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No.39へ返信
クラナドリレーSS本投稿スレ
- かき -
2006/04/16(Sun) 23:47:39
[No.37]
└
たぶんこれは第9話
- 海老 -
2006/10/04(Wed) 23:51:40
[No.80]
└
遅くてごめんなさい&とりあえずかきさんの伏線は回収...
- 春日 姫宮 -
2006/07/16(Sun) 00:56:13
[No.71]
└
1分で読み終わる第7話
- 心華 -
2006/05/27(Sat) 16:14:15
[No.58]
└
色々と真っ黒な6話
- 翔菜 -
2006/05/12(Fri) 13:19:10
[No.55]
└
何も進展のない五話
- イクミ -
2006/04/22(Sat) 20:30:43
[No.49]
└
ついカッとなって書いた。反省してる第四話
- のど -
2006/04/19(Wed) 11:46:36
[No.44]
└
話の大まかな流れを決める3話
- おりびい (代理:かき) -
2006/04/16(Sun) 23:54:13
[No.40]
└
第二幕
- 仁也 (代理:かき) -
2006/04/16(Sun) 23:52:44
[No.39]
└
いち
- かき -
2006/04/16(Sun) 23:49:45
[No.38]
第二幕
(No.37 への返信) - 仁也 (代理:かき)
「つまりですね。朋也くんは記憶喪失なんですよ」
ビシっと指を突きつけて彼女はそう結論を出した。
あれから古河は半パニック状態に陥りながらも俺にあれこれ質問を浴びせてはうんうん唸りながら考え込んだ。
そして出た結論が………
「古河……お前がアホな子なのはよく解ってたつもりだったが……」
「可哀相な人を見るような目で見つめないでください!」
怒鳴りつけられた。
あの古河がこんなテンションの高いツッコミをするなんて……。
俺の知る古河のツッコミとはもっと控えめだったハズだ……。
どういうことだ?
まず、状況を整理しよう。
目の前のこの人物は俺と一緒に演劇部を再建しようと頑張っていた少女、古河渚に限りなく似ている。
その声、その容姿。しかし容姿は俺の知るそれより若干変わってる印象がある。
そして次になにより重要なのが俺が病院のベッドに寝かしつけられている理由に全くもって心当たりがないということだ。
「朋也くんが驚くのもわかります……。わたしが朋也くんの立場だったらやっぱりなかなか理解できなかったでしょう……」
困ったような顔でそう呟く古河……しかし次の瞬間には決意のこもった表情で俺を見据える。
「だけど現実を受け入れてください!!」
その声と同時に俺の眼前に手鏡をつきつける。
そこに映っていたのは………
………俺だ、俺に似ている……けどちょっと老けてるよな……?
じゃあ、それは誰だ?
考えるまでもない。鏡を覗き込んで別の人物の顔が映し出されるなんてホラーものの世界だけで十分だ。
………つまり。
「………え?」
真っ白な壁に囲まれた病室内、今度は俺の声が疑問の形となってその中に響く。
「私もにわかには信じられませんが、朋也くんは高校3年のときからの記憶がすっぽり抜け落ちてるんです………朋也くんの話を聞く限りそうとしか考えられません」
そう……なのか………。
信じられないようなことだが、信じるしかないようだ。ここまで手の込んだドッキリもあるまい。
内心複雑な気分だった……。
――俺は今幾つなのだろう?
――失ってしまった高校生活最後の一年がもったいない?
――いや、俺はそれほど有意義に時間を使えるような人間だろうか?
――でも古河が居ればあるいは………
――そもそも高校を卒業した俺は一体どんな生活をしてるんだ?
いろんな思考が頭の中でごちゃごちゃになってよくわからなくなる。
とりあえず俺は今できる最善の解決策を選ぶ。
「俺は……そのあと、どうなったんだ?」
俺の記憶は古河と出会ってから数日後くらいまで残っている。
そのあと…俺の記憶にない部分で俺はどんな風に生きてきたんだろうか?
「はい、それはですね…」
そこで彼女は何故か気合いが入ってるようで、両の拳を握り締め、若干頬を赤らめながら答えた。
「わたしと朋也くんが付き合い始めてですね…」
「なに!?」
その衝撃的な告白に思わず聞き返してしまう。
「そしてお互い下の名前で呼び合うようになったんです……」
さっきのはそういうことか……。
ん? 名前といえばさっき古河は変なことを言ってたな……自分のことを『岡崎』だって……
「それで高校を卒業したあと結婚したんです!」
「え……?」
今度は驚きのあまり聞き返すようなことにはならず、むしろ言葉を失ってしまった。
「……えっと……それは…つまり……」
「私たちは夫婦なんです!!」
頬の赤みが最高潮に達しながらも声量は衰えず、力強くそう断言する渚。
俺はその言葉に衝撃をうけた。
夫婦? 俺と古河が? え…えぇとちょっとマテ。
高校三年の春……俺は古河渚という少女と出会った。
なんにでも一生懸命で健気な少女……。
だけどいつも小さな不運が連なって結果が伴わない……そんな不器用な少女。
俺と同じ……落ちこぼれの場所に居ながらも、俺と違って必死に前に進んで行こうと努力していた少女。
俺はそんな彼女がまぶしいと思った。
でも元を辿れば彼女だってひとりでは進んでいけなかったんだ。
俺が背中を押さなければ……。
俺が背中を軽く押してやるだけでアイツはどこまでも行くから………。
だから俺は柄にも無く、彼女には自分がついてないとダメなんだと思った。
放っておけない。
けど一緒にいると救われる。
そのせいだと思う。
俺は古河のことが………………
………好きだった。
だけど告白するとか、付き合うとか柄でもないことは考えなかった。
そんなことよりコイツの頑張ってる演劇部再建を是非とも叶えたいと、それに必死になってた。
けどまぁ、俺も年頃の男の子なワケで。
夜な夜な、古河のことを思い浮かべながらあ〜んなことしたいなぁ、とかこ〜んなことしてみたらどうだろう?とか思うわけですよ!
あいつウブだからなぁ、恥ずかしがりながら言うこと聞いてくれたり………くはぁ〜〜。
も、もちろん単なる妄想ですよ?
実際にしたいという欲求を妄想で補ってるわけです!
犯罪に走らないための代償行為ですよ!?
で? 今なんつったコイツ。
夫婦? 俺と古河が?
つまりなんですか、俺が今まで妄想で補ってたこと現実にしても全然OK牧場(謎)、至って合法というそんなオイシイポジションにいるわけですか、だーまえさん!?
具体的にいうと体操服とかスクール水着とか靴下オンリーとか………はぁ、はぁ。
あ、しかも夫婦ってことは避●しなくてもいいんじゃん!
ナマですよ、ナマ!?
気持ちいいって聞いてたけど、どんだけいいんだろ……。
あぁ、もう!
「渚!!!」
そう言って俺は彼女の両肩を掴む。
「で、ですね朋也くんは電気工のお仕事について、アパートを借りて二人で暮らして…」
………………まだ続いていた。
「それで、春原さんが髪を黒く染めたんです」
どうでもいいよ、果てしなくどうでもいいよそれ………。
俺はとりあえず落ち着くことにする。
古河とは夫婦なんだ、焦らなくても逃げはしない。
今は情報を整理するほうが鮮血……じゃなくて先決だろう。
どうやら今の俺はアパートで古河と二人暮らししているらしい。
お互いの親がいる実家ではないのでヤリタイ放題だ……うっへっへ。
しかも俺のことだ。電気工で稼いだ金で古河を工事する為の道具も、たぁくさん買い揃えてあるだろう。
信じるぜ、未来の俺!
そう心を決めると、俺は落ち着いて古河の話に耳を傾ける。
「で、ですね。朋也くんとの間に子供ができたんです。汐ちゃんて言います。しおちゃんです。えへへ」
Why?
今なんつったコイツ。
子供?
俺と渚の間に………
………
……
…
処女じゃねぇのかよおぉーーーーーー!!!
古河が! 俺の古河が!! 初めての行為に戸惑い、恥じらいながらも俺の言うことに従順に従ってくれる俺の古河が!!! 苦痛に耐えながらも俺を受け入れてくる古河が!!!
俺のドリームがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
「朋也くん……」
気付くと古河は悲しそうな顔で俺を見つめていた。
「ごめんなさい……こんな状況になって朋也くんが一番戸惑ってるはずですよね……。それなのにわたし早く朋也くんに記憶を取り戻して欲しいばかりにちょっと強引でした……」
俺の内心の大寒波が表情に出てたようで、古河が慰めてくれる。やっぱ可愛いなこいつ。
俺はそっと彼女の頭に手のひらを載せる。
「朋也くん……?」
不思議そうに見上げてくる古河。
そうだ、もっと前向きになろう。
過ぎ去った過去は帰ってこないんだ。
ならばせめて思い出したい。
俺が古河の初めてを戴いたときのことを……。
「渚……」
彼女の手をとり視線を合わせる……。名前で呼ぶのはまだ恥ずかしいけど(さっきのは勢い)。
「俺も同じだ……早く記憶を取り戻したい……だから二人で頑張ろうぜ!」
「……はい!」
[No.39]
2006/04/16(Sun) 23:52:44
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