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No.114へ返信

all 第0回リトバス草SS大会(仮) - ひみつ - 2007/12/25(Tue) 23:04:22 [No.110]
夢、過ぎ去ったあとに - ひみつ 心弱い子 - 2007/12/29(Sat) 02:36:29 [No.119]
夢想歌 - ひ み つ - 2007/12/28(Fri) 22:00:03 [No.117]
前夜 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 21:59:21 [No.116]
夢のデート - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 21:57:46 [No.115]
悪夢への招待状 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 21:52:10 [No.114]
思わせぶりな話 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 20:51:04 [No.113]
一応チャットでは名乗ったのですが - 神海心一 - 2007/12/30(Sun) 18:39:38 [No.121]
変態恭介 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 19:13:52 [No.112]
もしも恭介がどこに出しても恥ずかしくない漢(ヲタク... - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 00:44:32 [No.111]
感想会ログとか - 主催っぽい - 2007/12/30(Sun) 01:14:54 [No.120]


悪夢への招待状 (No.110 への返信) - ひみつ

 リキは今日もその扉を開く。
 駄目だと頭では思いながらも、身体の疼きが抑えられない。
『なんだまた来たのか。エロティックだな、リキは』
『そんなこといわないでよ』
 屈辱と歓喜に打ち震えながらリキは上着を脱いだ。
『キョウスケがこんな身体にしたんじゃないか』
 やがてリキは生まれたままの姿になると、ベッドに座るキョウスケに身体を預けたのだった。


「ふむ、流石にこれはちょっとベタすぎないだろうか」
「いいえ。むしろ出だしはこれくらいの方が」
「なるほど、これからという事だね」
「ありゃ〜、姉御とみおちん。何してんの〜?」
「夢を、描いているんです」
「というよりは夢を喰っているんだな。獏のように」
「なんだかぜんぜんさっぱりですけど、面白だからいっか!」


 リキは正面から歩いてくるその男を見つけて顔を俯けた。
 眼を合わさないようにして、無視する。
 だがリキは急に腕を捕まれて立ち止まった。
『……何か用?』
『また、キョウスケの部屋に居たのか』
『どうでもいいでしょ』
『よくねーよ』
『いいじゃないか! どうせマサトだってケンゴと一緒だったんでしょ!』
『馬鹿やろう! 俺にはリキ、お前しかいねぇ!』
 マサトはそう言うと、リキを硬い胸へと抱き寄せた。
『そして、お前にも俺しかいねぇ。この俺の大胸筋を忘れたとは言わせねぇぜ』
『あぁ……筋肉センセーション……』
 リキは甘い吐息で呟いた。


「何故だか途中から変な方向に走ってしまいました」
「いや、こっち見ないでクダサイヨ」
「だが筋肉に溺れる理樹くん……ではなく、実在の人物とは一切無関係なリキというのも悪くないだろう」
「そうですね。ただし、最後の筋肉センセーションは消しましょう」
「いやいや、だからこっちを見ないでクダサイヨ」
「わふ〜、皆さんで何を話しているのですか?」
「なんだかとっても楽しそうだよ〜」
「クドリャフカ君に小毬君か。ちょうどいい所に来た、君たちも手伝ってくれ」
「はい! 何をすれば良いのでしょうか!」
「うん、何でも手伝うよ〜」


 マサトの大胸筋にもたれながら気だるくも心地良い疲労感に身を任せていたリキ。
 だがその幸せは長続きしなかった。
 扉を蹴り破って入ってきた男はいきなり木刀を振り回した。
『ケ、ケンゴ!』
『マサト、リキっ! お前達はっ!』
『待って、ケンゴ!』
 リキの叫びは届かなかった。
 怒り狂ったケンゴは止める間もなくマサトに襲い掛かる。
 流石のマサトも木刀を持ったケンゴには適わない。
 たちまち打ち倒されてしまった。
『俺の純愛を裏切った罪は重いぞ、マサト』
『待って! お願いだから止めてよ、ケンゴ。悪いのは僕なんだ』
『なんだと?』
『僕から誘ったんだ。だからマサトをこれ以上責めないで。責めるなら僕にしてよ』
『……そうか、分かった』
 ケンゴは木刀の先端をリキへと向けた。
『ならお仕置きだ。まずは、舐めろ』
 リキは涙ながらに従った。


「はうはうはう〜」
「わ、わふ〜、これはなんだか分かりませんがとってもだめな感じなのです!」
「う〜ん、こまりんとクド公はショート寸前かぁ。お子ちゃまにはちょっと刺激が強すぎたみたいっすね」
「確かに、木刀プレイとはなかなかにマニアックだな」
「はい、ですが一つくらいは器具を使ったプレイがないと盛り上がりませんから」
「なるほど、器具……良い言葉だ」
「はい」
「あの〜、みおちんに姉御。なんか笑顔がすっごい怖いですよ〜」
「こらっ! こまりちゃんを困らせるな!」
「ありゃ、鈴ちゃんまで来ちゃった。これで全員集合〜!」
「ところで鈴君、それは洒落のつもりなのかい?」
「違うわっ!」
「まあいいです。ちょうど鈴さんの出番ですから?」
「出番? 何の話だ?」


 ケンゴのお仕置きはリキの身体を汚しつくした。
 マサトを守るためとはいえ、それは重い傷だった。
 傷ついたリキは一人夜の道を歩く。
 マサトの元へは戻れない。キョウスケのところへも。
『リキ……』
 その声はとても懐かしく感じられた。
 目の前に立っていたのはリンだった。
 何時からこうなってしまったのだろう。
 幼い頃、まだ恋も愛も肉欲もしらなかった頃からあまりにも変わってしまった。
 しかしそんな中でも、リンだけは変わっていない。
 あの日のまま、穢れないままだ。
 思わず泣き出してしまったリキの頭をリンは優しく撫でた。 
『大丈夫だリキ。リキには私が居る』
『ありがとう、リン。だけど僕はもう……男しか愛せないんだ』
『問題ない』
『え……?』
 リンはそう言うとスカートを捲り、そして……その下のモノを曝け出した。
『そ、そんな……』
『ずっと黙ってた。ごめん』
 なんと、幼い頃男の子だと思っていたリンは……本当に男の子だったのである!
『あぁ……リン!』
『リキ。これからもずっと一緒だ』
『うん、うん。リン、ありがとう!』
 そうしてリキはリンの猫(ペット)となり、幸せに暮らしのでした。
 めでたしめでたし。


「素晴らしい! まさかリンが男だったとは!」
「すっごい超展開っすね〜」
「わ、わふ〜! まさにきょうがくの新事実なのです!」
「ええええ、りんちゃん、男の子だったの〜?」
「違うわボケ!」
「如何でしたでしょうか?」
「うん、これは実に見事だよ。こうして二人は結ばれたわけだね!」
「はい。ハッピーエンドです」
「おめでとう! リン×リキ!」
「おめでとうございます、リン×リキ」
「とりあえずおめでとー、リン×リキ」
「良く分からないけど、ハッピーならオッケーだよ、リン×リキ」
「こんぐらちれいしょんなのです、リン×リキ」
「馬鹿だこいつらっ!」

 ☆ ☆ ☆

「なぁ、理樹よ」
「……真人」
「さっきからあいつ等、お前の名前を呼んでるんだが」
「真人、お願いだからその事は言わないで」
「あ、ああ。分かった。悪いな」
「ううん。良いんだ。良いんだよ、僕は」
「……何がなんだか分からんけど、大変だな、お前も」
 理樹は机に突っ伏して耳を塞いでいた。
 あぁ……今晩はきっと、悪い夢になるだろう。


[No.114] 2007/12/28(Fri) 21:52:10

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