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all 第41回リトバス草SS大会 - 主催 - 2009/09/10(Thu) 21:41:10 [No.389]
筋肉魔法 - ちちここくく@1844byte - 2009/09/12(Sat) 21:32:40 [No.410]
ぞうじるしと出かけよう - ちこく@5581 byte - 2009/09/12(Sat) 17:51:34 [No.408]
魔法少女参上! - ひみつ@21162 byte 遅刻で容量オーバー - 2009/09/12(Sat) 00:35:55 [No.406]
しめkり - しゃしゃい - 2009/09/12(Sat) 00:25:56 [No.404]
[削除] - - 2009/09/12(Sat) 00:33:32 [No.405]
エンドロールはいらない - ひみつぅ@9.746バイト - 2009/09/12(Sat) 00:13:34 [No.403]
恋と魔法と色欲モノ。 - ひみつ@6947 byte - 2009/09/12(Sat) 00:11:10 [No.402]
ペパーミントの夜明けに - ひみつ@2450 byte - 2009/09/12(Sat) 00:10:13 [No.401]
[削除] - - 2009/09/12(Sat) 00:02:58 [No.400]
初雪にざわめく街で - ひみつ@9968byte - 2009/09/11(Fri) 23:59:32 [No.399]
魔法入りの瓶 - ひみつ 4037byte - 2009/09/11(Fri) 23:55:22 [No.398]
瓶詰めの魔法 - ひみつ@8789byte - 2009/09/11(Fri) 23:45:29 [No.397]
ファイナル猫耳魔法少女ライドゥ・リリリリン! - 私が魔法少女だってことはみんなには秘密なの!@2110 byte - 2009/09/11(Fri) 22:35:11 [No.396]
True Beautiful - ひみつ@20442 byte - 2009/09/11(Fri) 22:01:50 [No.395]
願わくば - HI★MI★TUUU★@7655 byte - 2009/09/11(Fri) 21:13:21 [No.394]
魔法の言葉は届かないから - 秘密@ 10613 byte - 2009/09/11(Fri) 19:27:38 [No.393]
3つの魔法 - ひみつです@11493 byte - 2009/09/11(Fri) 17:54:04 [No.392]
Heavenly - ひみつ@9263 byte - 2009/09/11(Fri) 02:26:38 [No.391]


ペパーミントの夜明けに (No.389 への返信) - ひみつ@2450 byte

 繰り返される前後運動に、私の心はとうにすり切れていた。
 どれだけ繰り返せば気が済むのだろう。
 きっと私の懺悔が終わるまで。きっと彼の懺悔が終わるまで。
 つまるところ、お互い終わらせる気などないのだと笑った。
 果てのない懺悔。果ての見えない懺悔。
 それでも果てる体。
 私に覆いかぶさるように、彼が倒れてくる。息が荒い。疲れているのか、憑かれたいのか。泣き笑いのような顔で脱力している。
 彼に触れている体が熱い。彼の体温が渡ってくる。同じように、私の体温も彼に渡される。
 体温を交換するごとに、罪悪感も溜まっていく。
 彼の肩に歯を立てる。犬歯が肌を食い破る。どろりとした罪の味が、舌の上をはいずりまわった。
 熱く黒く染まる。もっと、もっとと責めたてるように体がうずく。
「葉留佳さん……」
 唇が交わる。舌が触れ合う。唾液がからまる。
 体温と罪悪感が、さらに高まる。
「葉留佳さん、葉留佳さんっ」
 そうしてまた懺悔が始まる。終わりがあるから始まりがあるのか。始まりがあるなら終わりはあるはず。終わらないということは始まってすらいないのか?
 果てのない懺悔。果ての見えない懺悔。
 それでも果てる体。
 私たちの世界は、たったひとつのベッド。それから、私たち。
 カーテンの向こうは、光が満ちている。だからここから出て行かないのだ。光は、白。黒く染まった私たちは、ただ消え去るしかない。
 朽ち果てるまで朽ち果てても、ふたりの懺悔は続いていく。
 まるで迷子の子供のように、同じ場所を回っている。出口はない。
「葉留佳さ……!」
 果てのない懺悔。果ての見えない懺悔。
 それでも交わされる、心地よい体温。この体温はあの子のもの(私が奪った)。
 それでも交わされる、求め合う言葉。この言葉はあの子のもの(私が奪った)。
 それでも交わされる、柔らかい愛情。この愛情はあの子のもの(私が奪った!!)。



「……   、さん……」
 私は待っていた。いや待っていなかった。
 この世界を終わらせる言葉。たったひとつの魔法の言葉。
 ようやく気がついたのか。すでに気づいていたのか。
 カーテンが開かれていく。闇が払われていく。光が侵入してくる。
 沈んでいくように彼は目を閉じる。死に逝くように彼は眠る。
 光が当たった場所から、ベッドは崩れ去っていく。崩壊は足元におよび、舞い上がる灰の中に体を溶かしていく。痛みはない。当たり前だ、これは夢と同じものなのだから。
 ――次は早く気づきなさい。
 ――気づいたのなら、私のことは見捨てなさい。
 ――すべてを救うことはできない。必ず、誰かが犠牲にならなければいけない。
 ――それが私でもかまわない。あの子が幸せになれるのなら。
 ――だから……さようなら。
 最後に思ったのは安堵。
 あの子から奪った物を返すことができる。
 最後に見たのは寝顔。
 ペパーミントに包まれて眠る彼の横顔は、愛おしいぐらいに歪んでいた。


[No.401] 2009/09/12(Sat) 00:10:13

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