やはり何かしらの気配を感じていたのだろう。

「んで?誘惑に負けたら生気吸い取られて死ぬのかよ?」
「・・死にはしないはずよ。ただ数日は無気力が続くんじゃないかしら(困)」
馬鹿らしいというような口ぶりの御剣にカエデが少し小さな声で答えた。

「ふん、馬鹿らしい。トイレ行って来るよ」
そう言って部屋から出て行こうとする御剣の肩を伊地山が掴んだ。
「1人じゃ危ないッス!俺も行くッスよ」
「連れションか、子供じゃあるまいし」
真剣な顔の伊地山と呆れた顔の御剣が部屋から出て行く。

その様子をケタは心配そうに見つめていた・・・・。


・・・

・・・


御剣と伊地山は猛スピードで廊下を走り抜けていた。

「とりあえずケタがメイに会ったってのはどこだ!?」
「2階って言ってたッス!!飲み物がどーのって言ってたッスが!!
しかし御剣はメイみたいなのが好きだったんスか!?意外ッス!」
「うるせぇ!お前は誰が狙いなんだよ!?」
「シズカの巨乳しか目にはいらねぇッスわ!!」

そう言うと直進する御剣と別れ、上に向かう階段を3段抜かしで上がっていった。

・・・

・・・

「はぁ・・はぁ・・・。くそ、メイはどこだ・・」
さすがに息を切らした御剣が壁に手をついて息を整える。
心臓は悲鳴を上げるかのように激しく鼓動している・・・、
しかし、ネグリジェ姿で誘惑してくるメイを想像すると御剣はすぐに雄々しく立ち上がった!
・・・・鼻息は荒いままだが。

「御剣、メイならむこうの通路にいたぞ(・ω・)」
「お、ありが・・・と」
不意に後ろから現れたケタに御剣が目を丸くした。
かなり走ったはずだが・・・?

「いやぁ、お前らが心配でさぁ、うん、いやホント(^ω^;)」
「そ、そうか」
よく見るとケタもかなり息を弾ませていた。
しかし、今は人の事を気にしている場合ではない!
御剣はケタが教えてくれた通路の方へと駆けて行った。

・・・

・・・

御剣を見送った後・・・、ケタは静かに階段を下りていった。

まだデパート内に不慣れな伊地山、御剣と違いケタはデパート内を完全に把握している。
シリアの部屋はこの階段を下りた通路のすぐ横だ。

シリア・アークソルム。
アメリカ人と日本人とのハーフだが、スタイルが日本人に近く、
童顔なため髪を染めた高校生と間違われる事もしばしば。

ケタはロリコンではないが、やはり惹かれるのである。
どーしてといわれてもこればっかりはどうしてもねぇ!!(力説)

戦いの日々の癒しになるのなら、
2〜3日寝込んでもいいじゃないか
・・・そんな事を思っている内にケタはシリアの部屋の前に立っていた。


ゴクリ、と唾を飲み込みドアを開ける・・・。
ごそりと布団の上で人影が動いた。

泣く子も黙る0.3秒でシャツを脱いだケタがクラウチングスタートの体勢から一気に、
布団へと駆け込んだ!

白く細い手が布団から出てきてケタの頬を触った。
「・・・っと!(;゚д゚)」
「罠にかかったようだな?」
布団からローズが上半身だけだして怪しく微笑んだ。
さすがのケタも硬直する。

これはいくらなんでもまずいだろう!
相手は元ともはいえEDF最高幹部のローズ元帥!
俺なんかが手をだしていい女性ではない!!

・・・と、思いつつケタはローズに身を乗り出した。


・・・その時・・・


パリーン!
と、まるで空気そのものが振動した感触がデパート内を走り・・・、
少しして激しい物音と、御剣と伊地山の悲鳴が聞こえてきた

「・・・ん・・」
「げ、元帥?大丈夫?続きできそ?(^^;)」
ケタが急に動きを止めたローズを色んな意味で心配していると、
ドアが開き、シリアが入ってきた。

「うお!まさか3・・・!?(・皿・)」
しかし、先程みたシリアとは違い顔は青ざめ、手が小刻みに揺れている。
「・・・シ、シリア?(^^;)」
「さ、最低!!」
次の瞬間顔を真っ赤にしたシリアが近くにあったイスを振り上げ、
ケタの悲鳴がデパート内に響いた・・・。



・・・

・・・



翌朝

「で?みんな仲良く何もできなかったのか?」
帰って来たK.Mが傷だらけで正座させられている
ケタ、伊地山、御剣の前で大笑いしていた。

いざという時にカエデが行っていた「浄化」の儀式が実ってしまい、
デパート中の悪霊が一掃されたのである。
それで我に返った女性に返り討ちにされたのだ。

「あなた達ほんと見損ないましたわ!」
「まったく男ってやつはどいつも・・・・」
正座している3人を囲んで、未だに怒り心頭のシズカ、メイ、シリアが怒鳴っている。

「誘ったのはそっちだったッスのに・・」
「いや、ほんと。惜しかったよな」
「・・・残念だ・・(−−;)」

「「「なにか言った!?」」」
「「「なにもありません!!」」」

ボヤいたケタ達に、シリア達が再び怒鳴り声を上げる。

「・・・本当に惜しかったなぁ・・」
「?ローズさん何か言いました?」
「うん?いや、何も?」

ローズはそう呟いてクスリと笑った・・・。





なんかハイテンションで書いてしまったが・・・・思った以上に長くなった!
大丈夫だろうか?
不快な人が多ければ削除するんで。


[No.11292] 2006/08/24(Thu) 00:22:48
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無垢なる侵入者 (No.11292への返信 / 18階層) - 虎太郎

あらすじ
トム参謀総長からローズ探索の裏任務を引き受けたライト。現在本部を出立し、廃墟の中をぶ〜らぶら・・・
「途中下車の旅かよ!」
どこへともなく突っ込んだ。

<ここから本編>
本部を出て行ってはや3日。すでに東京から神奈川へと踏みしめる土地の名は変わっていた。
こんなに時間がかかったのは仕方あるまい。乗り物が使えなかったのだから。
ただでさえ大規模な被害を負って軍用車の数が少ないのに、裏任務にまで回せない。それにバレる・・・。
頭では分かってはいるが、直射日光にさらされていては愚痴のひとつもこぼしたい。
街の崩壊度も東京も神奈川も変わりゃしなかった。東京は皆目の通りだし、神奈川はメカゴ・・・こほん、メカソラスが来た。
そんな廃墟群はことごとく無視してきた。隠れられそうなところも無いし、生きている民間人がいても一人じゃどうしようもない。
そうこうするうちに比較的被害が少ない(といってもボロボロであるが)地域に辿り着いた。街中、である。
百貨量販店や役場などの主要施設がよく生き残ったものである。
 (助かった・・・)
このご時世、あまり食料もないので携行食も尽きかけていた。

ふとした心の緩みがまずかった。
火事場泥棒する気はなかったが背に腹は換えられないので、とりあえず食料品を漁るべくデパートへ向かう。
途中の瓦礫に足をかけてよじ登る、と・・・
突然ガラガラと音を立て、モクモクと土埃を上げ崩れた。不意の事にバランスを崩してしまった。
すぐに収まり、埋もれはしなかったがかなりまずい事になってしまった。
 (痛ぇ・・・)
鉄筋が左足を刺していた。そんなに深くはないと思うが激痛を伴っている。
 (厄介事が一つ増えちまった)
とりあえず刺さっている異物を半ばで切断し、抜かずにデパートへ再び向かう。
目的地変更:ドラッグストア、である。抜かないのは血を噴出させないため。
足を引きずり血を滴らせて辿り着き、やはり入口は塞がっていた。周ってみるも、地下駐車場入口も塞がっていた。
 (仕方ねぇ、誰も見てないよな・・・)
両手を突き出し、力を解放した。
「吹き飛べ!」
駐車場入口にあったコンクリートなどが、内部へと一気にはじけ飛んだ。
 (やべぇ、血はまだいいが痛くて意識が飛んじまいそ・・・)
反動は強烈なものあった。引きずる足で薬局へ急ぐ!頑張れ自分、表示によれば薬局は2階だっ!


デパート屋内:会議室(兼リビングルーム)
厳重なセキュリティを施す以前に、予測軋轢3〜5mの瓦礫を吹き飛ばした轟音に猛者たちが気づかないわけないのであった。
 ずうぅぅん・・・
腹に響く、そんな感じの振動が来て和みモードに入りかけて・・・というより入っていた彼らは一気に警戒した。
その後の音を聞き漏らすまいと全員が耳を澄ます。しばらく沈黙が訪れる。
「何だ?今のは。」
御剣がまず口を開いた。
「どうせあれっスよ。入口がまた崩れたとかそんなのっスね。」
楽観的主張をしたのは伊地山だった。そんなワケ無いのだが・・・
「そうね、どうせそんなもんでしょ。それよりさぁ・・・」
珍しくシリアが同意してしまい、結局元の楽しい談笑に戻ってしまった・・・
 (いいのかよっ!;-0-)/)
内心ケタが呟きつつも、雰囲気に飲まれてしまった。・・・・・・和みモードは結構深い根を張っていたようである。

デパート屋内:監視モニタ室
「来たか・・・」
現在見張り役のK.Mがいち早く侵入者に気づいていた。
おそらく追っ手の奴だ。服装もEDF制服、ミサイルランチャーとショットガンを背負っている。
しかしこんな時代に剣なんか持ってやがる。もっとおまけに左足に棒っ切れが刺さっている。
 怪しい。
この一言に尽きた。ここに来たということは目星がついているらしいのにデパートの案内板なんか見てやがる。
様子を見ていると他に何もせずに左足の応急をしている。訂正、どうやらここにいるとは知らないらしい。
 (とりあえず知らせるか。)
そう結論付けてケタたちの元へ、彼は歩いていった・・・



ケタさん
いやいや、とても面白かったですよ。
番外とか言われても、この後の本編で益体も無い会話に入れたいとか思いました。
ボッコボコの男3人衆を見てライトがぼそっと一言・・・なんて。
それこそこっちもだいじょぶでしょうか。キャラとか間違ってませんでしょうか?
この続きはケタさんにお願いしようかな。できますか?


[No.11293] 2006/08/24(Thu) 10:54:52
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カウントダウン (No.11293への返信 / 19階層) - ヘリ兵士

EDF、EU支部
「参謀長、ノルウェー支部が落ちました、戦死者は大多数、撤退作戦は失敗し、生き残った将校は40%ほどで・・・」
部下の報告に、カザーは沈痛な面持ちでうなずく
彼らイギリス支部は皇帝都市出現から数日、徹底的に戦い、アメリカ支部さえ上回る勝率をかもし出していた
しかしそれが仇となり、皇帝都市及び大規模戦力の集中攻撃を受け、アメリカや高原地から世界最強と呼ばれる傭兵部隊、クルド兵や勇敢で、撤退する事を知らないインディオを呼んで応戦してみているが戦況は逆転せず
EU加盟国は次々と敵の手に落ちていった
「わかった・・・、残りの支部にノルウェー支部の兵士を・・・」
「参謀長!ギリシャ支部周辺に敵戦力が集結しつつあります!空母100、新型多数、蟻型、円盤の数は数え切れません!ギリシャ支部は撤退準備を進めていますが、計算では・・・」
部下の報告に、カザーは頭を抱えた
他支部は現状を維持するだけで精一杯で、造園を送れる様な状況ではない
ギリシャは落ちる
問題はどれだけ戦力を逃がす事をできるかだ
市民を逃がし、なおかつ軍を退かせなければならない
そんな事ができるようなほど、ギリシャ支部の戦力は高くは無い
空爆しようにも敵の空中部隊が圧倒的な数いるため、制空権をえるのが手一杯だろう
EUが陥落するのは時間の問題だった


[No.11294] 2006/08/24(Thu) 20:58:35
i219-167-54-88.s02.a015.ap.plala.or.jp
Re: カウントダウン (No.11294への返信 / 20階層) - jagaimo

「これでラスト一匹よねぇ?」
おおよそ戦場には相応しくないほど穏やかな声が響く。

その「ラスト一匹」はミヨコを狙っていた。
巨大生物は目標に近づき、その鋭利な牙で噛み砕こうとする。
が、その牙は今までミヨコのいた空間だけを切り裂いた。

次の瞬間、ブラズマ閃光刃がきらめき、巨大生物は無残にも横たわった。


「すごい・・・・・・」
サエが呆気に取られて言葉を失う。
当たり前だよな、とアリアスは苦笑した。

ミヨコの動きは凄まじかった。
身のこなし、判断力、度胸、どれも超人的なまでに洗練されている。
なによりも、ペイルウィングでもないのに巨大生物の攻撃をいとも簡単に避けてしまうのは驚いた。

ミヨコはサブマシンガンとデュエルナイフのみで10体以上は倒している。
あまりにもミヨコがデュエルナイフを使うので、自分達はなるべく離れて戦っていた。

「こんなんじゃ相手にならないわ。もっと強い敵はいないのかしら?ねぇサエさん?」
「えっ?あ、ははは。そぅ・・・ですねぇ・・・・・・」
急に話を振られて、サエが愛想笑いを含めてあいづちをうつ。

「・・・・・・もう十分だな。敵を見つけるのに苦労するほどだ」
キリヒトが耳元でささやいた。
たしかに、もうこの戦場にはほとんど敵はいない。これ以上、任務を続ける価値はない。

「そうですね・・・。帰りましょうか」

「あら。終わり?私戦いたいんだけど」
「ここにはもう敵はいませんよ。今日はここらへんで」
キリヒトがにこやかに答えた。

「そう。私、どうしましょ。家に帰ると危ないんだけど」

「え?今まではどこに・・・」
「野宿よ」

愕然とした。なんということだ・・・・・・。

「どう・・・しましょうか」
アリアスはキリヒトを見た。
「どうするもなにもなぁ・・・」

ミヨコをこのまま野放しにはできない。が、EDFに入れることもできない・・・。

「う〜ん・・・・・・。あ」
なんだかそんなような人間が集まっているアジトがあったような・・・。

「ケタさんのところは?」
「・・・そうだな。こんな美人を寒い外で寝かすわけにはいかないな」

「ふぅん。ま、アタシは寝れればどこでもいいわ。レンジャー訓練受けた事もあるし」

ミヨコは相変わらず、さらりと言って見せた。


・・・

・・・


すっかり夜になってしまった。
意外とデパートまでの道のりは遠かったらしい。
アリアスとしては、ミヨコをケタ達のアジトに預けて――預かってくれるとは限らないが――さっさと寝たい気分だった。

「ん・・・・・・」
デパートの地下駐車場の入り口の瓦礫が、ハデにブッ飛んでいる。
なんだろう?と思い、アリアスは一人で近寄った。
辺りには血が広がっていた。

それほどの出血ではないが、血は道を作り、駐車場の中にまで伸びている。
誰がケガをしたのだろう?

まぁ、誰にしろ大怪我には違いなかった。

「・・・・・・まぁ、いいか」



ケタさん、アジトを出させてもらいました。
少しの間、よければ置かせてください^^;

虎太郎さん、おひさしぶりです^^


[No.11295] 2006/08/25(Fri) 01:34:57
fw1.tcn-catv.ne.jp
「訪問者」 (No.11295への返信 / 21階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地



「動かずに、その銃を下に下ろせ」
「・・動けないんだけどね」
K.Mの警告にその男は自分の左足を指差した。
鉄棒が貫通しているこの足では確かに大した抵抗はできまい、

K.Mは用心深くその男に銃口を向けたまま、彼の背負っていた銃を外し、
数メートル横に置いた。


・・・

・・・

倒壊デパート基地内 ドラッグストア

デパートの薬局などに本格的な医療道具などあるわけがないが、
基本的な消毒などは十分に置いてあった。
「神経も血管も損傷してない、かすり傷みたいなもんだ」
メイが男から取り出された鉄棒の血を軽く拭き机に置く。

「メイて外科的治療もできるんだなぁ(^^;)」
「当然だろう?お前できないのか?」
感心しているケタにメイが困惑して聞き返す。
・・・ケタにできる治療といったらツバつけるくらいだろうか?

その男は左足を包帯で巻きベットに横にされていた。
周りをケタ、シリア、K.M、メイが拳銃を持って取り囲んでいる。

ケタ・・・と、いうよりもローズ達はEDF隊から狙われる立場にある。
正体不明の侵入者を自由にさせるわけにはいかない。
この怪我も油断させるための手段の可能性もないわけではないのだ。

「とりあえず名前から聞こうかな(・ω・)」
「俺の名はライトだ」



そしてその頃、さらに数人の隊員がローズ達の元へ向かっていた。








このへんで一応状況整理

〜倒壊デパート基地とは〜
EDF隊に追われているケタがローズをかくまった倒壊したデパート。
K.Mが機材を揃えたのでセキュリティは充実。


〜倒壊デパート基地にいる人〜

ローズ(♀)
ワルィにより失脚したEDF元帥。
一般的には死んだ事になっており、EDF上層部からは命を狙われている。

ケタ(♂)
EDFのワルィにより幽閉されていたローズを救出したために、
犯罪者に仕立て上げられた特殊防衛部隊隊長。

シリア(♀)
ケタと共にローズを救出したためEDF隊を抜け出した。
指名手配はされてないっぽい?

K.M(♂)
ローズを狙った暗殺者と対峙していた時に、
ローズと偽者を入れ替えようとしたヘリ達ヴァンパイア部隊に拘束され、
ムカイにより救出された民間人。
一応脱獄となっているので犯罪者扱いになっている。

メイ(♀)
バトルメイデン隊隊長。
ローズ死後、ワルィ元帥の直属部隊となっていたが、
ローズが生きている事を知り、EDF隊を抜けた。

御剣(♂)、伊地山(♂)
特殊防衛部隊だが、隊長のケタが造反したため拘束。
その後、バトルメイデン隊に一時的に配属されたが、
メイと共にEDF隊を抜け、ローズの元についた。

シズカ(♀)
バトルメイデン隊の一員。
メイと共にローズについた。

シーナ(♀)
戦死のシーナの異名をもつ女性。
諸事情により影がうすく、そのまま消える思う(^^;


[No.11304] 2006/08/26(Sat) 17:09:18
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嫌な嫌な嫌な奴 (No.11304への返信 / 22階層) - ヘリ兵士

EDF作戦会議室
トムと、ワリィが向き合い、トムの後ろには第51遊撃隊の面々が立っている
「51遊撃隊をギリシャに向かわせる?」
トムの言葉に、ワリィは耳に残る嫌な声で返答した
「はい、今の日本はそれなりに戦力が整っております、ここは余分な戦力を少しでもEUの応援に向かわせたいのです」
EUが堕ちれば、世界各国に敵インベーダーは今までEUに送っていた怪獣達を送る
そうなれば細い糸の上を歩いているような戦況は、いっきに人類不利になるだろう
EUを落とすわけには、絶対にいかない
「ほう、君は本部の戦力を薄くしようというはらづもりか?」
おもわず殴りたくなるような顔で、ワリィは言った
(この糞野郎が・・・)
トムは心の底からその愚か者に対して、そう思った


[No.11310] 2006/08/26(Sat) 19:35:05
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賭け引き (No.11310への返信 / 23階層) - 虎太郎

「とりあえず名前から聞こうかな(・ω・)」
沈黙を破りケタがそう言った。
「俺の名はライトだ。」
当然といえば当然なのだが、彼の前にいる4人は確実に警戒している。
「なんでここに来たの?」
シリアがきつい口調で問い詰めてきた。
「まぁ待て。変ないざこざが起きる前に言っとく。そこの女・・・名前は?」
「メイよ。」
「そうか。メイ、怪我を手当てしてくれた事、感謝する。ありがとう。」
敵かと思われる相手から思わぬ言葉が来たものだから、彼女はツンとそっぽを向いた。
「本題に入ろうか。まず確認しとくが、あんたがケタだな?」
「うん。(・ω・)」
「ってぇ事は、だ。ここにローズもいるな?」
確信した疑問形にわずかに四人顔をしかめる。それでは『はいそうです』と言っているようなものだと彼は思う。
「まず最初に一つ。今すぐ信じてくれとは言わないが、俺はあんた達の敵じゃない。」
「へぇ、そう。」
目つきもさらに鋭く、シリアが言う。
「・・・・・・同じ事は二度も言いたくは無いのだがな。『すぐに信じてくれとは言わない。』」
そう来るならばこちらもと言わんばかりにライトは彼女を睨み返す。
「俺は参謀総長からの任務で、あんた達を探してた。足取りは大体ついてたから、後はアジトがどこにあるのかを探せばよかった。まさかここだとは思わなかったがな。」
「・・・・・・」
「奴もあんたらに死なれたら困るんだろうな、一刻も早く位置を特定しろとのお達しだったよ。」
ライトは一旦そこで言葉を切った。警戒の目つきは緩んでいない事を確認し、不敵な笑みを浮かべた。
「さて、ここで俺はあんた達から、今どうしてるのかを聞いてとんぼ返りしきゃならんのだがな。この怪我だしなぁ、帰れっかな?」
「怪我以前に、ここからおとなしく出すとでも思うのか?」
K.Mは、取り上げたスパローショットXを持ち主へと突きつけた。
「だよなぁ。当然だよなぁ。」
そう言って何ともなしに銃口を見る顔を見て、何とも掴み所がない奴だと彼は思った。
「剣にかけてっても、そんな事通用するわけでもないし。」
「いつの時代よ。」
「そうだなぁ・・・盗聴器、一個くれるか?防水防食型がいいな。」
4人は何故そんな事を?と思いつつも渡した。ライトは折角手当てをした包帯をはがし始めた。
そして受け取った盗聴器を、何と怪我の中に埋め込み始めたではないか。ずぶずぶと、無理やり肉を掻き分ける嫌な音が響く。
「なっ・・・(●皿◎)」
「もっかい手当てしてくれるか?」
足を放り出しつつ言ってくる。激痛を伴なっていただろうに、いけしゃあしゃあとした顔つきである。
仕方が無くメイが再度、消毒手当てする。薬の無駄だったわ、とか言っている。
「何のつもりだ?」
「これで俺の会話はあんたらに丸聞こえだ。俺があっちで密告らしき事をしようものなら、その瞬間ここからとっとと逃げりゃいい。」
と言い、4人からの視線に挑むように睨んでくる。
「ワルィの奴も血眼になってあんたらを探してる。見つかるのも時間の問題だ。どうだ、乗らないか?」
裏の任務を何度も経験した彼だからできた。このぎりぎりの賭けは。
「わかった。(-_-)」
「ちょ・・・ケタ、あんた何考えてんのよ!」
「このまま事態が進むとは考えにくいし、何より痛そうだったのに断ったら可哀想で・・・(・ω・);」
「同情はいらないぜ、こっちも覚悟の上だからな。ま、よろしく頼むぜ、俺もワルィは大っ嫌いなんでな。」
言って彼は普通の笑い顔を見せた。久しぶりに仲間と言える奴になりそうだ、そう思いながら。


んじゃ私もライトについて書きます。
ライト・ウィルバート(♂)
オーバーヒューマンの陸戦兵。
(オーバーヒューマンは、エスパーみたいな認識でお願いします)
昔能力を暴走させそれ以来ラボで働いていたが、復帰した。第51遊撃隊の虎太郎とは暴走したときからの親友である。
今はトムの命令で個人で動いている。


[No.11312] 2006/08/27(Sun) 10:52:30
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「2人の元帥」 (No.11312への返信 / 24階層) - ケタ

東京EDF本部


将校の言葉を苦虫を噛み潰したような顔でワルィは聞いていた。
ワルィがEDF隊の元帥となって約一ヶ月たつのだが、
敵の撃破状況はローズの時よりもわずかに上回っている。

しかし、殉職した隊員、EDFを退役していった隊員の数は比較にならない程増えているのだ。

「ですから、一般の隊員達の意見としては・・・」
「もういい。報告書だけ置き、でていけ」
話を続けようとする将校を一蹴し、ワルィは背中を向け黙った。
将校は何かを言いかけようとしたが・・・やがて司令室からでていった。

ワルィは内心激しい憤りを感じていた。
戦えば隊員が死ぬのは当然のこと、地球がエイリアンに対し劣勢な今こそ、
命を捨てて戦わねばならないのだ。
なのになぜ私が避難されねばならないのか・・・!!


これが・・・ローズとワルィの大きな違いだった。


元帥という立場上、隊員を命がけの死地に送り出す・・・。
そして、EDF隊員は確かに命がけで地球のために戦わなければならない。

・・・ローズは常に隊員達の事を想っていた。
自分の指示で命をかけさせているからこそ、大切にしていた。

だが、ワルィからすれば隊員は消耗品に過ぎない・・・。
命がけで戦えと指示するだけなのだ。

そんなEDF隊上層部の違いを、EDF隊員は感じているのだ。


そしてワルィの苛立ちはもう1つある。

「ローズはまだ見つからないのか・・・!」
小さく穿き捨てるようにそう呟いた。

もしローズが生きている事がおおやけになってしまえば、
今のEDF隊は最悪2つ割れる・・・。
すぐに始末するべきであったとワルィは常に後悔していた。


・・・

・・・


神奈川 倒壊デパート基地


「・・・これであらかたの準備は整ったな」
ローズは通信器のスイッチを切り、ふぅとため息をついた。
EDF隊の幹部の中で、特にローズに対し信望の厚かった者に
ローズは密かに暗号で連絡を取っていた。

ローズ派であった幹部は全員ローズが生存している事を知らなかった。
やはりこの事はワルィの息のかかっている極わずかな幹部だけなのだろう。

こちらの事を伝えるのは非常に危険であることは十分わかっているが、
EDF隊内に協力者がいなければどうしようもないのも確かだ。

「皆、命がけで私を救出してくれた・・・今度は私が皆の汚名を返上する」
ローズはそう呟いた。
その目は・・・ケタ達と談笑している時の優しい目でも、
EDF隊元帥の凍るような目でもない。

1人の戦士の目であった。








話をあわせやすいように軽く先の展開を・・・

まだ数日か数週間先ですが、
マスコミとEDF内の協力者を使い、ローズは一斉放送を計画。

なんとかそれを阻止しようとするワルィがEDF隊の大部隊を
デパート基地へ送る・・・と、いう感じを計画しています。

いわゆる篭城戦ですな。


[No.11315] 2006/08/27(Sun) 23:10:32
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2人目の訪問者 (No.11315への返信 / 25階層) - jagaimo

「見張りはいないのかな?」
なぜか自分の顔を下から懐中電灯で照らしながらキリヒトが言った。
夜の駐車場は電気がついていなく、真っ暗でなにも見えない状態だ。

「だれか居てもいいんですけどね・・・」

「誰ッス!」

グッドタイミングだな・・・。と思いながらアリアスは懐中電灯であたりを照らした。
とてもとても印象に残る口調なので、あった事はある人物だとわかった。名前はわかんないけど。

「ああ・・・俺です!アリアスです!」
「アリアス・・・?ああ!・・・・・・誰っスか?」

スベった。あやうくBLASTを落としそうになったが、すぐに狂った調子を取り戻し、口を開いた。

「ええと・・・・・・とにかくケタさんの知り合いです!・・・まぁ、名前をいってくれればわかると思います!」

「わかったッス。そこを動くなッス」


・・・

・・・

「と、いうことなんで・・・・・・すいません・・・。ミヨコさんをここに居させてくれませんか?」
アリアスはすまなそうな顔でケタに話をした。

「寝れればどこでもいいのよ?」
「・・・っていう感じなんで、寝床があればいいとか、なんなら外でもいいとか・・・」

言い終わるとアリアスはため息をついた。自分はワガママを言っている、だから正直気まずい。

「うん。部屋ならいっぱいあるし、いいよ」

その言葉に、アリアスは、はっと顔を上げた。
「ありがとうございます!すぐにでも取りに来ますんで!」
「・・・・・・失礼なボウヤね。やっぱりあの男のせいかしら?」
「あ・・・・・・ぁぁ(汗)」

アリアスは背後にデュエルナイフ改をつきつけられたような、気がした。







ケタさん、勝手にすいません^^;
篭城戦、面白そうですがローズ派vsワルィ派のEDF同士の戦いになるのでしょうか。


[No.11316] 2006/08/28(Mon) 14:52:23
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報告 (No.11316への返信 / 26階層) - 虎太郎

「聞こえるか?本部に着いたぜ。」
傍から見れば独り言だろうが、ちゃんと相手に向かって喋っている。返事は返って来やしないが。
ケタ達のいるデパート基地に着いてから、5日という時が経っていた。

side:デパート基地
『聞こえるか?本部に着いたぜ。』
今まで歩行音しか聞こえなかったスピーカーから、事態の進展を告げる声が届いてきた。
辺りにいるケタ、シリア、K.M、メイ、御剣、シズカ、シーナ、アリアス、サエ、キリヒト、そしてミヨコの計11人が一斉に動きを止めた。ちなみに伊地山は見張りである。
もっとも、アリアス達4人はスピーカーから音が出てきた事にビックリしている感じではあるが。
ブーツがフローリングにぶつかる音がいちいち聞こえ、目的の部屋までついたのだろう、ノックが聞こえた。

side:EDF本部
この施設の中でもかなり奥まったところにあるこの扉の前に、ライトは立った。
コンコン、とノックをすると、以前と変わらずに誰何される。
「ライトです。報告に上がりましたよ、トム参謀総長殿。」
「入れ。」
ノブをひねり、中へ入る。さっきの敬語は表向きそうしないと後で厄介になるからだ。
「思ったより早いな。彼らはそんな簡単に見つかる場所にいるのか?まったくワルィの目は節穴か。」
「俺だって予想外だったよ。ケガの巧妙とはよく言ったものでね・・・」
そう言って、ざっと要点をかいつまんで話した。盗聴器の事も。
「誰もいなくなったデパートとは考えたものだ。全く生活に困らないな。」
「ま、主要ゲートが閉じちゃってるから、攻め込まれれば逃げにくいんだけどねぇ。」
「そうだな。さて、その左足かな・・・」
しげしげとその部位を見て、トムは彼の方へ近づいていく。そして左足に向けて話し始めた。
「ローズ、そこにいるか?まぁ、いなくとも聞いている奴が伝えてくれればいい。
裏で幹部と通信を取り合っているようだがな、ワルィの奴に気付かれないよう注意しろ、こちらも手は打っておく。それだけだ。」
そう言って視線を元に戻した。
「で?俺はこれからどうするの?」
「お前はもう一度向こうに行け。ただし、この男を味方につけてからだ。その間に、私は準備をしておく。」
写真で示されたため、『向こう側』のケタ達には伝わらなかっただろう。
「は、何の?まさかあんたが直接行くわけでもあるまいし。」
「お前が向こうに持ってく物だ。いいから行け。」
「へいへい。」
厄介払いされちまった。とぼやきながら部屋を出た。
「ターゲットは、今の時間なら御公務の真っ最中ってか。んじゃラボにでもよってくか・・・っと、聞こえてたろうな?これから私用なんでな、見張り程度で十分だ。」
ライトはそう言って、『男』が勤めを終えるまで暇を潰す事にした。


了解です、ケタさん。
ただ、ちょっと待っててください。ここでちょっとばらすと、向こうに持ってく物は弾薬類+αの予定ですから。


[No.11317] 2006/08/28(Mon) 16:20:44
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無謀 (No.11317への返信 / 27階層) - ヘリ兵士

EDF、ワリィ、私室
ドアのブザーが鳴り、インターホンから声が聞こえてきた
「福沢吉太郎、入ります」
その声で、中のワリィが顔をあげる
「うむ、入りたまえ」
その顔は今まで見せた事が無いほどきりりとした、真面目な顔だった
ドアが開き、ヘリが中に入っている
その表情は硬く、兵士そのものだ
「前回いただいた第51遊撃隊の元帥直下精鋭部隊への転属の話ですが」
はっきりした声で、ヘリが口を開く
「ああ」
ワリィが言葉を返す、その言葉に、いつもの嫌なくぐもりはない
「よろしくお願いします、いかなる作戦でも、必ず成功させて見せます」
言って、ヘリは敬礼をして見せた
その敬礼に、迷いも、そして不安も感じられない
「わかった、頼むぞ、福沢君」
「イェスサー、大変ありがたいお言葉です」
ヘリの声が、室内に響く
「さて、最初の任務だが・・・君は対人戦が可能だったよな?」
声がやんだ後、ワリィがすぐさま切り出す
「・・・申し訳ございません、SSを抜けた後、一切行っていないため、お役に立てそうにありません」
その言葉で、ワリィの顔がゆがんだ
「わかった・・・では君達の最初の先区は熊本のインセクトヒル破壊だ、君らなら軽くできるだろう?たった2本のインセクトヒル破壊」
無謀な作戦である
熊本は今インベーダーの拠点のひとつとなり、たどりつくだけで大隊規模の戦力が壊滅的打撃を受けるだろう
それを、わずか一小隊のみでやれ、と言っているのである
しかしヘリの顔に笑みが浮かんでいた
「お任せください」
言って、ヘリは笑う
「では、任せたぞ」
ワリィは机の上の書類に視線を戻した
ヘリは部屋を出ようとしたが、出入り口で、振り返って、ワリィに言う
「元帥」
不快げに、ワリィが顔を上げる
「私はあなたの考え方を指示しますよ、兵とは、悪魔で駒であるべきだ」
その言葉に、一瞬ワリィの顔に笑みが浮かんだ
「まるで私が人間を駒扱いしているみたいじゃないか?」
ヘリも笑い返す
「失礼します」
言って、ヘリは部屋を出た

第51遊撃隊待機室
虎太郎とヘリが向かい合い、その視線の両サイドに許深、フェンナ、影が座っている
「どういうつもりですか?隊長、カザー参謀や浪岡参謀の考えを裏切るのですか?」
虎太郎が叫びだしそうな勢いで、切り出す
小柄な虎太郎だが、今は怒りのオーラで、何倍にも大きく見える
浪岡の私兵である虎太郎にしてみれば、浪岡を投獄したワリィが許せなかった
だから、絶対に彼のしたでは戦うまいと思っていたのである
それを、ヘリはあっさり裏切り、ワリィの傘下、元帥直下精鋭隊への第51遊撃隊の参戦を決めたのだから、怒らないはずがなかった
しかし、ヘリは悪魔で冷静な表情で、虎太郎を見据える
「虎太郎、個人的な概念は捨てろ、お前らしくない」
しかし、その言葉が更に虎太郎の怒りに火をつける
「らしいらしくないの問題じゃない!何であの男についたか聞いてるんだよ俺は!」
言って机を叩く虎太郎
場が静まり返った
「激戦区へ行くためだ」
しかし、それでもヘリは冷静に、虎太郎に答える
「我々がここでもたもたしている間に、インベーダーは確実に戦果をあげている、上層部の権力争いなんかに関ってる暇は無い、我々は末端の部隊だ、だから我々が適した戦区に行き、そこでインベーダーを一匹でも多く倒さねばならない」
それでも、虎太郎の表情は変わらない
そして、懐から一枚の紙を出すと、ヘリに渡した
「悪いな、俺はもうあんたについていけない」
そう言って、虎太郎は出て行った
「・・・他に出て行くものはいないか?今回の戦いは今までのどの作戦より困難で、そして、勝率が絶望的だ、やめたいものはやめてかまわない」
ヘリは残った3人の隊員に述べる
「私はかまいませんよ、どうせ人間はいつか死ぬんです、一匹でも多く、インベーダーを道ずれにしてやりましょう」
許深が手をあげて、述べる
「俺もかまいませによ、どうせいつ死んでもおかしくない、あなたについていきますよ」
影が苦笑しながら述べた
・・・・そして全員の視線が、フェンナに注がれる
「わ・・・私も・・・いきます!」
震える声で、しかし、しっかりとフェンナは言った
「無理はしないでくれ、なるべくなら、俺一人で行きたい」
ヘリがフェンナに歩み寄って言う
「私、・・・私、死ぬ気はありません、私もいかせてください!私は、私は地球のために戦いたいんです!」
フェンナは訴えかけえるように、ヘリに言う
「ありがとう」
ヘリは隊員達全員に対して、礼を言った



虎太郎さん、虎太郎、お返ししますね
第51遊撃隊は次もしかするとマジで全滅かもしれないんで
ライトはすいませんが別の隊に加えてください
申し訳ありませんでした


[No.11318] 2006/08/28(Mon) 19:38:30
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「闇の中の輝き」 (No.11318への返信 / 28階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


ケタはデパートの屋上・・・と、言っても崩れているので瓦礫の山でしかないのだが、
とにかく夜空の見える場所に座っていた。

先程、ローズからあらかたの説明を聞いたばかりである。
人間同士が争うべきではない今の状況で、ローズがEDF隊を掌握するには
確かにあの方法しかないだろう。

・・・しかし、こちらに殺意はなくともワルィ率いるEDF隊は
こちらを殲滅しようとしてくるのは間違いない。
その時、果たして相手を殺さずに仲間を守れるだろうか・・・。

ケタは夜空を見上げ軽く息をついた。


「どうしたの?馬鹿みたいな顔して・・・」
シリアがいつのまにかあがってきて、隣に座る。
ケタはシリアを少し見た後、再び夜空に目をやり、シリアもなんとなく夜空を見上げた。

黒い空にチラチラを小さく星が輝いている。
[闇に包まれた世界でも1つ1つは諦めずに輝いている]
・・・・そう感じてしまった。

「シリア・・・もし、俺が俺じゃなかったらどうする?(・ω・)」
「はぁ?なにいってんの?」
ケタの独り言のような問いにシリアは眉をよせて聞き返す。

「いや、なんでもない(−−;)」
「馬鹿ね、変なこと考えると疲れるわよ」
シリアはそう軽く笑った・・・。

ワルィとの決戦は確実に迫ってきていた・・・。






ローズ派VSワルィ派というよりは、
ケタ達VSEDF隊ですね。

EDF隊のほとんどはローズ達の事を知らず、
ワルィの指示の通りにテロリスト殲滅目的で攻撃してくるのに対し、
ケタ達はなるべく相手を殺さずに時間を稼ぐ・・・という、感じです。


[No.11319] 2006/08/28(Mon) 23:51:17
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Re: 「闇の中の輝き」 (No.11319への返信 / 29階層) - 虎太郎

夕刻、ある男の私室の前にライトはいた。
「氷室元帥補佐殿、ご内密でお話したい事があります。」
「何だ?入れ。」
この男、ワルィに取り立てられてこの地位にいるものの、やはり部屋は上等じゃない。思った通りだった。
対するライトは、陸戦兵の制服にヘルメットを目深に被っている。顔を割らせないためだ。
「貴殿はその立場により、おそらくローズが生きている事をご存知でしょう?」
「・・・!」
「そして今、ワルィ元帥の評判は遥かにローズよりも低いということも・・・」
押し殺した声で氷室は言う。
「何が言いたい?」
「脱走兵達が彼女を逃がしたという事を私は掴みました。そこで、もし彼らにローズが生きている事をばらされたら・・・」
「てめぇ、どうなるってんだ?」
「言わずと知れた事でしょう。ほとんどの兵は彼女に寝返り、ワルィは失脚。その側についてた貴方だって危ないかもですよぉ?」
ここぞとばかりに酷薄な笑みを浮かべる。相手にゃ口元しか見えていないだろうが。
「それならば、いっそのこと実は裏で、彼女に協力してましたってしてたほうがいいと思いますけどねぇ・・・
そうすれば、逆に恩赦で昇格もありえますよ?あなた、実質的な階級は未だに大した事ないらしいじゃないですか。」
「ほう・・・何が望みだ?」
来た。
「あなたが望む事と同じですよ。」
「ふん、おもしれぇ奴じゃねぇか。げぼはははははは。で、おれは何をすればいいんだ?」
「あなたの指示一つでできる、簡単な事です。このあたりから発信されている通信を、ワルィに聞かれないことです。」
その地点は、神奈川にあるケタ達のデパート基地周辺であった。
「分かったぜ、ギャバババ、久しぶりに出世できらぁ。」
では、と言葉を残しつつ部屋を辞す。次に向かうはトムの元。

「ってぇわけで、氷室の野郎は口説いたぜ。全く、頭のいいバカほど落としやすいな。」
「ご苦労だった。いや、まだ働いてもらうがな。」
その言葉に少々肩を落とすライト。
「はぁ、少しは休みてえってのによ。」
「これを受け取れ。」
トムはボヤキを無視して、一枚の書状を渡した。
「何だこれ?・・・軍用車使用許可書?」
「そうだ。こんな時にワルィの奴から許可を取るのは苦労した。
表向きは研究員であるお前が、敵の破片等を護衛と共に回収するのだがな。実際には回収機器の代わりに弾薬類を格納した。」
ライトも、これは彼らにとってありがたいはずだと思った。EDFから補給できない以上、静岡や山口で弾薬は相当減ったに違いない。
「護衛ってのは?」
「安心しろ。ちょうどいい時に彼が来てくれた。逢いたいのなら格納庫で待っているから、さっさと行け。
氷室を説得したのだって単なる時間稼ぎなのだ。こちらもいつ対決してもいい様に準備をしておく必要がある。」
「・・・・・・りょーかい。」
人使いの荒い上司がいたもんだ。
格納庫につくと、すでに一台の輸送車がエンジンをふかして待っていた。小走りで近づき、ドアを開けると虎太郎がいた。
「遅い。」
不機嫌なのは分かるのだが、チビだから迫力はない。
「護衛ってお前の事か。」
その護衛役がアクセルを踏み、ゲートをくぐった。
「ああ。もうあの隊にはいられないからな・・・ちなみにお前もだぞ。」
「なにぃ!お前、俺をもう職無しにさせやがったな!」
「落ち着け、この件が終わったら正式にどこかの部隊にもっかい配属されるそうだ。」
「そうか・・・」
ほっと胸を撫で下ろすライト。そこへ虎太郎が
「ありがとな。」
「・・・・・・T・ブレードの事か?気にすんな、もともと約束だったし。」
「無理してくれたんだろ。一つだけ残ったこれを渡すのに・・・」
進行方向遠い目をして、開発者としてのライトが言う。
「他のStシリーズの試作やデータはみんなだめになった。いや、構想は頭ン中にあるが、ラインを造るには金も時間も相当かかるからな・・・」
「あぁ。」
それからは他愛ない昔話で盛り上がった。
車だとさすがに速く、夜通しで3日どころか日が昇りかける頃にデパートへ辿り着いた。
「止まれぇ〜ッス、止まってくれぇ〜ッス。」
地下駐車場に入り、伊地山の声が暖かく(?)迎え入れた。
「よう、ケタはいるかい?」
「ああ、お前はMな・・・」
「断じて違う、俺はMでも自傷症でもない!とりあえず、ケタを呼んでくれ。良いモンもってきたってな。」
「了解ッス!」



ヘリさん、今まで使っていてくれてありがとうございました。こうして合流させました。


[No.11320] 2006/08/30(Wed) 15:01:18
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福沢、発狂 (No.11320への返信 / 30階層) - ヘリ兵士

第51遊撃隊を乗せた輸送ヘリコプターは熊本へ向けて進路を取っていた
といっても直接熊本へ行けばバクーやダロガ、ガラーに円盤のオンパレードで撃ち落とされるだろう
そこで太平洋側から回り込んで、鹿児島から上陸しようと言うわけである
上陸した後は、徒歩なり車をパクルなりして熊本に向かい、何日か何ヶ月か何年かかけて、インセクトヒルを破壊しようという無茶無謀通り越し、既に英雄の域に達している大無謀作戦である
賢明な読者は既に気づいているだろう
ヘリの精神は既に崩壊していた
自暴自棄になり、もうどうにでもなれと熊本に向かっているのである
元々一般人だったヘリが、今までの重圧や耐えてきたのが奇跡的なことなのである
しかし、そんな事に部下達は気づいていなかった
隊長は何か考えがあって、熊本に向かっているんだ
隊員達はヘリを信じ、共に熊本に向かっているのである
ただ一人、影だけはうすうす感ずいているようだったが、彼も既に自我を保つのが精一杯で、いっそ死のうとこの作戦に乗ったのである
第51遊撃隊を乗せたヘリは、死神の待つ熊本へと向かって飛んでいく
奇跡など、まず、起きないだろう


[No.11321] 2006/08/30(Wed) 15:51:46
i210-161-185-186.s02.a015.ap.plala.or.jp
「静かな猛獣」 (No.11321への返信 / 31階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


「(・ω・)」
ケタはいつも通り愛用のショットガンを整備していた。
1つ1つのパーツを分解し、エアスプレーで細かな埃を飛ばし、
念入りに磨き上げていく。

基本的に大雑把なケタとは思えないほどの丁寧さである。

「へぇ、結構マメなんだね」
「ぅおっ!(・皿・;)」
不意に声をかけられ、ケタが持っていたパーツを落としかけ、
その慌てぶりにミヨコが軽く笑う・・・。

いつの間に接近してたのだろう?
一線を退いていたとはいえ、やはり戦闘のプロである。
常に気配は殺しているのだろうか・・・?

「私は結構情報に鋭くてね。ここにいる連中は結構耳にしてるんだけど・・・、
ケタだったね?アンタだけ見た目と噂がともなってないね」
「どういう意味ですか(^^;)」
自分の髪をいじりながら気だるそうにそう言ったミヨコに
ケタが愛想笑いを返す。

しかし、不意にミヨコは真面目な顔になり、ケタを見つめた。
その眼力の強さにケタが思わず後ずさる・・・。
そして次の瞬間・・・ミヨコの姿が消えた。

「!!(゚∀゚;)」
反射的にのけぞったケタの顎先をミヨコの手刀がかすめていく!
すぐさま目の前で風が巻き起こり、ケタの懐に飛び込んでいたミヨコが再び消えた!
「なにを!?((゚ω゚;))」
ケタが振り向き様に腕を畳み、背後に回ったミヨコの肘打ちを防御する!

「!」
「ぬぅ!!(゚皿゚;)」
そのままケタがミヨコと組み合い・・・ケタに戦慄が走った。
ミヨコの猫科の猛獣のようなしなやかで力強い体。
まるでシーリウ隊長と同じようなプレッシャーを感じたのだ。

「ほぉ、確かに見た目通りじゃないね」
「!(´ω`;)」
ミヨコがニコリと笑い、ケタを放した。
そして今までの殺気がウソだったかのように背伸びをして、鼻歌を歌いながら
部屋を出て行った。


・・・・部屋に残されたケタは大きく深呼吸をつき、その場に膝をついた。
まるで獣に睨まれてたかのように消耗してしまっていたのだ。

「ケタ〜。なんかMが来たみたいよ?」
シリアがドアから顔だけだしそう言い、ケタがフラつきながら立ち上がった。








せっかくきてくれたんで、ミヨコとのからみ話を〜


[No.11323] 2006/08/30(Wed) 23:55:50
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露見 (No.11323への返信 / 32階層) - 虎太郎

崩壊デパ−ト地下駐車場、ケタ達を前にある男の声が聞こえる。
「寄ってらっしゃい見てらっしゃい、本部からの特選弾薬シリーズだ。1万から!」
「売る気か、馬鹿者。」
ノリノリで競り市の真似事をやっていたライトは、虎太郎の容赦ないツッコミを受けて凹む。
「漫才のボケって事は、やっぱりMっ気があるのかな?」
「うーん、よくわかんないけど、その考え方はアリなんじゃナイカナ?」
アリアスとサエの小言がさらに彼をへこませる。
「だから違うってのに・・・」
「いいものって言うのは漫才の出張サービスか?」
K.Mが呆れ顔でまぜっかえした。

「エ〜、こほん。」
仕切り直すように咳払いをするライト。
「まず、俺のダチの虎太郎だ。信頼できる奴だが、本部でちょっといざこざがあって連れてきた。」
「虎太郎です、よろしくお願いします。部隊に所属してはいませんが、波岡参謀の直属の部下としてEDFにいます。」
囲んだケタ達の視線が集まる。信頼できるかというと・・・
「ん、分かった。(・ω・)」
「またアンタは・・・」
優しさよろしく、シリアがまたしても頭を抱える。

シリアは目の前の『新入り』を見定める。
まずかなり小柄。童顔だし、制服着せたら中学生でもいける。
っていうか、なんでペイルウィングなのだろうか。
ライトも謎なら、彼も友人も謎多し、というわけなのであろうか。
思考タイム終了。

「あらん、変わったボウヤね。どうしてそんな格好を?」
間延びした、というか妖艶な声でミヨコが話し掛けてきた。
「ホントは陸戦隊に入りたかったんですけどね。書類審査段階で落っこちて、逆にペイル隊の方からハンティングされたんですよ。
『男手がなくて困ってた、小柄だからきっと飛べるだろう』って。」
・・・・・・人生色々・・・・・・
12人の思考が見事にシンクロした。

ガシャガシャと音がし始めて、見るとライトが車からブツを取り出していた。
「さて、立ち話もなんだし、さっさと取るもんとりな。時間はあるようでなかったり、ないようであったりするからな。」
「結局なんて言いたいんだい(・ω・)」
「いつバレるかわからねぇから、準備だけはしとけってコト。」


EDF本部、元帥執務室。
卓上のパソコンは『ある地点』からの信号を受け取っていた。
「ふふふふ・・・そうか・・・こんなところに潜んでいたのか。」
その前に座る人物から、暗き喜びの表情が浮かび上がる。発信機は神奈川のとある場所を示している。まさしくデパート基地であった。
「トム、私がタダで、こんな時に車両を貸すわけがなかろう・・・」
ワルィは、ライトの乗ってきた車両に発信機を仕掛けていた。なかば確信を持って。
「まだそっとしておいてやろう、せいぜい和んでいるがよい。」
まだ攻めない。窮鼠猫を噛む事を彼は知っている。猫だから失敗するのだ。ライオンで行けばいい。
全てを整えるまで、まだ時間がかかりそうだった。



ちょっと間があってしまいました。+αの中身は、発信機でしたというオチ。
つまり、ワルィはトムの一枚上手にいた。ってことです。
いつでもスタートどうぞ。

P.S:EDFTをやってみました。うん、シュミレーション慣れてないけど、そこそこできるって感じ。
   でも、良くも悪くも結局SIMPLEです。システムもそこそこですが、すぐ飽きる感や作業感は否めません。


[No.11340] 2006/09/09(Sat) 11:46:02
softbank219173127144.bbtec.net
風船 (No.11340への返信 / 33階層) - ヘリ兵士

輸送ヘリの中
フェンナは無言で窓の向こうを見ていた
天候は曇っていて、外には延々と雲が浮かんでいる
ああ、そういえば研究所にいた頃もこうして空を眺めていたっけ
「楽しいかい?んなもの見て」
後ろから影がどこか投げやりな感じで声をかけてきた
フェンナは照れくさげに振り向くと、笑う
「空って、見てて飽きないんです、いつも必ず違う形をしていて」
「なるほど」
のんきだな・・・
そう思って、影はフェンナを見つめた
「?」
フェンナは不思議そうに首をかしげる
そのしぐさが、影にはたまらなく愛らしく感じて、慌てて窓の外に視線を移した
変な気を起こしてしまいそうで、影は口を開く
「フェンナ隊員は、どう思う?今の元帥」
適当な事を言って、必死に冷静さを保つ
「ワリィ元帥ですか?別に何も」
そんな思春期の影に気づかずフェンナはなぜそんな事を聞くのだろうと言う感じで影に返した
フェンナにしてみれば、上の事などどうでもよかった
全体のことなど、後ろでふんぞり返っている連中がどうにかすればいいのであって、自分は目の前の敵を倒す事のみ考えようと思っていた
だからフェンナにしてみれば元帥などローズでもワリィでもさして違いはなかった
「そう・・・か・・・」
次の話題を探しす影
「そうだ、元帥など誰でもいい」
見かねたように、ヘリが口を開いた
「俺達一般兵は目先の事だけ考えるべきだ」
ヘリの心は徐々に落ち着いてきていた
投げやりになってワリィにつき、死地に赴く事に、今は反省のしている
しかし、自分の動揺を部下に悟らせるわけにはいかない
悟られれば、部隊は士気を失い、崩壊するからだ
「そうですね」
ヘリが口を開いた事で、冷静さを取り戻した影は、今度はなんとなく、自分の目の前、フェンナの横の窓の外を見た
赤い風船がひとつ、飛んでいる
「風船だ・・・」
なぜだかその風船をフェンナに見せたくなって、影は口を開いた
彼女はどんな反応をするだろう
そんな風に期待した
「どこですか?」
フェンナは子供のようにその言葉に従って窓の外を見る
「あ、ほんとだ・・・きっとどこかの子供が手放したのが飛んでるんですね・・・」
まるで戦場に行く雰囲気ではなく、精神病院の様な雰囲気が、輸送ヘリの中に漂った
(子供、か)
ヘリは頭の中で民間人の子供を思い浮かべた
(子供・・・)
明確な守る物を見つけたとき、人間は強くなる物である
それは単純な人間なら、なおの事
(俺は・・・俺は何あきらめてたんだ・・・)
ヘリの心に、今自分のすべき事が浮かんだ
(俺は、俺は必ずインセクトヒルを破壊してみせる!!)
あきらめを吹き飛ばして、輸送ヘリを降下させるヘリ
「隊長、どうしたんですか?まだ熊本は・・・・」
「山口支部で一度補給を受ける、化け物どもを倒す手段を思いついた!!」
ヘリの言葉には決意と自信がみなぎっていた


[No.11342] 2006/09/09(Sat) 14:44:09
i220-108-41-54.s02.a015.ap.plala.or.jp
(No Subject) (No.11340への返信 / 33階層) - ヘリ兵士

「一体それはどういうことだね、カザー君」
国連議長、そして合衆国大統領ウィール・ニックハーソンは画面の向こうのカザーに向けて、落ち着いた口調で尋ねた
「ローズ元帥を抹殺を企てたのは、現EDF元帥、ワリィであると申しているのです」
言って、カザーは何かデータをウィールに転送する
「これは?」
「実は殺害された元帥は私が作った影武者でしてね」
データを開き、ウィールは青ざめた
「あなた方合衆国が人類が勝つことをあきらめ、岡田博士と妙な物を作っている間に作りましたファントムヒューマンと言う道具を使ったのですよ、大統領」
データの中身、それはウィールが岡田に手を貸していたと言う、明確な証拠だった
「私に、どうしろと・・・」
震える声で、ウィールは言った
「ご自慢の特殊部隊の出動用意をしておいてください、チャンスを見計らい、いつでもワリィを拘束できるように」
カザーの言葉に、ウィールは肩を落とした
「・・・・・・・・・・・・カザー君」
長い、長い沈黙が場をしはいした
そして、大統領が口を開く
「EDFは、まだ戦えるのか?」

「はい」

「奴等に、勝てるのか?」

「もちろんです」

「人類は滅びなくて済むのか?」

「当然です」

大統領は、ただ不安だったのだ、インベーダーの圧倒的力に、人類が滅ぼされるのではと、怖かったのだ
だから、人類の後継者を作ろうと、岡田と組んだのである
しかし、岡田は負け、その「希望」はついえた
もうEDFしか頼る物は無くなり、思わず不安になったのだ
だが、カザーの言葉に、大統領はわずかに不安から立ち直った
カザーはまだあきらめていない、それが、なぜか大統領には物凄いことのように感じ取れたのだ
「わかった、アメリカ軍特殊対人部隊をいつでもEDF極東本部に突入できるようにスタンバイさせておこう・・・・、カザー君」
言って大統領はモニターの向こうのカザーをじっと見つめる
「はい」
「ローズは生きているのか?」
「はい」
「そうか・・・では、頼んだぞ」
言って、通信をきるウィール大統領
そして、通信機を在日米軍基地へとつないだ


気に障ったらすいません


[No.11343] 2006/09/09(Sat) 15:01:37
i220-108-41-54.s02.a015.ap.plala.or.jp
「敵はEDF隊」 (No.11343への返信 / 34階層) - ケタ

東京EDF本部



通信士の報告にワルィは顔をゆがめた。
「はい。テレビ局のマスコミと思われる連中が神奈川あたりへ出向いたらしいのです。
目的は・・・」
「わかっている!隊員を集めろ!緊急出動だ!!」
ワルィ元帥が顔を真っ赤にして怒鳴った。


・・・

・・・

神奈川 倒壊デパート基地

「あぁ・・・まさか本当に・・・」
テレビ局の女性アナウンサーは思わずそう呟いていた。
無理もないだろう死んだはずの英雄ローズ元元帥・・・、彼女が目の前にいるのだから。

ローズは8人のテレビスタッフを見回し、軽く微笑んだ。
男性スタッフがその美しさと気品に思わずため息をつく・・・。

「すぐに準備を始めてくれないだろうか。
EDF隊を正しい道へ戻すために・・・・・・」
ローズがそう呟いた。

・・・

・・・

数時間後

何十ものEDF隊が神奈川へと送り込まれていた。
ギガンテスが砂煙を上げ、輸送用バゼラートが飛び、ローズの立て篭もっている
倒壊デパート基地を取り囲んでいく。

これだけの部隊をなぜ静岡救済にだせなかったのか?
もはや、EDF隊はワルィの立場を守るためだけの私兵と化していたのだ。

その大部隊の中心やや後方に位置する、大型戦闘車両に乗っている
ワルィ元帥がマイクを手に持った。

[いいか!この基地には凶悪なテロリストが立て篭もっている!
奴らは民間人を人質に取っている、突入後即射殺するのだ。
これは我々の正義の戦いであると思え!!]


一方倒壊デパート基地内

ケタが、シリアが、ミヨコが、小太郎が、ライトが・・・、
皆がローズの前に整列していた。
そんな中、ローズが静かに口を開く。
「すまないな。これは私の戦い・・・エゴのようなものかもしれない。
つき合わせてしまったな」


[自分の命をなげうってでも殲滅しろ!!]
「危なくなれば逃げて欲しい。この戦いでは私のために死ぬんじゃない」

[敵を人間だと思うな!!奴らは我らに害をなすエイリアンと変わらん!!]
「なるべく殺さないようにしてくれ。人間同士で殺しあう事は避けたい」

[地球のために奴らを叩き潰すんだ!]
「この戦いは地球のためとは言えない・・・だが、私のために頑張って欲しい」

ワルィとローズは最後にそう言い、言葉を終えた。


倒壊デパート基地に中で、テレビスタッフが慌ただしく動き、
放送の準備を始めている。
基地の外ではワルィのEDF隊が包囲を狭めてきている・・・。

「・・・・(・ω・)」
ケタはショットガンをかつぎ直し、息をついた。
テレビスタッフ達は民間人なのだ、
彼らはローズの復活のために必要な存在であると同時に、
ワルィへの牽制でもある。

さすがのワルィでもマスコミ関係の民間人を殺す事はできない。
つまりミサイルなどの殲滅兵器で基地ごと潰す事はできないのだ。
・・・つまり、白兵戦の戦いになる。


様々な人々の思考、策略、想いが複雑に絡み合う中・・・。

とうとう倒壊デパート基地の中にEDF隊員が突入を開始した。









お久しぶり!
いやぁ、仕事とファンタシースターユニバースが忙しくて、
なかなか書けなかった(^^;


[No.11346] 2006/09/14(Thu) 20:52:51
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「信じる者、主の心は彼らと共に」 (No.11346への返信 / 35階層) - jagaimo

「やってるわねぇ。・・・まさかEDFと戦うなんて、面白そうじゃない?ムカイくん」
バイクの後部座席で双眼鏡を覗いていたミヨコが声をあげた。

「EDFを、狂気から救うために仕方のない処置だ。無理をするな」
ムカイはぼそりと言葉を返した。
「あら?心配してくれるのかしら?」
ムカイの言葉に、ミヨコは驚いた声をあげ、にやりと笑った。
しかし、ムカイは、表情も変えずに重ねていった。

「心配、ではない。死なない程度に手加減をしろ」

つまり、ミヨコに無理をするなと言っているのではなく、
EDFの隊員に対して本気を出すなという意味だったらしい。

その言葉にミヨコは満足げな笑みを湛えた。


・・・

・・・

倒壊デパート基地 モニタールーム


EDFの部隊がデパート基地に突入した。
が、いきなりのバリケードに部隊はてこずっているようだった。

いくら無茶をするケタでも、さすがに大部隊とタイマンで殴りあうつもりはない。

サエとルミとアレックスに内緒でこっそり来たアリアスとキリヒトは、自前の衝撃吸収アーマーに身を包んで、さらに体中に非殺傷武器を満載している。

「ははは!蹴りをいれても自動車は動かないさ。面白い連中がいるもんだな」
モニター内で繰り広げられるEDF部隊の行動に、キリヒトが声をあげて笑った。

「すぐにでも破られますよ・・・。中に報道陣がいたら危険だと思って爆発火器を使えないんでしょうね」
アリアスはキリヒトの笑いっぷりに苦笑しながら、隊員達をフォローした。
自分もEDFの隊員であるから、そうバカにされるとかばいたくなってくる。

「俺達は、アイツラが入ってきたらコイツで相手をしてやればいいのか」
キリヒトはまるでゲームを楽しんでいるかのようなテンションで、腰に大量につけてある手榴弾を指した。

煙幕手榴弾に催涙手榴弾、閃光音響手榴弾、さらには一時的な神経マヒを引き起こす毒ガス手榴弾まである。

一方、こんな武装など見たこともないアリアスは、まるで戦争気分である。


「さて、いくか。さっさとくだらない茶番を演じさせられている奴らを、
足場の脆い舞台から引きずり下ろしてやらないとな。プロデューサーの始末はあとでじっくり、だ」

キリヒトとアリアスの目は、完全に戦士としての眼に変わっていた。





おひさしぶりです・・・。
バリケードは・・・あっても大丈夫ですか?



私もユニバースで忙しかったです・・・w
でも他の事でも忙しく、最近はあんまりPCを開いてなかったり・・・。
今日あたりから復活ですが!

ってケタさんもPSUやってるんですか・・・・・・。
・・・いまはこんな状況ですが、いつか一緒にやりません?w


[No.11347] 2006/09/15(Fri) 23:18:53
fw1.tcn-catv.ne.jp
(No Subject) (No.11347への返信 / 36階層) - ヘリ兵士

「バリケードが会って突破できない?」
部下の言葉に、デパート攻撃を行っている分隊長、風間田は何を馬鹿な事を言っているという感じで応じる
「重機関砲があっただろうが、アレで車をさっさとスクラップにしてそのまま向こうで待ち受けてる奴蜂の巣にすりゃいいんだ馬鹿が!」
言って、風間田は不機嫌に通信機を置く
彼は安全圏、指揮車の中から部下達の戦いを見ているのだ
風間田の命令で発進した重機関砲装備の装甲車がバリケードに近づいていく


[No.11348] 2006/09/16(Sat) 20:53:13
i58-93-214-253.s02.a015.ap.plala.or.jp
「進入経路爆破」 (No.11348への返信 / 37階層) - jagaimo

「それはまた偉いものを出してきたな・・・。まさに戦争気分だな。ありゃあ殴っても壊れそうにないしなっ」
モニター室からの情報が入った。
内容は、要約すれば「敵が重機関砲を出してきたから気をつけろ」というものだった。
無線を送ってきたのが伊地山だった為に、理解に少し時間がかかったのだが。

キリヒトの声は、言葉とは裏腹に状況を楽しんでいる響きがあった。
自分達の仕事は、とりあえず入り口で敵を錯乱する事。
そう簡単に進入を許せば、一気に押さえ込まれるのは確実だ。

いくら破棄された自動車を10台以上積んだバリケードといえど、
大口径の機関砲を撃ち込まれれば一瞬で鉄屑と化してしまうだろう。

しかし、こちらも丸腰なわけではない。
デパートといえど、要塞化され、強固な基地となったビルは簡単には入れない。

「ここらへんか?」
キリヒトが入り口付近でうずくまり、手をあげた。
「OKです。撃ちこまれる前に爆破します!」

言うやいなやアリアスとキリヒトは駐車場の奥に向かって駆けた。
すぐさま柱の影に隠れ、時計を確認する。

あと5秒。

アリアスとキリヒトは耳を塞ぎ、身を屈めた。


・・・

・・・

「よぅし!―――撃てぇ!」
風間田が合図を出した。

バリケード前に停車していた装甲車の荷台に固定された重機関砲が火を噴く。
駐車場入り口にこれでもかというほど積み上げられた自動車に機関砲弾が次々と刺さり、そのボディをことごとく粉砕していく。

その時―――不意に爆音が轟いた。

最初は誰もが、自動車の中に残っていた燃料の誘爆かと思った。
が、バリケード自体に損傷はなく、そのうち機関砲の射手は銃撃をやめた。

「なにやってんだ!さっさと撃て!」
爆発音によって作られた異様な空気に風間田は苛立ち、怒声をあげる。

「しっ、しかし・・・今の爆音は・・・・・・?中には一般市民がいるのでは!?」
さすがに元は巨大生物殲滅、というよりは市民安全を最優先にするように訓練されたEDFだった。
事前に、デパート内に立てこもっているのは犯人だけではなく、民間人も含んでいるという情報が流されている。
そのだけにインベーダーとの戦いしか経験のないEDFの部隊は慎重になっているのだ。

「ッ・・・・・・!構うな!バリケードを破壊しろ!」


・・・

・・・


「ヒューッ・・・。結構な威力だなぁ・・・。完全に入り口は粉砕、か」
粉塵にまみれた顔のキリヒトが口笛を鳴らした。

「これで入り口は穴だらけに瓦礫の山、って・・・。だれが立てた作戦でした?」
口に入った灰を吐き出しながらアリアスが答える。
二人が使った爆弾は、コンクリートと鉄筋を吹き飛ばすのには十分な、それでいてデパートを破壊しない程度の威力の爆弾だ。
少々、爆発の範囲が広いために熱風が駐車場内に広がったが、入り口の柱はブチ折れ、
下り坂を降りた場所の地面はえぐられ、さらには天井の瓦礫で完全に塞がっている。

「我ながらナイスな出来上がりだ。ここまで上手く行くなん―――ッ!」

耳をつんざく轟音がこだまし、思わず二人は耳を塞いだ。
先ほどと同じ銃声。また敵が機関砲を撃ち始めたらしい。

「まったく・・・。これじゃローズ元帥の美貌を全国放送で流す特番が台無しじゃないか」

そう言いながら、キリヒトはちゃっかりと耳栓をつけた。


[No.11349] 2006/09/17(Sun) 02:11:11
fw1.tcn-catv.ne.jp
参戦 (No.11349への返信 / 38階層) - 不運な会社

東京 某ビル

「隊長〜ワルィ元帥がテロ退治にいけだとよ〜」

ビルの片隅から脳天気なシェラの声がカインドに話しかける。

「さぼるぞ〜」

とカインドが脳天気にビル内にいた全員に言った。

「第一俺達もテロリスト腹に抱え込んでるだろ。やる意味ないよ」

ビル内に沈黙が流れた。

「まぁ一人や二人ぐらいだったら参加した方がいいだろ。ワルィが軍資金くれなくなるし。俺と水守で行くぜ。対人戦だったら昔腐るほどやったからな」

そう言ってエアロバイクに乗り神奈川へ行った。

神奈川県

「あれがテロリストの拠点か」

そこにはデパートがあった。だがそのデパートは倒壊しかけておりEDF隊が前にいたからすぐ分かったもののいなかったらまず発見は不可能だ。

ターボをかけて司令官のところまでいった。

「こちら第63海兵隊隊長カインド。援軍に来ました。戦況は」

「敵がバリケードを張り前に進めない。どうにかしてくれ」

「了解。白兵戦だったら任してください」

そう言ってカインドは瓦礫に埋まった入り口にドリルで穴を開け中に睡眠手榴弾を投げ込んだ・・・・


[No.11350] 2006/09/17(Sun) 05:53:31
ntszok118058.szok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
親孝行 (No.11350への返信 / 39階層) - 虎太郎

吹きっさらしの屋上から、ライトは取り囲むEDF隊を見下ろしていた。
『奴らはインベーダーと何ら変わりない!見つけ次第、殲滅しろ!』
ワルィの声が頭から離れない。生前から植え付けられたこの能力は、それと何ら変わりないから。

こつこつと近づいてくる足音が一つ。振り返らなくても分かる、虎太郎だ。
「こんな時に考え事か。お前らしくも無い。」

「・・・・・・」
ライトは、胸中穏やかではなかった。久しくしていた実戦、それがいきなりこうである。
「俺が遺伝子改造を受けてるのは知ってるよな。」

「何だ、唐突に。」

「ガキの頃はひどかった。独房の中で、お前らみたいな戦闘兵器は・・・お前らみたいな化けモンは・・・そう言われて『監視官』に殴られつづけた。」

「・・・・・・」

足元で、銃弾がバリケードを破ろうとしている掘削音と、機関砲らしきものの発射音が聞こえる。

「そうやって無理やり戦場に出された俺を、一人の人として初めて見てくれたのがローズ元帥だった。暴走の時だって、裏で抹殺しようとしていた議会をひっくり返してくれて・・・
そう、遺伝子の配列はこの世の誰とも繋がっちゃいないが、彼女は俺の母さんみたいなものなんだ。優しくて、厳しくて・・・」

「んじゃ親孝行ってワケだ。」
親友のつらい言葉を受け入れ、俺もついているとでも言うように、虎太郎は肩を叩く。向ける笑みは優しかった。

「ああ、今まで守ってもらった分、ここでしっかり守ってやる。」
決意を込めて、双剣を空高く交差させる。

「俺にはそういうのしてくれねえの?」
「これからたっぷり、恩を返してやるよ。」
笑いながらのバカなやり取り。久しく忘れていたのは、戦場の記憶だけではなかった。

下で、雄叫びがあがった。バリケードの崩壊ももうすぐだ。白兵戦に備え、次々と兵が押し寄せてくる。
「ん、そろそろ時間かな?ほれ、アレ持って来い。」
屋上から身を乗り出して、ライトは言う。頷き、虎太郎は風呂敷の包みを開ける。

作業を休めず、虎太郎は最後の確認をする。
「加減を誤るなよ。オネンネするのは奴らだ、ケタさんやアリアスさん達までやるんじゃないぞ。」
中からごろごろ出てきたのは催涙榴弾やら麻痺榴弾。破裂するとそういったものが出る代物。

「わあってるって。ほら、さっさとやる。」
手をひらひらさせ、安請け合いをする。

「じゃあ行くぞ。3…2…1…そらっ!」
ガラガラと音を立てて、屋上から榴弾が撒かれた。接触起爆式で、着地と同時に破裂し煙がたちこめる。
「ハァー……」
剣を手に持ち、ライトはすぐさま精神集中に入り力を引き出す。
力の支配領域は、デパートを内包するドーナツ状。境界の部分に空気の膜を造り、ガスを長時間停滞させる。

煙が拡散していく。それはきれいに輪の形になっていって、微かにうめき声が届いて来た。

集中から抜けたライトに、虎太郎は賞賛の声をかけた。
「やるじゃないか。」
屋上からの眺めは、煙のバリアーといったところか。
「んー…70点。久しぶりってのもあるが、支配領域が広すぎて均等に割り振れなかった。ちょっち時間も掛かったしな。」
「厳しいな。とりあえず成功したんだから、良しとしようじゃないか。」
「そうだな。」

そう言ってさっさと屋内に戻っていくライト。すぐに虎太郎が追いかけてくる。
「んじゃ、しっかり恩を返すとしますか。」
「こんな親孝行は、こっちだって二度としたくないがな。」
足元から響く機関砲の音は、じきに無くなっていた。


[No.11351] 2006/09/17(Sun) 23:31:56
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「防衛戦(ケタ+シリア)」 (No.11351への返信 / 40階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


激しい爆音と共にデパート内が揺れ、天井からコンクリートのかけらが降ってくる。
元々倒壊しかけていたデパートである、今にも完全に倒壊してしまいそうだ。

デパート内の最深部で放送の準備をしているテレビスタッフ達は不安な表情をしてはいるが、
テキパキと機材を運んでいる。
ローズの護衛に残ったメイとシズカは無言で外の様子を監視カメラで伺っていた。

「まずいですわ。数箇所から侵入されたようです」
シズカがモニターから目を離さずにそう伝えた。
バリケードは破壊されたが、今はその残骸がEDF隊の進行を妨げている。
・・・しかし、歩兵からすればただ石が増えた程度である。

あらかじめデパート内には侵入された時のためのトラップがしかけてあり、
さらにローズの指示により配置している瓦礫で地の利を120%引き出せる。

敵との戦力差は歴然としている。
しかし、狭い範囲での戦闘は個人の戦闘力がものを言うのだ・・・。


・・・


倒壊デパート内 EDF隊侵入ポイント02

「うおおお(;・皿・)」
崩れた通路から侵入してこようろしているEDF隊員達にむけ、
ケタがショットガンを撃ち放つ!
弾丸は特殊な鎮圧弾であり、殺傷力は低いがそれでも当たり所が悪ければ、
射殺しかねない!
うまく足や、手を狙うが、EDF隊も黙ってはいない。
しかも彼らが反撃し放ってくる銃弾は実弾なのだ!

「キャァア!」
弾丸がシリアの腕をかすめ、悲鳴をあげた。
「!」
ケタが壁にあったスイッチを拳を叩きつける様に押し、
次の瞬間ケタの前の通路の天井が爆破され崩れ落ちた!
数名のEDF隊員が瓦礫を受け倒れる隙にケタがシリアの体を抱きかかえるようにして、
後方に下がった。

「大丈夫か!?(・ω・;)」
「へ、平気よ。腕かすめただけ・・・」
次の待ち伏せポイントに身を隠し、ケタとシリアが大きく息をついた。
耳をすますと違う所でも銃撃の音が響いている、
どうやら侵入されたのはここだけではなさそうだ。

「くそ・・。すぐにまたゾロゾロ来るんだろうな。撃ちたくないのに(−−;)」
「・・・大丈夫。あと10分は時間稼げるわ(微笑)」
いきなり目の前に現れたカエデにケタとシリアが目を丸くする。
カエデは民間人で・・・さらに盲目なのだ!

奥で避難していたはずなのにどうして前線へ・・・??
「カエデちゃん・・どういうこと??」
「凄いタチの悪い霊を通路に置いてきたの(微笑)」

平然と言ったカエデの言葉にシリアが青くなった。



「テロリストどもめ・・やってくれるぜ」
EDF隊員が首をひねりながらそう呟いた。
一緒に崩れた天井に潰された隊員がよろめきながら起き上がる。

「何人か撃たれたみたいだが、怪我はどうだ??」
「それなんだが・・やつら実弾じゃないぞ。撃たれた奴らは酷くても骨折した程度だ」
隊員がそう言って首をかしげた。
ワルィ元帥が言うような凶悪なテロリストがなぜ実弾を使わないのか??

「フン。別に実弾もってないだけだろ?とっとと鎮圧するぞ」
コツン。
そう言って先に進もうとした隊員の足元に何かが転がった。

・・・それは、ピンの抜けた自分の手榴弾だった。

「うそぉ!?」
隊員が慌てて手榴弾を蹴飛ばしたが数メートル前で爆発し、ひっくりかえって気絶した。
「何だ!?事故か!?」
次は他の隊員が瓦礫に足を取られ壁にぶつかり・・・
その衝撃で銃が暴発し、目の前にいた隊員が足を抑えて地面に転がった。






おぉ。ジャガイモさんもやってるんだ!
サーバーが馬鹿だから中々繋がらなくてストレス凄いよね(^^;
今度一緒にやりましょう!
でも、うまく合流できるかな。
カード交換するまでは、プレイヤー検索もないしなぁ・・・。
どっかで待ち合わせるしかないかw


[No.11352] 2006/09/18(Mon) 11:01:33
softbank220060180225.bbtec.net
「おやすみ」 (No.11352への返信 / 41階層) - jagaimo

撃っても撃っても、コンクリートが舞い上がり、上から粉塵が流れ込んでくるだけで一向に入り口は開かない。
さらには着弾の時に舞い上がる粉塵に部隊は大迷惑で、気の短い風間田の苛立ちは最高潮に達していた。

「なにやってんだッ!もういい!爆薬を持って来い!まんまぶっ飛ばしてやる!」

頭に血が上った風間田が指揮者のボディを叩く。
それを部下の一人がなだめようと、風間田に近づいた。その時。

―――ゴツン!

なにかが彼のヘルメットに当たった。
視界の横に黒いものを落ちていくのが見えた。

彼はなにが落ちてきたのか確認するため、足元に視線をさまよわせる。
あった。
ガス缶のような形をした黒い塊。
彼の顔色が変わった。

―――そこにあったのは、紛れなく催涙手榴弾であった。


・・・

・・・



「あんまりいいコーラスじゃないね。にしても誰だ?ドリルで穴開けてガス手榴弾なんかパスしてきたのは」
瓦礫の奥から聞こえる声に、キリヒトは満足といった笑みを浮かべた。

薄暗い駐車場に、人の悲鳴やら嗚咽やらが響くのは少々気味悪いが、今の所、こちら側は優勢な立場にある。

事前に作戦は練ってある。
虎太郎とライトの二人が屋上からガスを撒布する手榴弾をバラ撒き、包囲軍の戦力を大幅に削る。
それで終わってくれればいいのだが、本気であるワルィが引き下がるわけがない。

すでに数箇所の入り口から部隊の進入が始まっている。

「ここは大丈夫・・・か?」
キリヒトが首を捻った。
正直に真正面から入ろうとした部隊は、おそらく動けないだろう。
ここにいるよりは、他の入り口の防御を・・・・・・

―――ダキュン!ガラガラ・・・


「開いたぞ!突入だ!」

駐車場の隅の壁が崩れ、声がする。

「やっぱりEDFはそこまでバカじゃないか」

キリヒトはふふん、と鼻を鳴らした。
「バタフライナイフとSMG・・・・・・キリヒトさん、援護お願いしますね」

アリアスがサブマシンガンにゴム弾を装填し、わずかな光に銀光を振りまくナイフを持って言った。
目には冷たい闘志が宿っている。
アリアスは今日までに、白兵戦の達人であるミヨコに「影の者」としての白兵戦技術を叩き込まれた。

「おう。暴れておいで、おまえさんに当たらないように―――祈ってやるから」

「・・・俺はキリヒトさんを信じてますよ?」

「そりゃあどうも。合図したら逃げるんだぞ?でなかったら連中と一緒に夢の中だ」

「もちろん・・・んじゃ」

黒い布を頭に被ったアリアスは、闇の中へ疾走した。


・・・

・・・


彼には何が起こっているのかわからなかった。

わかるのは。この薄暗い空間に誰かが居る。そして、自分は誰かに狙われている。

「くそぉぉ!」

彼は闇に向かってライフルを乱射した。恐怖のあまり、足が震えている。
相手は何者か、人間なのか、自分は殺されてしまうのか。
様々な思考が彼の頭を通過していく。

「ひぃっ!?」

気がつくと、闇の中からライフルを掴む手があった。
瞬間的にライフルを奪われ、喉に冷たい感触が伝わる。

「あんまり無茶すると味方まで撃っちゃうわよ?」

かなり近くで声を聞こえた。
目を動かすと、目の前に顔があった。

敵は、鼻先が掠るほど近くにいた。

しかも、20代後半の、綺麗な顔立ちの女性だった。

「しばらくここで寝てなさい」

女性は彼にふっと笑いかけたかと思うと、やさしげに言った。
次の瞬間、腹に彼女の鉄拳が食い込み、それと同時に彼の身体は鮮やかに投げられた。



「・・・・・・こんなものね」
ミヨコが一人呟き、通路を歩み去っていった。

通路には、彼女がここ3分で昏倒させた小隊員達が転がっていた。






ええと・・・ケタさん、メッセとか使ってます?
私はMSNでやっとるのですが・・・。

ここで言うのもアレかなと思うんで、
一応、メールアドレスを張っておきますねw

それと・・・私は少し前からブログをやっとるのです。

名前がそれぞれに違うので言わなかったのですが、この度、名前を統一するために自白(?)します。

本名は「あす」ですw

もしかしたら知ってる人もいるかも〜?


[No.11353] 2006/09/18(Mon) 16:04:30
fw1.tcn-catv.ne.jp
テロリスト (No.11353への返信 / 42階層) - 不運な会社

神奈川県 テロリスト基地

「駐車場に穴が開いたぞ!」
その声が通信機から伝わってきた。同時に派手な倒壊音と砂煙が立つ。EDF隊員も何人か突撃したようだ。

「第三小隊負傷者多数、後退します」

確か第三小隊は一番最初にそこに突入した奴らだ。どうやら敵の関心はそちらに向いているらしい。

また、上から手榴弾を投げてる敵もいてこちらの戦力も半減している。

「水守、まず屋上の奴らから叩きのめすぞ」

「了解」

バゼラードはそこら辺大量にいるから空から攻める分には充分だ。

敵は煙幕をバリア状に張っているが63海兵隊と28海兵隊が装備しているヘルメットには赤外線レーダーとガスなどを無効化する効果がある。
そしてカインド達はバゼラードに飛び乗り屋上にたどり着いた・・・


[No.11354] 2006/09/19(Tue) 05:14:01
ntszok118058.szok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
「負傷者なし」 (No.11354への返信 / 43階層) - jagaimo

倒壊デパート基地 アリアス、キリヒト守備位置



―――ガギィン!

アサルトライフルとナイフが激しくぶつかり、薄暗い駐車場に火花が散った。
「ちぃ!」
相手は苦い顔で舌打ちをすると、ライフルを盾代わりにしながら拳銃に手を伸ばした。
だが、そうはさせない。
盾代わりにしているライフルを無理矢理押し込め左腕の自由を奪い、さらに足をかけて体勢を崩させた。

「―――っ!」
相手の指が拳銃にかけられていた。このままでは競合いの最中に撃たれる。
アリアスはナイフの柄を相手の喉に向け、肘でライフルを固定した。

密着した二人が倒れると、それと共に鈍い音がした。

「がっ・・・・・・!」

ナイフの柄で喉を潰したのだ。
相手がパニックに陥った目で見上げてくる。

人殺しが本業でないアリアスは少々戸惑うが、困った顔とは裏腹に、すでにライフルと拳銃を蹴っ飛ばし、手を拘束していた。


「どこだ!見えないぞ!暗視ゴーグルを持って来い!」
ちょうど壁に穴が開いた方向から声。
直後、ライフルの射撃音がこだまし、怒声が響いた。

まだ敵が多数いる。
キリヒトが地の利を生かして応戦しているが、一人では無理だろう。
アリアスは柱の影に身を隠し、黒い布を被る。

敵は3・・・いや4人。戦闘でガトリング機構の見栄えの良い―――ターミネーターに出ていたようなマシンガンを腰溜めに撃っているのが隊長か。
あんなものを撃たれてはキリヒトは顔の出しようがないだろうに。

4人とも暗視ゴーグルをつけていた。
・・・物資が豊富なこちら側にはいいカモである。

アリアスは小型の通信機取り出した。


「大丈夫ですか?」

アリアスが通信を送ると、激しい射撃音とコンクリートの砕ける音が鼓膜を直撃した。
ついでキリヒトのため息交じりの声が聞こえる。

「ああ、困ったもんだよ。出来るなら映画通りに「負傷者なし」にしてほしいもんだ」

「スタングレネードを投げます」

「わかった。サングラスでもしてるか。―――うわ!」

内心、アリアスは舌打ちしながらも閃光手榴弾の留め金を外した。
それを柱の影から相手の天井に向かって投げる。

カラン、と2回、間を挟んで軽い音がし、ついで敵の悲鳴が聞こえた。


「う、うあ・・・!目が!目がぁぁあぁ!」

「たい・・・ちょう!ご無事で・・・」

半ば演技腐ったセリフに、アリアスは苦笑しながらも柱のスイッチに手をかけた。
ボン、と軽い爆発音がしたかと思うと、入り口付近に瓦礫が降り注いだ。

しかも、目をやられた4人を巻き添えにしていた。
もちろん、死ぬ程度じゃない。


[No.11355] 2006/09/21(Thu) 00:40:13
fw1.tcn-catv.ne.jp
「能力」 (No.11355への返信 / 44階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


デパート内に突入してきたEDF隊、そしてそれを食い止めるケタ達。
その激しい戦闘の音がローズ達のいるデパート最深部にも響いていた。
「・・・・・」
メイはなにげなく天井を仰ぐ・・・。

自分がローズの語勢としてここに残っている事に不満はない。
だが、ケタ達だけでEDF隊を抑えられるのだろうか?

ちらりとローズの方に目をやる。
静かにテレビスタッフ達の準備をみつめているローズに不安そうな様子は一切ない。

・・・メイは前々から感じていた疑問を口にした・・・。

「ローズ様。あなたはコネなどで人を動かす人ではないことはわかっています」
「・・・メイ?」
不意に口を開いたメイにローズが少し目を丸くした。
「・・あの男に・・・ケタにはなにかあるのですか?」
少しためらったあと、メイはそう言った。


もはや伝説とされる女性隊員シーリウ・アークソルム。
現在生存している彼女最後の弟子がケタであり、
シーリウとローズ元帥は親友であったと聞いている。

正直ケタの出世がこの背後関係にあると思っている隊員は多い。
事実、メイやシズカもそう思っていたのだ。


メイの質問に、ローズは綺麗な顎のラインに手をそえて少し微笑んだ。


「やはり、さすがのお前でも気付かないよな」
「・・・・?」
ローズの言葉に今度はメイが目を細める。

「たしかにケタの隊員としての能力は高いが、特別なほどではない。
戦闘力ならK.Mやアリアスとさほど変わらないだろう」
「・・・私もそう思います」

「でもな、ケタの本当の能力は違う所にあるんだ。
自分の全ての力を仲間のために使える・・・時には命をかけてまでな」
「・・・」

「ケタに計算はあまりないだろうな。
素直に自分の感情に従っている場合が多い。
だが、その素直な感情に当初敵だったシリアやディア(魔弾のテロリスト)すら、
最後はケタの心に感応している」

「・・・たしかにそうですね」
感情に従う事は軍隊としては失格であることはまちがいない。
・・・・しかし、人間としては?と、いうことなのだろう。

「結果、人を引き付ける・・・。
そして仲間を愛するケタのために仲間も全力で応えようとしている。
シーリウや私とは全く質の違うカリスマ性、
仲間の能力を110%まで引き上げるのがケタの本当の力なのだ」
ローズはそう言うと再びテレビスタッフの方に目をやった・・・。

「・・・・」
たしかにそうかもしれない、とメイは思った。
一緒に戦った伊地山や御剣の実力は資料から推測していたものを
大きく上回るものだった。

「ローズ元帥!準備完了いたしました!」
メイが考え込んだ瞬間、テレビスタッフから声があがった。
目をやると狭い部屋の中にカメラやら配線やらが押し込まれている!

「・・・さて、これからが私の戦いだ」
ローズが静かに立ち上がった・・・。


[No.11362] 2006/09/26(Tue) 07:30:06
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「疾走、闇の彼方へ」 (No.11362への返信 / 45階層) - jagaimo

「どうだ!?」
無線機の奥からアリアスの自棄になった声が響いた。
最深部で待機しているシーナがそれに答える。
「スタッフの準備出来た!あとは元帥が放送を―――」

―――バキィン!ガサッザザーッ・・・・・・

急に無線機が鋭い音発し、思わずシーナは無線機を落とした。
慌てて拾い上げ、通信を送るが返答がない。

「ちょっ、応答しなさいよ!ちょっと!」

部屋には不安そうな空気が流れていた。



・・・

・・・

「くそ!」
アリアスは敵の銃弾が直撃し、破壊された無線機を放り投げた。
暗い通路を駆けながら、アリアスの網膜は、ひたすら「暗い場所」を探す。

あった!

アリアスは壁に露出した大型のパイプの下に滑り込むと、すぐさま黒い布を被る。
布を被るのはミヨコからの言われた事だ。

ミヨコほどの熟練した兵士ならば、気配を完全に消し、昼夜問わず敵の背後に回れる。
しかし、アリアスはまだ未熟―――というか気配を消すスキルを持ち合わせてはいなかった。

時間がなかったために、格闘術をマスターするだけで精一杯だったのだ。

だから、まずは敵の視界から姿を消す、格闘戦は暗い場所以外では厳禁、いざとなったら逃げる、ミヨコはこの3つだけを教えた。


「どこだ!探し出せ!」

「どこから出てくるかわからん!注意しろ!」

俺は幽霊か、とアリアスは苦笑しながらもナイフを抜く。

敵がサブマシンガンの射程に入ったら、すぐさま掃射、相手に撃たれる前に位置を移動して、暗がりから近接戦。
考えるにつれてアリアスの頭の中が闘争本能に溢れていく。

足音が近づいてきた。
わずかに見える影がゆらゆらと動いている。


―――カラン・・・カラン・・・

「?」
不意に通路に缶が転がるような音が静かに響いた。
アリアスは考える前に走り出していた。

―――手榴弾!!

後方で異常なほどにデカイ音がした。
音響手榴弾―――強力な音を発生させ、敵の鼓膜、または神経に刺激を与えてその機能を奪うものだ。
すでにアリアスの聴覚はマヒし、無音の世界になっていた。

聞こえるのはキーンという耳鳴りだけである。

視界が歪み、だんだんと遠くなる意識を必死で繋ぎとめる。

隠れる場所、身を隠せる場所はどこだ?!
元々はデパートの職員用の休憩室として使われていた部屋に飛び込んだ。

カチリ、と極力音を立てずにカギを閉めるが、何も聞こえないアリアスにはどれほどの音がしたのかわからない。
カギを閉め、扉にへたり込んだ瞬間、アリアスの意識は闇のなかへ消えた。





ああ・・・ちょっとシーナの性格と口調が違うかもしれない・・・(汗)


[No.11374] 2006/09/30(Sat) 23:51:09
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「進むべき道」 (No.11374への返信 / 46階層) - ケタ


神奈川 


EDF隊の大部隊と篭城するテロリスト。
両者の戦いは激しく、耐える事無く銃声が響いているはずだった。

しかし・・・・。

その時・・・、
すべての隊員が引き金から指を放し、ヘルメットの通信器に耳を傾け、
戦場となっていた倒壊デパート基地に場違いのような静寂が訪れていた・・・。


「私はローズ、私の話を聞いてくれないだろうか?」


静寂の中、通信器から再びローズの声が聞こえてきた・・・。



[私は死んだはずの人間だ。こうして姿を表しても信じれないのも無理はないが、
まずは聞いて欲しい。
死んだというのは私の影武者であり、殺したのはエイリアンではない]
ローズの声と姿は神奈川にいるEDF隊だけではなく、
日本全国へと流れていた。
緊急放送でどのラジオ、テレビでこの放送をしているのだ。


そして・・・この状況にワルィ元帥がうめいていた・・・。

「どういうことだ!?なぜこんな放送をさせている!?」
装甲トレーナーの通信器から流れてくるローズの声をかき消すように
ワルィが怒鳴った。
「強烈な電波ジャックのようです。とてもせき止められません」
ワルィにオペレーターが冷静に告げたが、ワルィは顔を高潮させた。

「EDF隊がこの程度の放送とめられないでどうする!?」
「この放送はEDF隊が受信し、日本全国に流しているのです!!」
「なっ・・!」
怒鳴ったワルィだったが、オペレーターの予想外の言葉に目を丸くした。

・・・・どういうことなのだ?
なぜ、EDF隊がこの放送を全国に流す必要があるのだ・・・。

ワルィは頭を抱えて悩んだが、簡単なことである。
ローズがEDF隊の信用のおける重役に秘密裏に連絡を取り、
協力を要請していたのだ。


「戦闘が停止してるな(・ω・;)」
倒壊デパート基地の中でケタは大きく息をついた。
ケタのかぶっているヘルメットからもローズの声が聞こえてきている。
おそらく倒壊デパートに突入してきたEDF隊員もこの声に聞き入っているのだろう。
・・・・本当の敵がだれかということを知るために・・・。

[いま一度考えてみてくれないだろうか。
EDF隊はなんのために存在しているのか?
地球を守るために命がけで戦うことは素晴らしいことかもしれない。
しかし、我々隊員の命も含め、エイリアンから地球を守るのがEDF隊なのだ]


ローズの声を聞きながらワルィは携帯電話を鳴らし続けていた。
何10コール目かわからないが、やっと相手が電話に応じる。

「氷室か!どうすればいい!?この状況をどう切り抜ければいいか教えろ!!」
ワルィが電話の相手・・・氷室に怒鳴った。

・・・しばしの沈黙の後・・・低い笑い声が携帯電話から聞こえてきた。
「氷室・・・?」
「こうなってはな、まぁ諦めろよ。
あぁ、俺は感謝しているぞ?貴方が元帥となっている間にローズが封印していた
EDF隊の黒歴史ともいうべき研究データを手に入れることができた」

わなわなとワルィの携帯をもつ手が震える。
ワルィがなにか再び怒鳴ろうとしたとき、氷室はすでに携帯のスイッチを切っていた・・・。


[私はEDF隊をあるべき姿に戻したい。
しかし、私とワルィでEDF隊が2つに別れるような事はあってはならないのだ。
もし、みながワルィを選ぶというのなら私は静かに身を引こうと思う。
・・・だが、私を救出してくれたケタ達の誤解だけは解いてもらえないだろうか?]

少し言葉を切り・・・ローズは最後にこう言った。

[私はどうなろうと後悔しない。
EDF隊員達よ、君たちも後悔しないよう・・・君達自身が進むべき道を決めてくれ]

・・・

・・・

20分後・・・

「第4、7部隊が戦闘停止したと報告が入りました!
なお、他のEDF隊の基地からも続々と除隊願いがでています!!」
イスにもたれかかり、呆然としているワルィにオペレーターが叫ぶ。

放送終了後の数分ですでにかなりの数の部隊長から作戦放棄の連絡が入っている。
つまり・・ワルィのEDF隊には従わないという意思表示である。

「私は・・・地球を・・・」
ワルィはだれにでもなくそう呟いた・・・。


[No.11375] 2006/10/02(Mon) 23:34:15
softbank220060180225.bbtec.net
異変 (No.11375への返信 / 47階層) - ヘリ兵士

ワリィのトレーラーの入り口を、何者かがノックした
「ひ・・・」
思わず声をあげるワリィ
『我々は国連直下治安維持部隊である、ワリィ、メッチャ元帥、あなたに国連軍事裁判所から出頭命令が出ています、ここをあけなさい』
オペレーターの一人が無言でドアを開ける
数名の黒を主色としたカラーの戦闘服に身を包んだ兵士が現れ、ワリィを拘束した
ワリィはただ呆然と、事の成り行きに従っている
「・・・・トム、ランバニアか」
ワリィの言葉を無視し、兵士達はワリィを運んでいった
残されたトレーラーに数名の黒衣達が残る
「さて」
残った黒衣達の一部が突如オペレーター達を拘束し、その喉をナイフで切り裂く
別の黒衣が驚き銃を向けるが、あっという間にオペレーターを倒した黒衣達がその黒衣達を殲滅した
黒衣の一人がクスリを取り出し、飲み込んだあと、通信機に手をかけた
「ワリィだ、全兵員に告ぐ、アレは偽者だ!!騙されるな!少し考えればわかるだろ!ローズの名をかたり、貴君らを全滅に落としいれようとしているテロリストだ、かまう事は無い、砲撃し、殲滅せよ!」
その声は、紛れも無くワリィの声だった

倒された黒衣の一人が、最後の力を振り絞り、通信機を手に取る
「う・・・らg・・・ぎ・も・・・せんm・・・」
そう言って、黒衣は息絶える

トムが手配した国連兵士の中に、なんと裏切り者がいたのだ

・・・・そして、裏切り者は黒衣達だけではなかった

数両のギガンテス、ローズ登場からも待機していた何両かが、一斉にデパートに砲塔を向ける
「人類はもう、おしまいなんですよ、ローズ元帥、なら、潔く行こうじゃないですか」
そう言って、山崎は部下達に砲撃を命じた
ギガンテスがデパートに向け鉄鋼弾を発射する
鉄鋼弾だけではなく、ナパーム弾までもが発射された
『山崎戦闘隊長、私だ、トムだ、責任は私がとる、戦闘を中断s・・・』
山崎は通信機を切る
「無駄なんですよ、EDFなんて・・・」
戦車隊は砲撃を続ける
ナパームがデパートの中に炸裂し、炎を巻き上げ、鉄鋼弾がコンクリートに炸裂し、破壊していく


[No.11376] 2006/10/03(Tue) 17:26:03
i125-202-98-178.s02.a015.ap.plala.or.jp
異変 (No.11375への返信 / 47階層) - ヘリ兵士

ワリィのトレーラーの入り口を、何者かがノックした
「ひ・・・」
思わず声をあげるワリィ
『我々は国連直下治安維持部隊である、ワリィ、メッチャ元帥、あなたに国連軍事裁判所から出頭命令が出ています、ここをあけなさい』
オペレーターの一人が無言でドアを開ける
数名の黒を主色としたカラーの戦闘服に身を包んだ兵士が現れ、ワリィを拘束した
ワリィはただ呆然と、事の成り行きに従っている
「・・・・トム、ランバニアか」
ワリィの言葉を無視し、兵士達はワリィを運んでいった
残されたトレーラーに数名の黒衣達が残る
「さて」
残った黒衣達の一部が突如オペレーター達を拘束し、その喉をナイフで切り裂く
別の黒衣が驚き銃を向けるが、あっという間にオペレーターを倒した黒衣達がその黒衣達を殲滅した
黒衣の一人がクスリを取り出し、飲み込んだあと、通信機に手をかけた
「ワリィだ、全兵員に告ぐ、アレは偽者だ!!騙されるな!少し考えればわかるだろ!ローズの名をかたり、貴君らを全滅に落としいれようとしているテロリストだ、かまう事は無い、砲撃し、殲滅せよ!」
その声は、紛れも無くワリィの声だった

倒された黒衣の一人が、最後の力を振り絞り、通信機を手に取る
「う・・・らg・・・ぎ・も・・・せんm・・・」
そう言って、黒衣は息絶える

トムが手配した国連兵士の中に、なんと裏切り者がいたのだ

・・・・そして、裏切り者は黒衣達だけではなかった

数両のギガンテス、ローズ登場からも待機していた何両かが、一斉にデパートに砲塔を向ける
「人類はもう、おしまいなんですよ、ローズ元帥、なら、潔く行こうじゃないですか」
そう言って、山崎は部下達に砲撃を命じた
ギガンテスがデパートに向け鉄鋼弾を発射する
鉄鋼弾だけではなく、ナパーム弾までもが発射された
『山崎戦闘隊長、私だ、トムだ、責任は私がとる、戦闘を中断s・・・』
山崎は通信機を切る
「無駄なんですよ、EDFなんて・・・」
戦車隊は砲撃を続ける
ナパームがデパートの中に炸裂し、炎を巻き上げ、鉄鋼弾がコンクリートに炸裂し、破壊していく


[No.11377] 2006/10/03(Tue) 17:26:04
i125-202-98-178.s02.a015.ap.plala.or.jp
「砲撃」 (No.11377への返信 / 48階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


ローズの放送後、戦闘は急速に収まりつつあった。
EDF隊員の中にあったワルィへの不信感が大きかったのもあるが、
それ以上にローズが生存していたことを望む者が多かった。

そして、自分達が攻撃しているテロリスト達が、
ワルィによりテロリストに仕立て上げられていたローズ達とわかった今、
もはや戦闘を続行する気はなくなっていた。


・・・しかし・・・


「ワリィだ、全兵員に告ぐ、アレは偽者だ!!騙されるな!少し考えればわかるだろ!ローズの名をかたり、貴君らを全滅に落としいれようとしているテロリストだ、かまう事は無い、砲撃し、殲滅せよ!」
突然聞こえてきた通信に、多くの隊員が呆れた顔をする。

今更なに苦しい事を言っているんだろうか、ワルィは・・・。

もはや完全にローズへと傾いたEDF隊員達の多くはその呼びかけには応じずに、
その場でローズ元帥が現れるのを待っていた。


・・・しかし。

突然凄まじい砲撃で倒壊デパートが撃ち砕かれた!
何両かのギガンテスがデパートに向け、砲撃を開始している!
・・・まさか、あんなワルィの苦しい言葉を信じる奴がいるとは思えない・・!
一体なぜ・・・再び攻撃を!?


「ぐあっ!!」
デパートの屋上付近で狙撃体勢をとっていたK.Mと御剣が砲撃の衝撃でひっくり返った!
直後、床が崩れ一階下の階に落下する。

「な、なんだ!?」
「わからん、戦闘は停止したように思えたんだが・・・」
さすがのK.Mも困惑の表情を浮かべる。
だが、次の瞬間再び砲撃がデパートを直撃し、数メートル横の壁が粉々に砕けた!
とっさに身を伏せたK.Mと御剣の上に瓦礫が降ってくる。

もともと倒壊しかかっていたデパートだ。
こんな砲撃を受けては完全に倒壊するのも時間の問題である。
K.Mと御剣は砕けた地面を滑るようにしてローズの下へと急いだ。


[No.11378] 2006/10/04(Wed) 00:10:49
softbank220060180225.bbtec.net
ある意味伝説の男 (No.11261への返信 / 3階層) - フェアリー

橋口博士は陸戦兵(名は梶谷という)と出会ってから少々変わった。「使う人の気持ちも考えないと
良い物は出来ませんよ。」と散々言われたせいだ。相変わらず問題は多いものの使用者が危険だと明
らかに分かるものは造らなくなっていた。あのソラス火炎砲も例外ではなく。
1号:熱すぎて冬でも使用できない。
2号:反動強すぎて、狙いが定めにくい。
3号:重すぎ。
と、試行錯誤し4号で完成したものだ。そのほかの兵器の開発もあって、梶谷は休みを返上して働いた。
幹部への使用許可の申請や、改善点の指摘。そのほかアンケートを取って集計したりなど。
それを楽しんでいる用でもあったが。

最初は橋口に協力していた梶谷まで後ろ指を指されていて。奴もテロを起こす気ではないかという根も葉もない黒い噂まで立てられた、だが梶谷は「好きに吠えていればいい。俺は橋口を信用したんだ。」と言いい他の隊員の言葉は無視して武器の開発の手伝いをしていた。そうして梶谷の的確なアドバイスや要求の出し方のおかげで有能な武器が多く作られた。それにより命を助けられた隊員も多くいる。口コミのうわさが広まってきて最近では橋口の発明もようやく認められつつある。梶谷が改善点を指摘しなければどうなってたことやら。認められたのは梶谷のおかげといえるだろう。

 そんなある日梶谷がゴキブリホイホイを持ってきて、こんな風に敵を集められないかと提案する。橋口はというと「分かった研究してみよう」と言って蔵書室から昆虫図鑑を持ってきて梶谷を研究室から追い出してしまった。

数日後梶谷が戦地へ赴いた時に。普通のワゴン車がやってきて中から橋口が出てきて一同は驚いた。
「何やってんですか、危険ですよ。」と梶谷。「なに、訓練所では出来ない兵器の実験だ。」と橋口。
「一体・・・どんな兵器?」みんなの心がひとつになっていた。隊員たちの頭によぎるのは不安であった。そんな不安をよそに「それは見せたほうが早い。風向きは追い風だな?」
と、橋口。「確かにそうですけど。何するつもりですか。」梶谷が問いかけると、もう霞んではいるが
視認できる蜘蛛の下にグレネードを打ち出した。「男の本能を利用するのさ。武器の名はフェロモン
グレネード、フェロモンで引き寄せ無味無臭の毒で葬る兵器だそう言われ見てみると集まった蜘蛛たちが
ばたばた倒れている。「こいつは・・・使用禁止になった毒ガスの兵器・・」と梶谷は言いかけたが、
言わないことにした。橋口は「成功成功。帰ったら感想を聞かせてくれ。」。」「使用許可は取ったんですか?」橋口はそう言われると音がしそうなほどギクッとした。「・・・うまくごまかしてくれ、そのことは」といって急いで帰っていった。その前に軍法会議が始まるのではないか?そのなった時は俺たちが全力でかばう必要があるだろう。世話の焼ける・・・
 
そんなことを梶谷は考えていたがほかの隊員は蜘蛛の死体を見て、その威力に息を呑んでいた。蜘蛛も数を減らし戦いが楽になったこともみんなは心の中で喜んでいた。

その戦闘は勝利。蜘蛛が最初に大量死されたのは大きく、死者は0、負傷者はいつもの半分であった。
基地に戻った梶谷は早速武器の申請をした。

武器名:フェロモングレネード
種類:特種兵器
威力:極強
弾数:1
リロード時間:10
フェロモン効果範囲:100m
毒ガス効果範囲:20m

男の本能を利用する兵器。オスである凶虫バウ用、羽蟻用がある。ひきつける効果がないだけで、
毒自体は全ての巨大生物に効く。風向きに注意し地底では使用できない。
しかし、作れる量が、羽蟻用:女王蟻×7 凶虫バウ用:バウ・ロード×9と小量なため量産は出来ない。

この内容で申請したら幹部から使用許可を得ることに成功した。梶谷たちの隊の隊員がその威力を猛烈にアピールしたおかげである。その後この武器はインセクトヒル破壊の必需品となった。そしてあの時の橋口行為は「蜘蛛を色気で惑わすだけ惑わして帰った男」として伝説となった。


しかしながら橋口は勝手に武器を実践投入したため三日間の謹慎を喰らってしまった。本当は十倍の一ヶ月の予定であったが話のわかる幹部と俺たち隊員がかばったこと、その二つのおかげで軽い処分で済んだのだ。
橋口は三日ぐらいどうと言うことも無い様子で謹慎中は何故かペイルウイングのカタログを読み漁っていた。今度は何を作る気か・・・

謹慎の解けた三日後にはまた研究を始めていた。


バルムンクさん、陸戦兵の名前勝手に決めてしまいました。不快にならないようがんばりますので。
宜しくお願いします。あと梶谷のプロフィールも書いておきました。


梶谷雄一
出身:日本 埼玉県
誕生日:2月4日
身長:179cm
体重:73kg
血液型;AB型

驚くほど標準的な体力・射撃技術で実は兵器の試運転には最適の人材。博士の熱意に打たれ戦闘の合間を縫って助手?をやる生活は最初は辛かったが今では結構楽しんでいる。この人の意見は一般隊員全般の意見と思ってほぼ間違いない。


[No.11381] 2006/10/05(Thu) 15:51:46
gw080.ibk.ed.jp
「一時休戦」 (No.11378への返信 / 49階層) - jagaimo

『私はどうなろうと後悔しない。
EDF隊員達よ、君たちも後悔しないよう・・・君達自身が進むべき道を決めてくれ』
キリヒトの無線にもローズの声が響いていた。

キリヒトはふっ、と笑うと階段下にいる―――ついさっきまで撃ちあいをしていた部隊に呼びかけた。

「だ、そうだ。まだやるか?と、いっても俺はやる気はないんだがな」
しばしの沈黙が流れる。

突然、死んだはずのローズの声が無線機から聞こえたのだ。
相手は躊躇しているのだろう。

ほどなくして、返答があった。

「・・・ふん。いいだろう。一時休戦ってやつだ。もうEDFで銃撃戦をやらかしたアンタを撃つ気はねぇ。消えちまいな」

答えに思わず笑みがこぼれた。
ここまで上手くいくなんてな・・・、ローズは信用されているという事か。

キリヒトは消えちまいな、と言われたのを無視し、階段を降りて手すりから身を乗り出して顔を出した。
「どうも。ワルィは一体どんな顔をしているか楽しみだ」

部隊長はキリヒトの冗談には付き合わず、後ろの部下の顔を見回した。
まっすぐに隊長を見る隊員達が、次々に頷く。
隊長は目を伏せそして、一拍おいて、無線機に向かっていった。

「・・・こちら第13部隊。我々はローズ殿に従う。
よってテロリスト鎮圧の任務を放棄、もうワルィ元帥の命に従うつもりは―――、一切ねぇ」

ひゅーっ、とキリヒトの口笛。
キリヒトは階段から見下ろした状態でニヤニヤと笑っていた。
「キマりましたね」

キリヒトが階段を下りていく。

と、またもや無線機から声がした。

「ワリィだ、全兵員に告ぐ、アレは偽者だ!!騙されるな!少し考えればわかるだろ!
ローズの名をかたり、貴君らを全滅に落としいれようとしているテロリストだ、かまう事は無い、砲撃し、殲滅せよ!」

誰からかため息が漏れる。
部隊の隊長は完全に呆れ帰って、苦し紛れにキリヒトを見た。

「こんな馬鹿に俺達は従っていたとはな・・・今思えば自分が情けないぜ」

「命令に従った方が軍人としては立派では?」

「ふん・・・。そう言うアンタは反逆者だろう」

「元、ですね」
言いながらキリヒトは、ド下手なEDFの敬礼をしてよこした。

「隊長・・・・・・」
部隊の隊員が不安げに隊長に話しかける。
その眼差しを受けた隊長は悲しげな目を伏せた。

「ワルィなどに従っていた俺達が悪いんだ。たぶんな。
それが正しいとは知らんが、いまコイツを撃ち殺してもなにも生まれん。ましてやローズ殿に手を出すなんぞ、論外だ」

まかせろ、と隊長は呟くと、再度キリヒトに言った。

「俺達はローズ殿に従う。はやくこのネズミの巣みてぇなビルから出たいんだ」

「どうぞ、ご自由に。案内しましょうか?男のエスコートなんでゾッとしないですが」

「ふん。アンタの冗談はもう飽きた。さっさと案内しやが―――」

―――ズドォォォン!!

隊長が眉を吊り上げて言った瞬間、ビルに振動が走り、轟音が響き渡った。

「どういうことだ!?おい!」
天井から降り注ぐ粉塵に顔しかめ、隊長は怒鳴った。

「知りませんよ。台本にはなかったんですけど、だれのアドリヴでしょう。イタズラかな?」

「部下を殺したらイタズラじゃ済まねぇんだ!こっちは!」
怒鳴りながら隊長は、「ビルを出るぞ!」と部下達に言った。

「一番近い逃げ道はこの階段を最後まで降りた非常用通路です。
出たらなるべくビルから離れるのが妥当ですね」

キリヒトは顔色も変えずに言うと、中への通路に走り出した。

「おい!どこにいくんだ、死にてぇのか!」
隊長が慌てて呼び止める。

「俺は死んでも構わないんですがね。
死なせたくないんですよ。・・・それでは」
隊長の呼びかけにキリヒトは応じず、そう言って走り去っていった。
「どいつもこいつも・・・呆れた野郎だ」

苦笑を浮かべつつ呟き、隊長は部下を先導して階段を下りていった。


[No.11391] 2006/10/08(Sun) 00:01:27
fw1.tcn-catv.ne.jp
絶望だけを見つめる者、希望をただひたすら信じ進む者 (No.11391への返信 / 50階層) - ヘリ兵士

ナパーム、そして砲弾が次々炸裂し、デパートは徐々に倒壊を始めていく
もうナパームの直撃でデパートの周囲は紅蓮の炎に包まれ、中の連中が全滅するのは時間の問題である
その光景を山崎は大きな事を成し遂げた男の目で見ていた
「これで、私は許される、愚かな人類が神に逆らおうとした事に加担した罪を」

山崎武明、彼は元々真面目なEDF隊員だった
かつてEDF本部防衛戦、俗に言う烈火の戦いでも最後まであきらめずに本部を守り、生き残ったほどの男である

しかしそんな彼も、空にあの「皇帝都市」が現れた時、人類の終わりを信じさせられた
皇帝都市の圧倒的戦闘能力、そして、次々やられるEDFを見て、山崎は思ったのだ

「アレは神なのだ」


そして、山崎はEDFを潰し、神の行いを手伝うため、ワリィにつき、そして、今にいたる


「これが、運命なのだ、我々人類の」
突如、砲撃しようとしていた戦車の一台が横合いからのゴリアスの一撃を受け、装甲を打ち抜かれ、中のナパームに引火した戦車が爆発した
すぐさま歩兵達が集まってきて、戦車に向け攻撃を放った相手がいると思われる方向に銃口を向ける
すると戦車に向かって攻撃を放った者は隠れていたトラックのスクラップから姿を現し、兵士達に向かって手を振って見せた
真っ黒いボディスーツ着て、黒いヘルメットとマスクで顔を隠し、手にライサンダーZを、背にアサルトライフルを背負っていて、体系的な特徴は無いが、ボディのラインで男だとわかる

「さーてさてさて、いっちょお馬鹿ワリィよりたちのわりい腰抜け野朗共の駆除を始めちゃおうかな」

テロリスト達は男に向け一斉に手にした火器を放つが、男は人間では考えられないほど高く飛び上がって、それをかわし、背からアサルトライフルを出して落下しながら2名を射殺した
着地した所を撃とうとしていた兵士達に横から別の弾丸が浴びせられ、兵士達を屍に変える
「悪く思わないでほしい、ジャン」
瓦礫の下に身を潜めていた男の仲間はそう言って、再び射撃を行い、走りながら兵士達を撃ち殺していく男を倒そうと銃を撃つ兵士を一人、また一人と倒していった
「まあ、愛しのシリアさんをこんなとこで失うわけにゃいかないんでね」
冗談めかして言いながら、ヴァンパイア兵は次々とテロリスト兵を殲滅して行く


[No.11392] 2006/10/08(Sun) 01:31:03
i210-161-189-247.s02.a015.ap.plala.or.jp
「ローズという存在」 (No.11392への返信 / 51階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


再び始まった爆音と振動でデパート内はパニックに陥っていた。
無理もないだろう、ローズ達はともかくテレビスタッフ達は民間人である。
いくらかの覚悟はしていただろうが、直面した死の恐怖は想像を越えていた。

「メイ、しばらく頼む」
「・・わかりました」
ローズは冷静にそう言うと立ち上がり、部屋からでていった。
こんな時、護衛対象から離れるのは危険だが、
この状況ではどこにいても同じである。
メイはローズを信じ、指示されたことを遂行した。

その時・・・

ガタガタともの凄い勢いで何人者隊員が部屋に飛び込んできた!
「ちぃっ!」
メイとシズカがとっさにサブマシンガンを隊員達に向ける!

「わぁ!待て待て!!(゚∀゚;)」
隊員達の中でケタが大慌てで手を振ってメイを止めた。

「貴様!突入してきた敵をローズ様のもとへ連れてきたのか!?」
メイが怒りをあらわにしてケタに怒鳴る。
「だって仕方ないだろう!外は砲撃、中はあぶねぇから、
とりあえず地下に避難するしかなかったんだ(・皿・;)」
ケタの言葉にメイは銃口を下ろしため息をついた。

つまり同士討ちの攻撃で危険にさらされた敵を避難させてきたわけだ。
甘いというかなんというか・・・。

「なんだ?ずいぶんと賑やかだな・・・」
部屋に入ってきたキリヒト・・・そしてその後ろには何人ものEDF隊員。
どうやらケタと大して変わらない状況らしい。
メイは再びため息をついた。

ただでさえテレビの機材などで狭苦しい部屋にこんな大人数が入るわけがない。
地下は通路にいたるまで大勢のEDF隊員で溢れてしまっていた。
そんな中にローズが鎮静剤らしい薬品を抱えて戻ってきた。

「ローズ様!・・・それを取りにいってたのですか?」
「うむ。それにしても随分と人が増えたな」
ローズの登場に地下の雰囲気がいっぺんした。
声で生存を知ったEDF隊の英雄・・・彼女が目の前にいるのだ。
EDF隊員が歓声を上げ、デパートが震えた。

窮地には変わりはない・・・。
しかし、このデパート基地の中は希望に満ち溢れていたのだ。


・・・


「・・・ぅ」
「おい。どうした??」
不意にK.Mが頭を軽く抑え壁にもたれかかり、
階段を下りていた御剣が振り返り尋ねた。
どこか負傷したのかとも思ったが、K.Mはすぐに再び階段を降り始める。

「そういやなんでお前はEDF隊に入隊しないんだ?」
「・・・入隊したら色々あるのが嫌いなんだ」
御剣の質問にK.Mは不敵な顔でそう答えた・・・。


[No.11393] 2006/10/08(Sun) 03:41:59
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「迎え」 (No.11393への返信 / 52階層) - jagaimo

「どこだ!アリアス!」
キリヒトはデパートの通路を必死で走っていた。
実は、キリヒトはアリアスとシーナの無線をこっそり聞いていた。

それはただ、状況を確かめようと傍受しただけなのだが、聞いている最中にアリアスの無線が途絶えたのだ。
おそらく敵、いまになっては味方だが、銃撃を受けたのだろう。

そしていまだにアリアスとの通信は不能だ。

無線が途絶えたのは、確か3階の旧在庫置き場前の通路だった。

やはり通路は暗く、視界も悪い。
この建物もあと5分か10が限度だろう。
キリヒトは焦りながらも、巧みに感情を押さえ、アリアスを探した。

「まったく世話のかかる・・・」
言いかけたところで、床に黒いものが落ちている事に気付いた。
これは・・・たしかアリアスが持っていた布である。

目の前は業務員の休憩室だ。
キリヒトは躊躇する事なくそのカギのかかっているドアを蹴り飛ばした。

意外と重い扉だな、と思いつつ、力を込め、ドアをあけると「うっ!」と声がした。
嫌な予感がした。

恐る恐る部屋を覗くと案の定、ドアと一緒に蹴り飛ばされたアリアスが横たわっていた。

「・・・ここで昼寝とは、おまえさんも肝が据わっているな」
キリヒトはしかたなく冗談でごまかした。

「キ・・・リヒト・・・さん?」
アリアスが苦しげな顔でよろよろと身を起こす。
かなり顔色が悪い。悪く見える。

「大丈夫か?さっさと地下室まで行くぞ」

「は、はい・・・」
アリアスはまだ意識が朦朧としているらしく、膝の力が抜けてしまっていた。
キリヒトが肩を貸し、引きずりながら歩くと、アリアスは「すいません・・・」と悔しげな声をあげた。


・・・

・・・

「えらいドンパチやっているな・・・。ついにインベーダーに転向したか?」
あと何回かの砲撃で倒壊しそうな天井をみやり、キリヒトは苦笑いを浮かべた。
この階段を下りれば地下室である。すでにローズらはここに避難しているだろう。

と、後ろから足音がした。
振り返ると、何人かの人間がこちらを見ていた。

「・・・あら?あなたは」
キリヒトは目を丸くした。
そこにいたのは先ほど別れた部隊だった。

「おぅ、またあったな」
隊長は歴戦の戦士らしい笑みを浮かべる。

「どうしました?」

「外に出る通路はぶっとんでたんでな。どうやら一部の連中は本気でアンタたちをビルごと埋める気らしい」
隊長が真顔でそういうと、ふっとキリヒトは笑った。

「ははは、変わった思考の人間がEDFにいるみたいで」

「さっさと降りるぞ。おい、手伝ってやれ」
隊長は肩に担がれているアリアスと見ると、部下達に命じた。
すぐに2人の部下がキリヒトからアリアスを受け取り、階段を下りていく。

「ローズ殿にも話がしたかったんでな。いるんだろぅ?」

「ええ、話をするなら今のうち、ですよ。
なんせここから生き残った次の日からはローズ殿には多忙の日々が待っているでしょうから」

キリヒトは冗談めかしてそう言った。


[No.11394] 2006/10/08(Sun) 15:42:08
fw1.tcn-catv.ne.jp
「残された時間」 (No.11394への返信 / 53階層) - ケタ

神奈川 倒壊デパート基地


激しい振動がデパート内を震わせ、天井からパラパラとコンクリートが降ってくる。
このまま行けばここにいる連中はすべて生き埋めにされるだろう。

ローズを囲んで騒いでいるEDF隊員から少し離れ、K.Mは考えていた。

このタイミングでEDF隊の一部が再び攻撃してくるのは不可解だ。
ありえるとしたら、ワルィの責任にしてローズを亡き者にしようとする者がいたか、
ワルィを狂信した隊員がいたか・・・である。

再び轟音がし、今度は天井の一部が大きく崩れた。
さすがにEDF隊員達が驚いたが、指揮は下がった様子はない。
死の恐怖すら乗り越えて、ローズ復活に酔っているのだろう。

「・・・っ」
K.Mが不意に咳き込み、口を抑えた。

ここで死ぬわけには行かない。
残された時間は短いが・・・だからこそ悔いは残したくない。

K.Mは血で濡れた手の平を見つめ、目をつむった・・・。





ちくしょう・・・また最近残業が多いぜ(−−;


[No.11398] 2006/10/10(Tue) 23:58:03
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