後釜の掲示板(仮）

サイバーパンクスレ本編再録 - 桐瀬 - 2011/04/30(Sat) 22:37:17 [No.79]

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ストレンジ・モーニング・デイ - 咲凪 - 2011/04/30(Sat) 22:37:53 [No.80]

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終焉の位階計画 - ジョニー - 2011/04/30(Sat) 22:38:27 [No.81]

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Return failed 1 - 深選 - 2011/04/30(Sat) 22:39:17 [No.82]

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マッド・アヘッド・ブラッド - 雉鳴・舞子 - 2011/04/30(Sat) 22:40:03 [No.83]

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Return failed 2 - 深選 - 2011/04/30(Sat) 22:40:38 [No.84]

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キス・デス・ケース - 雉鳴・舞子 - 2011/04/30(Sat) 22:41:08 [No.85]

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とある電脳の魔術少女の日誌 - イライザ・Ｆ・霧積 - 2011/04/30(Sat) 22:41:52 [No.86]

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フェイス・フェイス・フェイス - 雉鳴・舞子 - 2011/04/30(Sat) 22:42:24 [No.87]

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Return failed 3 - 深選 - 2011/04/30(Sat) 22:42:58 [No.88]

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長耳の懇願 - ロングイヤー - 2011/04/30(Sat) 22:43:51 [No.89]

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ドクター・ザ・ライアー - 雉鳴・舞子 - 2011/04/30(Sat) 22:44:37 [No.90]

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霧積さんちの魔術少女 - イライザ・Ｆ・霧積 - 2011/04/30(Sat) 22:45:17 [No.91]

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微睡みを壊すもの - 上山小雪 - 2011/04/30(Sat) 22:46:19 [No.92]

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セレクト・ルート・サイド - 雉鳴・舞子 - 2011/04/30(Sat) 22:46:47 [No.93]

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魔術少女の一存 - イライザ・Ｆ・霧積 - 2011/04/30(Sat) 22:48:14 [No.94]

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Return failed 4 - 深選 - 2011/04/30(Sat) 22:48:51 [No.95]

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長耳の危機 - ロングイヤー - 2011/04/30(Sat) 22:49:46 [No.96]

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その覚悟は - キュアスノー - 2011/04/30(Sat) 22:50:31 [No.97]

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パラサイト・ナノブレイカー - ドク - 2011/04/30(Sat) 22:51:42 [No.98]

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グッバイ・ロング・イヤー - 咲凪 - 2011/04/30(Sat) 22:52:16 [No.99]

グッバイ・ロング・イヤー (No.98 への返信) - 咲凪

「本当に良かったんだろうか」

　サンは２度、同じ事を言っていた。

「くどいぞ、サン」
「彼はもう、我々とは関係ない」

　二人の兄、イーとアルは既に割り切っている。
　“ロングイヤーを助けない”という判断を下したのもこの二人だ、そして、サンがこれから３度続ける台詞の一度目を言ったのもその時だったが……サンは結局、この二人の兄に逆らう事はしなかった。

「我々はＡｒ様のメッセンジャーだ」
「余計な仕事はしない」
「……余計な考えも持つなと言うのか？」

「「そうだ」」

　３人は既にアームズストリートを出ている、より確実なルートでＡｒに手にした情報を届ける為だ。
　そしてその仕事はイーが執り行う事になった。
　アルは老街を中心に“教団”の調査、サンはブシドー租界に居るという例の闇医者を調べる事が既に決定されていた。
　調査と行っても現地視察程度の事、下見の段階でその街に詳しい情報屋かマフィアを見つけ出し、後はそれを利用する……彼等の、いつもの手段だ。
　アルが老街に向かうのも、テロ組織の事ならば老街のマフィアの情報網を侮れないと思っているからだ。

「アル、サン」
「なんです、兄さん」
「なんです、兄さん」

　ブシドー租界に向かう路地に分かれる途中、イーが二人の弟に語りかけた。

「我等の仕事は地味だ、だがＡｒ様の統治する未来の為には、決して欠かせない仕事だと思っている」
「はい、私もです」
「私も同じです、兄さん」

　そこでイーはサンを見た、イーは長兄として純粋に、甘すぎる所のあるこの弟を心配していたのだ。

「サン、我等は我等の務めを果たす為、時としてＭｒ．ロングイヤーのような存在を使い捨てなければいけない」
「そんな、ですが兄さん……」
「サン、自分の拘りは捨てるんだ」

　アルは穏かにサンの肩に手を置く、生まれた日は同じでも、彼にとってはまだ末弟のサンは我侭な子供に思えるのだ。

「我々は自己を捨てて、ただＡｒ様の手足として働く」
「その先にこそ、人々の輝ける未来があるんだ」
「……Ａｒ様の……為に……」
「そうだ」
「そうだとも」

「「「我等は、ただ、Ａｒ様の為に」」」」

●

　誓いも新たにしたサンだったが、目下の所は自己の命を護る為にただ走るしかなかった。

「う、わ、あぁぁっ！？」

　彼とて、電魎……クリッターとも言う、それを見た事は初めてでは無い。
　だが、たまたま向かっていた先に、たまたまその被害が炸裂していたのだから堪らない。
　貧乏くじを引いてしまった事を噛み締めながら、サンはもはや情報収集どころでは無く、夜の闇をひたすら逃げ走る……。

[No.99] 2011/04/30(Sat) 22:52:16

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> 「本当に良かったんだろうか」
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> 　サンは２度、同じ事を言っていた。
> 
> 「くどいぞ、サン」
> 「彼はもう、我々とは関係ない」
> 
> 　二人の兄、イーとアルは既に割り切っている。
> 　“ロングイヤーを助けない”という判断を下したのもこの二人だ、そして、サンがこれから３度続ける台詞の一度目を言ったのもその時だったが……サンは結局、この二人の兄に逆らう事はしなかった。
> 
> 「我々はＡｒ様のメッセンジャーだ」
> 「余計な仕事はしない」
> 「……余計な考えも持つなと言うのか？」
> 
> 「「そうだ」」
> 
> 　３人は既にアームズストリートを出ている、より確実なルートでＡｒに手にした情報を届ける為だ。
> 　そしてその仕事はイーが執り行う事になった。
> 　アルは老街を中心に“教団”の調査、サンはブシドー租界に居るという例の闇医者を調べる事が既に決定されていた。
> 　調査と行っても現地視察程度の事、下見の段階でその街に詳しい情報屋かマフィアを見つけ出し、後はそれを利用する……彼等の、いつもの手段だ。
> 　アルが老街に向かうのも、テロ組織の事ならば老街のマフィアの情報網を侮れないと思っているからだ。
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> 「アル、サン」
> 「なんです、兄さん」
> 「なんです、兄さん」
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> 　ブシドー租界に向かう路地に分かれる途中、イーが二人の弟に語りかけた。
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> 「我等の仕事は地味だ、だがＡｒ様の統治する未来の為には、決して欠かせない仕事だと思っている」
> 「はい、私もです」
> 「私も同じです、兄さん」
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> 　そこでイーはサンを見た、イーは長兄として純粋に、甘すぎる所のあるこの弟を心配していたのだ。
> 
> 「サン、我等は我等の務めを果たす為、時としてＭｒ．ロングイヤーのような存在を使い捨てなければいけない」
> 「そんな、ですが兄さん……」
> 「サン、自分の拘りは捨てるんだ」
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> 　アルは穏かにサンの肩に手を置く、生まれた日は同じでも、彼にとってはまだ末弟のサンは我侭な子供に思えるのだ。
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> 「我々は自己を捨てて、ただＡｒ様の手足として働く」
> 「その先にこそ、人々の輝ける未来があるんだ」
> 「……Ａｒ様の……為に……」
> 「そうだ」
> 「そうだとも」
> 
> 「「「我等は、ただ、Ａｒ様の為に」」」」
> 
> ●
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> 　誓いも新たにしたサンだったが、目下の所は自己の命を護る為にただ走るしかなかった。
> 
> 「う、わ、あぁぁっ！？」
> 
> 　彼とて、電魎……クリッターとも言う、それを見た事は初めてでは無い。
> 　だが、たまたま向かっていた先に、たまたまその被害が炸裂していたのだから堪らない。
> 　貧乏くじを引いてしまった事を噛み締めながら、サンはもはや情報収集どころでは無く、夜の闇をひたすら逃げ走る……。

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