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No.27161に関するツリー
令和の出典と保守派の無知
- もうひとりのガリレオ -
2019/04/02(Tue) 08:59:39
[No.27161]
└
Re: 令和の出典と保守派の無知
- ジマイマ -
2019/04/03(Wed) 14:16:06
[No.27162]
└
Re: 令和の出典と保守派の無知
- もうひとりのガリレオ -
2019/04/03(Wed) 20:09:42
[No.27163]
└
令和の出典に隠された意図
- 重坊 -
2019/04/05(Fri) 14:14:39
[No.27166]
└
Re: 令和の出典に隠された意図
- もうひとりのガリレオ -
2019/04/06(Sat) 08:06:58
[No.27167]
└
Re: 令和の出典と保守派の無知
- 重坊 -
2019/04/05(Fri) 13:38:47
[No.27165]
└
Re: 令和の出典と保守派の無知
- ジマイマ -
2019/04/05(Fri) 08:57:09
[No.27164]
└
Re: 令和の出典と保守派の無知
- もうひとりのガリレオ -
2019/04/06(Sat) 08:13:52
[No.27168]
└
Re: 令和の出典と保守派の無知
- ジマイマ -
2019/04/07(Sun) 10:45:27
[No.27169]
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令和の出典と保守派の無知
(親記事) - もうひとりのガリレオ
゛「令和」に浮かんだ疑問
イチャモンつけるつもりはないが、「令和」という文字を見たとき、ちょっとした疑問が浮かんだので、勉強した。
万葉集の「初春令月、気淑風和」の一節は、支那の詩文集「文選」の「仲春令月、時和気清」と同じであり、安倍首相は国書から採ってきたつもりでも、実は漢書の由来でしたということになる。
平安時代の基礎教養が「文選」だったのだから仕方がない。
万葉集の和歌は「万葉仮名」であり、漢字は当て字で意味はない。
和歌の序文が漢文で書かれており、万葉集の「梅花の歌」の序文は、支那の詩文集「文選」に収録されている詩の一部というわけだ。
そもそも漢字が漢族の文字なのだから、本当に日本に拘るなら、元号をひらがなにしなければならない。
さらに言うなら「令」は王冠の下に人が跪いている図だから、やっぱり君主か支配者の命令の意味である。
君主の命令だから、清らかで美しいという観念に結び付くのだろう。
「令和」を見て、なんとなく冷たい感じがするのはやむを得ないのだ。゛
小林よしのり氏のブログより引用
=============================================================
新元号が令和となることが決まりました。
今この投稿を書いていて少し驚いたのは令和と言う文字がきちんと変換されるんですね。(まぁこの部分はどうでもよい話ですが・・・)
さて、小林よしのり氏のブログにもある通り令和という元号元をたどれば中国の詩文集「文選」の「仲春令月、時和気清」と同じなんですね。
新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」は『文選』の「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五)」を踏まえて書かれたものということになります。
そもそも、元号そものもが中国のものをまねたものであるのに、今回の元号を決めるにあたりその出典をわざわざ日本の古典に求める必然性はなかったのではないかと私は考えますし、後になって万葉集の「初春令月、気淑風和」の一節が出典とした政府の説明に対して、出典元の万葉集の一節が実は『文選』からの引用であり今回の元号は『文選』からの孫引きになるということが判明するというのはなんだか恥ずかしいのではないかとさえ思えてくるのです。
さて、実はこの一連の元号制定の過程にもまたアベの幼児性を見る思いがするのです。
アベは本来する必要のない元号制定に関する記者会見を開き日本の伝統や文化といった保守派が好んで使う言葉を並べ立てて今回の元号が日本の古典からの出典であると強調しました。
しかし、日本の伝統文化を踏まえれば元号は中国古典からの出典を求めて作られた歴史と伝統そして文化があるのです。
アベの頭の中にあるのは現在の中国共産党が支配する中国なのではないかと推察されるものですが、古来よりわが日本は中国大陸を文化の窓口として歴史を紡ぎ発展をしてきたのです。
この観点が欠けると今回のような大騒ぎをしてその後に自分たち(アベをはじめとする保守派)の無知をさらけ出し笑われることとなるのでしょう。
アベや保守派と呼ばれる人物たちが昭和初期から終戦に至るまでの一時期の歴史を無かったことにしたい。また現在の中国を共産主義国として敵視し、そのことによって国民の支持を得たいという願望を持っていることは承知をしていますが、それは日本と中国大陸との長く深い歴史を知らない、知ろうともしないことに由来する向きのなせるもものであり、日本の将来にとって良くないものであることを指摘しておきたいと思います。
[No.27161]
2019/04/02(Tue) 08:59:39
Re: 令和の出典と保守派の無知
(No.27161への返信 / 1階層) - ジマイマ
> 新元号が令和となることが決まりました。
> 今この投稿を書いていて少し驚いたのは令和と言う文字がきちんと変換されるんですね。(まぁこの部分はどうでもよい話ですが・・・)
>
> さて、小林よしのり氏のブログにもある通り令和という元号元をたどれば中国の詩文集「文選」の「仲春令月、時和気清」と同じなんですね。
> 新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」は『文選』の「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五)」を踏まえて書かれたものということになります。
>
> そもそも、元号そものもが中国のものをまねたものであるのに、今回の元号を決めるにあたりその出典をわざわざ日本の古典に求める必然性はなかったのではないかと私は考えますし、後になって万葉集の「初春令月、気淑風和」の一節が出典とした政府の説明に対して、出典元の万葉集の一節が実は『文選』からの引用であり今回の元号は『文選』からの孫引きになるということが判明するというのはなんだか恥ずかしいのではないかとさえ思えてくるのです。
>
> さて、実はこの一連の元号制定の過程にもまたアベの幼児性を見る思いがするのです。
> アベは本来する必要のない元号制定に関する記者会見を開き日本の伝統や文化といった保守派が好んで使う言葉を並べ立てて今回の元号が日本の古典からの出典であると強調しました。
> しかし、日本の伝統文化を踏まえれば元号は中国古典からの出典を求めて作られた歴史と伝統そして文化があるのです。
> アベの頭の中にあるのは現在の中国共産党が支配する中国なのではないかと推察されるものですが、古来よりわが日本は中国大陸を文化の窓口として歴史を紡ぎ発展をしてきたのです。
> この観点が欠けると今回のような大騒ぎをしてその後に自分たち(アベをはじめとする保守派)の無知をさらけ出し笑われることとなるのでしょう。
> アベや保守派と呼ばれる人物たちが昭和初期から終戦に至るまでの一時期の歴史を無かったことにしたい。また現在の中国を共産主義国として敵視し、そのことによって国民の支持を得たいという願望を持っていることは承知をしていますが、それは日本と中国大陸との長く深い歴史を知らない、知ろうともしないことに由来する向きのなせるもものであり、日本の将来にとって良くないものであることを指摘しておきたいと思います。
山崎 雅弘氏のツイッターより
『安倍首相は新元号発表の記者会見で「悠久の歴史と香り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく」と述べたが、この言葉と沖縄で今も冷酷に続けられる土砂投入がどう結びつくのか。全く矛盾しているが、この二つを結びつけて論じるメディアはあるか。』
その日報道は新元号の話題で一色、どの局も総理の映像を繰り返し流していました。アベによって完全にテレビジャックされたってカンジ。
記者会見で新元号についていろいろ説明してたようですが・・「令和」と名付けたアベの内心は「ワタシは今権力の頂点にいる。国民はワタシの命じることに黙って従え」って意味が込められてるんでしょうね。
メディアを黙らせ従えた政権はもう怖いものなしのなんでも有りです。今辺野古で起きてること、これは形を変え国民全体に及んでいるんだということを私たちは強く認識すべきのなのでしょう。
[No.27162]
2019/04/03(Wed) 14:16:06
Re: 令和の出典と保守派の無知
(No.27162への返信 / 2階層) - もうひとりのガリレオ
> 山崎 雅弘氏のツイッターより
> 『安倍首相は新元号発表の記者会見で「悠久の歴史と香り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく」と述べたが、この言葉と沖縄で今も冷酷に続けられる土砂投入がどう結びつくのか。全く矛盾しているが、この二つを結びつけて論じるメディアはあるか。』
>
> その日報道は新元号の話題で一色、どの局も総理の映像を繰り返し流していました。アベによって完全にテレビジャックされたってカンジ。
>
> 記者会見で新元号についていろいろ説明してたようですが・・「令和」と名付けたアベの内心は「ワタシは今権力の頂点にいる。国民はワタシの命じることに黙って従え」って意味が込められてるんでしょうね。
>
> メディアを黙らせ従えた政権はもう怖いものなしのなんでも有りです。今辺野古で起きてること、これは形を変え国民全体に及んでいるんだということを私たちは強く認識すべきのなのでしょう。
アベが今行っていることは現在自分が手にしている政治権力を何としてでも手放さないためにできることは何でもやると言う事なんでしょう。
なぜなら、アベはいったん権力を手放せばモリカケ問題をはじめとする悪行やアベノミクスなるものが単なる幻想であることに日本国民みんな気付く事になるからです。
メディアが政権を忖度しているという由々しき事態が今も進行中である訳ですが、アベ政権に対する風向き・世論が変わればメディアも簡単に方針転換をすることになるでしょう。
そういえば令和という元号をめぐっては海外メディアがこれを<order and peace>(命令と平和)と訳して報道したと言います。
これに対して官邸の石垣友明国際広報室長がメールで、「令和」が<order and peace>(命令と平和)と訳されていることについて、「意図した意味ではない」と反論したと1日付の米紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)が伝えています。
もともと、海外からはアベの国粋主義的なところは警戒されていることもあり、今後日本の政治について海外メディアの目は一層厳しく注目されることになるのではないでしょうか?
年号の制定にあたり、自らのイデオロギー的色彩を出したために、そのことで将来の政治的行動に手かせ足かせをはめられてしまう。
保守派は墓穴を掘ったというところなのでしょう。
[No.27163]
2019/04/03(Wed) 20:09:42
Re: 令和の出典と保守派の無知
(No.27163への返信 / 3階層) - ジマイマ
> アベが今行っていることは現在自分が手にしている政治権力を何としてでも手放さないためにできることは何でもやると言う事なんでしょう。
> なぜなら、アベはいったん権力を手放せばモリカケ問題をはじめとする悪行やアベノミクスなるものが単なる幻想であることに日本国民みんな気付く事になるからです。
> メディアが政権を忖度しているという由々しき事態が今も進行中である訳ですが、アベ政権に対する風向き・世論が変わればメディアも簡単に方針転換をすることになるでしょう。
> そういえば令和という元号をめぐっては海外メディアがこれを<order and peace>(命令と平和)と訳して報道したと言います。
> これに対して官邸の石垣友明国際広報室長がメールで、「令和」が<order and peace>(命令と平和)と訳されていることについて、「意図した意味ではない」と反論したと1日付の米紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)が伝えています。
>
> もともと、海外からはアベの国粋主義的なところは警戒されていることもあり、今後日本の政治について海外メディアの目は一層厳しく注目されることになるのではないでしょうか?
>
> 年号の制定にあたり、自らのイデオロギー的色彩を出したために、そのことで将来の政治的行動に手かせ足かせをはめられてしまう。
>
> 保守派は墓穴を掘ったというところなのでしょう。
海外で<order and peace>(命令と平和)と訳された報道を受け、日本政府は慌てて「令和」の意味するのは、<beautiful harmony>(美しい調和)であると、取って付けたような英訳を発表しました。
ガリレオさんのおっしゃるように海外ではアベが国粋主義的と警戒されている向きもあるようですが・・
TPPや米国との実質FTA、出入国管理法改正、水道法改正、等々、アベ政権の下で強行された数々の政策は、国を疲弊させ自国民を苦しめる悪政に他ならないと思うのです。
平気で自国の富を海外に差し出すような「売国」政策を続けるアベは本当に国粋主義者なのか?、フト疑問に感じているところです。
[No.27164]
2019/04/05(Fri) 08:57:09
Re: 令和の出典と保守派の無知
(No.27163への返信 / 3階層) - 重坊
◆◆◆◆◆◆◆
安倍首相「令和は国書典拠」自慢の間抜け! 大元は中国古典で作者の張衡は安倍政権そっくりの忖度政治を批判
2019.04.03 11:40
新元号発表の“政治パフォーマンス”が成功したとみたか、意気揚々の安倍首相。とりわけ「令和」の出典が『万葉集』だと強調し、「初めて国書を典拠とした」と触れ回っている姿は、この宰相の中身がどれほど阿呆かを満天下に知らしめている。発表当日の1日に生出演した『ニュースウオッチ9』(NHK)ではこう宣った。
「『令和』というのは、いままで中国の漢籍を典拠としたものと違ってですね、自然のひとつの情景が目に浮かびますね。厳しい寒さを越えて花を咲かせた梅の花の状況。それがいままでと違う。そして、その花がそれぞれ咲き誇っていくという印象を受けまして、私としては大変、新鮮で何か明るい時代につながるようなそういう印象を受けました」
「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」って……コレ、ヘイトじみた“日本すごい”言説という批判以前に、めちゃくちゃ頭が悪い発言だろう。そもそも「令和」の二文字の並びだけ見れば情景もクソもないし、政府の説明によれば「令和」は『万葉集』の梅花の歌の序文を典拠としたというが、それだって中国由来の漢文調で書かれたものだ。
しかも、すでに各専門家や多くのメディアも指摘しているように、「令和」にはより古い中国古典からの影響が見てとれる。たとえば岩波書店文庫編集部のTwitterアカウントは1日、その“大元ネタ”についてこう投稿していた。
〈新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」ですが、『文選』の句を踏まえていることが、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』の補注に指摘されています。 「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五」)とある。」〉
張衡(78〜139)は後漢の役人・学者だ。本サイトも確認したが、その張衡が残した「帰田賦」(きでんのふ)は6世紀の『文選』に収録されており、そこにはたしかに「於是仲春令月、時和気清」とある。万葉集の成立は8世紀とされるが、当時は漢文・漢詩の教養が当たり前であり、「帰田賦」を参考にしたのは確定的だろう。
“新元号の大元”である「帰田賦」はこのあと「原隰鬱茂。百草滋榮。王雎鼓翼、倉庚哀鳴…」と続いてゆく。『新釈漢文大系』(81巻、「文選(賦篇)下」明治書院)がつけている通釈はこうだ。
〈さて、仲春の佳い時節ともなれば、気候は穏やか、大気は清々しい。野原や湿原に植物は生い茂り、多くの草が一面に花をつける。ミサゴは羽ばたき、コウライウグイスは悲しげに鳴く…〉
なんのことはない。大元になっている漢籍そのものが、自然の情景を描いているのだ。それを「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」などとのたまうとは……。漢文の教養なんてなにもないくせに、知ったかぶりをして恥をさらす。まったくこの総理大臣は救い難い。
安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢していた!
いや、それだけではない。ネット上ではいま、「令和」の大元が張衡の「帰田賦」であることが確定的になったことから、「張衡の『帰田賦』は安帝の政治腐敗に嫌気がさして田舎に帰ろうとしている役人の心情を綴ったもの」「安の字を持つ帝の腐敗に役人が嫌気をさす、というのは安倍政権で起きている構図そのものじゃないか」といったツッコミを浴びせられている。ようするに、安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢しているというのだ。
本当だとしたら、こんな間抜けな話はないので、本サイトも検証してみた。すると、細部では解釈が間違っているところがあるものの、「帰田賦」の作者である張衡が、権力の腐敗に嫌気がさして田舎に引っ込んだ役人であるのは事実だった。
『後漢書』の「張衡列伝」によれば、張衡は現在の河南省南部に生まれた。年少から文才に秀で、天文、陰陽、暦算などに通じた学者肌の役人となった(実際、科学者としても評価されている)。「才は世に高しと雖も、而れども矯尚の情無し。常に従容として淡静、俗人と交わり接することを好まず」との評に従えば、いつも落ち着きを払い、決しておごることのない人物だったらしい。
だが、張衡の清廉な精神は腐敗した権力によって阻まれてしまう。当時は、宦官勢力が外戚勢力との権力闘争に勝利しており、張衡は皇帝に意見書を提出するなどしてその腐敗した宦官専横の体制を是正しようとした。だが、そうした抵抗は失敗に終わり、張衡は自らの立場を危くしてしまった。
ただし、相手は、ネットで言われているような「安」の字を持つ安帝ではなさそうだ。『後漢書』によれば、張衡は安帝(6代皇帝)のときに都・洛陽に呼ばれて大史令という官僚知識人の地位をあたえられる。順帝(8代皇帝)の頃に再び大史令となる。前述の意見書を上奏した相手は順帝であり、「帰田賦」もその時代に書かれたものだ。
「令和」の大元の作者が「法を遵守する者が災難に遭う」と批判
それはともかく、張衡は実権力者であった宦官勢力に睨らまれ、136年に首都・洛陽から河間(現在の河北省あたり)へ移り行政官を務めた。『後漢書』によれば、2年後に辞職願いを上書するも徴され、再び都の官職に就いたのち引退する。139年、62歳で没。その頃に書かれた隠居の書が「帰田賦」だ。張衡はこのなかでその心情をこう語っている。
〈まことに天道は微かで見定めがたいものである以上、いっそかの漁夫を追って隠棲し、彼の楽しみを見習おうと思う。塵の如き俗界を離れて遠く立ち去り、世間の雑事とは永久に別れることにしよう〉(『新釈漢文体系』通釈より、以下同)
さらに、地方転出の前年にあたる135年に書いた「思玄賦」には、朝廷の腐敗やそれに媚びる役人を厳しく糾弾する記述がある。こちらも『文選』におさめられているので、紹介しよう。
〈世の風俗は次第に変化し、規範に順う正しい行為を消し去ってしまった。ヨモギを大切そうに宝箱にしまうくせに、蘭やヨロイグサは香りが良くないと言う。美女の西施を捨てて愛さず、駿馬に荷車を引かせたりする。邪な行為をするものが志を得て、法を遵守する者が災難に遭うご時世である。天地は無窮で永遠だが、それに比べて人の世は、何と無原則であることか。しかし私は、志を低くして、とりあえず認められようとは思わない。舟無くして黄河を渡ろうとするような状態だ。巧みな笑顔で媚びへつらうようなやり方は、私の願い下げとすることだ。〉
安倍首相のために平気で法や文書をねじ曲げる官僚だけが出世する、いまの安倍政権の姿と重なる。そして、張衡はこの腐敗と忖度にまみれた朝廷で官吏として働くことの苦悩をこう書いている。
〈人々に邪悪な行為が多いのを見るにつけても、自分だけ法に従うことが、かえって身を危うくするのではないかと恐れるのだ。心中にこのような煩悶を重ね、我が心は乱れる。ああ誰に向かって、この思いを告げたらよいのか。〉
これも、良心が残っている官僚たちがいまの安倍政権下で抱えている苦悩そのものだろう。
「令和」考案者・中西進氏は護憲運動にも関わっていた
ようするに、「おれは国書を典拠とする元号をつけた初めての総理だ」と悦に入っている安倍首相だが、実際は、自らの政権とそっくりな不正と忖度官僚の跋扈を嘆いた中国の役人の言葉を元ネタとする元号をつけてしまっていたのである。
そんなところから、この「令和」という元号名が実は「安倍首相への皮肉とを込めて提案されたものではないか」などという憶測までとびかっている。「令和」の考案者が護憲運動にも関わったことのある文学者・中西進氏であったと報じられていることもこの説の拡散に拍車をかけている。
まあ、さすがにそれはありえないだろうが、しかし、今回の新元号制定で改めてはっきりしたことがある。それは、安倍首相が押し出すナショナリズムがいかに浅薄でインチキなシロモノであるか、ということだ。「令和」の大元ネタがどうという以前に、そもそも日本の古典文学は、基本的に中国や朝鮮の影響下でつくられているものであり、いくら「国書典拠」を強調したところで、日本固有の文化、中国排除などできるはずがないのである。それを、皇室の伝統を排して「国書典拠」などというのは、無教養とバカのきわみといっていい。
しかし、そのバカ丸出しのインチキが何の問題にもならずに、正論として通用してしまうのが、いまの日本の状況なのである。
新元号「令和」の大元ネタの作者・張衡の「思玄賦」にはこんな一節がある。
〈折り合わないことなどは、本当の憂いではない。真に悲しいのは、多くの偽りが、真実を覆い隠してしまうことである。〉
(小杉みすず)
■主な参考文献
『新釈漢文大系』81巻(明治書院)
『後漢書』列伝7(岩波書店)
鈴木宗義「張衡「帰田賦」小考」(「国学院中国学会報」2005年12月号所収)
富永一登「張衡の「思玄賦」について」(「大阪教育大学紀要」1986年8月号所収)
◆◆◆◆◆◆◆
[No.27165]
2019/04/05(Fri) 13:38:47
令和の出典に隠された意図
(No.27163への返信 / 3階層) - 重坊
以下、リテラから教えて貰ったことですが
新元号発表の“政治パフォーマンス”が成功したとみたか、意気揚々の安倍首相。とりわけ「令和」の出典が『万葉集』だと強調し、「初めて国書を典拠とした」と触れ回っている姿は、この宰相の中身がどれほど阿呆かを満天下に知らしめている。
「政府の説明によれば「令和」は『万葉集』の梅花の歌の序文を典拠としたというが、それだって中国由来の漢文調で書かれたものだ。
しかも、すでに各専門家や多くのメディアも指摘しているように、「令和」にはより古い中国古典からの影響が見てとれる。たとえば岩波書店文庫編集部のTwitterアカウントは1日、その“大元ネタ”についてこう投稿していた。
〈新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」ですが、『文選』の句を踏まえていることが、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』の補注に指摘されています。 「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五」)とある。」
張衡(78〜139)は、後漢の役人・学者だ。その張衡が残した「帰田賦」(きでんのふ)は6世紀の『文選』に収録されており、そこにはたしかに「於是仲春令月、時和気清」とある。万葉集の成立は8世紀とされるが、当時は漢文・漢詩の教養が当たり前であり、「帰田賦」を参考にしたのは確定的だろう。
なんのことはない。漢文の教養なんてなにもないくせに、知ったかぶりをして恥をさらす。まったくこの総理大臣は救い難い。
安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢していた!
いや、それだけではない。ネット上ではいま、「令和」の大元が張衡の「帰田賦」であることが確定的になったことから、「張衡の『帰田賦』は安帝の政治腐敗に嫌気がさして田舎に帰ろうとしている役人の心情を綴ったもの」「安の字を持つ帝の腐敗に役人が嫌気をさす、というのは安倍政権で起きている構図そのものじゃないか」といったツッコミを浴びせられている。ようするに、安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢しているというのだ。
本当だとしたら、こんな間抜けな話はないので、本サイトも検証してみた。すると、細部では解釈が間違っているところがあるものの、「帰田賦」の作者である張衡が、権力の腐敗に嫌気がさして田舎に引っ込んだ役人であるのは事実だった。
ただし、相手は、ネットで言われているような「安」の字を持つ安帝ではなさそうだ。『後漢書』によれば、張衡は安帝(6代皇帝)のときに都・洛陽に呼ばれて大史令という官僚知識人の地位をあたえられる。順帝(8代皇帝)の頃に再び大史令となる。前述の意見書を上奏した相手は順帝であり、「帰田賦」もその時代に書かれたものだ。
さらに、地方転出の前年にあたる135年に書いた「思玄賦」には、朝廷の腐敗やそれに媚びる役人を厳しく糾弾する記述がある。こちらも『文選』におさめられているので、紹介しよう。
〈邪な行為をするものが志を得て、法を遵守する者が災難に遭うご時世である。天地は無窮で永遠だが、それに比べて人の世は、何と無原則であることか。しかし私は、志を低くして、とりあえず認められようとは思わない。舟無くして黄河を渡ろうとするような状態だ。巧みな笑顔で媚びへつらうようなやり方は、私の願い下げとすることだ。〉
安倍首相のために平気で法や文書をねじ曲げる官僚だけが出世する、いまの安倍政権の姿と重なる。そして、張衡はこの腐敗と忖度にまみれた朝廷で官吏として働くことの苦悩をこう書いている。
〈人々に邪悪な行為が多いのを見るにつけても、自分だけ法に従うことが、かえって身を危うくするのではないかと恐れるのだ。心中にこのような煩悶を重ね、我が心は乱れる。ああ誰に向かって、この思いを告げたらよいのか。〉
これも、良心が残っている官僚たちがいまの安倍政権下で抱えている苦悩そのものだろう。
ようするに、「おれは国書を典拠とする元号をつけた初めての総理だ」と悦に入っている安倍首相だが、実際は、自らの政権とそっくりな不正と忖度官僚の跋扈を嘆いた中国の役人の言葉を元ネタとする元号をつけてしまっていたのである。
そんなところから、この「令和」という元号名が実は「安倍首相への皮肉とを込めて提案されたものではないか」などという憶測までとびかっている。「令和」の考案者が護憲運動にも関わったことのある文学者・中西進氏であったと報じられていることもこの説の拡散に拍車をかけている。
まあ、さすがにそれはありえないだろうが、しかし、今回の新元号制定で改めてはっきりしたことがある。それは、安倍首相が押し出すナショナリズムがいかに浅薄でインチキなシロモノであるか、ということだ。「令和」の大元ネタがどうという以前に、そもそも日本の古典文学は、基本的に中国や朝鮮の影響下でつくられているものであり、いくら「国書典拠」を強調したところで、日本固有の文化、中国排除などできるはずがないのである。それを、皇室の伝統を排して「国書典拠」などというのは、無教養とバカのきわみといっていい。
しかし、そのバカ丸出しのインチキが何の問題にもならずに、正論として通用してしまうのが、いまの日本の状況なのである。
新元号「令和」の大元ネタの作者・張衡の「思玄賦」にはこんな一節がある。
〈折り合わないことなどは、本当の憂いではない。真に悲しいのは、多くの偽りが、真実を覆い隠してしまうことである。〉
ここまで、引用範囲をひろげていいものかどうか、疑問は
あるにせよ、安倍官邸の「令和の解説」よりも、私には納得できるところがある。
そもそも中国の賦詩やには「諷喩」(政治を批判する精神)が
あるのです。国書である「万葉集」などとあさはかな引用をして
見事にやられました。
[No.27166]
2019/04/05(Fri) 14:14:39
Re: 令和の出典に隠された意図
(No.27166への返信 / 4階層) - もうひとりのガリレオ
> ここまで、引用範囲をひろげていいものかどうか、疑問は
> あるにせよ、安倍官邸の「令和の解説」よりも、私には納得できるところがある。
> そもそも中国の賦詩やには「諷喩」(政治を批判する精神)が
> あるのです。国書である「万葉集」などとあさはかな引用をして
> 見事にやられました。
今回の改元騒動は政治戦の色彩も持っているようですね。
巷間言われているように『令和』の考案者が護憲運動にも関わったことのある文学者・中西進氏であるという説に私は肯定的です。
おそらくアベは「安の字入り」の元号案を持って参内を繰り返したはずです。それを東宮が納得しなかったために中西氏に新元号案を練らせた。護憲運動にも関わったことのある文学者・中西進氏が考案する元号案ならば皇室を説得できると考えたのでしょう。
中西氏に対して元号案を考える際のアベからの注文はおそらく一つ。国書を典拠とする元号にしろと言う命に従い中西氏は『令和』元号案を万葉集を典拠として提案したのでしょう。
アベや内閣の面々は教養がないから当然のこととして『万葉集』の梅花の歌の序文を典拠とした令和を元号とすることにGOサインを出し、有識者会議というお飾りの儀式を経て国民への発表となったわけですが、その後ネットを発信源として新元号『令和』に関する謎解きが行われることとなったわけです。
リテラにも書かれているように新元号令和は後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五」に典拠を求めることができ、また張衡が書いた帰田賦は現在の日本の政治状況とよく似た後漢の張衡が権力者に対しての皮肉を込めて書かれたものであり、安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢していたと言うリテラの指摘は全く持ってその通りなんですね。
つまり、今回の改元騒動はアベの無教養と恥知らずを天下に示したことになるのです。
今頃、新元号令和の発案者と東宮はアベの姿を見て腹を抱えて笑っているでしょう。
今回の改元をめぐる政治戦、アベの完敗であります。
[No.27167]
2019/04/06(Sat) 08:06:58
Re: 令和の出典と保守派の無知
(No.27164への返信 / 4階層) - もうひとりのガリレオ
> ガリレオさんのおっしゃるように海外ではアベが国粋主義的と警戒されている向きもあるようですが・・
>
> TPPや米国との実質FTA、出入国管理法改正、水道法改正、等々、アベ政権の下で強行された数々の政策は、国を疲弊させ自国民を苦しめる悪政に他ならないと思うのです。
>
> 平気で自国の富を海外に差し出すような「売国」政策を続けるアベは本当に国粋主義者なのか?、フト疑問に感じているところです。
日本の富を差し出している先はアメリカであり、アメリカの機嫌を損なわなければ日本の内閣総理大臣でいられるとアベは考えているのでしょう。日本の国益よりも自身の保身。爺さんから脈々と引き継がれるDNAのなせる業なのでしょう。
アベは国粋主義者ではありません。
日本会議というカルト集団に担がれた戦前の日本の政治体制を是とするカルト国家主義者だと私は考えます。
[No.27168]
2019/04/06(Sat) 08:13:52
Re: 令和の出典と保守派の無知
(No.27168への返信 / 5階層) - ジマイマ
> 日本の富を差し出している先はアメリカであり、アメリカの機嫌を損なわなければ日本の内閣総理大臣でいられるとアベは考えているのでしょう。日本の国益よりも自身の保身。爺さんから脈々と引き継がれるDNAのなせる業なのでしょう。
> アベは国粋主義者ではありません。
> 日本会議というカルト集団に担がれた戦前の日本の政治体制を是とするカルト国家主義者だと私は考えます。
そのアベの爺さんですが・・、3月8日の参院予算委員会で山本太郎議員は、岸信介が1960年に結んだ新安保条約に伴う日米地位協定の3条1項に密約があった、と。
3条1項では米軍が基地に出入りする上での便宜を図るために、〈施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地、領水及び空間において、(日本国政府は)関係法令の範囲内で必要な措置を執るものとする〉と定めている。
表向きには米国の“治外法権”を認めていないように読めますが、米国が秘密解除した日米密約文書が公表され、岸と米国との間に
「両政府間での事前協議は米国側が実行可能な場合」であり米国の都合次第、米国が協議したくなければ協議しなくて良いという内容の密約があったことが明らかにされた、と。
「お祖父さんが締結した売国条約を見直し破棄する、それがあなたのやるべき仕事だ!」山本太郎議員の訴えにも、用意された答弁書をひたすら読むだけ。
あの爺さんから引き継がれたDNAはどうしようもないと思うのですが、爺さんの代から引き継がれた利権を貪りやりたい放題のアベを私たちの力で権力の頂点から引きずり下すこと、これは不可能なことではありませんね。
[No.27169]
2019/04/07(Sun) 10:45:27
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