特撮ヒーロー本編再録スレ2 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 21:55:25 [No.234] |
└ 選ばれざる者達 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 21:56:18 [No.235] |
└ 空間切り裂く剣閃と二人1 - ライン - 2011/05/01(Sun) 21:56:54 [No.236] |
└ 空間切り裂く剣閃と二人2 - ライン - 2011/05/01(Sun) 21:57:32 [No.237] |
└ Sの仮面/選ばれざる男 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 21:58:19 [No.238] |
└ 彷徨うもの達4 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 21:58:58 [No.239] |
└ 分裂T - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:08:44 [No.240] |
└ 分裂U - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:10:28 [No.241] |
└ 分裂V - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:11:30 [No.242] |
└ 分裂W - アズミ - 2011/05/01(Sun) 22:14:13 [No.243] |
└ Aの逡巡/天使の使命 - 咲凪 - 2011/05/01(Sun) 22:14:57 [No.244] |
└ 震える大地 - ありくい - 2011/05/01(Sun) 22:16:35 [No.245] |
ミサキ等の配慮は知らずに、当のハルトはゼクトルーパーに紛れて刀伊達の所へと駆けつけていた。 先ほどの騒動は勿論目にしているが、倒れた彼を助けてくれたのもまたZECTの隊員なのだ。 だからこそ、刀伊達に話を聞きたいと思ったのだ。 ハルトはZECTという組織の内情を知らない、だからこそ刀伊達の言葉でそれを聞くべきだと思ったのだ。 「刀伊達さん!」 「君は……ハルト君か」 丁度ゼクトルーパーに肩を借りる形で助け起こされていた刀伊達はハルトに気付くと、気丈にも肩を貸していた隊員から離れ、自らの足で立つとハルトに近づいた。 「刀伊達さん、ZECTって正義の組織じゃないんですか?」 「…………」 ハルトは近づいてきた刀伊達に、遠慮の無い言葉をぶつけた。 少なくとも、ハルトの見た範囲でZECTは善であると思えた、先ほどの一件も、写楽の話を聞いていれば大体の事情は察する事が出来る――あとは、当のZECT隊員である彼等の言葉が聞きたかった。 ハルトは彼等に恩がある、彼等に敵対するという道は――できれば、とりたくは無い。 「……正しい事をしていると、俺は信じている」 「だったら――」 ちゃんとその事を説明して、と言いかけたハルトの目の前で、刀伊達がぐらりとふらついた。 慌てて言葉を区切り、ハルトは刀伊達を支えた。 「刀伊達さん!」 「……ハルト君、他のヒーローズと合流しろ」 「え……?」 ごく小さい囁きは至近距離に居るハルトにのみ伝える為に囁かれた言葉だった。 「俺は俺の正義を信じている、だが俺はZECTの人間だ。 ――――隊長として、こいつらを護る義務がある」 「…………」 「だがZECTという組織は一枚岩では無い、ハルト君、君は組織の中で戦う事には正直、向いてない……」 刀伊達という男が隊長をしているのはその実力だけではない。 彼は人の性格を汲み取り、正しく判断できる人間だった。 「まずは他のヒーローズと共に外からZECTを知るんだ、そして忘れないでくれ、ZECTの中には――」 ようするに、彼は“人を見る目”が備わっているのだ。 そして、その目を有用に使う為の判断力も持っている。 ゼクトルーパー達が彼に絶大な信頼を置いているのは、その点に起因していると言って良い。 「ZECTの中には俺が居る。 仮面ライダーマンティスが居る事を憶えていてくれ」 「刀、伊達さん……」 「忘れるんじゃないぞ、俺は――」 俺は、味方だ。 その言葉を告げると共に、刀伊達はやはり自分の足で立ち上がり、彼を心配して側に寄ってきたゼクトルーパー隊員を手で制した。 丁度ミサキとアニーの乗るGIASドライブが姿を現していた。 ハルトと刀伊達はそれを見ると、視線だけを交わして。 (行け!) (……はいっ!) 別たれた互いの道を、歩み始めた。 [No.244] 2011/05/01(Sun) 22:14:57 |