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all 第15回リトバス草SS大会(仮) - 主催 - 2008/07/28(Mon) 21:23:02 [No.444]
月世界 - ひみつ 1419byte - 2008/08/02(Sat) 00:12:50 [No.462]
――MVP候補ここまで―― - 主催 - 2008/08/02(Sat) 00:11:39 [No.461]
ありのままに - ひみつ 4213 byte - 2008/08/02(Sat) 00:07:56 [No.460]
わんこと私 - ひみつ 10155 byte - 2008/08/01(Fri) 23:59:10 [No.459]
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それが本能だというのなら。 - ひみつ@9338 byte - 2008/08/01(Fri) 23:49:58 [No.457]
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ある新聞部員による実態レポート『聞いてみた』 - ひみつ 8210 byte - 2008/08/01(Fri) 21:50:03 [No.454]
白紙に空はない - ひみつ 4609 byte - 2008/08/01(Fri) 17:31:14 [No.453]
ぜんぶこわれてた - ひみつ@だーく? 6561 byte - 2008/08/01(Fri) 16:46:30 [No.452]
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死というものと、となり合わせになったとき。 - ひみつ - 2008/07/31(Thu) 14:50:37 [No.448]
3,318 byteでした。 - ひみつ@ごめんなさい - 2008/07/31(Thu) 14:54:04 [No.449]
蒐集癖 - ひみつ4760 byteです - 2008/07/31(Thu) 00:34:44 [No.447]
抑えつける - ひみつ -1593 byte- - 2008/07/29(Tue) 07:30:50 [No.446]
前半戦ログとか - 主催 - 2008/08/03(Sun) 02:05:33 [No.467]
後半戦ログと次回以降について - かき - 2008/08/03(Sun) 23:53:59 [No.471]
小大会MVPについて - かき - 2008/08/04(Mon) 01:02:14 [No.475]


ありのままに (No.444 への返信) - ひみつ 4213 byte

「ただいま」
 そんな声が玄関から聞こえた。
 僕は、エアコンが無い部屋であまりの暑さに扇風機の前で全裸になって股を開いていた。お股にあたる風が心地良いんだ。その心地良さは棄てがたい。なので、このままの体勢で声を張り上げることにした。
「おかえり!」
「なんだ。玄関に出迎えくらいしても減るもんじゃ、って何しとんじゃ!」
「見て分からない?」
「変態がいることは分かる」
 誰が変態だ。失礼しちゃうよ。僕はただ扇風機の前で全裸でお股を開いているだけだというのに。
「鈴もやる?」
「アホか!」
 まったく。何を怒っているんだか、僕にはさっぱりこれっぽっちも分からない。更に大声を上げて体温を上げるなんて愚行を犯している。こんなに暑いのに鈴は元気だなぁ。元気すぎる。アホは鈴だよ。
「アホは鈴だよ」
 本気で思ったので、声に出してしまった。ハイキックをお見舞いされた。





ありのままに








 目を覚ますと、僕は全裸だった。更に、押入れの襖を顔面でぶち抜いていた。何故だ! 意味が分からない。
「何故僕は全裸なんだ!」
 とりあえず叫んでみた。誰も答えてくれなかった。そもそも誰もいなかった。
 部屋で一人全裸で何をやってるんだろう。人としてどうなんだろう。でも、誰も見てないから別にいいや。ていうか、全裸の開放感ときたら凄まじいものがあるね。あ、そういえば、お股で扇風機の風を受け止めたら心地良いって気づいたんだ。いつ気づいたかは忘れたけど、そんな瑣末なこと、あの心地良さの前ではどうでもいいよね。
 扇風機のスイッチを入れる。勿論、リズム風、風の強さは中に設定。これが絶妙。首振りは無し。首を振っている間にお股が熱を帯びてしまうから。火照りやすいからね、下腹部はさ。とか考えながら僕はお股を開いた。やはり最高の心地良さだ。
 その心地良さで、先ほどあったことを思い出した。鈴に蹴っ飛ばされて、吹っ飛んで、挙句押入れの襖を顔面で突き破って、最後に意識を失ったことを。でも、お股が心地良すぎてどうでもよくなった。
 ふと時計を見るともうすぐキンコンヒルズが始まる時間だった。夕飯の準備をせねばなるまい。今日は僕が夕飯の担当なのだ。名残惜しいが、僕のかわいい鈴がひもじい思いをするのは非常に遺憾なので、扇風機というオアシスから旅立つことを決意した。さっさと作り終わって、また股を開けばいいさ。
 スクっと立ち上がり、エプロンを手に取り、紐を腰に巻く。鈴とお揃いの百円ショップ様で売っていたエプロン。ざらざらとした触り心地は、つくりの荒い証拠である。まあ、しょうがないか。所詮は百円なのだから。
 手際よく作業を進める。気絶していたせいで準備に時間はとれなかった。よって、非常に簡単な料理にする他なかった。用意できるものは、冷蔵庫冷やご飯、ネギ、卵、ハム、その他調味料。うむ、炒飯に決定。
 フライパンを温め、油を敷く。その上にといだ卵を流し込み、すぐさまご飯を入れ、全体が絡まるように混ぜる。炒飯は僕の得意料理だ。まあ、料理自体、あまり上手くないんだけどね。
 ネギとハムを適当に切り、ぶち込む。そして、やはり全体が絡むように混ぜる。
「ただいまー。ん、いい匂いだな」
「おかえりー。今日は炒飯だよ」
 マイスイート鈴がご帰宅だ。有り合わせのもので作った炒飯だけど、味付けには自信がある。鈴の喜ぶ顔を見るのが、僕は何より好きだった。
「って、何つー格好しとんじゃ!」
「え?」
 言われて、自分の格好を見る。エプロンをしている。至って普通だが?
「普通じゃない?」
「こいつアホだ!」
「む、アホとは何さ」
「いいから尻を隠せ!」
 そういえば、と思い出す。僕は全裸だった。全裸だった上にエプロンを着けた。即ち、裸エプロンの完成である。
「いいかい、鈴。よく聞いてくれ」
「近寄るな変態」
「これは日本の政策の一つ、クールビズだよ」
「んな訳あるか!」
 そんなわけあるまい。自分でも思う。
「いいか、理樹。私は前からお前に言いたかった。何故お前は最近家では全裸なんだ?」
「えー、基本全裸かな?」
「自覚ないのか!」
「今だって半裸ぐらいじゃん」
「うっさいわボケ! きしょいんじゃ!」
 言われて過去を振り返る。
 恭介たちがいなくなり、僕と鈴二人だけになった。色々省いて、僕と鈴は同棲するようになり、今に至っているわけだが。
「まあ、基本クールビズってことでひとつ」
「アホだろ、お前」
「えー」
「前までは普通だったのに。最近おかしいぞ?」
「違う!」
 鈴の言葉に僕は反論した。そう、最近がおかしいわけじゃないんだよ。以前までがおかしかったったんだ。
「だってさ、人って全裸で産まれてくるでしょ? だったら、なんで皆服を着るのかな? 僕は恭介たちがいなくなって強くなるって決めた。そのために色々と調べたよ。人間の起源から始めた。そして、人は全裸になるべきだという答えを導き出したのさ」
「すまん。途中までは理解出来たが、途中から分からなくなった」
「まあ、難しいだろうから」
「うん」
「鈴も全裸になるといいよ!」
 勿論、ハイキックでぶっ飛ばされました。


[No.460] 2008/08/02(Sat) 00:07:56

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