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all 特撮ヒーロー本編スレ再録 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 21:06:56 [No.213]
Epic.1 護星天使、再臨 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 21:07:56 [No.214]
蠢く闇1 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 21:10:03 [No.216]
彷徨うもの達 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 21:11:07 [No.217]
蠢く闇2 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 21:12:33 [No.218]
蜘蛛と巨大化と初顔合わせ - 新野 - 2011/05/01(Sun) 21:13:58 [No.219]
蜘蛛と巨大化と初顔合わせ - 新野 - 2011/05/01(Sun) 21:14:35 [No.220]
蠢く闇3 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 21:15:53 [No.221]
彷徨うもの達2 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 21:16:53 [No.222]
未来を切り開く者0 - ライン - 2011/05/01(Sun) 21:17:49 [No.223]
蜘蛛と巨大化と初顔合わせ - 新野 - 2011/05/01(Sun) 21:23:54 [No.224]
未来を切り開く者1 - ライン - 2011/05/01(Sun) 21:24:37 [No.225]
未来を切り開く者2 - ライン - 2011/05/01(Sun) 21:25:33 [No.226]
崩壊世界1 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 21:37:12 [No.227]
崩壊世界2 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 21:38:41 [No.228]
光の巨人1 - アズミ - 2011/05/01(Sun) 21:39:28 [No.229]
蛹と闇と草食系 - 新野 - 2011/05/01(Sun) 21:40:14 [No.230]
蛹と闇と草食系 - 新野 - 2011/05/01(Sun) 21:40:47 [No.231]
蛹と闇と草食系 - 新野 - 2011/05/01(Sun) 21:41:16 [No.232]
彷徨うもの達3 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 21:54:11 [No.233]


光の巨人1 (No.228 への返信) - アズミ


「キャストオフ」

――Cast off!!

 炸裂したヒヒイロノカネ装甲が、アゲハの上に積み重なった瓦礫を諸共に弾き飛ばした。

――Change Butterfly!!

「……くそっ、えらい目にあったぜ」

 毒づきながら、プットオンからの再キャストオフによってライダーフォームに戻ったアゲハが瓦礫の中から立ち上がる。
 しかしその眼前では、そんな彼を絶句させる光景が広がっていた。

「ダ・ダ……」

 ゼブラ模様の怪人が、縮尺の狂ったような巨大さで病院の傍に立ちあがり、彼を見下ろしていた。
 その身長、目算にして50m超。人間が見れば巨大さを認識する前に目が回る、そんな大きさだ。

「さすがにこれは反則だろ……!?」

 呪詛を吐きながらも、バタフライブレードを引き抜く。
 パワーは比べてみる気さえ起きないが、動きはお世辞にも速そうではない。クロックアップで撹乱すればあるいは……。

 と、その時。

「ダァァァァッ!!」

 もう一つの巨大な影が、ダダの横面を殴り飛ばした。





 一方、病院から退避する、アニー隊員と空奈を乗せたGIASドライブからも、その2体の巨人の姿は目の当たりに出来た。

「あ、あれ……!
 あれ、何なんですか!?銀色の巨人が……白黒の悪い奴、蹴っ飛ばして!」

 病院に残された一行を心配し気が気でなかった空奈も、その余りに荒唐無稽な光景に度肝を抜かれている。
 対して、アニー隊員は、心中を渦巻いていた不安と心配を全て吹き飛ばされたように、笑顔を輝かせた。

「トゥモロー……!」

「え……?」

「ウルトラマントゥモローが来てくれたんだわ!」

 粉塵を巻き上げ、上天の陽光を浴びて輝く、銀色の巨人。

 光の、巨人。

「あれが、ウルトラマン……!」





「デェアアッ!!」

 トゥモローの雄たけびと共に放たれた、手刀の打ち下ろしから膝蹴り、続けて回し蹴り。
 相次いで炸裂する1億トンの打撃力が、病院に隣接するダダを大きく吹き飛ばした。

「ダ・ダ……!」

 ダダの身体能力は、過去に地球に来襲した侵略宇宙人の中でも、むしろ飛び抜けて低い。
 だが、牙も爪も持たない人類がこの地上に万物の霊長として君臨するように、彼には高い知能と人間に酷似した5本の指がある。

「ダ・ダ……!」

 掌から沸き出でるように……得意の縮小装置で欺瞞していたのだ……現れた銃を構え、トリガ−を引く。
 放たれた怪光線は狙い違わずトゥモローの腹部に命中し、その巨体が大爆発と共に病院の反対側まで吹き飛んだ。

「グアアッ!?」

 ダダの超科学を持ってすら、尋常ならざる破壊力である。否、しかしトゥモローはこの威力を光の国の訓練で目の当たりにしたことがあった。

『特製のペダニウムランチャーだよ。模造品だが威力は充分だろう?』

 嘲るように言い、次射を行うべく銃口をトゥモローに向ける。

「デァッ!!」

 立て続けに走る閃光を、辛うじて側転で回避する。
 しかし、病院の前に立ったところで、トゥモローの動きが止まった。

――かわせば、病院の人々や、戦っているハルトたちの命は無い。

『ははは、どうするウルトラマン!』

 一歩間違えば自らの命は無いというギリギリの判断であったものの、逡巡は一瞬だった。
 両腕を斜め一文字に構え、エネルギーを集中する。そして大きく腰を捻り、胸の前で十字に構えた。
 ウルトラ戦士伝統の必殺技――スぺシウム光線の構えである。

『プリズミウム光線!!』

 交差した腕から発射された3方向に伸びる光線の一つが、ペダニウムランチャーの弾体と衝突し、空中で爆ぜた。

『なんだとっ!?』

 残る2条の光線は中空で偏向し、誘導されたようにダダに向けて殺到する。
 プリズミウム光線。正式名称を偏向スぺシウム光線と呼ばれる彼の得意技である。

「ダ・ダァッ……!?」

 今度は、ダダのほうが規格外の爆発に吹き飛ばされる方だった。
 空中に投げだされた白黒縞の巨体に向けて、トゥモローが腰だめに両手を構えた。

「ダッ! デヤアアッ!!」

 ウルトラスラッシュ……かつては八つ裂き光輪とも呼ばれた、輝く戦輪が自由の利かないダダの身体を容赦なく両断した。

「ダ・ダァァァァァッ!!?」

 上半身と下半身が泣き別れしたダダの身体が、大地に落着する間もなく粉々に四散した。


[No.229] 2011/05/01(Sun) 21:39:28

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