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No.117へ返信

all 第0回リトバス草SS大会(仮) - ひみつ - 2007/12/25(Tue) 23:04:22 [No.110]
夢、過ぎ去ったあとに - ひみつ 心弱い子 - 2007/12/29(Sat) 02:36:29 [No.119]
夢想歌 - ひ み つ - 2007/12/28(Fri) 22:00:03 [No.117]
前夜 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 21:59:21 [No.116]
夢のデート - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 21:57:46 [No.115]
悪夢への招待状 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 21:52:10 [No.114]
思わせぶりな話 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 20:51:04 [No.113]
一応チャットでは名乗ったのですが - 神海心一 - 2007/12/30(Sun) 18:39:38 [No.121]
変態恭介 - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 19:13:52 [No.112]
もしも恭介がどこに出しても恥ずかしくない漢(ヲタク... - ひみつ - 2007/12/28(Fri) 00:44:32 [No.111]
感想会ログとか - 主催っぽい - 2007/12/30(Sun) 01:14:54 [No.120]


夢想歌 (No.110 への返信) - ひ み つ



 いろいろあったが、計画通り。けれど、なかなか、切り出すタイミングは見つからなかった。
 仰向けに寝転がった状態で、雲の流れる先を追いかける。蝉や鳥、校庭で活動しているらしい何かのクラブの掛け声、いろいろな夏の喧噪が耳に届いてくる。太陽が眩しくてずっとしかめっ面だけれど、それでも嫌な気持ちにはならず、何も考えられない。
 見ている。ただ、それだけで思考の歯車が一つたりとも回らないくらいに、開けた空。まるで宙に浮いてどんどん昇っているようにさえ感じる。
 開放的ってこういう事なのかもねと、隣で同じように寝転がる鈴に言ってみる。鈴は答えず、うみゅーと意味のわからない声だけ出して、繋いだままでいる理樹の手を握った。たぶん、声を出すのも億劫なのだろう。本当に、気持ちがよくて。
 今寝転がっているこの場所に、二人が息切れしながら着いたのは一時間ほど前のことだ。朝と昼の中間ぐらいの時分に理樹は鈴と大学で落ち合い、学食で昼食を済ましてから電車に乗った。空いていたシートに座ると、お腹もふくれていたせいか、鈴は理樹の肩によりかかりながらこくこくと揺れていた。理樹が訊いてみると、何だか興奮して昨日はよく寝られなかった、ということらしい。子どもみたいだ、と理樹は笑ってやるが、もちろん、理樹だって昨日はよく寝れてはいない。
 結局は二人して眠りこけてしまい、一つ多く駅を過ぎてしまったが(鈴は、理樹も子どもじゃないか、と妙に得意げに言った)、何とか目的の駅に着くことは出来た。しばらく懐かしさを感じる道を歩いて、目指していた場所を目の前に立ち止まる。
「理樹」校舎を見たまま、名前を呼ぶ。「困った、かもしれない」
「何が?」
 わからないのかとでも言いたげに、不服そうに鈴は言う。
「夏休みなのに、まだ生徒がいっぱいいるじゃないか」
「それは、部活動もあるし仕方ないでしょ」
「それに教室の方にも結構いる気がする」
「そっちは、補習、かなあ?」
 通知票が返されると同時に、補習に代わりに出てくれ! と補習の意味を全く理解していない真人から全力で頼まれたことを覚えている。見返りは斜腹筋を二割という事だったが、丁重にお断りをした。
 うーん、と鈴は唸り「これは、困った」と同じ言葉をもう一度呟いた。
「それでどうして困るの?」
「侵入できない」
 あっけらかんと鈴は言い切る。
「いや、ね、鈴。僕らは卒業生だから、普通に教務室に挨拶すれば大丈夫だよ」
「え、そうなのか」
 頷いて肯定する。「少なくとも、すぐに追い返されるようなことはないと思う」
「昔、真人の馬鹿が『間違えて小学校に行った時すぐに追い払われた』とか言っていた気がするんだが、嘘だったのか」
 今度蹴ってやる、と小さく鈴が決意する。
「いや……それはいろいろあったんだろうけど、真人だからそうなったって事で忘れてよ」
 一体何を間違えてそうなったんだろうとか、存在がそのまま理由になるのはどうなんだろう等々、思い浮かぶ疑問を片っ端から遠くへと投げ捨て、真人だから、それ以外の理由はいらない、と結論づける。
「それじゃ、取り敢えず教務室に行こう」
 言いながら鈴の手を弾いて歩き出そうとすると、強い力で引き戻される。踏み出した一歩を戻し、「どうしたの?」と訊いても、鈴は思案顔で顎に手を当て、返事をする気配もない。
「鈴?」
「理樹」問い掛けに応えるように、鈴は言った。「それじゃ、面白くない」
 満足そうに鈴は言い切ったけれど、理樹には意味がよくわからなかった。
 どうやら表情に出ていたらしく、鈴はもう一度、先ほどより詳しく繰り返した。
「普通に、挨拶して中に入っても面白くないだろう」
「ここで面白さを求められても困るんだけど」
「だから、行くぞ、理樹」
 静かに、それでいて跳ねるような鈴の口調に、どきりと鼓動が高鳴る。緊張とは違い、期待とも違う。昔、悪巧みを企んだときのあの波打つように寄せる昂揚に、それは似ていた。
 目的地は屋上。条件は誰にも見つからないこと。ささやくように理樹に告げて、心底楽しそうに笑顔を見せてから、鈴は言った。
「ミッション、スタート!」



 そうして、教室の中から見られないように腰をかがめ、誰かの足跡がする度に廊下を端から端へと走り回り、掃除ロッカーの中に隠れたり、トイレへの緊急脱出などを繰り返して、二人はようやく学校の頂上――屋上に辿り着いていた。
 おおよそ一時間前のことなのだが、それでも理樹には未だに息切れしている感覚が消えていない気がする。隣の鈴をちらと見てから、ゆっくりと上体を起こす。理樹が起きたのに気づいた鈴も、倣うように同じ体勢を取った。
「久しぶりだね」
 この景色、と言葉にしないで付け足す。「なんだか懐かしい」と鈴が頷き、大学とは全然違うな、と聞かせるつもりもないような微かな呟きが続いた。
 二人とも、同じ大学に進学していた。揃って学生寮に入寮し、講義の行われる場所もほぼ同じだったせいか、一緒にいた時間は酷く長い。理樹が遅く帰れば鈴がすでに理樹の部屋でくつろいでいて、早く帰ったら帰ったで、ノック無しにドアを開け放って、後から鈴が訪れてくるのだ。
 寮は一、二階で男女別になっていて、一応は規則で異性のフロアに入ることは禁止されている。ただ鈴がそれでも毎日のように理樹の部屋にいたのは、部屋が個人部屋で、場所も階段近くで出入りがしやすかったからという条件と、一人では退屈だったからという理由からだろうと、理樹は思う。食事にしろ何にしろ、基本的に二人でいることが多かった。
 だから、なのかもしれない。付き合い始めたのはいつの間にかで、今になっても明確なはじまりを見いだせないことが、不思議なようにも当たり前のようにも思われた。無理矢理にでもスタート地点に印を付けようとすれば、大学の友人に鈴とキスをしているところを目撃され、その関係を事細かに訊かれた時に、恋人以外の言葉が当てはまらなそうだったから、としか言えそうにない。
 ちなみにその時、質問攻めにあった鈴は耳まで真っ赤だった。おまけに、滅多にキスをしてくれなくなった。
 考えてみれば、はっきりと好きといった試しすらないような気もする。そんなに曖昧なままでいいのか、と思わないわけではない。つい昨日始まったばかりのような大学生活すら、もう少しで終わってしまうのだから。
 視線だけで鈴の方を見ると、なぜだか軽く頬を膨らましていた。先手を打って謝りながら訊いてみると、名前を何度も呼ばれたのに気づいていなかったらしい。
「何か、遠い目してたな。考えごとか」
 ううん、と頭を横に振って応える。「考え事って程のものじゃないよ、ただ何となく思い出してただけ」
「思い出してた?」珍しそうに目を丸めて、鈴は尋ねてくる。「何をだ?」
「それは、まあ、いろいろだね」
「ふむ。……何だか、理樹は乙女なんだな」
「いやいやいや」
「あたしなんて滅多な事じゃ悩まないぞ」
「それは嘘でしょ」
「うん。嘘だ」
 これでも結構悩むこともある、と鈴は胸を張る。
「どうしてそんなに誇らしそうに言えるかな……」
「すごいだろ」
「良い意味かはともかく、そうかもしれないね」
 くだらない掛け合いを幾つかこなすと、鈴がひょいと立ち上がる。理樹も遅れて付いていこうとしたが、足がもたついて一発で上手く立ち上がる事が出来なかった。結果的に、鈴に手を引いてもらった形になる。
 さっきのミッションが響いているなら、歳をとってしまったようで嫌だなと考えたところに、「理樹、もしかして疲れてるのか?」と鈴の妙に鋭いつっこみが入る。くつくつと笑っているあたり、鈴もわかって言っているらしい。
「あのミッションは唐突すぎるし、かなり難題だったと思うけど」
 せめて校門に付くまでの間に言っておいてもらって、心の準備をする時間が欲しかったと心の底から思う。
「それにしたって、何で急にあんな事言い出したの」
 鈴は不思議そうに首を傾げ「その方が、きっと面白かったから」と言った。「理樹だって楽しかっただろ?」と尋ねられると、頷かざるを得ない。実際、鈴と汗だくになって校舎を走り回っている間は、不思議なほど楽しかった。
「それにな」
 と、鈴は続けて言おうとしたが、適当な言葉が見つからないのか、しばらく考えてから言葉を紡いだ。
「校門に着いた時にな、何か、こう、したいと思ったんだ」どうやら、言葉の最後にその一言付けるかどうかを悩んでいたらしい。逡巡した末に、「……昔みたいに」と小さくその言葉を零した。
 ああ、と口からは漏らさず、心の中で理樹は息を吐く。
 鈴の言いたいことを、ほぼ完璧に理解していたように思う。その自信が、あった。
 鈴と二人、ほとんどいつだって一緒に入れたことも、確かに夢のような時間だった。ただ、鈴が傍にいたなら、その周りにはいつだって三人がいて、五人が集まっていたなら、そこにはどんな時だって五人が――リトルバスターズが、いるはずなのだ。
 誰かが馬鹿をするのなら、どうせならみんなで思いっきり。みんなで何かをするのなら、それはもう、飛びっきり馬鹿なことを。
 ふと、今この場にみんながいないことが、あまりにもおかしな事のような気がした。連絡は取り合っているし、繋がっていないわけじゃない。けれど、不思議だった。
 もちろん頭では理解しているし、受け入れていた。いつまでも子どもではないし、子どもではいられない。こんなふうに急に後ろを振り向くことがあっても、そんなことで、歩くのを止めてはいけない。
 ふと鈴と目があって、鈴は小さく笑い返してくれた。間違いなく気のせいなのだが、大丈夫、と言われた気がした。
 ――何となく、切り出すのなら今だろうか、と思った。
 今日、この高校に来ようと言い出したのは理樹だし、何の目的も無しにそんなことを企んだわけでもない。ついこの間、電話で連絡を取ったばかりの恭介の言葉が、思考の隙間を突くように頭の中に蘇った。
『もちろん、鈴がいいと言えば、俺が言うことなんてない。鈴の自由だし、俺だって理樹なら何の問題もないさ』
 恭介の言葉に、夢で終わらなければいいけど、と思うと、理樹はつい、それをそのまま言葉にしてしまっていた。けれど恭介は迷うこともなく、その言葉に対して、『理樹、夢は見るものでも終わらせるものでもなくて、叶えるものだ』と、どこかの少年漫画で使ってそうなフレーズをささやき、じゃあなと電話を切った。もしかすると、本当に何かの漫画の台詞だったのかもしれない。
 目を瞑って、出来る限りで最大の深呼吸をし、思考に最後の踏ん切りを付ける。
 何かよくわからない。よくわからないけど、やっぱり、切り出すのなら今だ。
「いいかな、鈴」呼吸を整えて、上擦る言葉を何とかなだめる。「僕はたぶん、これから鈴が恥ずかしがるような、凄くくさい台詞を言うかもしれないけど、頑張って聞いて。蹴りは……そうだね、言い終わってからの返事でならいいよ」
 蹴られたらおしまい、実にわかりやすい。あまりにも明快な形に思わず笑いがこみ上げる。
 鈴はゆっくりと、身構えるようにして、理樹の方を向いた。まるでこれから出陣でもするかのようだったが、まあいいかと、理樹は小さく笑った。
「鈴、僕は鈴のことが好きだよ。本当に」この時点で鈴が若干赤くなっているのが理樹にはわかったが、気づかないふりをして続けた。「だから、鈴とずっと大学で一緒にいられたのは夢みたいだった。でも夢じゃ困るし、折角のいい夢なら僕は見続けたいし、叶えたい。僕は、鈴とずっと一緒にいたい」
 今からほんの少し先に待つ大学生活の終わりは、そのまま今の夢の終わりの場所を示していて、ずっと一緒、なんていう言葉の幼さなど十分に理解していた。それでも、好きな人にはっきりと告白もせずに一緒にいた今までより、それはどれほどいいことだろう。
「鈴、さっき僕言ったよね。返事としてなら、蹴りを使ってもいいって。だから、この言葉の返事にそれを使うかは、鈴の自由だよ」
 一つ間を置いて、息を整える。鈴の目を見ながら、はっきりと、理樹は言った。
「大学が終わったら、僕と一緒に暮らそう。同じ部屋で、頑張って猫を飼えるような所を探して、ずっと一緒にいよう」
 理樹は言い終えて、足腰に力を入れたが、鈴の蹴りは飛んではこなかった。鈴は若干俯いていて、耳が赤いことだけはわかったが、他の様子は窺い知ることが出来ない。
 少しして、不意に鈴は顔を上げた。
「理樹は、ずるい」深呼吸を一つして、鈴は言う。「今更にこっ恥ずかしいこと言うから思い切り蹴ってやりたいけど、蹴るとダメだから、蹴れない」
 鈴は一度理樹に背中を向け、肩越しに窺ってから、言葉を続けた。
「あたしも、理樹のことは好きだ。その、本当に。……というか、理樹。あたし達は付き合ってるんだろ?」
 不意を衝かれながらも、理樹はしっかりと頷いて返した。
「だったら、やっぱり今更じゃないか」
「鈴、よくわからないんだけど、今更、って?」
「あたしは、大学が終わっても、ずっと理樹と一緒にいるつもりだった。理樹は違うのか?」
「いや、僕もそう思ってたけど……え、鈴、そうなの?」
 うん、と鈴は頷いて返す。「だから、今更なことを理樹にまじまじ言われて恥ずかしかったんだ。やっぱり、ちょっと蹴ってやる」
 鈴がゆっくりと蹴り出した足を理樹がバックステップで避け、そのまま二人で屋上中を走り回る。あっという間に汗だくになり、また着いたときと同じような、手を繋いで寝転がった形に二人は戻った。
 だいたい、好きな人と一緒にいない方が変だろ、と空にでも聞かせるように、見上げたまま鈴が言う。
 そうだね。と理樹は答えたかったけれど、何だか可笑しくて、笑いが止まらない。いったい何をしていたんだろうと思う。一人だけ気を張って、言葉を悩みまくって。乙女、なんていうついさっきの鈴の言葉が蘇り、その通りじゃないかと思うと、また笑いがこみ上げて止まらなくなる。
「ねえ、鈴」鈴の視線がふいっと向けられたのが、理樹にはわかった。「今さ、ここにみんながいないのが凄い不思議な気がする」
 みんな、が誰かなんて、鈴がわからないわけがなかった。鈴は小さく頷いて「あたしもそう思う」と応えた。
「みんな、何してるかな」
「小毬ちゃんは、おかし食べてるな」
「じゃあ真人は筋トレしてるね」
「来ヶ谷は、うーん、想像しにくいな」
「あー、確かに。でもあの人は想像できないところがそれらしい気がする」
「葉留佳は、取り敢えず何か騒いでる」
「謙吾は竹刀でも振ってるかな」
「美魚は、きっと本でも読んでる」
 次々と名前を呼び上げて、残るは最後の一人。その顔を思い浮かべて、鈴を見る。言うまでもない、答えだった。
「絶対」と鈴が言い切る。「何か企んでるな」
「うん。それも、飛びっきり馬鹿なことをね」
 言い終わるやいなや、見計らっていたかのように、理樹のポケットの携帯が鳴る。もしもし、と尋ねると、今し方想像したばかりの、聞き慣れた声だった。
『理樹、結果はどうだった』
「あ、うん。これからも、二人で一緒にいるよ」
『そうか、そいつはよかった』
 そう言って携帯を離したのか、少し声が遠くなった。何か周りに合図を出したようにも聞こえ、幾つか返事が返ってきていたような気もした。
『理樹、校庭を見ろ』
 最後にそう一言だけ告げて、電話は切れた。何だかよくわからなかったが、理樹は内容を鈴にも伝え、揃って校庭側のフェンスへ近づいた。――その時、だった。
 心地よい爆音を鳴らして、それは夏空に散った。暗くないせいではっきりと見ることはできなかったが、間違いなく、花火の音だった。
 校庭を見下ろすと、クラブをしている生徒の姿は全く見られず、入れ替わるように、懐かしい顔が手を振っていた。数えてみても、間違いなく理樹と鈴を除いた全員が校庭に姿を現していた。続けて、二人の携帯がどちらとも鳴り出し、「結婚おめでとー」やら「婚約おめでとー」など、ともかく飛躍した祝いの言葉が途切れることなく溢れてきた。たぶん、恭介が今日の理樹の計画をみんなに伝えるときに、話を大きくして伝えたのだろう。
 やっぱり、と思う。恭介はいつだって何か企んでいるのだ。それも、飛びっきり、馬鹿なことを。全員で待ち伏せしてるなんて、どんな反応すればいいのかも思い浮かばない。
「ねえ、鈴」
「なんだ、理樹」
 自分の顔がこれ以上ないくらい笑みを作っていることに気づく。鈴を見てみると、鈴も全く同じ顔をしていた。
「こんなの、夢みたいだ」
 歩くことはやめれないし、子どものままでだっていられない。そんなのはわかってる。けど、それでも、大丈夫。
 たとえ、歩き続けて、子どもじゃなくなっても。
 いつまでも、いつだって、リトルバスターズのままで、歩いていける。
 行こう、と理樹が鈴を促す。みんなの場所へ、二人は一気に階段を駆け下りていった。


[No.117] 2007/12/28(Fri) 22:00:03

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