第26回リトバス草SS大会(ネタバレ申告必要無) - 主催 - 2009/02/05(Thu) 21:25:32 [No.908] |
└ 死ねない病 - ひみつ@6617 byte まにあったきがする - 2009/02/07(Sat) 21:33:50 [No.925] |
└ しめきりー - 主催 - 2009/02/07(Sat) 00:15:37 [No.923] |
└ 持たぬ者 - ひーみーつ@6144Byte - 2009/02/07(Sat) 00:05:34 [No.922] |
└ [削除] - - 2009/02/07(Sat) 00:00:46 [No.921] |
└ 馬鹿につける薬はない - ひみつ@10133byte - 2009/02/07(Sat) 00:00:25 [No.920] |
└ ガチ魔法少女 マジカル☆みおちん - ひみつ@13165Byte・作者は病気 - 2009/02/06(Fri) 23:58:32 [No.919] |
└ 桃缶はっぴぃ - ひみつ@9202 byte - 2009/02/06(Fri) 22:57:21 [No.918] |
└ 風邪をひいた日に - 秘密 @4507Byte - 2009/02/06(Fri) 22:47:32 [No.917] |
└ 手樫病 - ひみつ@9345 byte - 2009/02/06(Fri) 22:43:28 [No.916] |
└ 世界の卵 - ひみつ@19577byte - 2009/02/06(Fri) 19:16:02 [No.915] |
└ pony症候群 - ひみつ@12934 byte - 2009/02/06(Fri) 18:04:37 [No.914] |
└ 一滴の涙 - ひみつ@14144 byte - 2009/02/06(Fri) 07:36:37 [No.913] |
└ 裏庭での一時 - ひみつ@17018byte(冒頭、若干修正) - 2009/02/06(Fri) 05:09:24 [No.912] |
└ わらしべクドリャフカ - ひみつ@20356 byte - 2009/02/06(Fri) 00:01:36 [No.911] |
└ 父娘の平日〜看病編〜 - ひみつあーんど初 5810byte - 2009/02/05(Thu) 21:46:40 [No.910] |
これは、僕の懺悔の告白です。 誰にも話すことも出来ず、また、話せる人間もいない。そんな僕の唯一の外への出力方法です。今も、心の中に降り続ける黒い雪は、止むことなく積り続けています。 僕の罪は、夏から始まります。僕は事故に遭いました。そして、僕だけが生き残りました。光り輝いていた世界は、一瞬で色褪せ、何もかもがどうでもよくなりました。誰も助けることのできない無力な僕は、僕を助けることも出来ない。当然の如く、自殺という手段を選びました。しかし、皆の居る世界に逝くという僕の望みは叶えられることはありませんでした。屋上からの飛び降り、首吊り、リストカットなど。色んな手段を試そうとも、僕に罹った呪いが邪魔をするのです。やろうと決意した瞬間、僕は眠りに落ちてしまうのです。また、死のうと思わずとも、所構わず眠ってしまう。事故以前より、その頻度は増し、僕を更に苦しめました。 誰にも迷惑は掛けたくはないし、誰とも繋がりを持ちたくはないし、このまま消え去りたいと、物言わぬ雲になってどこかに流れてしまいたいと願い、とにかく死に場所を探す毎日でした。 ある時、そんな歩く死体のような僕に話しかける人物が現れました。女性でした。知り合いでした。 彼女とは以前から、多少の交流はありました。彼女の役職柄、僕とその仲間達とが衝突する場面は幾つもあったからです。 しかし、彼女は、僕の知っている彼女ではありませんでした。彼女もあのことで余程ショックを受けたのでしょう。空元気を絵に描いたような人間になっていました。この時、すぐに気づいて、彼女が近づいてこようとも逃げて避けて生きていけば良かったのですが、僕は興味を示すことなく、また追い返すことも無く、傍目には受け入れているように見える行動を取っていました。彼女が僕に喋りかけて、僕が生返事をする。彼女も、受け入れられたと思ってしまったのでしょう。それが間違いだった。 彼女は、どんどん元気を取り戻していっているように見えました。演技が上手になっていきました。言動も、行動も。いつしか、僕は耐え難い拷問に感じるようになっていきました。遣る瀬無い思いが、僕の中でどんどん溜まっていきました。それは、まるで、黒い雪のように。 ある日の放課後のことです。僕は、一人教室で眠っていました。いつもの発作が起きたせいです。いつからか、僕を起こそうとする人は誰もいないし、僕を部屋に運んでくれる人は誰もいない。しかし、それは、僕が望んだ結果で、僕はそれに満足していました。しかし、この日は、彼女が僕を待っていました。僕が起きるのを待っていました。彼女が彼女の真似をした顔で、彼女が彼女を真似した仕草で、僕の寝顔を見ていたのです。 目を覚まして、僕は狂ってしまいそうでした。夢ならば覚めて欲しいと願いました。しかし、彼女は僕の気も知らずに彼女の真似をするのです。馬鹿を演じ続けるのです。僕にはそれが我慢ならなかった。気付けば彼女を殴り付けていました。狂った叫びを上げ彼女の頬に握った拳叩きつけ、悶絶し床を転がる彼女を踏みつけて、馬乗りになり何回も平手を打ち。そうする内に、彼女の衣服は乱れていき、それを見た僕の劣情は顔を覗かせてしまいました。夕暮れに染まる教室の中、僕は彼女を犯しました。何度も何度も自分の精子を彼女の膣内に吐き出しました。胃の中身も吐き出しました。きっと涙も出ていたのでしょう。それは忘れました。僕はまた、眠りに落ちました。 目覚めて最初に見たものは、教室の汚い天井でした。のろのろ起き上がる僕の横に、彼女の真似をする彼女がいました。彼女は、もう彼女の真似をしない普通の彼女に戻っていました。顔は痣と鼻血で汚れ、衣服は乱れ、足元は粘ついた汚らしい液体と、真っ赤な血で染まっていました。しかし、眼だけはハッキリと僕を見据えていました。そこに映るのは、怒りでも、嘆きでもなく、ただ僕の絶望した汚らしい顔だけでした。彼女は僕が眠ってしまった後も、逃げださず、助けを求めず、僕の側に居たのです。理解が出来ませんでした。理解が出来ず僕は、僕を殺してください、と彼女に願いました。彼女は、嫌よ、と言って立ち去りました。その晩、臆病者の僕は闇中で震え、眠ることができませんでした。眠れないまま、夜は明け、僕は学校へと怯えながら向かいました。彼女は僕の教室の前に立っていました。逃げることも、無視することも出来ず、僕が立ち尽くしていると、彼女は彼女の真似をしながら僕に近づいてきました。制服は新しくなっていましたが、顔は痣だらけでした。呆然とする僕を無視して、彼女は彼女の真似をし続けます。放課後、再び眠りこけた僕を待っていたのは、彼女の真似をする彼女で、昨日と同じことを僕は彼女にしてしまいました。彼女が悪いんだ。彼女が僕を虐めるから。彼女が僕を放っておいてくれないから。そう自分に言い訳しながら、僕は彼女を殴り、踏みつけ、犯しました。それは、次の日も、また次の日も続きました。なんの拷問なのか。早く誰か僕を彼女の呪縛から解き放ってくれ。そう願いました。彼女にも何度も僕を殺してくれと頼みました。眠りにおち、眠れない毎日を過ごすうちに、僕の現実は霞みだしました。来る日来る日も彼女は殴られ、踏みつけられ、犯され。痣は増え、彼女にそっくりだった顔立ちは、少し歪み始めていました。ある日、僕は彼女を見ても、彼女が彼女の真似をしても何も感じなくなりました。彼女の顔が歪んだおかげか、彼女の声がしゃがれたおかげか。僕は彼女が彼女の真似をしても何も感じなくなりました。解放されたのだ。許されたのだ。僕は歓喜しました。放課後のあの時間も僕は彼女を無視して、自分の部屋に帰ることが出来ました。その日の僕は、あれ以来初めてぐっすりと眠ることが出来ました。しかし、全ては僕の勘違いだったのです。それは、再び放課後でした。僕はいつものように眠り、そして目を覚ましたところです。僕の目の前には、彼女が居ました。彼女が宙づりになり、お漏らしをしながら、ぶらぶらと揺れていました。僕の机には、彼女の書き置きらしきものがありました。『ありがとう』。僕はすぐに理解し、そして、彼女に嫉妬しました。彼女は僕の逝く事の出来ない皆の待つ世界へと一人で旅立ってしまったのです。僕からの暴力を贖罪とし、それを糧に生き、そして、僕を一人残し、彼女は逃げていきました。羨ましい。羨ましい。どうして死ぬならば僕を殺してくれなかったんだ。僕を一緒に連れて行ってくれなかったんだ。自分だけずるい。僕は勢いに任せ、教室の窓から飛び降りようとしました。しかし、呪いはその力をより強めを僕を縛り付けました。 次に目を覚ました時は病院でした。最初に考えたことは彼女は本当に死んだのだろうか、ということでした。希薄になる現実感を明確にしたのは、警察官でした。ぼんやりとする頭で、事情聴取を受けました。僕は、彼女を殴ったこと、彼女を無理矢理犯したことなど洗いざらい言うつもりでした。そうして、誰かが僕を裁いてくれればいい。そう考えていました。それなのに、僕は何も言わずにいました。何も言えなかった。何が怖いというのか。失うものなんて何も無いのに。ただ、僕は涙を流すことしか出来ませんでした。そして、眠りに落ちました。後日、警察官が再び訪れ、僕に一枚の紙を渡しました。それは彼女の真似をする彼女が、彼女の真似をしないで書いた、遺書でした。遺書には、事故で妹が死んだこと。自分を罰するために僕を利用したこと。僕を好きだったこと。僕は悪くないということ。最後にごめんなさいとありがとう。涙が出ました。彼女は僕に、再び一人で苦しめと。そう言っているのです。どんな罰もお前には下さないと。許されないまま生きて行けと。 僕は泣きながら警察官に自分の罪を告白しました。僕を捕まえて下さいと懇願しました。しかし、警察官は僕を捕まえませんでした。そこで、また、いつものように眠りに落ちました。 誰か僕の罪を裁いてください。 誰か僕を殺してください。 誰か僕に [No.925] 2009/02/07(Sat) 21:33:50 |
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