●人物
「OK、坊や……助けてやろう。 だがな、だからってこれでおじさんを信用しちゃダメだぜ? こっちにもこっちの事情があるってだけなんだから。 大人ってのはみんな、一皮剥けばド汚く出来てるもんなのさ」
「いいだろう――…… 騎士に決闘を挑むってのがどういうことか教えてやろうじゃないか」
-デュラン=ローランド 30歳、男性。 コスモ・クルス騎士団に存在する七人の最上位構成員、神殿騎士(テンプラー)の一人。 パラディーンガンダムのパイロット。 クルス・バビロニアの国防の一翼を担う重要人物の一人だが、いたって親しみやすくノリの軽い男。 汚い大人を自称する飄々とした性格で、実際一筋縄ではいかない性格をしているが持ち前の愛嬌とどこか憎めない性格のせいで恨みを買うことは少ない。 NT保護という至上命令のもと地球圏を飛び回っており、ディバイン・ティターンズによるコロニー接収中に偶然、ピナトを助ける。
「ちょ、ちょっと待て! 人の話を―― ……ええいクソ、聞けってんだろうがーッ!!」
「NTだから世界を変えられるなんて、思い上がりだ…… 俺たちはただの人間なんだ。ただの人間なんだよ、だから! NTだからって戦争の道具にされていいなんて理屈! 通ってた・ま・る・か・ぁーッ!!」
-ピナト=ラッカス 20歳。男性。 シャングリラでジャンク屋をしながら生活していたが、ディバイン・ティターンズによるコロニー接収に巻き込まれ、預かり物の量産型ガンダムF91で抗戦、なし崩しに逮捕されそうになったところをデュランに救われる。 NTの素養があるらしく、サイコミュ・テストに陽性が出たためそのままクルス・バビロニアに加わることに。 気弱ですぐにテンパるが、追い詰められるといきなりキレて何をしでかすかわからない、やや不安な性格をしている。
「にゃはははは! 決めたゾ、ピナト! サーラはオマエについていく!」
「殺されるより、殺す方がイイに決まってるだロ? どっちも痛いケド、殺すのは血は出ないもんナ……」
-サーラ 推定12歳。女性。 ディバイン・ティターンズが擁する強化人間。 もともとNT素養があり、正確には強化ニュータイプと呼ぶべき存在。曰く、「心で嘘をつける」。 クルス・バビロニア攻略の要として準備されていたが、シャングリラの騒動に乗じてデュランらと共に脱出、クルス・バビロニアに身を寄せる。 天真爛漫だが育った環境のせいか死生観が極めてドライ。 ピナトのことは「心がハリモグラみたいでかわいい」ので好きらしい。
「ローランド卿、無茶はしないでください! 今、ディバインティターンズを刺激するのは本国としても――…… って、切りやがったあのおっさん!?」
「もう、あったま来た! 全艦ウェポンズフリー! まとめてブッ潰すわよ!」
-リーナ=サリーナ 26歳、女性。 コスモ・クルス騎士団の修道騎士(モンク)。 ワイルド・ハントの艦長。コスモ・クルス騎士団には役割はあっても階級が存在しないため、公式の場でも単に艦長と呼ばれる。 若輩ながらデュランの推薦で就いた新任艦長であるが、ディバイン・ティターンズ蜂起後、有事にあってこそ輝く柔軟性がクルーに認められ現在は艦を掌握している。
「よろしく、よしなに」
「あなたがた騎士団がバビロニアの腕となってくれるからこそ、 わたくしは安心して宇宙を視ることが出来るのです。 不満なぞどうして口にできましょう」
-ファナ=ブッホ 16歳、女性。 クルス・バビロニアの指導者。コスモ・クルス教団においても有力幹部であり、もっぱら枢機卿と尊称される。 シェリンドン=ロナが引き取ったNTの一人であり、その素養は極めて高く感応能力は地球圏全域をカバーするとまで言われている。 が、一方でその代償か生来盲目で、下肢が不随。 サイド1に拠点を置きながらディバイン・ティターンズがクルス・バビロニアに手出し出来なかったのは、(当時のロンデニオンに戦略的価値が薄いという理由はもちろんあるが)彼女の究極の索敵能力ゆえといって間違いない。
●組織 -クルス・バビロニア サイド1ロンデニオンの自治組織。 あくまで自治組織名であり、コロニーの名称はロンデニオンのままである。 当初はロンデニオン(バビロニア建国戦争当時、コスモ・クルス教団の神殿建設地として候補にあがっていた)に設立された教団の定置拠点でしかなかったが、宇宙戦国時代に移行するとロンデニオンの連邦統治機構が機能不全を起こし(もともと人口が少なかったためである)、それを代行する形でコロニー全体の自治を行うようになった。 その構成員は全てNTであり(もちろん、ロンデニオンの市民全てではない)、NTによる戦争の調停を理念として掲げている。 イスラエルのキブツに似た原始共産制を敷いており、農業生産を重視するため独立性が高い。 一方で、木星船団やサナリィ、リガ・ミリティアと積極的に接触を行っており、特に軍事面はそちらの影響を強く受けている。
-コスモ・クルス騎士団 クルス・バビロニアの保有する武装集団。 コスモ・クルス教団の集めたNTのみで構成され、少数ながら潜在的な戦力は大きい。 建前上侵略戦争を否定しているが、上記ファナの感応により向けられた脅威に対しては積極的に先制打撃を加える。 清廉ではあるが穏便な組織とは言い難く、クルス・バビロニアと合わせてあまり周囲によく思われてはいない。 階級は存在せず、命令優先権は役割によって決定される。 例外は神殿騎士(テンプラー)と呼ばれる七人の上位構成員であり、彼らは多分に独自裁量で任務を実行する。 コスモ貴族主義の影響が色濃く、騎士修道会を模しているのかどこか時代錯誤な印象を受ける組織。
●機体 型式番号:XM-11-3 機体名:パラディーンガンダム 全高:17.2m 重量:21.5t 出力:5,250kW 推力:128,400kg 装甲材質:ガンダリウム合金ハイセラミック複合材 武装: ・ビームキャリバー ・ビームライフル ・ヒートダガー×2 ・ブランドマーカー×2 ・ファンネルランサー×4 ・ABCマント
解説: クルス・バビロニアの旗機たる戦闘用小型モビルスーツ。 コスモ・クルス騎士団の上位構成員たるテンプラーに一機ずつ下賜され、計7機存在する。 型番を見て解る通り、本機はデュランの駆る3号機。 開発時の名称はビギナ・クルス。名の通り、コスモ・クルス教団の象徴として設計されたブッホ系MSであるが、クルス・バビロニア立ち上げの段階で「NTの駆るMSの象徴」としてガンダムの名とそれらしい外見を与えられた。その際、クロスボーンガンダム(つまりサナリィ系)の影響を受けている。 最大の特徴は従来型のファンネルとKEMを兼用するファンネルランサーであり、この種の兵器としてはやや大型ながら持続時間と耐久性がズバ抜けている。
型式番号:F-91 機体名:量産型ガンダムF91 全高:15.2m 重量:19.9t 出力:4,250kW 推力:88,400kg 装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材 武装: ・バルカン砲×2 ・メガマシンキャノン×2 ・ヴェスバー×2 ・ビームシールド×1 (1) ・ビームサーベル×2 ・ビームライフル
解説: ピナトのジャンク屋に預けられたMS。 修理とついでに白に塗装し直す依頼だったが、中途でディバイン・ティターンズの侵攻が始まったため済し崩しにピナトが乗ることに。 なんらかの理由でスペックダウンを行ったのか、ひとまず外見は普通のF91である。
型式番号:不明 名称:サイオニクスガンダム 全高:約18m 重量:未詳 出力:未詳 推力:未詳 武装: 拡散メガ粒子砲 サイコミュ・ハンド×2 固定式ビームサーベル×2 解説: ディバイン・ティターンズのNT専用試作型MS。 同組織が入手した、ザンスカールのジョングのデータを元に開発した、新機軸のNT専用ガンダムの雛型。 その経緯や外見からもわかる通り、サイコガンダムを多分に意識しており、名称も同機に拠る。 サーラがテストとして使用していたが、脱走の際にその場に乗り捨てた。 彼女曰くには、「ガンダムというには全くお粗末なシロモノ」。
型式番号:不明 名称:バディ 全高:約12m 重量:未詳 出力:未詳 推力:未詳 武装: ビームガン ビームサーベル 解説: クルス・バビロニアで使用される多目的MS。 元は木星船団が開発した小型MSであり、恐らくはコロニー内での運用を重視している。 脚部がローラー状なのが特徴。 初出は「機動戦士Vガンダム外伝 脱出計画編」。
型式番号:不明 名称:シュバルディ 全高:約14m 重量:未詳 出力:未詳 推力:未詳 武装: ・ビームサーベル ・ビームライフル ・60mmバルカン×2 ・ファンネル 解説: コスモ・クルス騎士団の主力MS。 バディを発展させた機体で、火力と耐久性はともかく、運動性はこの時代でもピカイチ。 しかし最大の特徴はファンネルを標準装備していること、またそのパイロットが全てNTであることに尽きるだろう。
型式番号:不明 名称:ワイルド・ハント 武装: ・メガ粒子砲×6 ・対艦ミサイルランチャー×16 ・対空機銃 解説: 新造されたバビロニア・バンガード級艦船。 コスモ・クルス騎士団の旗艦であるが、普段はNT保護任務についており本国に駐留することは少ない。 デュランらの活動拠点。
[No.549] 2013/07/08(Mon) 22:45:17 |