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all メタガ トゥーレ革命 前編残務整理 - 納豆弾 - 2016/06/01(Wed) 07:50:08 [No.887]
【 マスターシーンC:アンリ・ベノー・ペタン伯爵/... - 納豆 弾 - 2016/07/09(Sat) 23:38:55 [No.894]
【 マスターシーンB:バフォメット編 】 - 納豆 弾 - 2016/07/09(Sat) 22:41:13 [No.893]
【マスターシーンA:シャルロット・ファン編】 - 納豆 弾 - 2016/06/27(Mon) 23:05:54 [No.889]
【マスターシーン@:☆ド級戦艦マッシリア・会議室】 - 納豆弾 - 2016/06/13(Mon) 22:08:58 [No.888]


【 マスターシーンC:アンリ・ベノー・ペタン伯爵/少将編 】 (No.887 への返信) - 納豆 弾

 【アンリ・ベノー・ペタン伯爵/少将】は、『スター・ドレッドノート級マッシリア』の廊下を進み、ある一室の前で立ち止まった。
 その扉の前には2体のドロイド兵が立っている。アンリは手早く手続きを済ませると、ロックが外され、【レイナ・ヴァルフレア】が軟禁されている部屋へと踏み込んだ。室内は思っていたよりも豪華で、貴族または来賓用の部屋のようであった。

【アンリ伯爵/少将】
「思っていたよりもいい待遇じゃないか、レイナ」

【レイナ】
「アンリさん…」

 レイナは三人掛けの小さなテーブルを前に座っていた。テーブルには手付かずの紅茶が載っている。アンリはレイナの対面に座る。レイナはその様子をじっと見つめていた。

【アンリ伯爵/少将】
「どうした。何か言いたいことがあるんじゃないか?」

【レイナ】
「では、どうしてこんなことを?」

 一応、といった様子でレイナが訊く。アンリは苦笑した。レイナも愚かではない。少なくとも、アンリがこの道を選択する理由がわかる程度には教育したつもりだった。

【アンリ伯爵/少将】
「現状、ラーフに対抗しトゥーレの独立を勝ち得るには第5帝国との同盟以外に現実的な道はない」

【レイナ】
「地球連邦やフォーチュンが第5帝国を早期に撤退させる可能性は?」

【アンリ伯爵/少将】
「地球が初めて経験する星間戦争だ。終結時期は全く予想がつかん。だが、地球にとっては初めてでも、第5帝国はそうではない。第5帝国は星間戦争に慣れている。そして、戦果を上げてきた。対して、地球連邦はすぐ近くのコロニー国家であるヴォルフとの戦争終結に4年もかかったのだ。早期に撤退させることはありえん。最低でも数年はこの状況が続く。であれば、この状況でラーフに対抗できる勢力は第5帝国以外にあるまい」

【レイナ】
「でもそれは、トゥーレの本当の独立ではありません」

【アンリ伯爵/少将】
「そもそもレジスタンスのみによる独立が夢物語となってしまったのだ。背に腹はかえられん」

【レイナ】
「それなら、ラーフの属国のままでいる方がよかったじゃないですか!」

 思わず、レイナが声を僅かに荒げた。すぐに、レイナは小さな声で謝罪する。アンリはそれを受け入れた。

【アンリ伯爵/少将】
「それは我々が負うべき責めだな。我々はトゥーレの民衆に革命という夢を見せてしまった。あの当時は、それでよかったし、成功の目算もあった。だが、状況が変わった。もはや、どのような形であれ革命を成立させることが夢をみせた我々の責任だ。少なくとも、私はそう思い、行動している」

【レイナ】
「しかし、ラーフも、第5帝国も、トゥーレの人々を食い物にしようとしていることは変わりません。本来の目的と手段から逸脱している…!」

【アンリ伯爵/少将】
「違わんよ。私はトゥーレの独立という目的の為にレジスタンスというお前の手段に乗ったにすぎない。目的の為に手段を選択したのだ。その手段を変えただけにすぎない」

【レイナ】
「やっぱり、そこなんですね…私達と、アンリさんが相容れないのは…」

 レイナは諦めたようにうな垂れる。逆にアンリはさっぱりとした表情で…笑みすら浮かべて頷いた。

【アンリ伯爵/少将】
「そうだ。私はトゥーレの独立が成ればそれでいい。あの日、我々貴族が守れなかった祖国。貴族の汚名を注ぎ、それを取り戻せればそれでよいのだ。お前のように、より善きトゥーレを創ることが目的ではない。私は生き残ったトゥーレ貴族としてその役割を果たす」

 アンリは立ち上がると、うな垂れたままのレイナを見下ろし、苦笑を浮かべた。

【アンリ伯爵/少将】
「第3次大戦が始まらなければ、我々は革命を成功させ、お前やディオンらの新しい勢力によって貴族は徐々に力を削がれ、私は独り隠居などしてペタン家の幕を静かに下ろしていたのだろう。そうならなかった事だけは未だに残念に思う。…だが、いまやそれも夢物語だ」

 扉の前で立ち止まり、アンリはレイナを振り返って見た。

【アンリ伯爵/少将】
「お前の処遇はバフォメットが決めることになった。…私はもうこの部屋には来ない。さらばだ、レイナ」

 そう告げると、アンリは、レイナが何か言おうとした気配を感じたが無視して部屋を出た。あの日。ディオンが“反奈落”という旗印の下で新たなトゥーレを目指すと告げられた日。あの日に、アンリは最終的な決断を下した。第5帝国との同盟。そして、コアグニ攻略後の裏切り。
 ディオンのことは信頼しているし、その力も認めている。レイナやあのバシレウス共々、後のトゥーレを支える人物となることは容易に予想できた。
 だが、貴族として自分は汚れすぎていた。ディオンを信頼できず、彼らの進もうとする道を非現実的だと認めることが出来なかった。
 あの日、彼らとの道が分かたれたのだ。

【アンリ伯爵/少将】
「ディオン。もしこの地に戻ってくるというのなら…」

 自らの手で、その意思と力を確かめてやろう。
 そして、弱ければ砕く。
 しかし、もし―。

【アンリ伯爵/少将】
「ふふ――」

 静かに笑うと、アンリは廊下を歩きだした―。


[No.894] 2016/07/09(Sat) 23:38:55

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