第1回リトバス草SS大会(仮) - 主催 - 2008/01/09(Wed) 22:19:44 [No.124] |
└ M - ひみつ@超遅刻ついでに半オリキャラ - 2008/01/13(Sun) 13:35:25 [No.132] |
└ 戦いの終わりは。 - ひみつ@大遅刻 - 2008/01/13(Sun) 00:36:13 [No.131] |
└ 馬鹿兄妹 - ひみつ - 2008/01/12(Sat) 22:01:01 [No.130] |
└ 夕焼けに赤く燃える男と男の友情 - ひみつ - 2008/01/12(Sat) 18:20:51 [No.129] |
└ そこに○○○○がある限り - ひみつ - 2008/01/12(Sat) 02:35:57 [No.128] |
└ 対男子(一部女子含む)用殲滅兵器くどりゃふかまーく... - ひみつ - 2008/01/12(Sat) 01:51:58 [No.127] |
└ 感想会ログとか次回とか - 主催 - 2008/01/14(Mon) 00:35:04 [No.134] |
『マジカル・ラジカル・ドリーミィ。愛と正義の使者、マジカル☆エレガー澪ちゃん、フラッシュアーーーップ。わたしの愛でつつんであ・げ・る♪』 りんかい線にのりながら数時間前のわたしの痴態を思い出して頭がいたくなります。 結局最後までなれることはできませんでした。……慣れたら人間として終わりそうですけど。 別にすきであんな呪文をいったのではありません。これにはのっぺきならない事情がありました。 8月。 待ちに待った、夏コミの季節。わたしは原稿を落としてしまいました。 コミケに作家として参加するのは2度目という超新参者なのに、原稿を落とすという失態を犯したわたしは罰ゲームを受けることになりました。もちろん落とすなんてことをしたらいけないなんてことはわかっていたのですが、どうしてもかけなかったのです。理樹と――最近理樹とは名前で呼び合うようになりました――恭介さんをモデルにしたSSを、どうしても書くことが出来ませんでした。理樹と名前を呼び合う関係になってから、どうもうまくいかなくなったのです。冬コミではちゃんとできたのですが。 まぁそんなわけで罰ゲームとして、コミケ会場およびそこの往復にマジカル☆エレガーの黒崎澪のコスプレをして行動することになってしまったのです。 ピンクの制服に白手袋、黒帽子。昔みたエレベーターガールの衣装そのままです。 衣装がエレベーターガールというのが新しい萌えを呼び出したらしく、1年ほど前、男女問わず人気になった作品でした。……正直、今の日本の萌えに少しついていけません。 本当に恥ずかしかったです。 ただコスプレするだけならまだしも、呪文を唱えるなんて最悪でした。 しかもヒロインの名前がわたしと発音が同じっていうのがまた堪えます。 コミケの場を戦いの場と称されることがありますがわたしにとっては今年はコミケは自分との戦いでした。 いかに恥ずかしがらないという……、この戦いは地獄でした。 まぁ幸いにもこの3日間、知り合いにあわなかったのでまだ良しとしましょう。この3日間、誰にも知り合いにあわなかったことは神様に素直に感謝しています。寮にもどるときも誰もすれ違いませんでした。本当によかったです。 ほしい本もほとんど手に入れられましたしよかったです。そのことを考えると勝利、ということでいいのでしょうか。 そんなことを思いながら、コミケの終わりを実感していました。 戦いの終わりは。 『神様はいないんじゃない、いるけどただ残酷なだけ――』そういったのは誰でしたでしょうか? そのことをわたしは今、深く、深く実感しています。だって。 「美魚、だよね?」 なんで、こんな夜遅く、こんなところで理樹とあうのでしょうか。あと自室までほんの100メートル、といったところで理樹にあいま した。こんな姿を一番みられたくなかった理樹に出会うのでしょうか。 わたしの戦いはまだ終わっていなかったようです。しかもコミケ以上に負けられない戦いが! 大丈夫です、コミケに勝ったのだから、これくらいの勝負、わけありませんっ。 なんとかして、ごまかしましょう。 「ひ、人違いです、わたしはどこにでもいるただのエレベーターガールです」 ……何言っているんでしょうか、私は。単なるスーツ姿でごまかせたかもしれないのに、なんでこんなことをいってしまったのでしょうか。き、気を落ち着けましょう。と、とりあえずなんとかやりすごせたらそれでいいんです。 「だから人違いです、それともあなたのいう美魚って人は、こんな衣装を着るんですか?」 「美魚は普通着ないけど……」 よし、なんとか、ごまかせそう……。 「……でもこんな可愛いてれた顔を魅せてくれるのは僕は美魚以外しらないから」 ……理樹、その言葉は反則です。体が硬直してしまいます。 出会ったときから、理樹はヘタレ攻めだとおもっていた(公式設定)のですが、平気でこんなこといえるのは間違いなく攻めです。こん なことを平気で言わないでください。と、理樹の顔をみると顔が赤くなっていました。平気ではないのですか……自分でも恥ずかしいのなら、なおさら言わないでください。 「で、美魚は、なんでそんな格好を――」 「だから人違いです」 と、とにかくこの場はごまかしましょう、ほんとに。 明日になればしらばっくれればいいだけです。 そんなことを考えていると、理樹がおもむろに一冊の本をとりだしました。この前わたしが貸した本でした。 わたしに本をポン、と手渡します。 「面白かったよ」 ――面白かった、面白かった、面白かった、理樹の言葉がなんどもわたしの中でリフレインされます。 この本が――面白かった――。 「そうですか、面白かったですか。この本の特徴は、トリックが解かれることを前提につくっていることですね。私は普段トリックについてはよく考えないほうですがそれでもこの話のトリックはわかりました。本の中での、西園萌絵と犀川助教授のやり取りの中でも見られるようにこの本はそれを解いた上でどう思うか、です。本のタイトルを踏まえればこの話の最後の仕掛けもお分かりでしょう。ああ、この本のよさがわかるとは、やはり理樹は私の見込んだ人、人、――人違いです」 ……うう、はめられました、理樹に。卑怯です、わたしのウィークポイントをつくなんて。 「えーーと、とりあえず、美魚の部屋にでもいこうか。これからいくところだったんだけど」 にっこりと理樹はそういいました。 「はい…」 わたしは、とうとう、観念しました。わたしの最後の戦いは完敗、だったみたいです 「理樹はドSです、わたしがいままで出会った中で一番ドSです」 「……そんなことはないと思うんだけど」 二人で部屋に入り、そういって、理樹は苦笑します。その顔はほんとうにかわいらしいです。 中性的なかわいらしい顔してドSとは本当に、反則です。(だからこそ、やおいSSに最適なモデルなんですがそれはさておき) たとえるなら、エロゲーの主人公のようです。普段はおとなしいのに、そういうシーンになったら攻めるという…。 わたしだったら理樹を理樹が心いくまで、うけとめ…こほん。 あ、あと、わたしは清楚なのでそういうゲームはやったことありませんよ?そういう知識は、コミケに参加するまでになるとどうしても入れてしまうのです。でもボーイズ系18禁はそのうち……こほんこほん。 「で、どうして美魚はそんな格好をしていたの?」 「罰ゲーム、です、ちょっと原稿を落としてしまって……」 「誰の?」 「……誰の?」 意味がわかりません、そりゃわたしのに…、ああ。 「わたしの知り合いの、です、PCにデータが残っていたから助かりましたが」 理樹は原稿を落とすの意味すらわかっていないようです。 普通の人はあんまり使わない言葉ですしね…、しょうがないかもしれません。 しかし、理樹は無垢ですよね、こういう方面に関して。あまりに無垢で涙が出そうなくらい。 「よかったね」 特に訂正する必要もないですから、そのまま答えます。 「はい、まぁその関係でこんな服を着ているわけですけど」 「どうして、隠したりしたの?」 「理樹、最高にデリカシィに欠けますよ?こんな服装、わたしが好き好んで着るわけないですか」 「なるほどね……でも、そんな服をきた美魚もかわいいよ?」 その言葉に顔を赤くします。自分の顔の体温ってここまで上げることが出来たんでね。 「な、なにをいっているんですか」 「ほんとに、かわいいよ」 そういってにっこりと笑っています。……だからその顔は反則ですっ。もう少し自重してくださいっ。 直視すると、吸い込まれそうで、なんでも許したくなってしまいます。無垢なところと、少し強気な性格がこの笑顔を形成するのでしょうか、そんなことをふと思いました。 「だから、さ…」 「はい……?」 数分後、理樹との最後の戦いが始まりました。 本当はしたくなかったのですがここでもわたしは、理樹の笑顔に負けてしまったようです。 許したくはなかったのですが、許してしまいました。 あの笑顔は本当に卑怯です。 この格好、で、この格好で、この格好で〜。 ……何をしたのかは想像にお任せさせします。 終わり。 [No.131] 2008/01/13(Sun) 00:36:13 |
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