30分で何か書く翔菜さんといくみさん超かっこいい - かき - 2008/08/03(Sun) 23:33:06 [No.470] |
└ 代打バース! - ひみつ - 2008/08/04(Mon) 01:26:35 [No.476] |
└ 無題 - ひみつ@いくみ - 2008/08/04(Mon) 00:24:22 [No.474] |
└ しょうじである - ひみつ - 2008/08/04(Mon) 00:11:51 [No.473] |
└ 物語はまだ始まっていない。 - ひみつ - 2008/08/04(Mon) 00:03:20 [No.472] |
僕には秘密がある。 「30分で書けと言われた話」←題名 夜更け。なんとかも眠る丑三つ時。カーテンから差し込む光が気になって今日はなんだか眠れない。こういう時に限ってナルコレプシーは何も働かない。全く都合の悪い病気だ。鈴はもう寝ただろうか。窓を開けているせいか、町中に響く蝉の鳴き声で、呼吸の音は聞こえない。まだ起きているなら少し話がしたい。 「理樹」 鈴の声がした。僕の心の声が通じたんだろうか。 「なに?」 「少し、話がしたい」 本当に僕の心の声が通じたみたいで、なんだか少し嬉しい。目を開いた。ぼんやりとした闇の中で、薄汚れた天井が見えた。 「うん。僕も鈴と話がしたかった」 「そうか。今日ささみと話してて気づいたことがあるんだ」 「笹瀬川さん?」 「うん」 「何?」 笹瀬川さんとは高校以来会っていなかった。僕はそれほど話をするような仲じゃ無かったけど、鈴はなんだかんだ喧嘩をしながらも楽しく付き合っていたようだ。大学も同じところに進学したらしい。仲がいいよね、と冗談混じりに言うと怒るけど。 「理樹は、どうして私を抱かないんだ?」 とんでもない爆弾を仕掛けてくれたみたいだ。 *** 「ぐー。すぴー」 「おいこら、寝たフリをするな」 「ただいま直枝は眠っております。ご用件のある方はピーという発信音の後に爆発します」 「理樹! 真面目に聞け!」 真剣に僕はこの話を避けたかった。鈴のことだから、「子供ってコウノトリが運んで来るんだぞ」と自信満々に言いそうだと思っていたけども、普通に保健体育の授業も受けていたわけで。そもそも女の子のほうが先にそういった事柄を学校で習うらしいし。 「なんで、そんな話になったの?」 「いや、まあ、珍しく奢ってくれるらしいから喫茶店でささみと喋ってたらな……」 *** 「それで、棗さんは直枝さんとはもうやってしまったんですの?」 「何をだ?」 「ナニをです」 「だから何を?」 「ナニと言えば、ナニですわ」 「何を言っているんだ?」 「ナニってこの私に言わせるつもりですの?」 「お前が振ってきた話だろう」 「ま、まぐわいですわ……」 「なんだ? 日本語で話せ」 「あーもう! セックスですわよ!」 「……あまり大声でそんなこと言うな」 「誰が言わせたんですの!」 「勝手に話し始めたのはお前だろ」 「むきー!」 「まあ、水でも飲んで落ち着け」 「ぐびぐび」 「落ち着いたか?」 「……で、直枝さんとはどこまで?」 「ああ、恥ずかしいことを聞くな。言わないぞ」 「むきー!」 「まあ、水でも飲んで落ち着け」 *** 「女の子同士ってそんな話するの?」 「大学生の女の話なんて八割下ネタだぞ」 「そ、そうなんだ……」 女の子に対する幻想を軽くぶち壊されたところで続きを促す。 「ささみに彼氏が出来たらしくてな。まあ、色々求めてくるらしくて鬱陶しいと言っていたから、拒否する方法を教えて欲しいと言われたんだが、私はまだ理樹とキスまでしかしてない、とつい暴露してしまって。そしたら、それはおかしいとか言われて……」 鈴を見た。暗くてその顔はよく見えない。 「どうして、理樹は私を抱かない」 きっと鈴は真剣に聞いている。 恭介たちが死に、僕と鈴は二人になった。二人で強くなろうとした。僕は、高校を出てすぐに働いた。鈴は大学に入った。二人で、それぞれに強くなろうと努力した。二人で家を借りた。昔もこんなことがあったような気がした。 鈴は真剣だ。じゃあ、僕も真剣に答えなければならない。どのみちいつか話さないととは思っていたんだ。なら、これはいい機会なのかもしれない。 起き上がり、鈴の横まで行く。鈴が真っ直ぐ僕を見ている。なんとなく、雰囲気で正座をした。 「いいかい、鈴。一度しか言わないからね」 「うん」 「僕は」拳を握る。ギュッと目を瞑り、開く。汗が止まらない。でも、言う。「僕は、男が好きなんだ!」 蝉の声も聞こえない。世界が終わりを迎えた気がした。鈴はどんな顔をしてるだろう。話を続けよう。 「きっかけは恭介だよ。ずっと僕は恭介に憧れていた。だって、イケメンじゃん? 次に真人。ガチムチの魅力とりつかれたね。マジ超最高。謙吾は見た目からしてこっちの世界の住人しね。あれは強気受けだよ」 とまらない。これまでの鬱憤を晴らすかのように僕は話し続けた。 「ごめんね。こんな僕でごめんね」 鈴の顔が見れない。どう接していいか分からない。明日、僕は家を出る。この秘密を話したらそうしようと考えていたから。 「理樹、こっちを見ろ」 鈴が笑っていた。 「実は私も言ってなかったけど」 徐に脱ぎだす鈴。 「この胸を見てくれ」 凝視する。そこには鈴のぺったんこな胸があった。 「私は、実は男なんだ!」 「鈴!」 「理樹!」 「「ラブレヴォリューション!」」 *** 「ボツ」 美魚は部屋で一人呟いた。 [No.474] 2008/08/04(Mon) 00:24:22 |
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