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No.569に関するツリー

   ガンダムビルドファイターズC.C.(仮題) - 咲凪 - 2013/10/16(Wed) 12:47:32 [No.569]
ミヤハラ・トウゴ - 咲凪 - 2013/10/16(Wed) 12:59:11 [No.570]
ミサキ・アスタ - アズミ - 2013/10/18(Fri) 01:55:31 [No.571]
湖底市の人々・1 - アズミ - 2013/10/18(Fri) 02:17:13 [No.572]
謎の少女 - 咲凪 - 2013/10/19(Sat) 03:05:31 [No.573]
特訓!、トウゴ対アスタ - 咲凪 - 2013/12/14(Sat) 12:53:58 [No.574]
コガ・セリリ - アズミ - 2013/12/14(Sat) 20:48:26 [No.575]
トウゴの本気 - 咲凪 - 2014/01/23(Thu) 13:14:49 [No.587]
悪夢のガンプラ狩り - 咲凪 - 2014/02/09(Sun) 20:10:53 [No.588]
ストライク・カレント - 咲凪 - 2014/03/24(Mon) 22:28:35 [No.589]



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ガンダムビルドファイターズC.C.(仮題) (親記事) - 咲凪

【コンセプト】
旬なガンダムを題材とした設定スレ

【舞台】
特に定めては居ない。
架空の都市として湖庭市(こていし)がある設定なので悩んだらココで。

【C.C.ってどういうこと?】
「CV.ゆかな」ではない。
センチュリーカラーの略でも良いし、
コテージのキャラクターの略でも良いし、
正直語感だけで決めた仮題なので好きに考えて良いよ!!。


[No.569] 2013/10/16(Wed) 12:47:32
ミヤハラ・トウゴ (No.569への返信 / 1階層) - 咲凪

「ほら、このランナーとこっちのランナー、色が違うだけで同じ形だろ?、それを入れ替えて組み立てるのさ」

「くそっ、こんな事なら1/144スケールVガンダム武器セットを買っておけばよかった……」

「仕方ない、壊れた腕の代わりにトムリアットの腕を付けておこう」

【ビルダー&ファイター】

名前:ミヤハラ・トウゴ(宮原・灯悟)
性別:男性
年齢:16歳
解説:
湖庭市という街に住むガンプラ好きの高校生。
流行もあってガンプラバトルも行うが、プラモ制作の腕前も操縦技術も平凡。
いわゆるライトユーザーであり、“作り込み”や“やり込み”といった強くなる為の努力はしないタイプ。
ガンプラバトルは『楽しいけれど、あくまで遊び』というスタンスだったが……。

バリエーションキット(既存商品のリカラー、リデコレートキット)の同形状かつ成形色違いのランナーを利用した、組換えによる手軽な色違いガンプラを使用。
マーカーによる簡単な部分塗装とスミ入れ、ツヤ消しトップコートによる仕上げが基本、シールは使う派。

【ガンプラ】

名称:ゾリディア(レッドカラー)
ベースキット:1/144ゾリディア
制作者:ミヤハラ・トウゴ
解説:
1/144スケールVガンダムプラモデルシリーズのゾリディアとゾロアットのランナーを入れ替えて作った赤い成形色のゾリディア。
部分塗装やスミ入れが施されているくらいで、合わせ目消しどころかトップコートも吹かれていない。
関節の軸が軟質パーツである「Vフレーム」で出来ているのが特徴である1/144Vガンダムシリーズのキットはガンプラバトルに敗れても関節軸の破損ケースが少なく、
“遊びのバトル”をしていたトウゴはこのガンプラを愛用していた。


[No.570] 2013/10/16(Wed) 12:59:11
ミサキ・アスタ (No.570への返信 / 2階層) - アズミ

「使ってなんぼだろ、道具なんだから」

「OK、引き受けた。仕事となったら真面目にやるよ」

「お前を叩き潰すのに、1000円以上はかけない」

【ビルダー&ファイター】

名前:ミサキ・アスタ(岬明日太)
性別:男性
年齢:25歳
解説:
湖底市の模型店『ばびろに屋』のアルバイト店員。
就職活動に失敗し、各地を流浪。ガンプラバトル大会を荒らし回りその賞金で食い繋ぐというかなりアクロバティックな生活をしていた。
が、ばびろに屋のバトルシステムを占有していた近所の不良少年チーム『ブーステッドマンズ』を追い払ったことを切欠に店主に気に入られ腰を落ち着けることとなる。
ガンプラはバトルのための消耗品として扱うため、保守整備の容易な低価格でありふれたキットを好む。ただしこれは単純な合理性からではなく「そもそも兵器なんだから一点モノを尊んでどうする」というある種の量産機志向にも拠る。
このため、改造は大規模なものではなくスプレーとマーカーによるリカラーと武装の変更程度。シールは極力使用を控える。


【ガンプラ】

名称:リック・ディアス(アスタ専用)
ベースキット:1/144HGUC リック・ディアス(クワトロ機)
制作者:ミサキ・アスタ
解説:
アスタは状況に合わせて複数のガンプラを使い分けるが、これは中でもオールラウンドに戦える『虎の子』。
ネイビーブルーとブルーで塗装されている(トップコートは半光沢)が、関節はそのまま、ゲート処理と合わせ目消しも甘い。
前面左スカート部に赤の筆塗りで「As」とマーキングされているがこれが殊更に不出来で、ウィークポイントとなりうる。が、アスタはなぜかこのパーツだけはいくら破損しようと交換しない。
ベースキットはクワトロ機だが、通常機のパーツも節操無く修理に使用しており、塗装はこれを均一化する目的で行われている。
もともと、アスタが最初に本気で作ったHGキットとのこと。


名称:ザクT(アスタ専用)
ベースキット:1/144HGUC ザクT(黒い三連星仕様)
制作者:ミサキ・アスタ
解説:
アスタが主に宇宙や砂漠などで使用するキット。
紫の部分を軍艦色、他に一部をマーカーで部分塗装しており、またヒートホークを廃してグフのヒート剣を持たせている。
元キットの素性がいい上に仕上げが多少マシになっており、ポテンシャルはリック・ディアスより上。
これまたベースキットは黒い三連星仕様だが、関節や武装など損耗率の高い部分に通常カラーのザクTがミキシングされている。


名称:ズゴック(アスタ専用)
ベースキット:1/144HGUC ズゴック
制作者:ミサキ・アスタ
解説:
アスタが主に水際の戦闘で使用するキット。
黒と軍艦色で完全塗装されており、カラーパターンはザクTと同一。
使用率が高く、その関節構造の問題もあって塗装が禿げ易い。破損も多く、今やかなりの部分にシャア専用ズゴックのパーツが節操無くミキシングされている。


[No.571] 2013/10/18(Fri) 01:55:31
湖底市の人々・1 (No.571への返信 / 3階層) - アズミ

『つくづくお前たちは悪い子だ、マナーを守らず筐体を占領するのは良くないな!』

『娘に店を継がずにパン屋になると言われれば、こうもなろう』

『ふははは凄かろう しかも脳波コントロールできる(※できません)』

名前:鉄仮面さん
性別:男性
年齢:不詳
解説:
湖底市の模型店『ばびろに屋』の店主。
年齢不詳、本名も不詳。常に鉄仮面を被っており、マナーのなっていない客は仮面についたブーメランで撃退する。
娘夫婦が後を継がずにパン屋を始めたことが不服であり、模型屋経営のためにエゴを強化してこうなったらしい。
妙にテンションが高く外見は怪しいってレベルではないが話してみると割といい人である。


「うざ〜い……」

「再販はぁ〜……抹殺ッ!(即店頭から)」

「しょうがねえ。買わずに後悔するより買って後悔するほうがマシってね」

名前:クロト、シャニ、オルガ(黒戸、車荷、織我)
性別:男性
年齢:中二
解説:
ばびろに屋のバトルシステムを占領していた不良少年たち。
チーム戦限定でガンプラバトル公式大会にも出場暦があり、ブーステッドマンズを名乗る。
協調性の欠片もないように見えるが実は小学校に入った頃からのタメであり、四六時中つるんでいるため連携は秀逸。ガンダムエースを回し読みするぐらい仲もいい。
アスタに1対3で敗れるが、敗因は腕の差の他にお小遣いが月1000円のため満足な改造が行えないことにあった。


[No.572] 2013/10/18(Fri) 02:17:13
謎の少女 (No.572への返信 / 4階層) - 咲凪

 ガトリングガンの放つ砲火をたやすくかわして、少女のガンダムがトウゴのゾリディアに肉薄する。
「う、うわっ、ちょっ……」
「…………」
 ガンダムの両腕が俄かに上がる、その背に備わったビームサーベルを抜くつもりだと思ったトウゴは反射的にゾリディアを後退させた、だがトウゴのゾリディアが後退する速度よりもずっと、少女のガンダムが迫る速度の方が早い。
 トウゴのゾリディアはスラスターの塗り分けさえ行っていないのに対し、少女のガンダムはスミ入れ、合わせ目の処理、トップコートまで丁寧に仕上げてある、その仕上げの差は圧倒的な機体性能の差となって表れていた。
 ガンダムの手はビームサーベルを引き抜くのではなく、ライフルを構えたままの姿勢で固まっていたゾリディアの両腕を掴みあげた。
「確かにVフレームは壊れにくい、でも……関節の保持力に難がある……だからっ!」
 カメラアイの双眸をギラリと光らせて、ガンダムがゾリディアの両腕を掴んだまま、力を込めて腕を引くと、そのままゾリディアの両腕が、“抜けた”。
「腕が取れたぁっ!?」
 慌てたように、実際慌ててゾリディアが胸部に備わったバルカンを撃つが、正面のガンダムを狙った筈の照準が自然に斜めにズレ落ちていく。
 腕を引き抜かれた次の瞬間、ゾリディアはガンダムの鋭い足払いに転ばされていたのだ、オマケに右足のヒザ関節まではずれている。
「これで、終わり……」
 まさに、文字通りあっという間の猛攻に、実際に戦闘をしているトウゴは勿論、観戦していたばびろに屋の面々も驚きを隠せない。
「む……あの娘は……」
「知っているのか、ミサキさん!?」
「いや、知らない」
 アスタの発言に御丁寧にズッコケてみせるオルガら三人組、それを見届けてからアスタは言葉を続けた。
「知らない事が不思議なんだよ、あれだけの腕を持ってるのに、公式、非公式の大会を問わず、俺はあの娘を見たのは初めてだ」
 そう言って、アスタは少女を見る。
 明らかに日本人では無い金色の髪、ガンプラバトルとは無縁そうなお嬢様といった風情、一目見たら忘れる事は無かろうとアスタは思う。

〜ゾリディアVSガンダムより〜

「勝たなくても良い戦いを続けていると、勝たなくてはいけない時の勝ち方を知らない」

「ガンダム……ハンマー」

「あ、いや……これ、限定キットの方じゃなくて、フォーエバーガンダムの中の人……」

【ビルダー&ファイター】

名前:謎の少女(キャスト一覧にも“謎の少女”と書かれている)
性別:女性
年齢:不詳(おそらく中学生)
解説:
オルガら3人組に絡まれて不利なバトルの相手をする羽目になったトウゴを助けるようにバトルに参加を申し出た少女。
殆ど一人でオルガ、シャニ、クロトを撃退するが、その時の戦いでのトウゴの諦めの早い半端な戦いぶりに思う所があったのか、さらにトウゴのゾリディアも撃破してしまう。
戦いの後、トウゴの戦いぶりをやんわりと否定し、例えそれが遊びの勝負であっても、勝つ意志の無い戦いを続けていると、勝ち方を忘れてしまうと諭す。
見た目はガンプラバトルどころか、プラモデルとも無縁そうなお嬢様風の少女(トウゴは“キラキラしている”と例えた)。

使用ガンプラはガンダムVerG30thだが、限定生産であったそれではなく、バリエーションキットであるフォーエバーガンダムを利用して制作したもの。
ちなみにばびろに屋には幻のHGガンダム(絶版)があるという噂を聞きつけて訪れていた、どうやら本当にあったらしく、去り際に大事そうに抱えていた。

彼女に会い、敗れ、諭された事で、トウゴは負けても良い戦いをしていた自分を認めて、本気でガンプラバトルを始めるようになる。


[No.573] 2013/10/19(Sat) 03:05:31
特訓!、トウゴ対アスタ (No.573への返信 / 5階層) - 咲凪

「砲撃の練習もしておくべきだな、動いている相手に当てるってのは思ってるよりずっと難しいぞ」
 アスタのガンイージの赤く塗装されたメインカメラが妖しく輝く、その輝きに危機感を覚えた直後、トウゴの操るヴィクトリーガンダムの右腕が切り飛ばされる。
 ヴィクトリーの眼前で低く屈み込んだガンイージがビームサーベルを抜き、それを一閃させたのだ、ライフルを構えたままの右腕が宙に舞う。
「まだっ……」
「いや、ここまでだな」
 接近戦のセンスは遥にアスタの方に分がある事をトウゴは意識していた、あらゆるマニューバにおいて、トウゴはアスタに比べて明らかに練習不足ではあるのだが、接近戦に限ってはアスタはトウゴに比べて天性のものが違った。
 ガンプラバトルといえど、機動兵器の接近戦でモノをいうのは空間認識能力と経験則……すなわち、“間合い”だ。
 アスタは圧倒的に間合いの取り方が上手い、ヴィクトリーが迎撃に放ったバルカン砲をきっちりビームシールドで防いで、相手の後退に合わせて距離を詰める、自分の持つ得物の間合いから逃さない為に。
「両手を塞いだのは間違いだったな、距離を詰められるとそのバズーカは役に立つまいよ」
 ヴィクトリーの残された左腕に構えられたままのバズーカをちらりと見ての呟きと共に、ガンイージのサーベルが鋭く突きを放つ、それはアスタの宣言通り、戦いをここまでにした、ヴィクトリーのコックピットを貫いたのだ。

〜特訓!、トウゴ対アスタより〜

【ガンプラ】

名称:ヴィクトリーガンダム
ベースキット:1/144ヴィクトリーガンダム
制作者:ミヤハラ・トウゴ
解説:
アスタとの特訓用にトウゴが用意したガンプラ。
スミイレが施されているくらいで、ほぼそのまま組み立てられたモデル。
チョイスの理由は特訓の為のベーシックな性能と武装を持つ機体という条件に合致した為。
他の1/144Vガンダムシリーズの武装を流用したりなど、アスタとの特訓で様々な戦い方をトウゴはこの機体で模索した。


 ……もう何戦目になるか、トウゴのヴィクトリーガンダムを相手にしながら、アスタは頭の片隅で考える。
 何度倒しても、新しい戦術で挑んできて、未熟そのものだった操縦技術も、次第に洗練されていっている、ばびろに屋の常連であるトウゴとは何度も話した事があるが、こんなにも情熱的な面を持っていたとはアスタは知らなかった。
「よほど、あの女の子に負けたのが悔しかったみたいだな」
 接近戦に持ち込もうとするアスタのガンイージを近づけまいと、トウゴのヴィクトリーがバルカンで牽制する、それを防ぎながら、アスタの口から思わずそんな言葉が出た。
 別に答えを望んだ訳ではない独り言だったのだが、トウゴは律儀にアスタのその呟きに応えた。
「えっ、いや、たしかに悔しかったけど、違いますよ」
「そうかい、じゃあなんだ、惚れたのか?」
 トウゴの戸惑いが感じられる声色に、アスタはからかうつもりで言った、が。

「はい」
「へっ?」
「その通りなんです、やっぱり判ります?」
 たしかに、たしかに可愛い女の子ではあったと思う、だがアスタはトウゴのそんな答えを予想していなかったので、少し目を丸くした。
 慌てて否定でもするかと思っていたのだが、返って来た答えは実にあっさりとした肯定だった。
「もう一度あの子に会って、今度は俺の本気を見てほしいんです、だからっ!」
 ガンイージをいつまでも牽制できないと悟ったトウゴのヴィクトリーが決意して両手でビームサーベルを抜いた、二刀流だ。
 敢えて相手に分がある接近戦を挑むからには覚悟あっての事だ、話をしながらでもトウゴの闘志をアスタは感じた、初めてみるその情熱の正体に面を食らいながらではあるが。
「上等だ……!」
 互いに右手に握ったビームサーベルが鍔迫り合う、瞬時にヴィクトリーの左手に握られたサーベルが振り上げられるが、当然アスタにはその機動が読めている。
 鍔迫り合いを放棄し、半歩ほど後退したガンイージがビームシールドを展開しながら半身を反らす、ヴィクトリーの右手のビームサーベルは展開し始めたビームシールドにいなされ、左手のサーベルは鍔迫り合いから解放されたビームサーベルでヴィクトリーの手首ごと斬り落とした。

「まだまだぁっ!」
 手首を斬りおとされたヴィクトリーの左手のビームシールドユニットが前面を向き、光のシールドを形成する―――――。

〜特訓!、トウゴ対アスタより〜


[No.574] 2013/12/14(Sat) 12:53:58
コガ・セリリ (No.574への返信 / 6階層) - アズミ

「うわーん、花の高校2年の夏休みなのにぃ〜!?」

「ホントはSDガンダムのが好きなんだケドなー……」

「これが私の本気のガンプラ! GP04マドナッグだー!
 ……やっぱりダメ?」

【ビルダー】

名前:コガ・セリリ(古河芹理)
性別:女性
年齢:17歳
解説:
女子高生ガンプラビルダー。
ちょっとオタクっぽいが手先が器用なだけの普通の女子高生。
……でいたかったのだが、実はガンプラ型取神闘流(かたとりしんとうりゅう)の四代目継承者。家業なので半ば無理矢理継がされている。
生来器用だった上に血の滲むような訓練でかなりの製作技術を持つが、キャラクターものとしてガンダムが好きなもののモビルスーツに興味がないため改造にポリシーが完全に欠如している。
四代目襲名の最終試練としてHGUCガンキャノンによる百番勝負全勝を申し付けられるものの、70番を終えたところで限界を感じ、組んでくれるファイターを求めてばびろに屋にやってきた。
そこでアスタに目をつけるが……?

なお、特に好きな作品はSDガンダムフォース。

【ガンプラ】

名称:ガンキャノン
ベースキット:1/144HGUC ガンキャノン
制作者:コガ・セリリ
解説:
HGUCの記念すべき第一弾。
関節部位の増設やスカート部の分割、スミ入れ、合わせ目消しなど基本的名部分にかなり手の加えられたガンキャノン。
しかし70戦に及ぶバトルでかなりの部分が損傷、補修されておりだいぶぼろっちい。
別キットによる補修は許されていないため、このキットが再起不能になった時点で最終試練は落第となる。


[No.575] 2013/12/14(Sat) 20:48:26
トウゴの本気 (No.575への返信 / 7階層) - 咲凪

「……お、出来たのか」
 トウゴが取り出したガンプラを見て、アスタは小さく微笑んだ。
 そのガンプラはこれまで何度もアスタが相手をしたヴィクトリーガンダムでは無かった。
 スミイレに部分塗装はこれまで通り、しかし未熟で荒い工作ながらも合わせ目消しに挑戦し、加えてトップコートもきちんと吹いてあるようだ。

 それは“あの時の少女”と再戦する日の為に、トウゴが作り上げた、トウゴが今持っている技術を総て注ぎ込んだガンプラだった。

「はい、今の俺に出来る事は全部やった、俺のガンプラ……エールストライクガンダム!」

〜「トウゴの本気」より〜

【ガンプラ】

名称:エールストライクガンダム
ベースキット:1/144HGSEED エールストライクガンダム
制作者:ミヤハラ・トウゴ
解説:
謎の少女との再戦の為に、今のトウゴに出来るプラモ制作技術を注いで作り上げたガンプラ。
アスタとの特訓から、多すぎる武装はウェポンセレクトに手間取る事や操作ミスを起こしやすい事を学び、
装甲と機動性のバランスを踏まえて、トウゴがチョイスした機体は結局ベーシックなストライクガンダムだった。
ストライカーパックシステムの利便性はガンプラバトルでも健在であるが、
より重武装なI.W.S.Pやノワールストライカー等ではなく、エールストライカーを選択している理由は、前述の装備過多による操作性の悪化を嫌った為である。



「これで戦いの準備はバッチリ……ではあるんですが……」

 意気揚々とした様子のトウゴは声のトーンを落とす。
 アスタは一瞬その変化の理由が判らず不思議に思ったが、すぐにトウゴの意図が判った。
 このエールストライクガンダムはトウゴがあの“少女”と再戦する為に作り上げたものだ、しかし……。

「結局、あれから俺も店であの子を見てないな……」
「そうですか……何処の誰かって事も判らないし、もう会えないのかな……」

 その可能性は高い、とアスタは感じた。
 先にも後にも、あの少女を見たのはトウゴが戦ったあの一日だけだ、となれば普段このばびろに屋を利用していない事はおのずと想像が付く。
 ガンプラバトルの為の機材は模型専門店や大型量販店ならば置いてある為、大会でも無い限り、ガンプラファイターが自らのホームグラウンドから出てバトルをする等、稀な事だ。
 それはトウゴも理解している事であったし、なおさらアスタは感じた事をそのまま言う事を躊躇った。

「まぁ、見かけたらお前がバトルしたがってるって事を伝えておくよ、そう気を落とすな」
「はい、ありが――」

「すいません、ディジェありますか?、旧キットの1/144……」

 ありがとうございます、とトウゴが言いきる前に、トウゴとアスタの耳に、何時だか聞いた声が聞こえた。
 二人揃って慌てて声の方を向くと、今日も鉄仮面の店長が接客をしていた、ガンプラバトルが流行といっても、それでも模型店で見かけるのはまだ珍しい、女の子の客だ。
 キラキラしている印象の、およそガンプラとは無縁そうな金髪の少女……あの時の少女が、ディジェ(旧キット)を買っていた。

「「居たー!?」」
「「うわっ、びっくりした……」」

 揃えて驚きの声を出す男二人に、少女と鉄仮面の店長もまた、同時にビクッと身を震わせて同じ反応を返すのだった。

〜「トウゴの本気」より〜


[No.587] 2014/01/23(Thu) 13:14:49
悪夢のガンプラ狩り (No.587への返信 / 8階層) - 咲凪

 トウゴはアスタから聞いていた“ガンプラ狩り”の話をすぐに思い出した。
 戦いに勝利する事ではなく、相手のガンプラを破壊する事を目的……否、楽しんでいるその戦い方は間違いない、陸戦型ガンダムの手にした釘バットのような武器に殴打されたシャニのガンプラが砕ける。
 「ガンプラ狩りには関わるな」と釘を刺したアスタの言葉を思い出す、確かに、ああいう破壊を楽しむ手合いとは関わり合いになるべきでは無いだろう。
 ましてや、トウゴはこれから念願であった“少女”との再戦に赴くのだ、その為のガンプラをこんな所で消耗して良い筈がない、トウゴのストライクガンダムは少女との再戦の為に作り上げたのだから、その為に使わなくてはいけない。

 グフカスタムのヒートロッドが飛行するクロトのガンプラをフィールドに叩き落し、そこにSDガンダムのものだろう巨大な金棒を持ったザクUが追い打ちをかける。
「…………」

 ガンプラ狩りと戦っているオルガ等三人組がどういう経緯で5対3の不利な戦いをしているかをトウゴは知らない。
 しかし、どんな理由があろうと、トウゴには彼らを助ける理由等無いのだ、普段ばびろに屋で顔を見る機会が多いとはいえ、決して仲が良い訳ではない。
 態度も横柄であるし、そもそも、以前はトウゴが今の彼らのように……彼らによって、不利なバトルを要求されたのだ、その因果が廻って来たのだと思えた。

 脚を砕かれたクロトのガンプラを助けにオルガのガンプラが割って入る、武器を破壊された!、それだけではない、囲まれている。シャニは……ダメだ、こっちも動けない!。
「…………ッ」

 立ち去るべきだ。
 自分には、これから大事な約束(たたかい)が控えている。

Please……

 助ける理由なんてない、だから、だから、だから……。

SetyourGPBase!

 だからって、助けない理由だって、無い!。

「エールストライクガンダム、いくぞっ!」

〜悪夢のガンプラ狩りより〜

【ガンプラ】

名称:陸戦型ガンダム(ガンプラ狩り仕様)
ベースキット:HGUC陸戦型ガンダム
制作者:ガンプラ狩り

名称:グフカスタム(ガンプラ狩り仕様)
ベースキット:HGUCグフカスタム
制作者:ガンプラ狩り

名称:グフフライトタイプ(ガンプラ狩り仕様)
ベースキット:HGグフフライトタイプ
制作者:ガンプラ狩り

名称:ザクUJ型(ガンプラ狩り仕様)
ベースキット:HGザクUJ型
制作者:ガンプラ狩り

名称:ガンダムEz8(ガンプラ狩り仕様)
ベースキット:HGUCガンダムEz8
解説:
少女と再会を果たしたトウゴは、少女と再戦の約束をする事が出来た。
しかし約束の戦いの日、ばびろに屋に向かうトウゴは、ショッピングモールでガンプラ狩りに襲われ、不利な戦いを強いられるオルガ等を見てしまう。
葛藤を胸に抱きながらも、トウゴはかつて同じように不利な戦いを強いられていた自分を少女が助けてくれた事を思い出し。
胸を張って少女と戦う為にも、オルガ等を助けるために戦う事を決意するが――――。


「うわぁっ!」
「首を突っ込んで来た落とし前はキチンと付けてもらいませんとねぇ……っ!」

 エールストライカーを破壊されたストライクに、Ez8と陸戦型ガンダムが襲い掛かる。
 トウゴは同時対応が出来るかと刹那自分に問う、――ダメだ、捌ききれない、せめてリーダー格のEz8をカウンターで……!。
 しかしトウゴの刹那の思考は中断される、後方からの援護が陸戦型ガンダムを吹き飛ばしたのだ。

「何っ!?」
「オルガか!」
「意地があんだよ……俺にだってな!」

 オルガの意地を見て、トウゴのストライクが走る!、Ez8にシールドバッシュを食らわせて怯ませると、アスタとの特訓で散々学んだ間合いを取る。
 接近戦になればビームサーベルをエールストライカーごと損失したトウゴのストライクはツインビームスピアを装備したEz8に比べて、余りに不利だ。
 しかしトウゴは諦める事をもう選ばない、勝ち方を探す、フィールドに存在する全てのファクターがトウゴの脳裏を瞬く間に駆け巡り、彼と彼のガンプラに力を与える。

「クロト、お前のガンダムの力を借りる!」

 Ez8のツインビームスピアが迫る、突きだ!、転がるようにしてかわしたトウゴのストライクめがけてEz8が薙ぎ払うように追撃を放つ、ストライクはそれを受け止める!。
 プラフスキー粒子の恩恵を得たビームスピアの刃は本来ならばストライクの装甲だって切り裂く、しかしそうならないのは、同じくプラフスキー粒子の恩恵を受けた武器でその刃を受け止めたからだ。
 トウゴのストライクの手には、フィールドに残されていたクロトのガンプラ……レイダーガンダムのハンマーが握られている、先の攻撃を避けると同時に回収していたのだ。

「なっ、それはぁっ!?」

 ストライクが手にしている武器の所以に気づいたEz8が、そのファイターが驚きの声をあげるが、遅い。
 ツインビームスピアを受けたまま、スピアの柄を滑るようにストライクのハンマーがEz8に叩き込まれる、そしてレイダーガンダムのハンマーの真骨頂は此処からだ。

「ガンダム……」
「やめっ……」
「ハンマァー!!」

 ゼロ距離からのハンマーの射出を受けて、Ez8は遥か彼方、場外にまで吹き飛ばされた。

〜悪夢のガンプラ狩りより〜
 


[No.588] 2014/02/09(Sun) 20:10:53
ストライク・カレント (No.588への返信 / 9階層) - 咲凪

 少女はトウゴのガンプラ――――ストライクガンダムを見た。
 エールストライカーを破壊された為にストライカーパックが無いのは損傷の中ではマシな方で、右足のアンクルアーマーは砕けて無くなり、左手は軸が折れたのか無くなっている。
 アンテナも折れて、全身細かい傷だらけ、酷い有様だった。
「…………」
「ミヤハラさんを責めねーでくれ、これは……」
 少女の沈黙を、怒りからだと思ったオルガがトウゴを弁護しようと前に出た、だがそれを制したのはトウゴ自身だった。

「……ごめん、こんな状態では、君とは戦えない」
「…………」
 勝手な物言いだとトウゴは思った、トウゴが希望した戦いを少女に約束させたのに、少女との約束を放り出してバトルをして、遅刻をして、そしてバトルそのものを今、諦めている。
 本音を言えば、この状態からでもトウゴは少女とガンプラバトルがしたい、あれだけ熱望した戦いを諦める事なんてしたくはない。
 だが、それでは間違いなく負ける戦いにストライクガンダムを差し向けなければならなくなる、大事に作り上げたガンプラ……ただそれだけではない、共に戦いを潜り抜けたこのストライクガンダムは、もはや戦友にも等しい。
 戦いに傷ついた戦友を、どうして自分の我儘で死地に追いやる事が出来るというのか、今は一刻も早くこのガンプラを直してやりたいとトウゴは思う、戦いへの情熱よりも、強く。

「…………」
 少女はトウゴを見て、ストライクガンダムを見て、一度目を閉じて何かを考えているような……思い出しているような、そんな仕草を見せた。
「貴方は……少しだけ、私の知っている人に似ています」
「えっ」
 少女の声色に、怒気は一切含まれていない、大体の事情を察しているという事もあるが、トウゴが作ったストライクガンダムは、傷ついているとはいえ、彼が一生懸命に作り上げたものだという事がビルダーである少女には判ったのだ、そしてビルダーであるからこそ、彼が今、どんなにストライクを直してやりたいと思っているかも理解できる。
 少女は鞄からチラシを一枚取り出すと、それをトウゴへと差し出した。

「来月開催されるこの大会に、私は出場します……………貴方とは、そこで戦いましょう」

〜ストライク・カレントより〜

【ガンプラ】
名称:ストライクカレントガンダム(ストライクカレント)
ベースキット:1/144HGSEED エールストライクガンダム
解説:
ガンプラ狩りとの戦いで破損したストライクガンダムを修理したトウゴのガンプラ。
修理の際に、部分的にオリジナルの塗装を施し、前腕部、アンテナの一部、脚部の一部がブルーで塗装されている。
また、胸部、腰部にジャンクパーツを使った形状変更(装甲増加)を行っている。


「……出来たっ」
 前腕や脚の一部等にオリジナルで塗装を施し、独自性を出す為に、ジャンクパーツを使ってほんの少しボディの形状を変更、修復が完了したストライクガンダムはその姿を変えていた。
 アタッチメントの破損したシールドやストライカーパックはまだ無いが、ひとまずは形にはなった事にトウゴは安堵の息を吐く。
「今日からこの機体はストライクカレントだ……」
 GPベースに登録されているデータを操作して、新しい機体名“ストライクカレント”を入力する。
 カレントとは「流れ」や「現在の」という意味だ、戦いを経て、ストライクガンダムから変化した機体という事で、そう名付けた。
 後はばびろに屋に行って、GPベースの入力データとガンプラを同期させればひとまずは完成だ、一息入れようと思いトウゴは椅子から立ち上がると、ふと目に入った少女から貰ったチラシを手に取る。
 それは少女が来月に参加すると言っていたガンプラバトル大会のチラシだった、当然トウゴも参加するつもりだ、その為に、ストライクカレントを万全に仕上げないといけない。
 決意を新たに、チラシの情報をチェックしていると……ある事に気づいて、トウゴは途端に顔を青くする。

「……ガンプラバトル大会……いや、これは……ガンプラ“チーム”バトル大会……!?」

 その大会に出場するには、最低3人で1つのチームを組む必要があったのだ……。


[No.589] 2014/03/24(Mon) 22:28:35
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