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all 第26回リトバス草SS大会(ネタバレ申告必要無) - 主催 - 2009/02/05(Thu) 21:25:32 [No.908]
死ねない病 - ひみつ@6617 byte まにあったきがする - 2009/02/07(Sat) 21:33:50 [No.925]
しめきりー - 主催 - 2009/02/07(Sat) 00:15:37 [No.923]
持たぬ者 - ひーみーつ@6144Byte - 2009/02/07(Sat) 00:05:34 [No.922]
[削除] - - 2009/02/07(Sat) 00:00:46 [No.921]
馬鹿につける薬はない - ひみつ@10133byte - 2009/02/07(Sat) 00:00:25 [No.920]
ガチ魔法少女 マジカル☆みおちん - ひみつ@13165Byte・作者は病気 - 2009/02/06(Fri) 23:58:32 [No.919]
桃缶はっぴぃ - ひみつ@9202 byte - 2009/02/06(Fri) 22:57:21 [No.918]
風邪をひいた日に - 秘密 @4507Byte - 2009/02/06(Fri) 22:47:32 [No.917]
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裏庭での一時 - ひみつ@17018byte(冒頭、若干修正) - 2009/02/06(Fri) 05:09:24 [No.912]
わらしべクドリャフカ - ひみつ@20356 byte - 2009/02/06(Fri) 00:01:36 [No.911]
父娘の平日〜看病編〜 - ひみつあーんど初 5810byte - 2009/02/05(Thu) 21:46:40 [No.910]


風邪をひいた日に (No.908 への返信) - 秘密 @4507Byte

〜風邪をひいた日に〜



 目を覚ますと寮の天井が目に入った。
 周りは何もないように静かだった。
 時計を見たらそろそろ昼の12時だった。
「まだ授業中なんだ…休んだことなんてなかったから知らなかったけど、こんなに静かなんだ…」
 こんな時間に寮にいるのはサボりじゃなくて風邪を拗らせて熱が出てしまった…
 熱はひいたけど、喉も痛い。
「やっぱり一日では治らないか…」
 なんか無性に虚しくなるけど溜息が出る。
「そういえば…昼ごはんはどうしようかな…学食に行くとみんなに風邪をうつしそうで嫌だし…」
 悲しいけど、寝てたら治るから昼ごはんは我慢しよう。





 しばらくしたら授業が終わるチャイムが鳴った。
 でも、僕は外には出られないからベッドに入り続けないといけないんだけどね…
 すると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「こんな時間に誰だろ?」
 時間って言ったら昼休みだし、昼はどうしたんだろ…恐る恐るドアを開けてみた。
「あ、直枝。気分はどう?」
 そこには二木さんがいた。
「二木さん?こんな時間にどうしたの?来ちゃダメだよ。風邪うつしたら悪いよ」
「私は大丈夫よ。あなたの方が心配だから。入るわよ」
 靴を脱いで中に入ってきた。
「熱はどう?」
 二木さんの冷たい手が僕のおでこに当たった。
「ふ、二木さん!?」
 自分でも分かるくらい顔が赤くなってくのが分かった。
「熱はないみたいね。どうしたの!?顔が真っ赤よ!?熱があるんじゃない!?」
「だ、大丈夫だよ。熱は完全にひいたから」
 心配してくれたみたいで嬉しいけど、少し驚いた。
「大丈夫なら良いんだけど…さて、昼、食べるものないんでしょ?」
「え…なんで知ってるの?」
 僕が風邪で寝込んでるのを知ってるのは恭介たちだけなのに…
「知らない人なんていないと思うわよ?葉留佳たちが言いふらしていたわ」
 葉留佳さん…心配するのは嬉しいけど、言いふらさいでほしいと思った。
「本当に葉留佳さんは言いふらすのが好きなんだから…」
「ふふふ。良いじゃない。心配してくれる人がいるのは幸せなことよ?」
 それはそうだけど、話題になってしまうのは嫌だと思うのは僕だけなのかな…
「昼は、何食べたい?寮だから豪勢なものは出来ないけど…風邪ひいてるならお粥が良いかしら?」
 エプロンを着て料理の準備をしていた。
 エプロンと言っても鈴が持ってきたと思われる猫のやつだ。
 二木さんも思ってたより似合ってる。
「直枝、聞いてる?熱はないわよね?」
「う、うん…ないよ。大丈夫」
 二木さんに見とれてた…なんて言ったら顔を真っ赤にして怒るんだろうな…
「もう、何ニヤニヤしてるのよ。なんか可笑しいわよ」
 呆れた顔をしながらお粥を作り始めた。
「直枝は寝てていいわよ。出来たら起こしてあげるから」
「そう?それなら…お願いするよ…」
 そういうと眠りに誘われてしまった。





「な・・・て。なお・・・きて。直枝、起きて。」
 僕を呼ぶ声が聞こえた。
「二木…さん?」
「直枝、出来たけど、食べれる?」
 蓋を開けると温かそうな湯気が昇った。
「うん。食べれるよ。ありがとう。二木さん」
「そんなに感謝されることじゃないわよ」
二木さんらしく恥ずかしそうにしていた。
「ほらっ、口あけて食べさせてあげるから」
「い、いいよ。食べれるから」
 スプーンでお粥を一掬いして口に近づけてくれた。
「病人なんだからこれくらいするわよ。それか私がすると嫌なのかしら?」
「嫌じゃないよ!!二木さんがしてくれるから嬉しいくらいだよ!!」
 こんなに落ち込む二木さんは久しぶりに見たかもしれない。
 なんで僕は彼女の悲しむ顔に弱いんだろ…
 でも、僕って変態なこと言ったような気がする。
 嬉しいのは確かなんだけど…
「どう?美味しい?」
「うん。美味しいよ」
 食べてみると、なんともいえない美味しさだった。





 食べ終わると次の時間の予鈴が鳴った。
 二木さんは、慌てて部屋から出て行った。
 僕はまた深い眠りについた。







 何時間たっただろう。

 何時間目?

 放課後?

 ふに…?

 ふにふにふにふに…
 なにかな。
(この柔らかいのは…)
 手を伸ばしてみると柔らかいものが手に当たった。
「ん……」
 何か声が聞こえた。
 ふにふにふにふにふにふに…
 また触ってみた。
 なんだろ。
 この柔らかいものは…
「えっ…」
 目を開けてみると目の前に二木さんが眠っていた。
 一定のリズムで寝息をたてて気持ちよさそうに眠っていた。
 当たっていた場所は彼女のほっぺたみたい。
 でも、こんなに柔らかいんだ。
 ふにふにふに…
 でもこれ以上すると僕の理性が持たないような気がする。
「…あ…な、直枝…ごめんなさい…寝ちゃったみたい…」
 気づいてないみたいなのが嬉しいような悲しいような気がする…
 気づいたらきづいたで顔を赤くして恥ずかしがりそうだけどね…
「どうしたの?顔赤いわよ。熱が出たんじゃない?」
「だ、大丈夫だよ!?」
 突然、おでこを当ててくるから驚いた。
 顔が熱いのは必然のことなんだと思うけど…
「うん、これは熱のせいじゃなくてね?」
「熱のせいじゃなかったら誰のせいかしら?」
 その張本人は気づいてないみたい。
「その犯人はね?君だよ」
 僕はゆっくり二木さんに指を突きつけた。
 僕の目に映ったのはだんだん顔を真っ赤にしていく彼女。
 僕の熱は風邪でもあるけど、君にみとれてしまったせいなんだよ?
 そういうのはまだまだ先の話かもしれない。


[No.917] 2009/02/06(Fri) 22:47:32

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