こてふぁて/えくすとら - アズミ - 2014/01/16(Thu) 14:49:33 [No.579] |
└ 世界観(Fate/EXTRAより) - アズミ - 2014/01/16(Thu) 15:33:09 [No.580] |
└ キャスタールート予選1(マスター) - アズミ - 2014/01/16(Thu) 16:03:51 [No.581] |
└ キャスタールート予選2(サーヴァント) - アズミ - 2014/01/16(Thu) 17:41:09 [No.582] |
└ キャスタールート一回戦1(マスター) - アズミ - 2014/01/17(Fri) 17:19:24 [No.583] |
└ キャスタールート一回戦2(マイルーム) - アズミ - 2014/01/17(Fri) 18:08:34 [No.584] |
└ セイバールート一回戦3(サーヴァント) - アズミ - 2014/01/17(Fri) 23:07:26 [No.585] |
└ セイバールート一回戦終了 - アズミ - 2014/01/18(Sat) 00:44:05 [No.586] |
●STORY● 猶予期間5日目。 予選で矛を交えた乱入者が、再び校内のマスターを襲撃。 なぜか遅れるムーンセルの介入と無差別に毒をばら撒く宝具によってマスターたちは窮地に陥る。 辛うじて神々の加護により毒を防いだセイバーが反撃を試みるものの、襲撃者の正体が掴めず劣勢を強いられた。 それを見ていたケイジに、ライダーはこのまま今しばらく静観すれば一回戦の相手であるセイバーを含め、多くのマスターが労せず脱落すると言う。 しかし、ケイジは令呪を以ってライダーに命じた。総力を持って襲撃者を退けよと。 襲撃者は撃退され、ムーンセルの温情によりケイジの令呪は一画戻るものの、ライダーの情報がアスタらに露見してしまう。 ――その危険性は認識していただろうに、なぜ。 訝るアスタに、ケイジは自身が元少年課であり、子供が死ぬのは見過ごせなかったと零す。 それがたとえ、見た目だけだとしても。子供が死ぬのは、見過ごせない。 行政の崩壊と治安の悪化により、日本は僅かな老人たちが若年層を搾取する「枯死しつつある国」になりつつある。その日本を、今一度子供が無事に暮らせる場所に戻すのが己の目的なのだと。 そして、決戦の日がやってくる。 ●EVENT● アリーナへ向かうエレベーターの中。 ただ一枚の、しかし強固な防壁に隔てられ、ライダーたちと対峙する。 「その様子だと、こっちの情報は全て割れてるらしいな」 ジョージ・アームストロング・カスター。 19世紀アメリカ、インディアン戦争で恐らくは随一の活躍をした義勇軍少将。 実績や戦闘経験、知名度などを総合すれば、歳若いアメリカという国にあっては最も強力な英霊の一人と言っていいだろう。 だが、ライダーは自身の真名が割れたというのに聊かも気にした様子はなかった。 むしろ、心底愉快げに笑ってみせる。 「……何が可笑しい、ライダー」 不機嫌そうに主が問うても、ライダーの笑みは収まらない。 「栄誉を讃えられて嬉しくないヤツがいるかい、マスター? 戦争は名をあげてこそ、名を知らしめてこそ、だ。 そのためなら、俺は殺すのも殺されるのも大歓迎なのさ」 その言葉に、セイバーは露骨に機嫌を損ねた様子だった。 「軍神(アレス)に魅入られた類か……戦争狂め」 「ハッ、おたくは違うってのかいセイバー。好き好んでこんなお祭り騒ぎに出向いてきておいて?」 「戦とは“目的に邁進する行為”だ。 そのための障害は誰あろうと、如何なる手段を使ってでも排する。それは良い だが、目的そのものを失い、戦うことそのものが目的化すれば――」 ――……それは最早ヒト足りえない。 その結びにケイジが眉をひそめたのを、ライダーは見逃さなかった。 「だとさ、マスター?」 「俺はお前とは違う」 「そうかい? 本当に?」 「俺には、目的がある」 「それを果たすために、本当に戦争以外の道はなかったって? 違うね。お前さんは選択したんだ、ケイジ。 たとえ目的が救済でも、与えることより奪うことを手段に選んだ。 俺の同類だよ。だから……」 がこん、と大きく揺れてエレベーターが停止する。 自動扉が開いて、アリーナへの入り口が悪魔の顎のようにこちらに向けて開かれた。 「辛気臭い顔してないで愉しめ、愉しめよ大将。 それさえ出来りゃ……ま、俺たちにも聖杯を掴む目ぐらいはあるさ」 ◆ 決闘にはお誂え向きの荒野に、2組のマスターとサーヴァントが降り立つ。 後は開始の合図を待つばかり。 だが――この期に及んで、胸に引っかかる何かがあった。 本当に戦うしかないのか、とまでは言うまい。 だが、本当にこうなるしか、二人の人間に選択肢はなかったのか――? 「……子供が、泣いてる。流される血がある。荒れていく国がある。 俺はそのためなら、誰とでも戦うし何でも犠牲にすると決めた」 いずれは彼らとて西欧財閥は救うだろう。その程度の懐はある組織だ。 それを早めるだって出来たはずだ。彼ほどの力を持つならば。 ライダーの言う通り、奪うよりも与えることで救うことは出来ないのか? だが、ケイジは長い沈黙の後に、首を振った。 「奪った者に頭を垂れて? 踏み躙った者の手を握って? ――……巫山戯るなよ、西欧財閥」 ケイジは、巌のような男だった。 すなわち堅く、強く――そして、もう曲げようがない。 過去が彫り込んだ溝を容易く埋められるなら、この世は最初からエデンの園だったに違いない。 「お前達が振り上げた、拳だろうに!」 ●STATUS● 【CLASS】ライダー 【マスター】高橋敬治 【真名】ジョージ・アームストロング・カスター 【宝具】『第七騎兵隊・蹂躙疾走』 【キーワード】『赤いマフラー』『コマンチ』 【ステータス】筋力D 耐久C 敏捷B 魔力E 幸運A+ 【スキル】対魔力:D 騎乗:B 軍略:B 【KEYWORD】 ・第七騎兵隊・蹂躙疾走(セブンスキャバルリィ・カスターダッシュ) ライダーが得意とした強行突撃。 一見して向こうみずに見えるが、事前の情報収集と熟慮を前提とした緻密な戦術である。 それが証拠に、彼は自身の豪運と合わせて南北戦争中一度として怪我を負わなかったという。 亡霊騎兵隊を召喚し、前方を蹂躙する対軍宝具。 召喚するのがあくまで自我のない亡霊であること、またその人数から精密な制御は出来ないが、破壊力は折り紙つきである。 ・赤いマフラー ライダーが落としていったマフラー。 軍装としては派手に過ぎる。 ・コマンチ カスター将軍の白い愛馬。 将軍が部下200余名の部下と共に玉砕したリトルビッグホーンの戦いからただ一頭生還した第七騎兵隊最後の生き残り。 その逸話から負った魔獣ランク並の神秘ゆえ、将軍と共に英霊の座に記録された。 【SKILL】 ・対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 ・騎乗:B 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。 近世の英霊としては異例の高ランクである。 ・軍略:B 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。 指揮官系のエクストラクラスでも通用する高さ。 【SETTINGS】 ・人物背景 19世紀アメリカ、南北戦争からインディアン戦争にかけて活躍した軍人。最終階級は中佐。 士官学校での成績は良好とはいえなかったが、在学中に南北戦争が勃発。 ブランディ・ステーションの戦いやゲティスバーグの戦いで大きな戦功を上げ、23歳の若さで義勇軍少将となる。 続くインディアン戦争でも同戦史上、米陸軍初の勝利といわれるウォシタ川の戦いなどで戦果を残す。 が、1876年夏のリトルビッグホーンの戦いで1800人以上のインディアンの大軍に僅か200余名の部下と共に突撃し、玉砕。戦死した。 ・『虐殺者』 彼は間違いなくアメリカ白人社会の英雄であるが、その評価は歴史によって乱高下する。 インディアン戦争で彼の名をあげたウォシタ川の戦いは、実際には和平的な(しかも白旗を掲げた)シャイアン族を一方的に虐殺したに過ぎなかった。インディアンにとって、彼は紛れもなく無慈悲な虐殺者であったのだ。 こうした認識は、1960年代後半のインディアン政治運動によって白人にも伝播し、彼らの自己批判の槍玉としてカスター将軍は過去の汚点の象徴として扱われるようになった。 現在以って、彼の評価は白人社会の在り様に合わせて一定することがない。 しかし、彼自身は決してインディアンを一方的に蔑んでいたわけではなかった。 インディアンを確固たる敵として認識はしていたが、彼にとってそれは異文化の衝突と人間の本質ゆえの結果でしかなかったのだ。 彼はいたって現実的な人間であり、同時に何処までも強欲だった。 己の名誉欲と出世欲に任せて殺しに明け暮れ、やがてその欲望に飲み込まれて自ら滅びを招いたその生涯に、しかし彼はそれなりに満足している。 彼の自伝にはこう記されている。 「我々白人は、長らく進んでインディアンを美しいロマンで包んでいた。しかし、一度それを剥ぎ取ってしまえば、彼らは「気高き赤い男たち」とは呼ばれなくなり、インディアンという人種は残虐そのものとみなされることとなる。けれども、同じような境遇に生まれ育てば、白人だって彼らと同じようになってしまうだろう。人間というものは沙漠の野獣同様に、残酷かつ獰猛になれるものなのだから。」 [No.585] 2014/01/17(Fri) 23:07:26 |