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ある土曜日の休み時間。 「理樹君、お花見行こう!」 葉留佳さんが唐突に言ってきた。 「え?なんで今?」 「なんでって今って、今が春だからジャン!?」 「いや、そうだけど・・・。」 確かに花見も悪くないかも知れない。 けど、もうすぐテストがある…。 僕らはのんびり花見をしていられる状況ではなかった。 「うむ、それも良いな。」 来ヶ谷さんが葉留佳さんに賛同してくる。 「いや、来ヶ谷さんはだいじょうぶだろうけど…。」 「はっはっは、当然だ。」 いやまぁ。 「お花見行きたいですっ」 ってクドまで・・・。 「でもクド、もうすぐテストだけど、大丈夫なの?」 「わふ〜・・・そうでした・・・」 明るい顔は瞬時に暗くなった。 「で、でも、皆と楽しくわいわいしたいですっ」 「うん、まぁ僕もしたいけど・・・」 「じゃあ決まりだな。」 突然窓のほうから声がした。 「恭介、恭介は大丈夫なの?」 「もちろん。」 窓から教室へ。 「じゃ、リトルバスターズ全員で行くか。」 「でも、まだ春は来たばっかりだし、花見なんてテスト終わってからでもいいんじゃないの?」 「いや、その頃にはもう桜の見頃は終わっている。」 「そうですヨ、ニュースによると見頃は今日なのです。」 「うむ、それなら、今行くべきだな。」 「お花見です〜!」 結局、僕らは花見へ行くことになった。 土曜日で昼までだから昼から行くのかと思ったら、恭介の提案で夜桜を見ることになった。 「うわぁ〜、きれい〜」 第一声は葉留佳さん。 「そうだね。」 「あぁ、まったくだ。」 「ほわぁ〜、ホントに綺麗〜。」 「ふるぱわーなのですっ」 「・・・うん、綺麗だ。」 「すげぇな。」 「うむ。」 「ほぉ、こいつはすごい。」 葉留佳さんに続いて僕、恭介、小毬さん、クド、鈴、真人、来ヶ谷さん、謙吾がほぼ同時に言う。 ちなみに、西園さんは夜は早寝らしいので来ないらしい。 クドは多分「満開」と言いたいのだろう。 桜の木の下で僕らはシートを敷いて座り、なにかをしようということになった。 「よし、じゃあジャンケンで負けたやつがこの桜の木の桜の花びらを一枚ずつ全部取ることにしよう。」 恭介が提案する。 「いやいや、怒られるから。」 勿論、即却下。 「じゃあ筋肉さんがこむらがえったしようぜ。」 こんなところに来てまでする意味あるの!? 「あほか!!」 バキッ 鈴のキックが炸裂。 「じゃあ俺が鬼になるから、皆俺から離れろ」 謙吾がやる気だ!!? 「お前もか!!!」 バキッ 鈴のキックが炸裂。 「じゃあ〜、しりとりしよっか?」 小毬さんの提案。 「ぅぐっ・・・」 鈴はさすがにツッコめなかった。 「よし、じゃあ負けたやつがおねーさんに抱きつかれるというのはどうだ?」 来ヶ谷さん、それは真人たちが負けてもやるの!? 「やじゃ!!」 スカッ 鈴のキックがかわされる。 ダキッ っと同時に来ヶ谷さんが鈴に抱きついた。 「・・・ッ!!?」 「ふふふ、捕まえたぞ鈴君」 鈴が暴れるが効果なし・・・。 というか来ヶ谷さんなんで抱きついたんだろう。 「しりとりといえば、昔おじい様が言っていたのですが、しりとりで負けると文字通り『お尻を捕られる』とか!!」 クドがまたおじいさんの間違った知識を言い放つ。 「ほぉ、それは面白そうだ。」 来ヶ谷さんがノッてきた!!? 「いや、絶対来ヶ谷さん変なことするでしょう。」 ツッコむ人がいないのでツッコんでおく。 「ハッハッハ。」 「んじゃちょうどいいし、羽子板でもしますか。」 今度は葉留佳さんが提案。 しりとりの提案はスルーされたようだ。 って羽子板はお正月だし!!? 「葉留佳さん、羽子板はお正月だよ?」 「いやだな、理樹君。わかってますヨ。」 「え?それじゃあなんで?」 「えっと、なんでって言われると〜・・・やりたいから?」 あぁ、やっぱり脈絡がない・・・。 「とりあえず、もっと普通のことしようよってあれ?」 皆すでにそれぞれでやりたいことをしていた。 小毬さんはクドとお茶会。 来ヶ谷さんはまだ鈴に抱きついていた。 真人と謙吾は鈴のキックで倒れている。 恭介はなにやら音楽を聴いているようだ。 残されたのは僕と葉留佳さんだけ・・・ってあれ? 葉留佳さんがいない!? 「わ〜、それおいしそう〜。」 っと思ったら小毬さんたちのほうへ参加していた・・・。 「はぁ、まったく・・・。」 そうため息をついて、僕はみんなのやり取りを見ていた。 皆互いに違うことをやっているけど、皆、心から楽しんでいるようだった。 そんな皆を見ている僕も、釣られて笑みを浮かべていた。 テストの前だからといって勉強ばかりするよりも、たまにはこうして、皆とはしゃいで、息抜きをすることも必要なのかもしれない・・・。 そのことを皆はもう、知っているんだろうな・・・。 [No.208] 2008/03/28(Fri) 21:58:39 |
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