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毎年のように観測史上最高気温を記録する日本の夏は、今年も絶好調らしかった。 「あぢ〜……」 うだるような暑さを少しでも軽減すべ雨戸を開け放つと、庭の池で人魚が仰向けに浮いていた。さながら夏の暑さに負けた金魚のように。ぷかぁっと。 俺はずり落ちた眼鏡を上げ、剥き出しのおへそを暫し見てから、絞り出すように問うた。 「……生きてる?」 「死んでる……」 古今東西、そう応えた死体なぞありはしない。 放って置くことに決めて網戸だけ締めると、相変わらず逆さに浮いたままの人魚に留守番を命じた。 「どこか、出掛けるの?」 「川西さんちの雪夢ちゃんが腹痛で病院行くってんで、送りに」 「腹痛?」 「アイス食べ過ぎて」 「……雪女が?」 「……雪女が」 暫し、沈黙。 蝉が遠くで鳴いている。この湖底市は人口30万のそこそこ大きな都市だが、妖怪特区である都合上、自然に多く恵まれている。……自然の中でしか生きられない妖怪は、存外に多い。 人魚はすいー、と泳いでこちらに寄ってきた。 「……車の中は冷房効いてる?」 「そりゃ、まぁね」 「……私も行く」 人魚は一念発起したかのように上体を水から揚げ、……そのままべしゃり、とその場に倒れた。 「……暑い。起こして」 「……ついてくる気なら観念して服着て足生やして車乗りな。自力で」 「……うぅー」 「唸ってもダメ」 冷たく言い放つと、俺は窓を閉めて日が燦々と照る夏の青空を見上げた。 ……今日も湖底市は日本晴れだった。 ------------------------------------------------------------ 「長さとか、形で命の尊さが変わるもんか!」 「独りぼっちは、寂しいもんな。 理由なんてそれで十分さ」 名前:安曇厚志 種族:人間 性別:男 年齢:27 職業:作家 内在妖力:B- 習得妖術: ・『不老不死』 常時発動。 正確には呪い。人魚の肉を食べたことによる。 致死ダメージからも再生し、老衰する年齢に至ると自動的に幼年まで年齢が巻き戻る。 ・『潮の鎖』 任意発動。 水を鞭のように操る多目的妖術。護身用にも耐える。 ・『川流れ』 任意発動。 一定時間水中呼吸を可能にする。 解説: 妖怪特区である湖底市の湖底ニュータウンに住む作家。 人当たりがよく近所づきあいは良好。だが故郷や家族について問われると表情に影を落とす。 人魚の雫と共に暮らしているが、特に結婚などをしているわけではない。 実は雫の肉を食って不老不死になっており、そのことで両親と不仲になっている。 愛車は日産のマーチだが、雫を運ぶために巨大な水槽を乗せた軽トラックも持っている。 「……私は、後悔なんかしない」 「後悔する資格なんか、ない」 名前:雫 種族:人魚 性別:女 年齢:外見15 職業:無し 内在妖力:A+ 習得妖術: ・『呪い歌』 任意発動。 船を沈没させる人魚の呪歌。 効果範囲内の人間を魅了し、支配下に置く。使用は違法。 ・『人間変身』 任意発動。 一定時間、人間に化ける。 雫のこれは精度が低く、足が生えるだけで両側頭部のヒレは隠蔽出来ない。 ・『癒し』 任意発動。 対象の外傷を癒す。自分の体液を接触させる必要がある。 解説: 安曇と共に暮らす人魚。 口数が少なく何を考えているか解りづらいが、他者に対する警戒心はやや強い。 如何なる経緯によってか、自ら望んで安曇に肉を譲り渡し、食べさせ不老不死にした。二人の関係は当人たちにしかわからないが、お互い大事には思っている、らしい。 [No.458] 2011/07/24(Sun) 00:46:56 |