特撮ヒーロー本編再録スレ2 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 21:55:25 [No.234] |
└ 選ばれざる者達 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 21:56:18 [No.235] |
└ 空間切り裂く剣閃と二人1 - ライン - 2011/05/01(Sun) 21:56:54 [No.236] |
└ 空間切り裂く剣閃と二人2 - ライン - 2011/05/01(Sun) 21:57:32 [No.237] |
└ Sの仮面/選ばれざる男 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 21:58:19 [No.238] |
└ 彷徨うもの達4 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 21:58:58 [No.239] |
└ 分裂T - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:08:44 [No.240] |
└ 分裂U - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:10:28 [No.241] |
└ 分裂V - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:11:30 [No.242] |
└ 分裂W - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:14:13 [No.243] |
└ Aの逡巡/天使の使命 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 22:14:57 [No.244] |
└ 震える大地 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 22:16:35 [No.245] |
「ご苦労だった、諸君」 秘密組織『選ばれざる者』のアジトは地上には存在しない。 日本近海に潜伏している大型潜水艦こそ彼等『選ばれざる者』の移動拠点『アグル』である。 そしてその中枢司令部にて、『結合点』の少女の誘拐に成功した3人組――――。 「……ボス、本当にあの娘が結合点なんだろうな」 ショッカーライダー型改造人間、七士・勇。 「仮に間違えてたらえらいこっちゃで……ウチらこれで人攫いやのに」 ルパーツ星人のレイオニクス、一条・貴沙羅こと、ザラ。 「…………」 そして、人造人間、シロー。 彼等の視線は彼等の統率者たる男に注がれていた。 この巨大潜水艦『アグル』の総指揮を取っている『選ばれざる者』の首魁、仲間に対しては明確に名乗った事もあるが、此処ではあえて『髑髏(どくろ)の仮面の男』っと呼ぶ――文字通り、髑髏の仮面を被った男に注目が集まると、髑髏の男はゆっくりと頷いた。 「あぁ、保障しよう――あの娘が結合点の1人、この無秩序な世界を維持する鍵の一つだ」 「そうか……ボス、あの娘は?」 「医務室で寝かせてある、なぁに心配は要らない、手荒なマネはしていない」 「誘拐を指示しておいて何言うてんの!」 『ボス』……つまり髑髏の仮面の男の言葉に貴沙羅が突っ込みを入れると、髑髏の仮面の男は「フッ、そうだな」と小さく笑って答えた。 「あの子、まだ起きてへんの?、……何処か悪いトコ打ったんちゃうの?」 心配そうに貴沙羅が言うと、その問いにも仮面のボスが答えた。 「勿論彼女の身体は診察済みだ、外傷は無い、彼女が眠り続けているのは彼女の意思だ」 「あの子の意思……?」 「あぁ、あの娘は何故かはわからないが自分自身を封じようとしている、だから目覚めようともしない」 「何故判る――――ボスお得意の『超能力』でも使ったのか?」 髑髏の仮面の男は凄い超能力の持ち主である、という噂は選ばれざる者の構成員の間で噂になっている。 真偽を確かめた事は無いが、このアクの強い集団を統率するからにはそれ位の事はやってのけるのかもしれないと勇は思ったが……。 「まさか、そんな事は出来んよ」 髑髏の仮面の男はやんわりとそれを否定した。 「これは彼女自身の言葉だ、最も……私自身がその言葉を聞いた訳では無いのだがね」 「えっ!?」 「彼女は目覚めたのか?」 意外な言葉に勇と貴沙羅は驚いた、シローは会話を見守るばかりで、自らその中に加わろうとはしない。 髑髏の仮面の男は懐から一枚の紙片を取り出すと彼等にその内容を見せる。 「少し目を離した隙にこのメモが置かれていた、驚くべき事に彼女は自らが置かれている状況と境遇を理解しているようだ」 髑髏の男が取り出したメモには恐らく結合点の少女が残したのであろう伝言が書かれていた、その内容は彼女が自分の境遇を理解している旨であり、そして大きく、強く一言――――。 『起こすな』 と、力強く書かれていた。 [No.238] 2011/05/01(Sun) 21:58:19 |