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『前略、棗恭介様 そちらに渡ってからもうすぐ半年、修行は順調ですか? 具体的にどんな修行をしているのか良く知らないので、頑張ってとしか言えない自分が歯がゆいです。 卒業式が終わってすぐだったので、傷心旅行にでも行くのだろうとみんな勝手に考えていました。だから、そのまま帰ってこないと分かったときには慌ててしまいました。まだ心の整理はできていません。 こちらはなんとか上手くやれています。恭介みたいに上手くはやれないけれど。 でも今は、リーダーとしては頼りない僕を、他のみんなが助けてくれたり、邪魔したり足を引っ張ってくれるので大丈夫です。 ただ、小毬さんが最近寂しそうにしているので、せめて手紙くらいは書いてください。 それでは、一日でも早く修行を終えることを祈っています。 直枝理樹 追伸 真人がグレました。筋肉しません。』 『親愛なる友 理樹へ よう、久しぶり。今は仏像を彫るための基礎として、身も心も仏像と一体になるため、抱き枕として一緒に寝ている。額にほくろもつけて完璧だ。 それと理樹、俺の真似なんかする必要はない。お前はお前のやり方でみんなの真ん中にいればいいんだ。 手紙、ありがとうな。俺の最初の作品はお前に捧げるから、待っていてくれ。 あと、鈴と仲良くな。 恭介 追伸 大丈夫だ。叩けば直る。』 『ばか兄貴へ お前はなにをやってるんだ。 しねばーか。 鈴(この手紙はドルジに書かせた。あたしは書いていない) 追信 こまりちゃんはあたしがあずかった。返してほしければさっさと帰ってこい。』 『親愛なる妹 鈴へ 鈴、手紙は俺しか読まないんだから、そんなに恥ずかしがることはないんだぜ? 今度書くときは「お兄ちゃん早く帰ってきてね(はぁと)」とそれだけ書いてくれれば十分だ。 待ってるぜ。 恭介』 『きもいしねばかあにき。 どるじ』 『珍妙なる猫型生命体 ドルジへ お前、字上手いな。 恭介』 『拝啓 棗恭介様 日本ではもうすっかり秋です。学園の周りの銀杏の木も眩しいくらいの黄金色に染まりましたが、恭介さんはいかがお過ごしでしょうか。 この間大きな台風に襲われたとテレビのニュースで見ましたが、無事でしたでしょうか?皆さんは、恭介さんのことですからきっと台風に大はしゃぎして外を走り回っていただろう、なんて言っていましたけど。あ、裸で走り回っていたとまでは言っていませんでしたよ? 恭介さんがいらっしゃらないのは寂しいですが、こちらは私も含め、皆さん元気で過ごしています。 でも一つだけ困っていることがありました。井ノ原さんがおかしくなっちゃったんです。 どうしてそうなったのか良くわからないのですが、井ノ原さんはなぜか眼鏡をかけていて、リキが遊ぼうといっても生返事ばかり。私も筋肉筋肉って励ましてみましたが、ちっとも反応してくれませんでした。どうしたらいいのかわからず右往左往するばかりです。 結局、次の日には何事もなかったかのようにお二人で筋肉していたんですが、そんなときには自分の無力さ、小ささを感じてしょんぼりしてしまいます。 すみません、弱音をはいてしまいました。 もう少し頑張ってみます。恭介さんも修行がんばってください。また会えるのを心待ちにしています。それでは。 敬具 能美クドリャフカ』 『親愛なる能美クドリャフカ様 手紙ありがとうな。大事にする。 さて、この間(と言ってももう結構前になるが)の台風では小屋の屋根が吹き飛んだりして大変ではあったが、俺は元気だ。風呂に入っていたから確かに裸で走り回ってしまったが、まあ偶然だよな(笑) それより、真人のことだが、そんなことがあったとはな。前に理樹が手紙で「真人がグレた」とか言ってたのはそのことだったんだな。 何もできなかったことを悔やんでるみたいだが、能美が無力だなんて思うことはないさ。あいつらの関係は俺にも時々分からないことがあるからな。ちょっと妬けるぜ。 それに、お前の小ささはみんなを癒すいい小ささだ。胸を張っていろ。いつまでもその小ささを失わないでいてくれ! それじゃ、またな。俺もまたお前に会えるのを楽しみにしている。 棗恭介』 『前略 棗恭介殿 お前と出会ってからもう八年になるだろうか、こうして改めて手紙を書くというのは妙な気分だ。その意味では手紙を書く機会を与えてくれたお前に感謝しなければならないのかもしれないな。 どうだ、修行は順調か?こちらは皆元気だ。もちろん鈴も理樹もしっかりとやっているから心配ない。むしろお前がいない分気兼ねなくラブに専念しているくらいだ。なんてな。 だが、すぐに声が聞けるところにお前がいない、というのはやはり寂しい。修行に終わりはないが、たまには帰ってきてくれ。待っている。 草々 宮沢拝 追伸 お前が、その、アレなのはよく分かっているが、手紙の文章はよく推敲した方がいいぞ。皆の反応を見て、俺はお前が不憫でならない。何か悩みがあるなら相談に乗るぞ。俺達は幼馴染じゃないか。』 『頼れる皆の用心棒 謙吾へ そういえばお前から手紙を貰うのは初めてだったよな。改めて言われて俺も妙な気分だ。さすがロマンチック艦隊総司令補佐官。 しかし、手紙でも相変わらず毒にも薬にもならない話をするな、と思ったら本題は追伸のほうだったのか。やるな謙吾。 だが、あまりにぼかされ過ぎてて言いたいことが今ひとつ分からないな。俺はそんなにおかしなことを書いていたか? けど、心配してくれてありがとうな、謙吾。大丈夫、離れていても俺達はずっと幼馴染だ。 恭介』 『謹啓 棗恭介様 日本では天高く馬肥ゆる秋、と申しますが、そちらではどのように表現されるのでしょうか。それとも、恭介お兄さんのことですから、小さな鉄格子越しにしか空を臨めない別荘にいらっしゃるのでしょうか。能美さんには軽犯罪にも厳しいお国柄だと伺いましたので、どうかお気をつけ下さい。 まあそれはさて置き、いつも皆さんと一緒にお手紙を拝見いたしております。文面から、直枝さんや宮沢さんへの思いやりや愛情が感じられて、とても胸が温かくなりました。 冬に向けての準備が少々滞っておりましたが、お陰さまで目処が立ちました。お礼も兼ねまして、さわりの部分を一足先にお目にかけたいと思います。 「どうした、こんなところに呼び出して」 声に振り向くと、がらんとした教室に差し込む茜色を背に、恭介がぶら下がっていた。その表情は陰になり見えない。しかし、謙吾には彼がいつもの不敵な笑みを浮かべていると確信していた。 「……言わなくても分かっているだろう?」 思い描いた笑みへと鋭い視線を向ける。だがその眼光に以前ほどの力を込めることが出来ないことも、謙吾は自覚していた。 「俺が理樹と寝たのがそんなに気に入らないのか?」 「……っ!」 ギリ、と軋む音で自分が奥歯を噛みしめていたことに気付く。しかし恭介はそれを一笑に付した。 「おいおい、勘違いするなよ。あれは理樹の方から誘ってきたんだぜ?俺を恨むのは筋違いってもんだ」 分かっている。歯を折れそうなほどに食いしばり、言葉を飲み込んだ。勿論そんなことは知っているのだ。本人から直接聞かされたのだから。 一歩。恭介が近づいた。逆行から抜け出し、初めて表情が明らかになる。――そして、謙吾は怒りの矛先を見失った。 「どうして」 食いしばりすぎたせいか、思うように言葉を紡げない。絞り出した声もかすれていた。 「どうしてお前が泣いているんだっ……」 恭介の顔に張り付いた笑みは、頬を伝う一筋の涙が自嘲へと作り変えていた。 「それをお前が聞くのかよ……。本当は分かってるんだろ?」 謙吾は息を飲んだ。その理由に思い至ったからではない。恭介の瞳に燃え上がる怒りの色を見たからだ。 「確かに理樹は俺に抱かれた。けどな、あいつの瞳には俺なんか映っちゃいなかったよ。あいつは……理樹はお前のことを今でもずっと!!」 いかがでしょうか?難産ではありましたが、自信を持って発表できます。 恭介お兄さん。これから恭介お兄さんは世間だけでなく仲間たちからも、さらには肉親からも冷たい視線を向けられることになることと思います。ですが、くじけず、諦めずにご自分の道を貫いてください。私はいつでも遠くから見守らせていただきます。 では、お身体にはくれぐれも気をつけて。 敬白 西園美魚』 『NYなる観察者 西園へ まず始めに。すまん、どこから突っ込んでいいか分からなかった。 取りあえず俺は一体何をやったのか、そしてみんなにどう思われているのか、深く考えるのはよそうと思う。 それと、西園の自信作はできればどこにも発表せずに封印してはもらえないだろうか。日本に帰ったとき、どんな顔であいつらと会えばいいのか分からなくなりそうだ。 心の兄 棗恭介』 『鈴くんに恭介氏の代わりに添い寝してやるといったら逃げられた。 なんとかしろ。 K』 『Kへ 唐突だな。流れとか少しは考えてくれ。 つうか、ひとの妹に何しようとしてくれてやがる。添い寝していいのは俺だけだ。もちろん理樹も同じだ。 Ky』 『 ☆ きしょいしね。 とくめいきぼう ☆ 恭介さん ごめん、僕もそれはちょっと…。 理樹 きょうすけさんきょうすけさん やーいシスコン♪ はるち人のことは言えないと思うのです…。 能美クドリャフカむきーっ、かぶせるなーっ!! きょ はいはい、二人とも手紙で遊ばないの。 介☆ 理樹は俺に任せろ。 宮沢 恭 ☆ 素敵ですわ…。 すけさ やはり鈴くんは私が保護すべきと判断した。 K きょうす 流石は恭介お兄さん…GJです。 西園 だいすき あ!あたしも何か書きたーいっ♪ってそれ書いちゃったら駄目じゃないのよーーーっ! ☆ ☆ たい やべぇ、筋肉の入りこむヨチがねぇ! 真人 ☆ ☆ ☆ 』 『親愛なるリトルバスターズの諸君 寄せ書きなんて卒業や転校でもしない限りもらえないと思っていたんだが、まさかこんな形でもらうとは思ってもみなかったぜ。 だが、こうも嬉しさのわかない寄せ書きってのは初めてだ。みんな待って欲しい。きっと何か不幸な行き違いがあると思うんだ。 これ以上溝が深まる前に、次回からはぜひ一人ずつ思いの丈をぶちまける方式に戻してくれ。 元リーダー 棗恭介 追伸 そういえば真人がいつもどおりで安心したぜ。やっぱり筋肉は真人でなくちゃな。ありがとう、真人。お前の一言に癒された。』 『でぃあ きょーすけさんへ はろはろーっ♪いよいよ真打の登場でーっす☆ いやいや参っちゃいましたよー。この間はせっかくよーやくお手紙書けると思ったのにちょびーっとしか書けなくってヨッキューがコンキューでトッキュー的に不満ーっ! よって今回こそはこの手紙をこのウルトラキュートなセクシーダイナマイツのはるちんがジャックするのだっ!カクゴしたまえきょーすけ隊長! そんじゃまずは、ケンゴくんとまさとくんがズギャーンでどばーっ!でぬるぐちゃーっとしたかと思ったらドブシキブシャァッな感じになっちゃったお話からぶちまけるとしますネ!りきくんとかりんちゃんとかクド公とかさしみそっちとかがそりゃもううおーさおーぎゃおーっ!ってぱにくっちゃってホント大変だったんですから!! まあそこはこのスーパー助っ人のはるちんの快刀ランマ怪人48面相的なカツヤクでぱぱぱーっと解決しちゃったわけなんですけどね☆ 《ここから十数行にわたって修正液で消され、その上から文章が書かれている》 妹の文では何のことやらさっぱり分からないと思いますので、不本意ながら私が少しだけ補足します。 妹の言いたいことをかいつまんで説明すれば、11月13日の昼休み、食堂で宮沢君と井ノ原真人が相も変わらず下らないことで競い合って、それに巻き込まれたあなた方のお友達、主にクドリャフカが可哀想なほどにうろたえていた、ということです。 余りに不憫だったものだから思わず寮長室に保護してしまいました。その後騒動が治まるまでお茶を飲んで過ごしましたが、彼女の淹れてくれたお茶の美味しさといったら!ほんの短い間でしたが、至福の時間を過ごすことが出来ました。 おおっともうスペースがなくなったーっ!! そーゆーわけできょーすけさんの留守は私にどーんっと任せちゃってください!! であであ、ばいばいきーんっ! ウルトラスーパーブリリアントビューティホースパイラルビッグバンミラクルインポッシブルワンダホーディメンションジャッ クナイフミ ラク ルは る ち ん よ り』 『賑やかなお調子者三枝と厳格なる寮長二木へ 思いの丈をぶちまけろと言った覚えはあるんだが…。 まず三枝。限られたスペースを最大限に使おうという心意気は認めるが、詰め込みすぎて最後名前が書ききれなくなってるじゃないか。勢いだけで書かずに少し立ち止まって振り返るのも大事だと思うぞ。 それから二木。三枝のためを思って解説してくれたんだと思うが、せっかく書いたものを消してしまうのはやりすぎだと思うぞ。あと、せっかく解説してくれてるのに悪いんだが、三枝が全く出てこないで主に能美の話になってるんだが。 わざとじゃないよな?忘れただけだよな?頼む、そうだと言ってくれ。 棗恭介 追伸 これから年明けくらいまで少し忙しくなるから、しばらく返事を書けないと思う。 だから、ちょっと早いが先に言っておくぜ。みんな、よいお年を!』 『明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 少し間が空いてしまったので、この手紙が恭介のところにちゃんと届くのか少し心配ですが、他に方法がないので送ります。 修行は進んでいますか?この間西園さんがイベントで恭介によく似た人を見かけたと言っていました。 中国の闇商人のような丸いサングラスに細長い口ひげを垂らしていたというので他人の空似だと思いますが、とても精巧な幼女のフィギュアを出品していたそうです。 違いますよね? そろそろ小毬さんが祟り神のようになってきてしまって、近寄りがたいです。 お願いですから一度帰ってきてください。後ろにいる小毬さんにはこの手紙を見せて「続きは日本で」とお願いしてください。 それでは、できるだけ無事で日本に帰ってこれることを祈っています。 直枝理樹 追伸 また真人がグレましたが、今度も叩いたら直りました。』 『親愛なる直枝理樹くんへ 理樹くん、明けましておめでとうございます。お元気ですか?俺は元気です。何を心配していたのかは分からないけれど、手紙はちゃんと届いているから心配しないで。 修行はもうカンペキです。今すぐにでも日本へ帰れちゃうくらいです。でも愛しいいとしい小毬ちゃんが会いに来てくれたので、二人っきりでもう少しだけのんびりしてから帰国します。 あと、美魚さんが見たといっているのはきっと他人の空似だと思います。だって、俺が小毬ちゃんや理樹くんや鈴ちゃんに何も言わないで帰って、その上会わずに帰るなんて事はありえないですから。 それに、俺が作ったのはおっぱいもお腹もお尻もすとーんとなだらかな女の子じゃなく、ぽよんっとした小毬みたいに柔らかい女の子のお人形ですから。帰ったときは俺の最高傑作を見せてあげます。 それから理樹くん、俺の小毬ちゃんを「祟り神」だなんてひどいじゃないですか。小毬ちゃんはとってもとってもとーっても可愛いですよ?これを書いている後ろで真っ赤になって照れていますが、俺は本当にそう思っています。本当です。 だからそんな酷いことは二度と言わないで下さいね? それじゃ、お元気で。こちらのお正月が終わった頃には帰ろうと思います。 棗恭介 追伸 叩いて直すならバットより鉄パイプがオススメですよ。 ☆』 [No.189] 2009/06/26(Fri) 00:40:12 |
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