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妹は寂しそうな表情でつぶやいた。 「なんで、ほたるすぐ死んでしまうん?」 「節子、せつこーーーーっ」 チャットで長尺コメントしづらいので、私もフライング感想(というよりコメント)を書いてみました。しんどいです。 基本的に文章構成・表現についてコメントしております。 酷評しているものもありますが、改善案は必ず示すよう努力しています。 ですので、ご自身のサイトに公開されるときに修正したい場合など参考にしていただければ幸いです。 なお、投票はチャットで行う予定です。 以下、感想 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『レコンキスタ』 「オレは、身体中の痛みに耐えながら、こいつらの笑い声に耐えながら、考えた。」から、「いや、これはまさしく祈りと懺悔だ。」までの文章の書き込みが甘いです。そのため、理樹・鈴・神様(=暴力)への懺悔が唐突に感じてしまいました。 以下の内容を書き込めば、わかりやすくなるかもしれません。 1.当時の真人が抱いていた、神様と呼ぶほどの暴力への傾倒・偏愛 2.理樹や鈴と一緒になった以降、暴力を否定し忘れていく過程 『空を渡る紙飛行機』 コンセプトは分かりやすく、虚構世界(□パート)と4年後の現実世界(■パート)の話を織り交ぜながら最後のカタルシスへ向かう構成は良かったです。 ただ、虚構世界で作られたはずの紙飛行機が、何故か現実世界に存在しているのですが。 たとえば、以下のような説明があれば、論理の破綻は無いと思うのですが。 1.現実世界の紙飛行機は、虚構世界の紙飛行機を元に、鈴が作り直したものである。 2.何らかの超自然的事象によって、虚構世界の紙飛行機を現実世界に持ち帰ることができた。 あと、小毬も鈴も説明口調すぎる印象がありました。 台詞の部分できちんと説明をせず、地の文章で補足説明をしていると良いかもしれません。ただし、その場合には地の文章を三人称で語らないと、鈴がやけに賢い子になってしまいますが。 『大切な落とし物』 この文章量でこれだけ多くのキャラクターを動かせた表現力はすごいと思います。 ただ、落し物が惨殺された少女の手だったというのは読後感に悪影響を及ぼしていると思われます。 意図的に読後感を悪くしているのであれば、最後の最後「ギャー! 罰掃除当番を抜け出した程度で警察呼ばないでよー!!」から「はぁ、あの子は全くもう」のくだりが不要だったと感じました。意図的に読後感を悪くしているのに、最後で中途半端に読後感を良くしてしまい、読み手が「もやっ」としてしまいます。さらにいうなら、もっと後味が悪くなるように無惨に描写したほうがいいです。 意図せず読後感が悪くなったのであれば、落し物を変える必要があるかと思われます。たとえば、落し物を犬の亡骸なんぞにして、落とし主を自分の亡骸を弔って欲しい犬が人間に姿をかえてリトルバスターズに接触してきたみたいな感じに。落とし物が惨殺された人間の一部というのはやはり、どぎついですね。 『色褪せていく写真』 これだけの文章量で、死亡後の世界の理樹たちの心情を三人称で簡潔に、かつフラットに描いているのは素晴らしいです。 つっこみどころは、特にありません。 『忘れるよりも忘れさせてと忘れた貴方に伝えたい。』 これもいいです。割と長めで複数のエピソードが存在していましたが、コンセプトである「諦めきれない美魚の心情」がブレずに描ききれています。 ただ、これだけの文章量をかけてまで表現する内容であるかどうかは、議論が必要です。 『ツァラトゥストラが語った事はともかく奴は己が道を往く』 記憶喪失時の真人が一人称で語る文体が、良い意味で不気味でよかったです。 ただ、「そして、」で切る意図が全くわかりません。この場合、読み手が「そして、」の後がすぐに想像でき、かつ文章において一番重要なコンセプトであるものですが、この文章ではそのどちらも当てはまっていません。そもそも、コンセプトである「真人が理樹を守ってやりたいと思う心情」はその数行前で「理樹を守ってやれ」、「『理樹、守ってやるぜ』」で明示しています。 単純に「そして、」を削除すればいいのではないかと思います。 『百合少女ーガチレズガールー』 文章は巧いです。 ギャグ系の話は、基本的にネタで勝負なので、文章構成・表現についてのコメントは不可能ですね。 『tea time.』 最後の「美鳥」でこれまでの文章が叙述トリックであることを示していますが、正しくミスリードできていません。 文章から、舞台の本来の姿は以下の2パターンが推察されます。 ●本来の姿 パターン1 1.彼女は美魚。 2.美鳥は美魚の中に統合された形で存在しており、虚構世界においても姿形を持っていない。 3.世界は虚構世界。しかも美魚がメガネを掛けていることから、美魚ルートで誤った認識を持ったまま話を進めた結果の世界である。 4.コンセプトは「美鳥の姿形は無くとも、理樹は美鳥を一人の独立した人間として、彼女のことを愛している」。 ●本来の姿 パターン2 1.彼女は美鳥。 2.何故か美魚のまねをしている。 3.世界は虚構世界。しかも美魚がメガネを掛けていることから、美魚ルートで誤った認識を持ったまま話を進めた結果の世界である。 正しくミスリードできない理由は、叙述トリックで用いた伏線を全く回収していないことにあります。そのため、本来の姿が読み手に明確にならず、混乱するだけの結果になってしまいます。 『木漏れ日とフレンチクルーラー』 死亡後の理樹と鈴の微妙な関係が丁寧に描かれていて、良かったです。 最後の終わり方がやや唐突でしたが、おそらく死亡後の理樹と鈴の微妙な関係を描くことが作者さんの目的だと思われますので、特に気にはならなかったです。 『新着メールは1件です』 基本的に書き込みが足りません。 もし、このシチュエーションを描きたいのであれば、全体的に文章を増やすか、文章を増やさず表現を洗練する必要があります。 あるいは、「忘れないためには思い出すこと」を伝えたいのであれば、美魚が何を忘れないで欲しいかを明らかにし、『それは、思い出すことです』以降の文章を書き込む必要があります。たとえば、美鳥のことを忘れてほしくないのであれば、美鳥の話題を最後に入れてみたりします。また、死んでしまった美魚自身を忘れて欲しくないのであれば、これまでの文章全体を夢だったことにして、全員死んでいたことを描いたりします。 『ポケットの中に詰め込んだ君を忘れたかった。』 昔買ったサイズの合わないジーンズが、死んでしまった恭介たちへの思いのメタファーとして上手く機能していました。 あえて苦言を呈するならば、最後のシーンで、死んでしまった恭介たちへの思いについて理樹が直接述べていることがいただけませんでした。徹底的にジーンズを使って表現して欲しいところです。 『忘れても忘れても』 軽快な一人称で描かれていて、好印象でした。 ただ、加藤多香子のくだりは、全体の構成上、蛇足に感じました。言いたいことが「レギュラーになれなかったことに対する令の悔しさ」なんでしょうけど、この項目がその後に生かされていません。 このくだり全般をとってしまったほうがスマートな文章になると思います。 [No.116] 2009/05/16(Sat) 18:57:48 |
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