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あたしは、からっぽ。 あたしは、からっぽ。 あたしは――からっぽ。 『一度やってみたかったこと』 月明かりだけが差し込む部屋の中、あたしは理樹君と二人きりだった。「本当に、あたしでいいの?」という問いに、「もちろん」と理樹君が答えて、今、あたしたちは、同じ部屋で二人、裸で向き合っていた。美魚のよく読んでいる本の言い方をすれば、生まれたままの姿であたしたち二人はたっていた。 「告白したその日の夜に、こんなことするなんて、大胆だね、理樹君」 あたしがそういうと、理樹君が笑みを浮かべて、 「美魚はこういうの、イヤ?」 ときいてきた。もし、美魚が理樹君から、こんなことをいわれたら、どんな風に答えるのだろう?そんなことを考えながら、理樹君の質問に答える。 「イヤ、じゃないわね」 「なら、いいじゃない」 そんなことをいいながら、理樹君は目を閉じて、唇を合わせてきた。あたしも釣られて目を閉じて――、理樹君と唇を合わせた。それだけで飽き足らないのか、舌をあたしの中に入れてくる。ああ、ディープキスってやつね。 そんなことをぼんやりと考えながら、目を開けると、理樹君が本当に気持ちよさそうな顔をしていた。……そんなに、きもちがいいのなの?こんなことが。 あたしには、わからない。ただ――美魚が持っている本から考えると、きっとこれは気持ちがいいことなんだろう。 ――あたしは、からっぽ。 理樹君が、唇を完全に離したのは、たっぷり10分はたったときだった。理樹君の顔が紅潮しているのがわかる。 興奮、しているらしい。 「美魚のそこ、触れて、いいかな?」 「うん…いいよ」 ちゃんと、理樹君の望む声を出せただろうか?一瞬、そんなことを不安に思うけど、そんなことは杞憂で、理樹君があたしの大事なところを触ってきた。美魚が一人、夜中にふれたこともあるその場所。その場所に、今度は理樹君が触れていた。 心の中に湧き上がってくる、美魚が味わったことのある、その感情。人に触られると違うみたいだけど、やっぱりその感覚をあたしは味わうことはない。あたしが味わったのは、頭が真っ白にならないくらいの、気持ちがいいという感情。……きっと美魚がこっち方面に遠慮していたからだろう。 「理樹君…きもちいいよ」 ただ、形式的に、あたしは理樹君にそういう。 理樹君は、満足そうに微笑んだ。気がつけば、理樹君がふれていたその場所が、くちゅくちゅと音をたてていた。体は正直、ということだろうか。 ――あたしは、からっぽ。 「入れるね?」 「う、うん…」 不安そうな声を上げる。こうやって答えるのが決まりみたいだから。 「本当に入れていい?」 理樹君が聞いてきた。改めて、理樹君のモノをみると、とても大きかった。 ――でも、その問いに答えるのにかかった時間は、きっと1秒。 「うん……いいよ」 あたしがそういうと理樹君はあたしの中に理樹君のモノをいれてきた。 痛みは、感じた。 たとえるなら、本を読んでいる最中、野球のボールがぶつかったくらい。 理樹君は、猿みたいに、あたしを求め――、数回後、果てた。理樹君は満足そうな顔をしていた。 だからあたしも満足そうな顔をする。 あたしたちの初体験が、こうして、終わった。 ただひとつ、幸福なのは、理樹君を満足させてあげられたみたいで、よかったこと、だろうか。 ――抱かれて、抱いて、抱かれて、抱いて。そんな日々をすごす。 「あん…んんん、はぁ、はぁ」 嬌声をあげるのもずいぶんとうまくなった。こんな風に鳴けば、理樹君が求めてくるから、あたしは練習した。 からっぽのあたしがそんなことを思うということは、美魚もやっぱり理樹君を喜ばせたいと思っていたからだろうか。 …ひょっとしたら、悦ばせたいかもしれない。 あたしにはわからない。あたしがわからないからきっと美魚もわからない。 あたしは考えないようにして、理樹君のモノを口に入れる。 理樹君は、悦んだ。 あたしの想いに応えるよう理樹君が、何度目かわからない、挿入をする。快楽はやはり感じない、あたしにできるのは、気持ちよさそうな声を上げるだけ。 どんな体位だろうが、そんなに快楽は感じなかった。野外にいったこともあるけど、そのときも同様だった。 やがて、そんな日々は終わる。 あたしの体が、ふ、っと消えた。理樹君、これからどうなるんだろう、そんなことをぼんやりとおもった。 終 [No.779] 2008/12/13(Sat) 00:21:51 |
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