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No.44へ返信

all クラナドリレーSS本投稿スレ - かき - 2006/04/16(Sun) 23:47:39 [No.37]
たぶんこれは第9話 - 海老 - 2006/10/04(Wed) 23:51:40 [No.80]
遅くてごめんなさい&とりあえずかきさんの伏線は回収... - 春日 姫宮 - 2006/07/16(Sun) 00:56:13 [No.71]
1分で読み終わる第7話 - 心華 - 2006/05/27(Sat) 16:14:15 [No.58]
色々と真っ黒な6話 - 翔菜 - 2006/05/12(Fri) 13:19:10 [No.55]
何も進展のない五話 - イクミ - 2006/04/22(Sat) 20:30:43 [No.49]
ついカッとなって書いた。反省してる第四話 - のど - 2006/04/19(Wed) 11:46:36 [No.44]
話の大まかな流れを決める3話 - おりびい (代理:かき) - 2006/04/16(Sun) 23:54:13 [No.40]
第二幕 - 仁也 (代理:かき) - 2006/04/16(Sun) 23:52:44 [No.39]
いち - かき - 2006/04/16(Sun) 23:49:45 [No.38]


ついカッとなって書いた。反省してる第四話 (No.37 への返信) - のど

 前回までのあらすじ(嘘

 春原陽平は社会人である。高校を卒業した彼は地元に帰り、知り合いのつてでとある事務所に就職をした。そして仕事にある程度慣れてきたと、本人がある程度自覚し始めてきたここ最近事件はおきてしまったのである。
 その日事務所には春原しかいなかった。そして、彼は運悪く体調――主に腹を――崩していた。
 時計の針が十一時を示そうかとしていたとき、突如として彼のおなかに現れたビックウェーブ、台風十二号。
 括約筋の堤防が決壊する前に早く行かねば、と春原はPCに打ち込んでいた書類を途中にして距離にして十二メートル、仕事場から右手方向にある男子便所へと駆け込んでいったのだった。何とか最悪の結果は免れたらしい。
 だが、更なる不幸が彼に襲い掛かろうとしていたとは、当の本人はもちろんのこと、ネバネバタ州のミシシッシッピー川で川くだりをしてるガリクソンさん(百八歳)も気づいていなかっだろう。
 二メートル四方の閉鎖空間、春原は背筋から上りあがる感覚に身を震わせ、解放感に酔いしれていた。
 両目を閉じ、もう一度下腹部に力を込める。皮膚の下で腸が再び躍動していくのがわかる。
 ゆっくりと目を開け、春原は思った。
 勝った。何に勝ったと聞かれれば言葉に詰まるが、それでも春原はそう思った。
 さて、この高揚感を胸に残りの仕事を片付けようと思った春原は手を左に動かし――かくはずのない冷や汗をかいた。
 首を左へ。そして首はある一点でピタリと止まる。視界に飛び込んできた現実に先ほどまでの高揚感は跡形もなく代打逆転満塁サヨナラホームランされ、太陽輝く昼空に吹き飛んだ。
 瞳孔は収縮を、瞼は開閉を繰り返す。思考限りなくゼロのままで、視点は一点からピクリとも動かない。
 辺りを見回す。
 所々にひびが入った灰色の壁、タイル張りの薄汚れた床、そして転がり落ちている天寿を全うされたトイレットペーパーの芯二つ。
 思わず、声も無く絶叫しそうになった。
 何かトイレットペーパーの代わりになるものはないかと、辺りを探す、ポケットをまさぐる。
 捜索から十五秒。紙片はあった。一応、あった。その紙片の名は一万円紙幣、またの名を虎の子の福沢諭吉大先生と言った。
 みっちゃん、道々う○こたれてー、という昔懐かしい童謡が頭の中でリフレインされていた中、春原はその紙片を左手に持ち、そして右手を見る。
 選択肢は二つ。ライフカードは二つ。続きはウェブ上でなく目の前でリアル。
 どうする、アイフル(業務停止)。どうする、春原。まだ給料日まで十日以上も先だぞっ。





 『第四話、あらすじなんて飾りみたいなものだよね』





 病室での目覚め、衝撃の事実、感動の誓い、抱擁。その全てが終わった後、朋也は体力が尽きたのかまた眠りについた。前もって言っておくがこれが体力回復のための睡眠であり、意識不明とかそういうのではない。
 寝息を立て静かに眠る朋也の姿を確認した後、渚はそっと病室を出た。そして、階段下へと向かう。
 お昼を少し過ぎた病院のロビー及び待合コーナーは人がまばらだった。
 パジャマを着た入院患者らしき人たちが喫煙コーナーで世間話をしていたり、診察待ちをしているご老人達が自分たちの病気談話に華を咲かせ、きっと親の付き添いで来ただろう子供たちがロビー狭しと走り回る。
 どこにでもあるような病院風景だった。
 渚はそんな光景を尻目にロビーの一角、待合コーナーへと歩を進める。
 おじさん、おばさん、ご老人、子供たちが座る席になど目もくれず待合コーナーの片隅、渚とほぼ同年齢くらいの女性がいる席まで一直線に向かうと、何事もないようにそこへと腰を下ろす。
 時間して数秒くらいであろうか、渚とその女性は互いに存在を確認すると、目線を交わさないまま会話をはじめた。

「……残念ですが、潜入には失敗しました。ですが、確実に動いてきます」
「そうですか。椋ちゃんを通じて朋也くんが目を覚ました情報を流した甲斐があります」
「今現在の構成メンバーは、藤林杏さん、一ノ瀬ことみさん、伊吹風子さん、坂上智代さんの四名。構成員の増減に関してはこれからも監視を続けるつもりです」
「ありがとうございます」

 なんとその女性とは、前回の話でレストランの店長により退場を余儀なくされた仁科その人であった。

「それでこちらの手勢は?」
「先ほども言いましたが椋ちゃん、それに杉坂さんも手を貸してくれるそうです」
「りえちゃんが……」

 仁科は高校時代は親友として付き合い、高校を卒業してからも度々連絡を取り合う親友のことを思い出した。
 渚が汐を出産しようとした時、彼女が生死の境を彷徨っていた時。その瞬間のことを思い出しながら杉坂はこう仁科に独白していた。
『たぶん、古河さん……いや、渚さんがあの時死んでいたら、私、渚さんの遺骨を全部飲んでいたと思う』
 こんなことを真面目な顔をして言うものだから、仁科は思いました。
 ああ、日本が同姓婚を認めていなくて良かった、と。
 きっと認めていたら、杉坂はあらゆる姦計、策略、謀略、罠を用い朋也を蹴落とし、踏み潰し、亡き者にして渚を手中に収めていただろう。良かった、ああ本当に良かった。ここが日本であってオランダじゃなくて。

「では、私も心当たりをあたってみます。たしか、前に偶然街で会った宮沢さんも岡崎さんのことを心配してましたから、こころよく協力してくれると思います」
「味方は多いに越したことはありませんから。お願いします、仁科さん」

 そう言った渚の横顔を仁科はふと見る。
 何か違っていた。そこには仁科が良く知っていた頃の渚はいなかった。
 少し自信無さ気で、ドジで、天然で、でも憎めなくて、年上なのに可愛らしくて、女性というよりも少女という言葉が似合っていた二つ年上の後輩はほんの少しの間で明らかに成長を遂げていた。それはまさしく、一人の妻であり、母親であり、――女であり。

「変わりましたね」
「え」
「渚さん、変わりました。何か、こう、強く」
「そ、そんなことありません。わたしはドジばっかして、いつも朋也くんやお父さんにからかわれてばかりのおっちょこちょいさんですっ」
「いや、そういうのじゃなくて。……えーと、内面的ていうか何というか」
「あ、やっぱり。胸が大きくなっちゃったのわかりますか?」
「え、ホントですか!? 羨ましい――じゃなくて、かもし出す雰囲気とか、あー、もう、自分がなに言いたいんだかわからなくなってきたっ!」
「に、仁科さん。落ち着いてくださいっ」

 結局、ぐだぐだになった。アンガールズチックにぐだぐだになった。じゃんがじゃんが。
 一つ二人に言うことがあるならば、病院内はお静かに。





 数時間後、また新たな組織が結成された。その名も「岡崎家死守同盟」。どっかのパクリとか言っちゃいけないのですよ、赤坂。
 この後繰り広げられた彼女らの戦いは、まさしく凄惨の一言が似合う戦いであった。
 その凄惨さを言葉で表すならば

 そーらを飛ぶ
 まーちが飛ぶ
 雲ーを突き抜け
 星になる
 火ーを吹いて
 やーみを裂き
 スーパーシティーが舞い上がる

 てな感じ。
 第五列が跋扈し、買収に謀略、裏切りや密告が横行する情報戦が繰り広げられたり、ヒトデが乱舞し、辞書に眼鏡、あんぱんやバイオリンが横行する肉弾戦が馬鹿らしく繰り広げられたりと彼女らのことを知っている人たちが見れば思わず次の日出家したくなるくらいの勢いだ。
 これが郷土史上最強にして最凶の出来事、通称「彼女らの七日間戦争」の舞台はこうして幕を広げたのであった。















 え、あらすじの春原はどうしたって?
 きっと、後の人が思い出したように補完してくれるさっ(ひでぇ)


[No.44] 2006/04/19(Wed) 11:46:36

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