こてふぁて/えくすとら - アズミ - 2014/01/16(Thu) 14:49:33 [No.579] |
└ 世界観(Fate/EXTRAより) - アズミ - 2014/01/16(Thu) 15:33:09 [No.580] |
└ キャスタールート予選1(マスター) - アズミ - 2014/01/16(Thu) 16:03:51 [No.581] |
└ キャスタールート予選2(サーヴァント) - アズミ - 2014/01/16(Thu) 17:41:09 [No.582] |
└ キャスタールート一回戦1(マスター) - アズミ - 2014/01/17(Fri) 17:19:24 [No.583] |
└ キャスタールート一回戦2(マイルーム) - アズミ - 2014/01/17(Fri) 18:08:34 [No.584] |
└ セイバールート一回戦3(サーヴァント) - アズミ - 2014/01/17(Fri) 23:07:26 [No.585] |
└ セイバールート一回戦終了 - アズミ - 2014/01/18(Sat) 00:44:05 [No.586] |
●STORY● ムーンセル内に構築された霊子虚構世界―― SERiAl PHantasm(シリアルファンタズム)、略称SE.RA.PH.(セラフ)。 聖杯戦争の予選はそのセラフに構築された月海原学園における、架空の学園生活であった。 高校生として仮初の友人たちと共に一時の平穏に浸るコウイチ。 しかし、予選の終了を待たずして聖杯戦争の洗礼は彼らに襲い掛かる。 放課後の中庭で、生徒たちに襲い掛かる謎の乱入者。 偽装プログラムで姿さえ判別がつかないそれは、思わず助けに入ったコウイチを圧倒する。 クラスメートを庇って凶刃に貫かれるコウイチ。 その今際の叫びに応じ、女は姿を現した。 最弱のサーヴァント、“キャスター”。 それが、彼の出会った“運命”の名だった。 ●EVENT● 作り物(アバター)の身体から、血飛沫は上がらない。 ただ全身を包む底無しの脱力感と、足を確と掴む冷気に、思わず膝をついた。 ――か、は。 情報(データ)の肺腑から、血は溢れ出ない。 ただ苦痛だけが気の抜けたような言葉として漏れて、その場に倒れ伏した。 床に縫い止める重力に、己の命の質量を感じる。その軽さに、思わず失笑した。 まるで空っぽの器。まるで白紙の日記。 売り渡された過去。愛されない現在。閉塞した未来。 こんな人間、存在しないのとどれだけの違いがあるというのか。 痛みが囁く。 ――もういいじゃないか。 苦しみが命じる。 ――目を閉じてしまえ。 絶望が諭す。 ――すぐに終わる。 空の器を叩き割るように。白紙の日記を破り捨てるように。 こんな命は、終えてしまっても―― ダメだ。 消えたくない。 何もないわけじゃない。 焼け付くような渇望がある。愛されなかった飢餓がある。 救われたいんだ。 救われるに値する自分になるために、今は、立ち上がらなければならないんだ。 空の器に染み付いた、煤のような不要物だったとしても、それが自分に叫んでいる。 苦痛を、痛みを、絶望を退けて。 ――立て。 拳を握る。 ――痛いままでいい。 指が食い込むほどに、強く。 ――だってこの手は。 そうだ、この手は。 まだ一度も、自分の意志で戦ってすらいないのだから――――! 「――……痛切なる渇望の声、彼岸にまで確かに響き渡りました」 包み込むような、優しい声が降りた。 顔を上げる。痛みは全身の疲労感と引き換えに、嘘のように消えていた。 眼前の襲撃者が、僅かに身を退く。 相変わらずデタラメのテクスチャに隠され表情は伺えないが……意図はわかる。 警戒しているのだ。 「此岸で足掻くその魂、菩薩でさえも見放すというならば……宜しい。 己が心の御仏に従い、私があなたを救いましょう」 目の前に突如現れた、この女に。 僧衣の上に大鎧を纏った、奇装の尼僧。 そして、衣装異常に尋常ならざる……“気配”とでも言うのか。そうとしか認識できない圧倒的密度、圧倒的情報量の存在規模。 間違いない。これが英霊。これが、サーヴァント……! 「問いは不要。故に、此方から名乗りましょう」 サーヴァントは手を差し伸べ、優しく微笑んだ。 「――――私が、あなたのサーヴァントです」 ●STATUS● 【CLASS】キャスター 【マスター】志摩康一 【真名】北条政子 【宝具】『尼将軍最期詞(あましょうぐんさいごのことば)』 【キーワード】『放光般若波羅蜜経』『夢買』 【ステータス】筋力D 耐久E 敏捷C 魔力A 幸運B 【スキル】陣地作成:C 占術:A カリスマ:B 【KEYWORD】 ・『尼将軍最期詞(あましょうぐんさいごのことば)』 1221年、皇権の回復を望む後鳥羽上皇と鎌倉幕府の対立から承久の乱が勃発した。 朝廷への畏れから御家人たちは大いに動揺したが、当時幕府の実権を握っていた北条政子は「最期の詞」として御家人たちに亡き鎌倉殿の恩と偉業を説き、これを収めた。 結果、最終的に19万もの大軍に膨れ上がった幕府方は京方に勝利。上皇は隠岐島へ流された。 キャスターの宝具はこの逸話を再現した固有結界である。 鎌倉を模した結界内に敵を取り込み、E-ランク相当の単独行動スキルを保有する無数の英霊たる鎌倉武士団を現界させる。 彼らはその特異な精神性ゆえに死をも恐れず、その気になれば総勢を以って壊れた幻想を敢行することも可能。 また「御恩と奉公」という独特の契約に縛られるため、展開時には全く魔力コストを消費しない代わりに結界が何らかの要因で無効化されても展開終了時に強制的にコストを支払わされる。 ・放光般若波羅蜜経 キャスターが使用する、霊を空に帰す概念武装。 般若経は一般に空を説く経典とされるが、多分に密教へ続く呪術的な側面を含む。 ・夢買 占術に含まれる魔術の一つ。 吉凶の兆しを何らかの形で取引することで結果の起きる地点を操作する、疑似的な未来測定。 キャスターは妹が見た吉夢を鏡で買い取り、後の栄華を手に入れた。 【SKILL】 ・陣地作成:C 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 小規模な”工房”の形成が可能。 ・占術:A 中国から伝わり、日本においても発展した東アジア圏独自の魔術体系。 夢の内容で吉凶を占い、怪異や災厄を祓う。 ・カリスマ:B 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。 カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。 【SETTINGS】 ・人物背景 伊豆国の豪族、北条時政の長女。鎌倉幕府初代将軍源頼朝の正室。 幕府の宗教体制の中心的存在であり、多くの寺院の創建に関わっている。 平氏の絶頂期に伊豆に流された頼朝の妻となり、三代将軍実朝で源氏将軍が断絶すると将軍代行として実権を握った。 1221年、皇権の回復を望む後鳥羽上皇と幕府の対立から承久の乱が起きると政子は朝敵となることに動揺した御家人たちに激を飛ばし、これを纏め上げて勝利した。 ・子殺しの悪女 息子である二代将軍頼家は旧臣との折り合いが悪く政子の命で出家、後暗殺。同じく三代将軍実朝はその実権を確立するため政子が出家させた頼家の子により暗殺。 形としては子や孫を殺し実権を奪ったとも見える彼女を悪女とする論は少なくない。 しかし、彼女は冷徹な政治家であると同時に、情の深い母親でもあった。政敵として息子や孫を排除しつつもその命を奪わず、あくまで仏門に入れることに留めた。 ただ、その全てが裏目に出た。運命は尼将軍を英霊の座に列したが、一人の母の幸福を永久に奪い去ったのだ。 政子は実朝の死をこう嘆き、述懐している。 「子供たちの中でただ一人残った大臣殿を失いこれでもう終わりだと思いました。尼一人が憂いの多いこの世に生きねばならないのか。淵瀬に身を投げようとさえ思い立ちました」。 ……それでも、彼女は生きて亡き夫が残した幕府を守り続けた。 嘉禄元年、死去。享年69。墓所は息子、実朝の胴墓の隣にある。 [No.582] 2014/01/16(Thu) 17:41:09 |