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「おねーちゃん聞いて。私、今日から自立する!」 朝、リビングに現れた葉留佳は、ベーコンエッグをかじる佳奈多に向かって高らかに宣言した。 「そう、いい心がけね」 佳奈多は特に驚いた様子もなく、妹の決意表明ををあっさりと受け流した。 「はるちん思ったのですよ。このままじゃ自分ダメだなーって。人に迷惑かけてばっかの生き方じゃろくな大人になれないなーって」 「そうね。よく気づいたわね」 「それって結局甘えじゃん? 人に代わりに責任とってもらってるようなもんじゃん?」 「そうね。葉留佳が学校で騒ぎを起こすたびに先生に頭下げてるの私だものね」 「せっかくまた二人で実家からガッコ通うようになったんだからさ、これを機に私もしっかり自立した大人の女になろうと思うのですよ!」 「あーはいはいがんばってね。ところで今日のお弁当のおかず何がいい?」 「ハンバーグ!」 その後、葉留佳は自立した大人の女に見える制服リボンの結び方を研究し、佳奈多は弁当を作り、朝食の後片付けをし、炊飯器を夕食前にセットし、換気扇を消し、ゴミを出し、新聞を取りこみ、洗濯物を干し、観葉植物に水をやり、ガスの元栓を確認し、戸締りをして、二人は学校へと向かった。 「はっ、私ダメじゃん!」 夜、布団の中で気がついた。 <END> [No.161] 2009/06/12(Fri) 19:10:20 |
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