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all クラナドリレーSS本投稿スレ - かき - 2006/04/16(Sun) 23:47:39 [No.37]
たぶんこれは第9話 - 海老 - 2006/10/04(Wed) 23:51:40 [No.80]
遅くてごめんなさい&とりあえずかきさんの伏線は回収... - 春日 姫宮 - 2006/07/16(Sun) 00:56:13 [No.71]
1分で読み終わる第7話 - 心華 - 2006/05/27(Sat) 16:14:15 [No.58]
色々と真っ黒な6話 - 翔菜 - 2006/05/12(Fri) 13:19:10 [No.55]
何も進展のない五話 - イクミ - 2006/04/22(Sat) 20:30:43 [No.49]
ついカッとなって書いた。反省してる第四話 - のど - 2006/04/19(Wed) 11:46:36 [No.44]
話の大まかな流れを決める3話 - おりびい (代理:かき) - 2006/04/16(Sun) 23:54:13 [No.40]
第二幕 - 仁也 (代理:かき) - 2006/04/16(Sun) 23:52:44 [No.39]
いち - かき - 2006/04/16(Sun) 23:49:45 [No.38]


話の大まかな流れを決める3話 (No.37 への返信) - おりびい (代理:かき)

 トゥルルルルル、ピッ

「どうしたの椋、こんな時間に電話なんて…えっ朋也が目覚めたって…嘘、記憶喪失なんてドラマや漫画だけのものだと思ってた…渚の事とかもほとんど覚えてないの…ふんふん…仕事の合間にわざわざ教えてくれたありがとう。それじゃ」

 ピッ

 高校3年生、この頃の事を杏が思い出すのには写真も日記も何もいらない。
 好きになった少年、その少年を妹が好きなことを知って諦めようとした自分、そしてその少年が好きになった少女。
 苦くはないが甘酸っぱい記憶は、この先どれだけ多くの月日が流れても決して色あせることはないだろう。
(…高3からもう一度やり直せたら今度は恋人になれるかも知れないの)
 ほんの少しの違いで結果は大きく違っていたかもしれない。
 けれどもどれだけ小さな違いでもそれが過去になってしまったのなら、それは人の努力が及ぶ先になってしまう。
 過去を変える事は決して誰にもできない。

「記憶喪失か。もし陰であたしと付き合ってたなんて言ったら朋也信じるかな…えっ!?」

 何気なしにつぶやいた独り言に杏自身が驚いてしまう。
 そしてその驚きが完全に諦めたと思っていた恋心に火をつけた。
 少しの思案の後に自分の計画に必要な人物に連絡を取ろうと携帯を手に取った。



 繰り返して言う、過去を変える事は決して誰にもできない。
 しかし記憶はひょっとしたら変える事ができるかも知れない。







「みんなもう揃っているなんて感心感心」
 杏が呼び出した先のレストランには既にことみ、智代、風子が待っていた。
 なぜ彼女達がこうして付き合いがあるかといえばぶっちゃけご都合主義ということになる。
「多分あんた達のところにはまだ連絡いってないだろうから言うけど、今日朋也の意識が回復したんだけど、なんでも記憶喪失らしいの」
「わかった。朋也くんの記憶を取り戻すために私たちが友情パワーでがんばろうってお話なの」
「話は最後まで聞いて。それで今の朋也渚と付き合う直前ぐらいの状態になってるのだけど」
「またずいぶんと狙ったようなタイミングだな」
「風子ご都合主義はよくないと思います」
「いや、ほんと。それはあたしも思う。とりあえずそれは置いといて。今だったら朋也の記憶改竄できるかもしれないけど…この際自分のルートを通った事になってほしいという欲を捨てて、朋也にハーレムルート後の世界と思わせることで協力しない」
 その衝撃の一言を聞き、ことみはケーキを口に運び、智代はパフェのさくらんぼを今食べるか最後まで取っておくか悩み、そして風子はシャーベットの冷たさで頭を抱えていた。
「そりゃあたしが呼んだわけだから今日はあたしが払うけど、もうちょっと食べ物よりも話の方に意識向けてもいいんじゃない」



 そう文句は言ってみても杏もまた女性。
 ケーキセットが運ばれてくるとしばし言葉を忘れその美味しさに夢中となった。
 レストランにふさわしくない密談から、レストランらしい甘い物談義に花を咲かせたが、やがて全員食べ終わると再び話は朋也に戻った。
「そんな計画無理に決まっているでしょう。渚さんもいるし、いつ朋也の記憶が戻るかもわからないのに」
「智代は反対。ことみと風子は?」
「朋也くんと同じ学校に入ったのに二人重ならなかったから、私の高校時代はほとんど何もない真っ白な光景が広がっているの。でももし朋也くんとの思い出があったなら、きっと素敵な色に染まっていたと思うの」
「岡崎さんは別にいいですけれども、汐ちゃんが風子の妹になるのならば協力します」
「ことみと風子は賛成。というわけでこの先智代は脇役どころか出番もろくにないだろうけどあきらめてね」
「別に私は一言もやらないとは言ってない」
「ちょっと言葉が足りないのじゃないの」
「クッ、私が浅はかでした。どうか仲間に入れてください」
「じゃみんな賛成ね」
「それでは5人力を合わせてがんばりましょう」
 そうして伸ばされた手に次々と手が重なり合う。
 お互いの顔を見合わせてみて全員が確証する。
 その瞳を見れば決して裏切ったりしない信頼のおける仲間だとわかる。
 一人一人だったら困難な道であろうともこの5人が揃ったなら必ず大丈夫だと。

「「「「「エイエイオー!」」」」」

「ところであなたは誰ですか?」
 風子の誰何の一言でようやく残る3人は一人部外者がいる事に気づいた。
 先ほどまでの話し合いに加わってなかった人物に。
「仁科さんがどうしてここに?」
「どうしてと言われたら、ここは私のバイト先だからとしか答えられないですが」
 かつての同級生の智代の一言に、仁科はありのままの事実を述べた。
「あのバスケットボールの時に、私も岡崎さんから勇気をもらって、その、好きに…」
「仁科さん…そういうことは顔グラをもらってから言いなさい!」
「それでは私の出番は?」
「ないんじゃないの」
「ないと思うの」
「ないのではないか」
「そこはかとなくないと思います」
「そんな…渚さんのルートだったら一番確実に出番があるのに」



 自分を連れて行こうとする店長に抗議しながら、仁科はこの場から立ち去った。
「あんまり増えるとややこしいからこのメンバーでいこう。それでは早速色々と考えていきましょ」
「まずはチームの名前だな」
「決めポーズの練習だと思います」
「最初は応援歌を作るのが良いと思うの」
「作戦って意見はないんだ」


 こうして4人の大いなる野望へ向けての戦いが始まった。
 絶対的な朋也と渚の夫婦の絆が勝つのか。
 過去に挑む事ができるチャンスを得た4人の思いが勝つのか。
 そして3回目にしてこんな問題だらけの展開にした俺が刺し殺されることはないのか。
 全てはこれからの作者の筆にかかっていた。









出番

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 後仁科さんの出番も


[No.40] 2006/04/16(Sun) 23:54:13

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