![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
春の朝。 「んにゅぅ………」 カーテンの隙間から光が漏れる。その光が鈴の目にかかり、むずがるように顔をしかめる。そんな事を繰り返した後に、鈴は軽く寝返りをうった。シンプルな、ともすれば子供っぽいとも言えるパジャマは少しはだけておへそがちらと見えてしまっている。 「――すぅ」 そんな事は知らんと言わんばかりに、眩しさから解放されて鈴は眠りに戻る。コリコリと耳を掻いて、本当に気持ちよさそうに鈴は眠る。 「きょうすけぇ、今日は何して遊ぶぅ?」 そんな寝言を口にするのは謙吾。彼も子供っぽいパジャマを身に付けてナイトキャップまでしているが、鈴と違って全く微笑ましくないのはなぜだろう? そしてそんな事とは無縁にいつもと同じく下らない事に心を煩わせない少年は、夢の中でも遊ぶ事に余念が無いらしい。 「なにぃ、罰ゲームが制服を着る事だとぅ………」 夢の中でも変わらない平和な世界を堪能しながら、謙吾は夢でも遊び続ける。 「ぅ、ぅぅぅ」 苦しそうな声をあげているのは、何でパジャマにそんなヒラヒラをつける必要があるのか分からない黒ゴスロリを着ている小毬。いつもの明るい表情はなりを潜め、うめき声が途切れない。 「もぅ、ぅぅぅ。お菓子、食べれないよぅ」 ………幸せそうな夢ではあるようだが。 そして彼女の隣のベッドでは、佐々美が穏やかな顔をしていた。彼女のパジャマも小毬と同じく黒色だが、佐々美のは寝やすいように設計された高級なパジャマである。 「クロー…、ママですよー」 小さく、誰に聞かせるでもなく漏れ出た声が、聞く者が聞けばせつない意味を含んでいた。幸せな過去はもう過ぎ去ってしまっている為に。 「筋肉! 筋肉!!」 夢の中まで気合いを入れて、腹の奥底から力を込めるように言うのは下着だけしか身に付けていない真人。フン! フン!! という息と体中にかいている汗。もしかしたら眠りながらでも体を動かして筋トレをしているのだろうか。器用ではあるのだろうが、限りなくバカくさい話である。 「う…ううぅ………」 そして男の汗の臭いを強制的にかがされているのはごく普通で何の特徴も感じられないパジャマの理樹。なんというか、御愁傷様という他ない。苦しそうな声をあげる理樹だが、残念ながら現状は改善されない。 理樹の寝苦しい日々は続く。 寝息しかない静かな部屋で、少女は静かに眠っている。だがそれは彼女が夢を見ていないと、そういう訳ではない。時折表情がよく変わるのは、ただ眠るだけでは説明のつかない。 ………まあ、悦に入ったような表情を見れば、来ヶ谷がどのような夢を見ているのかは理解出来ないはずもないのだが。後、この年頃の女の子の寝るときの姿が全裸なのは少しどうかと思う。 本の匂いが充満する部屋で、ゆったりとした寝息が二つ響く。 一人は小さな女の子。中華風のパジャマを着込んだその少女は、少しだけはだけた布団に包まれてすうすうと寝息をたてている。 ぐっすりと寝込んでいるクドはきっと、辛い夢も悲しい夢も、楽しい夢も嬉しい夢も見ないままに眠っている。ただすうすうと、小さな寝息をたてて眠っている。 そしてその部屋に眠るもう一人、美魚もゆったりとした寝息をたてて寝入っていた。言葉にならない程度に小さく口を動かしながら、それでも彼女は静かに眠る。 「…鳥、ずっと一緒………に」 少しだけ口から声が漏れる。それ以上の言葉が漏れる事もなく、美魚は寝入る。空色のパジャマを着た少女は、ほとんどはだけずに服を身に纏いながら夢虚を漂い続ける。 「はるかぁー、服装はしっかりしなさいって言ってるでしょー」 「おねーちゃん、そりゃ無理てもんですよー」 「あなただって女の子なんですからねー、しっかりしないと直枝に嫌われるわよー」 「う〜。そんな御無体なぁ〜。でもおねーちゃんだってその辺りどーですかネ?」 ちなみに二人とも熟睡している。更に、別に同じ夢を見ている訳でも多分ない。それなのに傍から聞くと会話が奇跡的に成立していたりする。 「べ、別に私は直枝の事なんか………」 「よっしゃ、おねーちゃんも缶蹴りして一緒に遊ぶのだー」 佳奈多は淡いブルーの、少し薄めのパジャマの前を思いっきりはだけながら口をむにゃむにゃと動かしている。ちなみに、白いブラは丸見えだ。そして葉留佳も明るいオレンジ色の、彼女らしいパジャマの前を佳奈多そっくりに思いっきりはだけながら口をむにゃむにゃと動かしている。もちろん彼女も黄色いブラが丸見え。 本当にこの二人、息が合っているのか合っていないのか。深い眠りにつきながらも不思議な会話は止まらない。 始業式であるこの日、みんなは仲良く寝坊した。 [No.820] 2008/12/29(Mon) 17:13:27 |
この記事への返信は締め切られています。
返信は投稿後 30 日間のみ可能に設定されています。