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雨がぱらぱら降っている。 寮長室に二木さんと一緒に先輩の残した仕事の手伝いをしている。 なんで先輩の仕事をやってるのかというと、サボって逃げたからだと思っている。 「全く…なんで私があーちゃん先輩の仕事までしないといけないの…あの人、仕事する気あるのかしら…」「まぁ…あの人は大変だからしかたないと思うんだけどね。」 「何言ってるのよ。自分に課せられた仕事をするのは当然のことでしょ?」 二木さんはぶつぶつ愚痴をこぼしながら作業を続けていた。 歩道を見ると赤、青、黄、黒、いろいろな色が目に入った。 傘の色が雨と合わさってキラキラ光っている。 この近くに小学校があって下校中の小学生が集団下校していていろいろな色が綺麗に合わさっていた。 僕は強い視線が気になってその方向を向いたら二木さんが睨みつけていてた。「直枝…直枝も仕事…やらない訳?私に押し付けるのかしら?」 「い、いや…うん、やるよ…」 二木さんのこめかみには青筋が出ていた。 これはやらないとまずいような気がする… 黙々と作業をしていると、部屋には雨の音と時計の秒針の音しか聞こえない。「ねぇ、二木さんは雨と晴れどっちが好き?」 「・・・・・・・」 「二木さんは雨と晴れどっちが好き?」 聞こえてるのか、聞こえてるのに聞く気がないのか分からないけど、僕は負けずにまた言ってみた。 「はぁ・・・雨と晴れどっちが好きかって?」 溜息交じりの声で聞いてきた。 「うん。どっち?」 「そうね・・・私は晴れかな。晴れの方が暖かくて、太陽の光を浴びると気持ち良いし・・・」 「そっか。」 「なによ。二木さんは晴れの日が好きっておかしいね、って顔してるわよ。」 二木さんは不貞腐れた顔をしていた。 「いやいやいや、おかしくないよ。僕は晴れも好きだけど、雨の日も良いと思うよ?」 「どこがいいのよ。雨の日なんて、じめじめするし、髪はすきにくいし、洗濯物は乾きにくいし、雨の日にいい思いではないから・・・良いことなんてないじゃない。」 洗濯が乾きにくいってところだけはなんか女子高生とは思えない答えだと思うことはいわないでおいた方が良いような気がする。 「そうかな・・・?晴れもいいけど、雨もいいよ?」「そうかしら、どこがいいか聞きたいわ。」 二木さんは立ち上がりお茶を二つ入れてくれた。 「ありがとう。雨の日のいいところはね、外見てよ、外には傘の色と雨できらきら輝いて綺麗じゃない?晴れの日では見れないし、確かに雨の日はじめじめして過ごしにくいけど雨には雨の良いところがあるんだよ?」 「ね。綺麗でしょ?」 「・・・・・・・・」 二木さんは黙って外を眺めていた。 「二木さん?」 「・・・・・・そ、そうね。確かに綺麗だわ、雨の日がこんなに綺麗って思ったことはないわ。」 二木さんは微笑んでいた。 見とれてしまうくらいに可愛いかった。 次の日、寮長の頼みで二木さんと買い物に行ったんだけど、 「二木さん、もう少し寄らないと雨に当たっちゃうよ?」 「そんなことしたら直枝が雨に当たっちゃうじゃない。私は大丈夫だから。」 「そんな事言わないでいいから、入ってよ。」 「あ、ありがとう・・・」 二木さんは小さな声で言っていた。 「不意の雨って嫌な気分になるものだって思っていたけど、良いこともあるんだね。」 「良いこと?」 「良いことは二木さんと一つの傘に入れたことかな?」 「え・・・それって相々傘って言うんじゃ・・・」 二木さんの顔がだんだん赤くなってきた。 こういう二木さんも可愛い。 「それ以外にも良いものが見れると思うよ?」 「・・・今度は何よ。」 雨があがって太陽が雲間から見えてきた。 「ほらっ」 「・・・本当・・・綺麗・・・」 雨があがって見えたものは、君の笑顔と七色のアーチ・・・ 「本当に綺麗な虹」 [No.863] 2009/01/09(Fri) 22:21:13 |
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