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WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all 第50回リトバス草SS大会 - 大谷(主催代理) - 2010/02/03(Wed) 17:40:00 [No.649]
しめきり - 大谷(主催代理) - 2010/02/06(Sat) 01:03:59 [No.657]
夏の約束 - ひみつ@13782 byte - 2010/02/06(Sat) 00:27:43 [No.656]
start, Restart. - 謎@13962 byte - 2010/02/05(Fri) 23:58:00 [No.655]
それさえあれば - ひみつ@15407byte - 2010/02/05(Fri) 23:54:21 [No.654]
外側の、ある日 - ひみつ@4655 byte - 2010/02/05(Fri) 23:29:06 [No.653]
僕たちの日々 - ひみつ@14883byte - 2010/02/05(Fri) 20:57:43 [No.652]


start, Restart. (No.649 への返信) - 謎@13962 byte

 子供の頃、将来はきっと動物に囲まれるような仕事をするんだろうな、と漫然と思っていた。例えば、ペットショップとか。猫に囲まれて、とまではいかなくとも動物に囲まれてと、良く分からない妥協をしていたのはご愛嬌だ。
 しかし、今あたしを囲んでいるのは、色とりどり、形状様々の医薬品の群れ。お客から受け取った処方箋に従って、あたしは薬の棚から目的の薬を探し出す。何処にどの薬があるか、それがどんな薬か、今手に持っている薬のジェネリック薬品はどれか、似た効果が期待できるOTC医薬品はあるのか。あたしの頭の中には、この棚にある薬の量の何倍もの情報が詰め込まれてる。それらの知識を磁石代わりに、今日もあたしは薬の山を掻き分ける。
「ふうっ」
 どの病院もきっと仕舞っているであろう、そんな時間。店内にもお客は居ない。あとは閉店作業をやるだけだ。あたしは席で一人背伸びをする。
 と、そのとき。ポケットの携帯電話が震えた。
 あたしは携帯のディスプレイを見る。そこには懐かしくも腹立たしい人間の名前が載っていた。
 理樹。何年振りだろう。こいつから連絡があったのは。
 メールの内容は、今度の土曜どこかで会わないか、というものだった。何を今更な話だ。あたしはそのメールに返信することなく、携帯を閉じる。あたしは再び薬の山に戻る。


 閉店作業も終わって、ウチに帰る道すがら。あたしは再びメールを見る。
 あいつからのメール。何となく高校、大学時代を思い出す。そういえば高校三年のとき、寮に居る時などあいつと一緒にいられないとき、ずっとメールをしていたと思う。お互い一人が寂しかったから。繋がりが無くなってしまうのが恐ろしかったから。
 大学に進学して一緒に住むようになってからは流石にメールの回数も減ったが、それでもバイトや授業なんかで離ればなれになるときはメールをしていたと思う。
 でもいつしか、ぱったりとメールは来なくなってしまった。こちらからも送ることは無くなった。そして、あたしの部屋はあたし一人のものになってしまった。
 行きつけのペットショップの前で足を止める。店のカーテンが下ろされてそこから光が漏れている。きっと中ではバイトの子が閉店作業をしているのだろう。
 自分がもしもあの子だったら。そう考えてぞっとした。そうしたらきっと動物が嫌いになる。大きくなるにつれてどんどん値下がりする動物達を、あたしは見ることなど出来はしない。
 それが今の自分がある理由。決して、あいつのためなんかじゃない。
 携帯を操作してメールを消そうとする。しかし、文面を眺めていると、だんだんと消すのが怖くなる。
 やがて、あたしの指が操作を始める。
 ――わかった、理樹。何時に何処で会う?


 駅の近くの噴水の傍。あたしはそこで待っていた。
 今日のあたしの格好は変じゃないだろうか? 最近では女友達と遊ぶ機会も減ってしまって、どんな服を着ればいいのか分からない。
 やがて、見覚えのあるヤツの姿が視界の隅に映った。そいつはゆっくりとあたしに近づいてくる。服のセンスこそあの時と一緒だけどきっと少しはいいものを着ているのだろう。顔つきは幼さが取れた所為か、いささか男性的になったものの見間違えるはずも無い。
「鈴、久しぶり」
「ああ、久しぶりだな」
「……変わらないね」
 あたしは、理樹のその言葉に少し落胆する。
「いや、変わったさ。あたしも、理樹もな」
「え? そうかな?」
「一応、一緒に暮らしたこともあるあたしからのお墨付きだ」
「そうだね……」
 理樹は少し物悲しい様子でその目を伏せる。だが、すぐにその目をあたしに向けると取り繕うようにこう言った。
「ここで立ち話もなんだから」
 理樹に連れられて近くのカフェに入る。
 ブレンド一つにカプチーノ一つ。理樹はいつも通りの注文をすると、テーブルに肘を置いて両手の指を組む。そこに自分の顎を乗せる。あの時と同じ、寛いだ時にするこいつの癖だ。
「で、何だ? あたしに何か用なのか?」
「手厳しいね、相変わらず。単に最近どうしてるのかなぁと思っただけだよ」
「ふん。そんな事か。何年も連絡一つ寄越さなかった奴がよく言うな」
 理樹が苦笑いを浮かべて、コーヒーを啜る。
「そういえば、鈴って薬学部だったよね。あの後結局、何処に就職したの?」
「あぁ、別にどうってことも無い。街の小さな薬局の薬剤師だ」
「ふぅん」
「お前の方こそ、どうした。理学部だったから、メーカーにでも入ったのか」
「まあ、研究室の推薦でね」
 意外と言うか何と言うか、話し始めてみれば何てことは無い。あたしが理樹に対して抱いていた反抗心は鳴りを潜めて、昔のように話すことが出来ていた。
 あたしは理樹と話しながら、一緒に過ごしてたときのことを思い出していた。そう、あの時あたし達は、こうやって優しくてほっとするようなそんな時間を共有できていた。それなのに、どうしてあたし達は別れなければならなかったのだろう。何がいけなかったのだろう。
 二人ともカップが空になった頃。理樹がゆっくりと立ち上がる。
「さて、そろそろ出ようか。一緒に来て欲しいところもあるし」
 まあ、そうだろう。久々に会ったのにコーヒー飲んで終わるわけなどある訳無いし。
「何処だ?」
「何処かは内緒。会わせたい人達が居るんだ」
「余計に訳分からんな。会わせたい人とくればお前の彼女なのかも知れんが、生憎あたしはお前の親じゃねぇ」
「んー、野球チームを作ったんだ」
 これにはさすがに驚いた。
「名前は――」
「リトルバスターズだ、とか言うんじゃないだろうな」
「最後まで言わせてよ、鈴」
 理樹は困った表情でくすくすと笑った。


 ちょっと車を取ってくるね、と言い残して理樹は一旦カフェを後にする。もちろん会計はあいつ持ちだ。
 一人になったあたしは、再びあの時のことを思い出していた。もしも、あの時あいつと別れなかったら、結婚して共稼ぎして、今頃あたし達の間に子供でも出来て、ひとつの家族が出来上がっていたのかもしれない。そうしたら、どんな日々を送っていたのだろう。あたしはそんな架空の家族ごっこに思いを馳せる。
 そんなうちに店の前に一台のセダンが停まる。運転席から理樹の姿が見えた。
 あたしは店を出ると無言で車に乗り込む。理樹も無言で発進させる。車は静かに走り始める。


 走る。信号で停まる。また走る。その繰り返し。
 車に乗ってから何故か会話が無い。あたしは沈黙に耐え切れず、適当に話を切り出す。
「で、会社の仲間で作ったのか?」
「ん? リトルバスターズのこと? 鈴も知ってる人達だよ」
 あたしと理樹の共通の知り合い? となると大学か高校の人間になるが、野球チームが出来るほど居ただろうか? あの時の記憶を辿るが、足りるのか足りないのか微妙な人数だ。それに彼らだって卒業して皆バラバラになってしまったんだ。
 ああ、クソっ。バラバラで嫌なことを思い出した。確かに昔は居た。居たけど皆死んでしまった。燃えてバラバラの塵々になってな。あんな連中がまた集まるとは到底信じがたい話だ。だが、まあどうでもいい。直接会えば分かることだ。
 あたしは、助手席のシートで思いっきり背中を預けると、窓から流れる景色を眺め、やがて訪れてきた眠気にそのまま自分の身を任せた。


「鈴。もうすぐ着くよ」
「……そうか。そのままあたしの家まで頼む」
「いやいやいや。それじゃ意味無いから」
 理樹の声に、あたしは目を開ける。窓から見た景色は、どうやら人里離れた森か山、そんなところだろうか。素朴な疑問を口に出す。
「ここでお前達は野球をするのか?」
「違うよ。ここは『部室』兼物置、かな? まあ、グラウンドなんて遠く離れてるんであまり意味無いけど、やっぱり色々道具があるとこういう場所が必要なんだ」
「ふうん」
 気の無い返事をするあたし。
 車はやがて、閑散とした広場に出る。目の前には粗末なコンクリート製平屋建ての建物。これが「部室」か。
「降りて」
 理樹の声に従って、あたしは車から降りる。
「中に入っていてよ。僕は車を停めてから向かうからさ」
 そう言い残すと、理樹はゆっくりと車を走らせる。
 あたしは「部室」のドアを開ける。少し埃っぽい匂いがした。電灯のスイッチを手探りで探す。程無くして明かりが付いた。
「確かに『部室』っぽいな……」
 辺りを見回した。長机にパイプ椅子、それに汚らしい木製の棚。色々記憶違いはあるだろうが大体こんなものだったと思う。よくもまあ、こんな本格的に……。理樹のやつ、どこまで馬鹿兄貴の真似をし続けるんだ?
 と、あたしが苛々し始めたころ、部屋の端に大きな布があるのが見えた。正確には、何かの上に布が掛けられているのを、だ。端といっても、部屋の四分の一程度占めている。あたしは何の気も無くその布を取った。
 するとその下に。あたしは目の前の光景が信じられなかった。
 あいつらが居た。皆もう居ないのに。あの時、確かに皆灰になってしまったのに。恭介に馬鹿二人、来ヶ谷に、美魚、葉留佳、クド、それに小毬ちゃんまで。皆あの時のままの姿で。めいめいにパイプ椅子に座っていたり、立っていたりとばらばらの格好ではあったけど、確かにここに居た。
 あたしは一番近くに居たクドの白い小さな手に触れる。適度な弾力があって、骨(手の筋?)の感触もある。でも、温かみは無くて、どことなく贋物っぽかった。あたしはクドの目を見つめる。クドの目はあたしを見ることは無く、瞳孔を開いたまま虚空を見つめるばかりだった。
「人形……」
 少し安心した後、悲しくなる。理樹が言っていた会わせたい人というのは、この精巧な人形達のことなのだろう。あいつはあたしと別れてから、ずっとこんなものを作り続けていたのか。高校や大学の友達は皆社会に出て、それぞれあたし達の知らない友達や恋人を作っていて。あたしだってそうだ。あのペットショップの女の子とはたまに一緒に遊びに行ったりしているし。それなのに、理樹だけが前に進むことが出来ない。
 そう、それがあたし達が最後まで分かり合えなかったこと。あの時言った、あいつの言葉が耳に響く。
 ――二人で強くなろうって言ったけど、もう僕は付いていけないよ。鈴は一人でも充分強いから。そんな鈴が、重荷なんだ――
 あたしが舌打ちをするのと、理樹が「部室」に入ってくるのが重なった。
「鈴、どうしたの?」
「別に」
 あたしは不機嫌そうに吐き捨てる。
 理樹はそんなあたしの様子に気付かないのか、そのまま視線を人形達のほうに向ける。
「あ、もう開けちゃったのか。本当は僕が開けるつもりだったんだけどね」
「あほか。こんなの誰だって開けてしまうわ」
「はは、確かにそうだ」
 あたしはぶっきらぼうに人形を指差す。
「お前はこれを見せたかったのか?」
「うん、まあ、そうだね。似てるでしょ?」
「まあな。きしょいくらい似てるな。一瞬あいつらのお化けかと思ってびびった」
 あたしの感想に、理樹は楽しそうに笑う。あたしの反応を予想でもしていて、それが当たった、とでも言わんばかりだ。
 確かにあたしはいつも通りぶっきらぼうに言い放った。しかし、本当は自分でもよくいつも通りに言えたものだと感心しているくらいの、そんな心境だった。あのまじまじとそれの手を見たとき、あたしはその異様な精巧さに驚きを通り越して怖気が走ったのを忘れられない。
 クドの人形の肌は人間の肌のようにきめがあり、その肌の下の血管が青く浮かび上がっていた。その血管が今にももくもくと蠢いて、その手の筋肉を動かす。そんな妄想を抱いてしまうほどにそっくり、いや人間そのものだったのだ。
 あの目を見るのも本当は怖かった。もっと人形の目はガラスっぽいのに、あの目はまるで人間の目玉のようで。今にも瞬きをし、あたしに視線を送ってきそうだった。どうやったらあんなに精巧な眼球のレプリカが作れるのだろうか。眼球の中の虹彩や瞳孔まで作る、そんな途方も無い繊細な技術がこの世に存在するのだろうか。
「ねえ。プラスティネーションって聞いたことある?」
「え?」
「ほら。僕たちが付き合ってた頃、テレビで紹介されてたじゃない、精巧な人体模型を展示するって悪趣味な展示会。アレ見て鈴ってば、キモイキモイって連呼してたんだけど、震えながら僕の手を掴んでたよね」
 唐突な話に頭が付いてこない。あたしは理樹の次の言葉を待つ。
「あれってさ、本物の人間の遺体から出来てるんだよ。知ってた?」
 理樹はとても楽しそうに、薄気味悪い話を始める。
 その話の意味をあたしは知っている。あたしはこの異常に精巧な人形の正体に薄々勘付いてはいた。しかし、その考えはあまりに荒唐無稽すぎたから、あたしは自分の頭からその恐ろしい考えを追い出したんだ。それなのに、それなのに。
「何が言いたいんだ、お前……」
 あたしは声が震えないようにするだけで精一杯だった。そんなあたしの声を無視して、理樹は続ける。
「あれの良い所はね、遺体をそのまま、腐らない樹脂製の標本に出来るってことなんだ。だから、標本にした後は保管も簡単だし、いろんな加工も出来るんだ。ほら、コレ見てよ」
 理樹は恭介の人形の袖を捲くってみせる。ちょうど肘の部分が球体関節になっていた。理樹はその関節を無造作に曲げ伸ばしする。それに合わせてきしきしと、関節の動く嫌な音がした。
「こうすれば恭介たちも、色んなポーズを取ることができるでしょ?」
 嬉々として喋り続ける理樹。その様子があまりに幸せそうで。あたしは吐き気を催す。
「ああ、そうそう」
 理樹は恭介の人形から離れると、隣で腕を組んで立っていた来ヶ谷の人形の首筋を優しく撫でた。
「来ヶ谷さんなんて苦労したよ。こんなスタイルしてる人なんて、なかなか居ないし。その上、顔まで同じなんて無理だよ。だからね、来ヶ谷さんには一番手間が掛かったんだ。だけど、その分気に入ってる」
 理樹の指先が、来ヶ谷の人形の首を這う。その首にうっすらと、繋ぎ目のようなものが見えた。繋ぎ目の前後で肌の色が若干異なる。
「ああ……理樹。まさか、まさか」
「アレ? 気が付いた? 鈴、凄いね」
 理樹が嬉しそうに目を丸くした。
「そう、違う人体から出来た部品同士を繋いだんだ。よく気付いたものだと思わない? コロンブスの卵? ちょっと違うかな。でもこれのおかげで、大分早く進める事が出来た。最初はどれくらいかかっちゃうのかなとか、不安に思ってたくらいだったけど」
 来ヶ谷の人形の頬に理樹の手が滑る。人間のように弾力があるけれど、まるで異なる不気味な感触。それがありありと思い浮かぶ。でも、きっと。理樹には違う感触が伝わっているのだろう。あの時一緒に過ごした仲間の肌。もう二度と会えない、あいつらの肌。
「長かったよ。本当に、長かった。もう何年経ったのか分からないくらいに」
 理樹が目を細める。皆の人形を慈しみを湛えた瞳で見つめている。
「やっと、ここまで来た。もうすぐ僕たちはあの頃に帰れるんだ。あの、優しかった時に」
 しばらく恍惚とした表情を浮かべていた理樹が我に返り、あたしの方に振り向く。
「あとは鈴と僕。二人だけだ。僕たちが揃えば、リトルバスターズはまた始められる。そうしたらこれからは、どんな事があっても、僕たちのリトルバスターズは壊れない。ずっとずっと永遠に、僕たちは一緒なんだ」
 あたしはその言葉の意味に、へたり込んでしまう。理樹のあの優しい声、優しい眼差しがどうしようもなく恐ろしかった。
 地面を無様に這いずり回りながら入り口に向かう。理樹はそんなあたしを追うわけでもなく、やはり優しい表情のまま見つめているだけだった。ドアノブに手が掛かる。ここから飛び出したら、とりあえず逃げよう。ここが何処か分からない。けれど、とりあえずこいつから離れられる。
 ――しかしその妄想は、ここから飛び出すことが出来てやっと始まるものだ。そう気付いたのは、ドアノブが動かないことを知ってしまってからのことだった。
 理樹は、あたしが動くのを止めるのを見計らって、ゆっくりとゆっくりと歩き始めた。本当にゆっくりだったのかは定かではない。本当は普通の速さで動いているのかもしれない。これは、そう。事故とかに遭う直前に見る、あの現象かもしれない。こんな状況でこんな変なことを考える自分が腹立たしかった。それならばこいつの手があたしに触れる前にいっそ時間が止まって欲しいのに。これではまるで蛇の生殺しだ。こいつは今どんな顔をしているのだろう。あたしは理樹の顔を見る。その瞬間、血の気が無くなったあたしの顔から更に血の気が失せるような、そんな気がした。ずしりと空気が重い。そう、こいつの表情に、あたしは見覚えがある。
 それは、あの夢の世界の最後の最後。うずくまっていた恭介にその手を差し出したときの、あの表情。優しくて、頼もしくて、儚くて。そんな表情が、今またあたしの目の前にあって。
 その瑞々しい唇がゆっくりと動き出すのを、あたしはただただ眺めるしかなかった。


「さあ。始めようか?」


[No.655] 2010/02/05(Fri) 23:58:00

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