コテファテ再録1 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:10:32 [No.306] |
└ RedT - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:11:06 [No.307] |
└ RedT−2 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:11:44 [No.308] |
└ RedT−3 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:12:23 [No.309] |
└ RedT−4 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:13:03 [No.310] |
└ ―間奏― - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:13:42 [No.311] |
└ フランケンシュタインの怪物T - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:14:11 [No.312] |
└ フランケンシュタインの怪物U - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:18:30 [No.313] |
└ フランケンシュタインの怪物V - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:19:04 [No.314] |
└ 欠損英雄T - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:19:30 [No.315] |
└ RedU−1 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:20:01 [No.316] |
└ 欠損英雄U - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:20:35 [No.317] |
└ RedU−2 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:21:36 [No.318] |
└ 欠損英雄V - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:22:09 [No.319] |
└ 仮縫同盟T - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:22:43 [No.320] |
└ RedV−1 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:23:18 [No.321] |
└ 仮縫同盟U - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:24:23 [No.322] |
└ 仮縫同盟V - アズミ - 2011/05/23(Mon) 21:25:00 [No.323] |
└ 煉獄の生 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:25:46 [No.324] |
└ 平穏の狭間T−1 - 咲凪 - 2011/05/23(Mon) 21:26:43 [No.325] |
「ん……ぁ?」 決して上質なものではないベッドで眠っていったマリナは眼を覚ました。 ……何か、欠けた夢を観ていた気がする、とマリナは思う。 ベッドから起き上がると、マリナはゆるゆると部屋を出て、台所に向かう……確か、買い置きのパンがまだ残っていた筈だと思いながら。 「あー……」 マリナはゾンビのような奇声を上げた。 彼女は日常生活に弱い、自炊もしなければ、掃除もしない、むしろ掃除をしない為に余分なモノを部屋におかないように徹底している程だ、それでも部屋が散らかっている所から、“絶対に掃除はしたくない”という強い意志を感じる。 そして、日常に弱い彼女は朝にも弱い、今も起きているようで寝ているようなものだ、朝食を求めて台所に向かったのは本能に近い。 昨夜は夜更かしをしたから尚更に眠い……マリナの意識はいまだ眠気に支配されていると言って良い。 「ふあぁぁ……」 控えめに言ってもマリナは可愛らしい、美人だ。 それを台無しにする大欠伸をしながら、マリナはパンを探す、見つからない。 ……確かコンビ二で買ったパンがある筈なのに、いや、もしかしてまだコンビ二の袋に入れたままでリビングに放置してあるんじゃないか?、そういえばそんな気もする……マリナは記憶を辿るがどうしても眠い、昨日は結局着替える間も無く疲れて眠ってしまったから……あぁ、お風呂にも入ってないんだ、これから学校にも行かないといけないのに……ダメだ、眠い、一度シャワーでも浴びて眼を覚まそう……そう考えたマリナは、まるで夢遊病者のようにふらふらと浴室に向かった、着替えを取りに行くのは面倒臭い、バスタオルは洗濯したものが置いてある筈……たぶん、きっと……あったら良いな、と思いながら。 ● 浴室で温かいシャワーを浴びたマリナは完全に眼を覚ました。 そして思い出した、昨晩寝る前にランサー……いや、ランサー(?)がこう言っていた事を。 「サーヴァントに就寝は必要ない、霊体化はしているが、傍らに居るので、休んで回復に努めると良い」 ……あぁ、そうだった、昨晩はあの康一とかいういけ好かない男との同盟の件をランサー(?)と相談していて、ひとまず話しが纏まった所でランサー(?)からのその言葉を聞いて眠りに就いたのだった。 シャワーを浴びてから服を着直し、リビングで目的のパンを見つけて一息吐いてから、マリナはぽつりと呟くように。 「……えっと、無職?」 と呟いた。 「無職は止めてくれと言った筈だが……」 それでも律儀に、マリナの傍らに控えていた英霊は姿を現した。 マリナは治癒魔術が得意な魔術師だ、昨夜の沖田総司との戦いで英霊が負った傷は決して浅くは無かったが、マリナの治癒魔術と英霊自身の魔力により既に完全治癒している。 「じゃあランサー、……まさかとは思うけど……覗いたりしてないでしょうね?」 「……君が先程湯浴みをしていた事か?。心外だな、それくらいの常識は弁えているつもりだ」 気恥ずかしそうに尋ねるマリナに英霊は呆れたように返した。 マリナは安心したかのようにパンをトーストにしようと台所へ向かう前に、何気なく近くにあったリモコンでテレビを付けた。 地方局のローカルなニュースには興味が無かったので、彼女はすぐにチャンネルを変えようと思っていたのだが――。 『続いてのニュースです、湖庭市南区でガソリンスタンドの従業員が集団貧血で倒れるという事が起こりました』 「これ……」 マリナはニュースに注視した、湖庭市の都市部にあるガソリンスタンドで起こった事件、聖杯戦争が何らかの関わりを持っている事は間違いが無かった。 サーヴァントの手による事件である可能性もあったが、マリナの脳裏に浮かんだのはやはりあの『血管』だった。 「……マリナ」 「判ってる」 これから着替えて学校に行く予定だったのに、と頭の中で小さくぼやきながら、マリナは携帯電話を手に取った。 連絡手段が無いと話しにならないという事で交換した番号で相手を呼び出す――繋がった。 「あぁ、私よ、今ニュース見てる……?」 不服はある、が魔術師としてあの血管を見逃す事は出来ない。 渋々ではあるが、彼女は同盟を受ける事を決めていた。 [No.325] 2011/05/23(Mon) 21:26:43 |