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No.209へ返信

all 特撮ヒーロースレ設定再録 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 19:26:04 [No.192]
[削除] - - 2012/06/30(Sat) 23:06:23 [No.498]
舞台 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 19:28:14 [No.194]
護星天使(暫定) - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:29:32 [No.195]
ライオン丸G - アズミ - 2011/05/01(Sun) 19:30:40 [No.196]
仮面ライダーカブト - ありくい - 2011/05/01(Sun) 19:31:19 [No.197]
やっぱりウルトラマン。 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 19:34:54 [No.198]
ウルトラマン追記 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 19:36:00 [No.199]
オーーズ!! - 新野 - 2011/05/01(Sun) 19:37:56 [No.200]
仮面ライダーマンティスX1 - ライン - 2011/05/01(Sun) 19:40:10 [No.201]
9人目のバッタ男 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:40:57 [No.202]
メーデーメーデー! - 新野 - 2011/05/01(Sun) 19:44:46 [No.203]
X1の設定 - ライン - 2011/05/01(Sun) 19:48:47 [No.204]
ハッピーバースディ!!! - 新野 - 2011/05/01(Sun) 19:50:44 [No.205]
怪獣使いの少女 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:52:32 [No.206]
怪獣使いの少女と少年(1) - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:55:06 [No.207]
怪獣使いの少女と少年(2) - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:55:46 [No.208]
怪獣使いの少女と少年(3) - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:56:29 [No.209]
選ばれざる者の首魁 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:57:46 [No.210]
結合点の少女 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 19:58:23 [No.211]
仮面ライダーディレイド - アズミ - 2011/05/01(Sun) 20:01:03 [No.212]
仮面ライダートリケル - アズミ - 2012/06/30(Sat) 23:07:14 [No.499]
ドラゴンフォーム - アズミ - 2012/07/01(Sun) 13:26:55 [No.500]
仮面ライダー磁姫 - アズミ - 2012/07/20(Fri) 21:29:42 [No.501]
イマジンとフォームチェンジ - アズミ - 2012/07/22(Sun) 22:48:24 [No.502]


怪獣使いの少女と少年(3) (No.208 への返信) - 咲凪


 結果として、地球人は貴沙羅の期待を裏切った。

 貴沙羅が街を襲ったドラコを撃退した事など関係ない、彼女の言い分さえ聞き入られる事が無い。
 街の住人は手に武器を持って彼女を追い回した、怪獣を操る宇宙人は、地球人にとってそれだけ鮮烈な恐怖として認識されていたのだ。

 昨日まで普通に会話をしていた地球人が、包丁や鎌を持って彼女に迫り――警察官まで、彼女に銃を向けた。

 何がいけなかったのだろう、と貴沙羅は思う。
 本当に、ただ助けたかっただけなのに、何がダメだったのだろうと問いかけるも、それに答える者さえ居ない。
 もうダメだと思った、殺されてしまうと思い、怪獣と対峙する以上の激しい恐怖が貴沙羅を襲った。

「僕だ!、あの怪獣を呼んだのは僕だ!」

 そこに、『彼』が来た。
 『彼』だけが貴沙羅を助けに来た、その言葉には何一つの説得力も無かったのだが、恐怖と狂気に支配された人々は――――。

 『彼』を、殺してしまった。

 銃で撃たれたのだ、『彼』自身が驚いたような顔で、自分の胸に空いた穴とそこから溢れる血を見ていた。
 スローモーションのように流れる時間の中で、貴沙羅は絶叫した。

 もう、良い。

 もう、判った。

 もう、どうでも、良い。

 貴沙羅は手にしたバトルナイザーを握り締めた。
 バニラを呼ぼう、そして地球人達に自らの行ないを後悔させるのだ、後はもう知らない、もう、どうでも良い、そう貴沙羅が自棄になった時――。

「……ガヴァ……ドン」

 『彼』の最期の願いが届いた。
 それは賭けにもならない、『彼』が軌跡を願って壁に描いた落書きが起こした奇跡だった。

「うわあぁぁっ、また怪獣だぁ!?」

 まるで“はんぺん”に手足の生えたような怪獣がそこに現れた。
 ガヴァドン――――『彼』が描いた落書きは、『彼』が話した夢のある話のように――――こうして、実体を伴って姿を現したのだ。

 ひどく手遅れの――奇跡だった。


[No.209] 2011/05/01(Sun) 19:56:29

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