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ある日、棗兄妹とその腰巾着に遭遇した。 「出たな、ささせがわさざびー!」 「誰がっ! わたくしはサザビーではなく佐々美ですわ!」 相変わらず失礼な噛みっぷりを披露する棗鈴。というかサザビーって何だ。 「ま、まあまあしゃあ瀬川さん、鈴も悪気はないんだよ…」 「そうカッカしなさんなお嬢さん、俺のバスターライフル、試してみるかい?」 「…死ねっ」 仲裁のつもりか知らないがこれまたわけの分からないことを言って割り込んでくる直枝理樹と棗兄に左右の裏拳で応える。怒りに任せたそれらはどうやらいいところに入ったらしく、腕に重い感触が伝わり、ごりりと鈍い音がした。 …なんだかすごくすっきりした。 「がはっ…と、時が見える…」 「お、俺は、死な、な…い…」 またしても意味の分からんことをほざきながら倒れる男二人に棗鈴が慌てて駆け寄る。 「きょーすけっ! …はどうでもいいとして、理樹っ!」 哀れ、棗兄。わたくしが言うべきではないのかも知れないけど。 倒れた直枝理樹の傍らに跪き、理樹、理樹と何度も呼びかけていた棗鈴が顔を上げ、目に涙を浮かべながらこちらを睨みつけてくる。 「さざびー、なぜ理樹を巻き込んだ! 理樹は戦いをする奴じゃなかった!」 だがその咆哮も、わたくしの知ったことではない。さらに怒りを煽る言葉をぶつける。 「棗鈴! 直枝理樹が死んだこの苦しみ、存分に思味わえぇっ!」 死んでない死んでない、という声がどこからか聞こえたが無視。 「シャア瀬川サザビー、情けない奴っ!」 そう叫んで飛び掛ってくる我がライバルに対して迎撃体勢を取る。 不思議と、この手ごわいライバルを前にしてもまるで負ける気がしなかった。よく分からない力が全身に漲っている。今なら、星でも落とせる気がした。 気がしただけだった。 [No.196] 2009/06/26(Fri) 23:58:10 |
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